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【医学部受験】共通テストのボーダーは?足切りで合格を逃すのはもったいない

【医学部受験】共通テストのボーダーは?足切りで合格を逃すのはもったいない

今回は、医学部に合格するために押さえておくべき共通テストに対する考え方がテーマです。

共通テストの重要性

2020年度まで行われていた「大学入学センター試験」に替わって、2021年度は「大学入学共通テスト」という名称に変更となりました。

この項では、大学入学共通テストがなぜ重要なのかを説明していきます。

難関大志望者ほど軽視しがちな共通テスト

医学部を目指して志高く勉強している受験生が、意外と見落としているのが共通テストの重要性

多くの受験生が、自分の志望大学の入試問題ばかり対策しようとして共通テストを軽視してしまっています。

特に何年も受験に成功できず苦しんでいる人ほど難問を極めようとばかり努力しているように見受けられます。

共通テストなくして医学部合格は無謀

まず、みなさんは共通テストに対してどのような印象を抱いていますか。

医学部を目指す自分には、共通テストのようなレベルの低い問題を解くような時間はないと思っていませんか。

あるいは、医学部入試に集まってくるようなレベルの高い受験生たちに勝つためには、難問対策をみっちり行って周囲に差をつけることが大切だと思っていませんか。

もしそのようなことを考えて共通テストを疎かにしているのなら、残念ながら医学部合格は難しいかもしれません。

ここでは医学部合格のために共通テスト対策がいかに有効であるかを理解していきます。

国公立大学は当然共通テスト必須

そもそも国公立大学を受験する方であれば、共通テストは避けて通れません。

そして、共通テストを推すのは必須だからという理由だけではなく、医学部の共通テスト配点にも深い関わりがあります。

国公立大学医学部を志望する多くの受験生は、二次試験で高得点を叩き出さなければ医学部にはまず受からないと思い込んでいるかもしれませんが、それは誤りです。

共通テストの配点が二次試験に匹敵するほど高く設定されている大学も多いため、共通テストできちんと得点しておくことが二次試験の失敗をカバーして最終的にみなさんを助けてくれることにもつながります。

一般的に大学の二次試験というものは、あらゆる学力層が受験する共通テストに比べて難しめの問題が並びます。

言い方を変えると、共通テストは問題の難易度が比較的安定しているのです。

そのため、二次試験で高得点をとるよりも共通テストで点を稼いでおくほうが総合点を安定させやすいのです。

この点に気づき、難しい問題にばかり固執しすぎないことが、医学部合格の第一歩となります。

私立大学医学部の受験にも役立つ

私立大学を目指す方にも共通テストは大切です。

なぜなら、私立大学には共通テスト利用入試が採用されているところも多く、大学ごとの学力試験を受けずとも、面接や小論文の試験だけで合格できる場合があるのです。

共通テストの対策をきちんと行っておくことが、私立大学の受験にも役立つのです。

もちろん共通テスト利用入試はその利便性から毎年多くの受験生が出願しており、その分高得点が求められるため決して簡単な方法ではありませんが、合格のチャンスは少しでも広がる方がいいですよね。

ただし、大学によって必要科目数や配点が異なってきますので、受験の際は事前にしっかりと調べておきましょう。

足切りの危険性

ここまで共通テストのポジティブな側面をピックアップして重要性を述べてきましたが、最後に共通テスト対策を怠ることの致命的なデメリットをお伝えしておきます。

それは共通テストの点数が振るわないことで、志望校へ入試を受けに行くことすらできずに受験を終える可能性が高くなるということです。

実際、このような悲劇に見舞われる受験生は毎年多数見られます。

これでは志望校の試験問題をいくら対策したところで努力は水泡に帰してしまいます。

そのため今医学部を目指して努力されているみなさんには、とにかくまずは足切りを回避し、試験を受けに行けるよう共通テストの準備をきちんと進めてほしいと思います。

医学部志望なら知っておくべき!共通テストのボーダーは?

