埼玉医科大学医学部は、前期と後期の2回にわたって一般選抜が実施される数少ない私立大学医学部です。
再受験を考えている方にとって、受験チャンスが2回あるのは大きなメリットといえます。
しかし、22歳以上の合格者は入学者全体の約9%にとどまり、合格のハードルは決して低くありません。
この記事では、埼玉医科大学医学部の入試制度や偏差値・倍率、科目別対策、6年間の学費と毛呂山での生活環境まで、再受験に必要な情報を整理します。
目次
埼玉医科大学医学部の再受験者が知っておくべき入試の特徴
埼玉医科大学医学部は前期と後期の2回の一般選抜を実施しており、受験チャンスが多い点で再受験者にとって魅力のある大学です。
一方で、入学者の現浪比を見ると現役・1浪が全体の65%以上を占め、22歳以上は約9%と限定的です。
再受験に臨むには、この大学の入試の特徴を正確に把握したうえで、戦略的に準備を進める必要があります。
前期・後期入試の2回の受験チャンス
埼玉医科大学医学部の一般選抜は、前期と後期の2回に分けて実施されます。
前期と後期で1次試験の試験科目・配点は同一で、いずれも数学100点・理科200点・英語100点の計400点満点です。
数学・理科・英語はマークシート方式ですが、同じ1次試験の中で小論文(記述式)も実施されます。
なお、小論文は1次試験の判定には使用されず、2次試験の評価に用いられます。 前期の受験で出題傾向をつかみ、後期に向けて対策を微調整できることは、再受験者にとって大きなメリットです。
前期で不合格だった場合でも後期で再挑戦できるため、1つの大学に対して2回の合格チャンスが得られる構造です。
私立大学医学部の中でも前期・後期を同一の科目・配点で実施する大学は少なく、これは埼玉医科大学の大きな特徴です。
2026年度の入試では、前期の正規合格者は61名、後期は20名でした。
後期は募集枠が少なく倍率も極めて高い水準ですが、前期の結果を踏まえた対策修正が可能な点は再受験者にとってメリットになります。
なお、後期の出願期間は前期の一次合格発表後まで続くため、前期の手応えを見てから後期への出願を判断することも可能です。(出典:埼玉医科大学受験生サイト 一般選抜)
募集要項に基づく出願資格と年齢に関する情報
埼玉医科大学医学部の一般選抜(前期・後期)の募集要項には、年齢に関する上限の記載はありません。
高等学校卒業(見込み)以上であれば、年齢を問わず出願が可能です。
ただし、2026年度の入学者130名のうち22歳以上は8名(6.1%)にとどまっています。
18歳(現役)が37名(28.4%)、19歳(1浪)が57名(43.8%)、20歳(2浪)が19名(14.6%)と、2浪までで全体の約87%を占める構成です。
再受験者が合格を勝ち取るには、一次試験の400点で周囲の現役・1浪生を上回る得点を取ることが必要です。
面接は段階評価のため、一次の学科試験で高得点を確保することが最優先の戦略になります。
なお、男女比は男性48.5%・女性51.5%と女性が多い点も特徴的です。(出典:埼玉医科大学受験生サイト 入試データ )
キャンパスの立地と毛呂山での6年間
埼玉医科大学の毛呂山キャンパスは、埼玉県入間郡毛呂山町に位置しています。
最寄り駅は東武越生線の東毛呂駅で、池袋駅からは東武東上線と越生線を乗り継いで約1時間の距離です。
駅からキャンパスまでは路線バスで約5分、徒歩では約20分かかります。
毛呂山町は人口約3.8万人の静かな環境で、埼玉医科大学病院・国際医療センター・総合医療センターの3病院が地域医療の中核を担っています。
都心と比べて家賃は大幅に安く、ワンルーム・1Kで月3〜5万円程度が相場です。
生活費を抑えながら学業に集中できる環境ですが、大型商業施設は限られるため、日常の買い物には車やバスが必要になる場面もあります。
再受験者は社会人生活から学生生活への切り替えも伴うため、6年間の生活拠点として事前に現地を訪問し、通学路や周辺環境を確認しておくことをおすすめします。
臨床実習では大学病院に加え国際医療センターや総合医療センターでも研修できるため、医師としてのキャリアを見据えた学びの場として評価されています。(出典:埼玉医科大学受験生サイト アクセス )
埼玉医科大学医学部の前期・後期の入試制度と配点

埼玉医科大学医学部の一般選抜は、前期・後期ともに同一の試験科目・配点で実施されます。
全科目マーク式で解答する形式が特徴で、記述式の対策は不要です。
二次試験の小論文と面接は段階評価のため、一次試験の400点満点が合否を大きく左右します。
前期入試の試験科目と配点
2026年度の前期入試の1次試験は、数学・理科(2科目選択)・英語の3教科4科目で400点満点です。
数学・理科・英語はマークシート方式で、同日に記述式の小論文も実施されます。
| 科目 | 配点 | 試験時間 |
| 数学(Ⅰ・Ⅱ・A・B・Ⅲ・C) | 100点 | 50分 |
| 理科(物理・化学・生物から2科目) | 200点 | 90分 |
| 英語 | 100点 | 70分 |
| 小論文(和文・英文(記述式)) | 段階評価 | 60分 |
| 合計 | 400点 | 210分 |
(出典:埼玉医科大学受験生サイト 一般選抜)
特に数学の50分は私立大学医学部の中でも最短レベルです。
時間内に正確に処理する力が合否を分けるため、日頃から制限時間を意識した演習を重ねることが重要です。
2次試験(1次合格者のみ)では面接が実施され、段階評価で2次判定に使用されます。なお、面接票の記入(20分)は判定に使用されません。 小論文は1次試験と同日に実施されますが、評価は2次判定に使用されます。
再受験者は1次試験の学科で確実に得点を積み上げたうえで、小論文と面接の段階評価でマイナス評価を受けない準備が求められます。
後期入試の試験科目と前期との違い
後期入試の試験科目・配点・解答形式は前期と完全に同一です。
数学100点・理科200点・英語100点の400点満点で、全科目マーク式、小論文と面接も同じ形式で実施されます。
前期と後期の違いは試験日程と競争環境にあります。
後期は前期と比べて募集枠が小さく倍率が大幅に上昇しますが、合格最低点は前期より低い傾向にあります。
前期の一次合格発表から後期の試験日まで約2週間あるため、前期で手応えのなかった科目を集中的に補強する時間が確保できます。
再受験者は前期・後期の両方に出願しておくことが重要です。
前期の手応えと自己採点結果を分析して、後期に向けて得点戦略を修正する意識を持ってください。
面接の形式と再受験者が準備すべきこと
2026年度の埼玉医科大学の2次試験(1次試験合格者のみ)では、当日に面接票(20分間)を記入したのち、個人面接が行われます。
面接票の記入内容は判定には使用されませんが、面接本体は段階評価で2次判定に使用されます。
再受験者にとって重要なのは、面接での受け答えの一貫性と論理性です。
「なぜ前の職業(学部)を辞めて医師を目指すのか」「なぜ埼玉医科大学を選んだのか」を論理的に説明できるよう準備しておく必要があります。
経歴と志望動機のつながりを事前に整理し、どのような角度から質問されても一貫した回答ができるよう練習しておくことが大切です。
埼玉医科大学医学部の偏差値・倍率と前期・後期の難易度差
埼玉医科大学医学部の難易度を偏差値と倍率の両面から確認します。
前期と後期では倍率と合格最低点に差があるため、それぞれのデータを正確に把握したうえで受験計画を立てることが重要です。
偏差値データから見る埼玉医科大学医学部の位置づけ
2026年度の偏差値で、埼玉医科大学医学部は62.5に位置しています。
私立大学医学部の中では中堅に分類され、最難関の慶應義塾大学(72.5)や順天堂大学(70.0)と比較すると合格のハードルは相対的に低い水準です。
ただし偏差値62.5は一般大学の上位学部に匹敵する水準で、基礎学力の完成度が問われます。
再受験者は学習のブランクを考慮して、まず基礎力を偏差値60台に安定させることを目標に据え、そこから合格ライン突破に向けた応用力の強化に進む計画が現実的です。
同じ偏差値帯の近隣大学には北里大学(62.5)や聖マリアンナ医科大学(62.5)があり、併願先の候補としても検討できます。
共通テスト利用選抜のボーダー得点率は82%です。
共通テストで高得点を取れる受験生であれば、一般選抜と合わせて合格のチャンスを広げることができます。