前章で共通テストの重要性を理解して頂けたところで、みなさんは自分の志望校における共通テストの得点ボーダーはきちんと把握していますか。

ボーダーは大きく分けて2種類あります。

足切りを突破して二次試験へと進むための最低ラインと、最終合格者の得点目安との2種類です。

肝心のボーダーの計算方法ですが、足切りは必ずしも点数で決まるわけではなく、募集人員に対して所定の倍率の受験生のみが二次試験の受験を許されるといった大学が多数を占めます。

すなわち足切りラインはその年の志願者数、定員数によって変わるのです。

配点からみても、医学部受験において共通テストの存在は侮れません。

医学部など難関大学を受験する人に多いのが、共通テストを軽んじて二次試験の対策にばかり時間を費やしてしまうパターンです。

確かに難しい問題を解けないよりも解ける方が有利ではありますが、受験勉強に割くことのできる時間というのは無限にあるでしょうか。

答えはNOだと思います。

それなら他の受験生が確実に得点してくる共通テストの対策の方が優先順位は高くなるでしょう。

とはいえ難しい問題に取り組んでいる瞬間というのは何とも言えない充実感がありますし、解けた際の喜びは快感ともいえるでしょう。

医学部入試にはハイレベルな受験生が集まってくるため、歯応えのある問題に数多く触れることで差をつけようとする人もいます。

しかし、だからこそ多くの受験生が見落としている共通テストレベルの重要性に着目し、共通テストで安定して高得点を取れるようにしておくことが合格への最短ルートとなるのです。

【最新】2021年の医学部入試事情

初の共通テスト実施

なんといっても2021年度入試の最重要ポイントは、センター試験が廃止され初の共通テストが実施された点にあります。

初の共通テスト受験生となったみなさんにとって、不安の大きい入試だったのではないでしょうか。

受験生のみならず、学習指導を行う講師側からみても共通テストの問題は従来のセンター試験に比べてかなり考えさせられる問題が多いとの声が上がっています。

共通テストに変わってボーダーは下がったのか

前評判では、センター試験から共通テストに変わることで平均点は10点程度下がるだろうと言われていましたが、実際にボーダーは下がったのでしょうか。

結果は上位校に関してはほとんど変化なしという結果になりました。

また、前年足切りが実施されなかったからといって今年も足切りが行われないという保証はどこにもありません。

例えば、滋賀医科大学について見てみると、2020年度は足切りがなかったにもかかわらず2021年度は得点率76%で足切りが行われ、一部の受験生は二次試験へと駒を進めることができませんでした。

また私立大学医学部の名門である関西医科大学の共通テスト利用入試に関しては、2021年のボーダー得点率が87%であり、センター試験最後の年であった2020年の88%わずか1%しか変わらないという結果になりました。

医学部を目指す受験生は共通テストがセンター試験よりも多少難しくなっても変わらず高得点をとっていることになります。

すなわち医学部を目指すみなさんにはこれまで通りか、あるいはそれ以上に高いレベルが求められているのです。

つまり、基本問題を確実に解けることは大前提とし、基本的な考え方を使いこなし、かつボリュームのある問題文を読みこなして思考する力が必要となります。

医学部人気は落ち着きを見せている

医学部志願者数は国公立大学で2015年から6年連続で減少しており、私立大学でも2019年以降減少傾向が続いています。

2014年までは定員増加も影響して医学部志願者は増加していましたが、ここ数年は上記の通り落ち着きを見せつつあります。

とはいえ医学部入試は依然として厳しい戦いであることには変わりありません。

まとめ

今回の記事では、医学部受験生が認識しておくべき共通テストの重要性を述べてきました。

まずハイレベルな大学を目指す人に多く誤解されているパターンとして、難問ばかり解いて共通テストのような標準問題を素早く解くことにあまり目がいかない人の特徴について確認しました。

自分自身がこのパターンにはまっていないか、今一度振り返ってみてください。

また、センター試験から共通テストに移行して初めての入試となった2021年の最新情報をもとに、医学部入試における共通テストのボーダーはほぼ共通テストに移行したところで変わらず高い水準が要求されているという結論が得られました 。

みなさんには改めて共通テストの重要性を認識してもらえたのではないかと思います。

医学部受験は確かにハイレベルな受験生が集まるシビアな試験ですが、だからといって難しい問題ばかり解くのはよくありません。

標準的な問題を繰り返し学習し、まずは医学部入試の第一関門である共通テストで最大限のパフォーマンスを発揮することが合格への近道なのです。