ただし共通テスト利用は正規合格が10名程度と枠が狭いため、メインは一般選抜(前期・後期)での受験になります。
前期・後期それぞれの倍率と合格最低点
2026年度の入試実績を前期・後期で比較します。
| 項目 | 前期 | 後期 |
| 志願者数 | 3,442名 | 2,048名 |
| 受験者数 | 3,009名 | 1,721名 |
| 正規合格者数 | 61名 | 20名 |
| 倍率 | 49.3倍 | 86.1倍 |
| 合格最低点 | 272/400点 | 262/400点 |
| 得点率 | 68.0% | 65.5% |
後期は倍率が前期の1.7倍に達しますが、合格最低点は10点低く、得点率にして2.5ポイントの差があります。
後期の受験者層には他大学との併願で疲弊した受験生も含まれるため、万全の準備で臨めば得点率65%台で合格ラインに到達できる可能性があります。
再受験者にとって注目すべきは、前期で272点に届かなかった場合でも、後期まで約3週間の準備期間がある点です。
前期の自己採点で弱点科目を特定し、後期までに重点的に補強する戦略が取れます。
後期は2月後半~3月前半の実施のため、他大学の合否が判明した受験生が流入する一方、モチベーションを維持できずに受験を見送る層も一定数います。
2回の受験機会を最大限に活用する計画を立てることが、埼玉医科大学医学部の合格率を高めるポイントです。
入学者の現浪比で22歳以上が約6%にとどまる厳しい環境だからこそ、前期・後期の両方に向けた準備を妥協なく進めてください。
埼玉医科大学医学部の科目別の時間戦略

2026年度の1次試験は数学・理科(2科目)・英語がマークシート方式で、問題の難易度は標準的ですが試験時間が短い点に注意が必要です。
特に数学の50分は時間配分の練習なしでは対応が難しく、科目ごとの時間戦略が合格を左右します。
数学:私立大学医学部最短レベルの試験時間で問題の取捨選択が合否を分ける
数学は50分100点満点のマークシート方式で、大問数は年度によって変動しますが近年は3〜4題構成が続いています。私立大学医学部の数学試験としては最短レベルの制限時間です。
出題範囲は数学Ⅰ・数学Ⅱ・数学Ⅲ・数学A・数学B(統計的な推測を除く)・数学C(数学的な表現の工夫を除く)の全範囲で、微積分・場合の数・確率・図形絡みの問題が頻出テーマです。
問題の難易度は標準的で基本〜標準レベルが中心ですが、50分という制限時間の中ですべてを解ききるには計算の正確さとスピードの両方が求められます。
試験開始後に大問を一通り確認し、解きやすい問題から着手する戦略が有効です。
過去問演習では「50分以内に何点取れるか」を繰り返しシミュレーションし、時間配分の感覚を身につけてください。
英語と理科2科目:マーク式の特性を活かして得点率を高める
英語は70分で100点満点、理科は90分で200点満点(2科目合計)のマークシート方式です。理科の配点が全体の50%を占めるため、理科で安定して高得点を取ることが合格への近道です。
理科は物理・化学・生物から2科目を選択します。90分で2科目を解くため、1科目あたり45分が目安です。
英語は長文読解中心の構成で、テーマは医学系に限らず理系・文系を含む幅広いジャンルから出題されます。文法問題の迅速な処理能力も必要です。
2026年度の前期1次合格最低点272点を参考にすると、理科で140点以上(得点率70%)、英語と数学で合計140点以上を確保する得点計画が目安となります。
小論文と面接:英文読解力と面接シートの書き方が問われる二次対策
埼玉医科大学の小論文は60分で、和文と英文の課題文を読んで設問に回答する形式です。
2021年度から課題文に英文が加わり、英語力が小論文の評価にも影響するようになりました。
字数は400字程度に加え、英文の和訳が求められるケースもあります。
小論文は段階評価で一次試験の合否には影響しませんが、二次判定に使用されるため、一次で合格ライン付近にいる受験者ほど重要性が高まります。
英文読解力は一次試験の英語対策と並行して鍛えることができるため、英語の学習時に医療系の英文記事にも目を通しておくと効率的です。
面接シートには経歴や志望動機を記入するため、再受験者は「前職を辞めた理由」「医師を目指す動機」「なぜ埼玉医科大学なのか」を論理的に整理しておいてください。
埼玉医科大学医学部の学費

埼玉医科大学医学部の6年間の学費と、毛呂山町での生活にかかる費用を整理します。
私立大学医学部の学費は高額ですが、奨学金制度や特待生制度を活用することで負担を軽減できる場合があります。
6年間の学費総額と奨学金制度
埼玉医科大学医学部の6年間の学費総額は約3,700万円です。
1年次は入学金200万円を含む825万円、2年次以降は年間575万円の納付が必要です。
| 項目 | 金額 |
| 入学金 | 200万円 |
| 授業料(年間) | 275万円 |
| 実験実習費(年間) | 100万円 |
| 施設設備費(年間) | 150万円 |
| 医学教育充実特別学納金(入学時のみ) | 100万円 |
| 教育充実費(2年次以降・年間) | 50万円 |
| 1年次合計 | 825万円 |
| 6年間総額 | 約3,700万円 |
(出典:埼玉医科大学受験生サイト 学費)
私立大学医学部の6年間総額は2,000万円台後半〜4,700万円台と幅がありますが、埼玉医科大学の3,700万円は中〜高程度の水準に位置します。
特待生制度として第1種〜第3種が設けられており、成績優秀者は最高550万円の学費減免を受けることができます。
また、埼玉県地域枠の奨学金は月20万円の貸与で、卒業後9年間の県内勤務により返還が免除される制度です。
再受験者は社会人時代の貯蓄や退職金に加え、日本学生支援機構の奨学金も組み合わせて、6年間の資金計画を入学前に具体的に試算しておくことが重要です。
入学金200万円と医学教育充実特別学納金100万円は初年度のみの費用ですが、入学手続き時に一括納付が必要なため、手元資金の準備を忘れないようにしてください。
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埼玉医科大学医学部の再受験は、数学50分のスピード勝負や小論文の英文読解など、独自の対策が求められます。
これらを効率よく準備するために、医学部受験に特化した学習環境の活用を検討してみてください。
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埼玉医科大学のように前期と後期の2回受験できる大学を志望する場合、前期に照準を合わせた基礎固めから後期に向けた弱点補強まで、長期的な学習計画を組み立てることが可能です。
前期の自己採点結果をもとに、後期までの約3週間で重点的に取り組む内容を講師チームと相談しながら決められる点も強みです。
必要に応じて中学範囲まで戻って固められる
再受験者の中には、高校の学習内容にブランクがある方も少なくありません。
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限られた時間の中で解ききる処理力が求められるため、基礎の定着から応用演習まで段階的に進めるカリキュラムが有効です。
一人ひとりの理解度に合わせた進度で学べるため、ブランクの長さに関わらず着実に学力を積み上げることができます。
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試験当日の移動や宿泊の段取りも含めてサポートを受けられるので、再受験者は学習に専念することができます。
まとめ

この記事では、埼玉医科大学医学部の再受験に必要な情報として、入試制度、偏差値・倍率、科目別の対策方針、学費と毛呂山での生活設計を解説しました。
埼玉医科大学は前期・後期の2回の受験チャンスがあり、試験科目・配点が完全同一のため、前期の経験を後期に活かせる点が再受験者にとっての強みです。
偏差値は62.5で私立大学医学部の中では中堅に位置し、前期の合格最低点は280/400点(得点率70%)、後期は248/400点(得点率62%)です。
再受験で医学部を目指すには、限られた準備期間を最大限に活用する学習計画と、自分の弱点を客観的に把握できる指導環境が重要になります。
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