医学部受験は、国公立大学、私立大学を問わずどの大学も難関といえます。
医学部を目指す場合、どこを志望校にすればよいでしょうか。
今回の記事では、志望校選びに迷っている方に向けて、大学選びのポイントについて解説します。
志望校選びは将来のことを考えるきっかけになる
医学部合格はゴールではなくスタートライン
医学部は難関であるため、受験生にとっては医学部合格が最大のゴールとなるのも無理はありません。
しかし、本来のゴールは、医師になることです。
つまり、医学部合格は、医師になるためのスタートラインともいえます。
医師になることをゴールとするならば、どこの大学に入学しても医師になれます。
そう考えると、大学選びの幅も広がり、自分が医師になって活躍するという将来を見据えた大学の選び方ができるでしょう。
また、一般的に受験校を決める場合、偏差値を基準にすることが多いですが、医学部の場合は偏差値だけで決めることをおすすめしません。
なぜなら、医学部は大学ごとに入試問題が大きく異なるため、一般的な模試の偏差値と実際の合否が一致しない場合があるためです。
また、医学部の入試は全体的にレベルが高く、どこの大学も簡単に入れるものではありません。
情報収集が肝
医学部の合格をつかむために、情報収集は必須です。
先述の通り、医学部の入試内容は、大学によって大きく異なります。
受験を考えている大学の入試情報は事前に入手しましょう。
とくに受験科目や配点をチェックし、自分が得意な科目の配点が多い大学を選ぶとよいでしょう。
また、大学ごとの独自の出題傾向をつかんでおくことは重要です。
過去問を見て、どのような問題が出題されているのか確かめておきましょう。
最新の受験情報を入手したら、次に重要なのは自分自身の情報収集です。
現実的に医学部合格を考えるためには、自分の現在の実力を把握することが大事です。
模試などを利用し、自分の成績状況を詳細に分析しましょう。
現在の自分の成績状況から、どれくらい勉強をすれば受験する大学に合格できるのかを、しっかり把握して対策することで合格の可能性は高まります。
将来を考えたうえで決める
将来、臨床医または研究医になるのか、もしくは海外医療や産業医を目指すのかといった医師としての働き方で、大学を選ぶ方法もあります。
臨床医は、いわゆる病院やクリニックにいるお医者さんです。
国公立大学医学部と私立大学医学部のどちらを卒業してもなることは可能ですが、とくに私立大学医学部では、臨床医の育成を目的とした大学が多いです。
研究医とは、大学などで医療や医学に関する研究をする医師です。
研究医の育成については、国公立大学医学部の方が昔から力を入れていて、実際に研究費も国公立大学医学部の方が助成金としておりやすいです。
研究医を目指す場合は、国立大学医学部を選んだ方が研究環境は整っているといえます。
地域枠という選択肢も
将来、医師になった時に、働き方がある程度制限されてもいいと思えるならば、地域枠を視野にいれてみるのもよいでしょう。
地域枠とは、地方における医師不足を解消する目的で作られた制度です。
卒後9年間指定の病院で従事するなど規定があるため、倍率が下がりやすい傾向がみられます。
平成30年の法改正により、都道府県知事から大学へ地域枠の設定、拡充の要請がありました。今後、地域枠の定員数は増加する方針となっています。
国公立大学医学部か私立大学医学部か

医学部を目指す場合、国公立大学医学部と私立大学医学部では、偏差値や倍率、学費、受験科目など、多くの点で異なります。
この項では、国公立大学医学部、私立大学医学部それぞれの特徴について解説しています。
自分はどちらの医学部の方が合っているか、受験校選びの参考にしてください。
国公立大学がダメなら私立でも…という考え方はNG
全体的な傾向として、医学部の偏差値は年度を追うごとに上がっています。
とくに、私立大学医学部の偏差値は20年前と比べてかなり上昇しています。
90年代の私立医学部では、偏差値40代でも合格できるところがありましたが、現在では最低62.5の偏差値が必要です。
国公立大学の合格が難しければ私立で、という考え方はもう通用しません。
どこの医学部も難しいのです。
国公立大学医学部入試の特徴
国公立大学医学部の入試では、各大学ともに共通テスト5教科7科目(東京医科歯科大の後期のみ4教科6科目)で高得点がもとめられ、受験生には総合的な学力の高さが必要です。
また、全国からトップクラスの成績の受験生が集い、ハイレベルな戦いとなるのが特徴です。
二次試験では、大学によって入試科目や配点比率が大きく異なります。
各大学の受験科目と配点比率を確認し、自分が得点しやすい科目の配点が大きい大学を選ぶとよいでしょう。
私立大学医学部入試の特徴
私立大学医学部の入試では、受験科目は英語・数学・理科2科目の4科目に、面接・小論文が主流です(帝京大と東海大は3科目)。
国公立大学医学部入試に比べると科目が絞られるため、受験勉強がしやすいことが特徴です。
一方で、私立大学医学部は大学により入試内容や出題傾向が大きく異なります。
入試問題や配点を十分に確認し、自分が点数をとりやすい試験内容の大学を選別することが重要です。
国公立大学医学部は、前期後期でそれぞれ1校ずつしか受験できませんが、私立大学医学部は受験日が異なるため、複数校受験ができます。
合格する確率を高めるために、複数校併願するのが一般的です。
共通テスト利用方式のある私立大学医学部も多くみられます。
国公立大学医学部を受験する場合は、併願を検討してもよいでしょう。
学費の違いで決める
国公立大学医学部の6年間に納める学費はおよそ3,500,000円です。
一方、私立大学医学部の学費は20,000,000円から47,000,000円と幅がありますが、国公立大学医学部と比べると高額な費用がかかります。
経済的な負担を考える場合は、国公立大学を目指した方が安心です。
経済的な負担を減らしながら医学部進学するためには、奨学金や教育ローンを活用する方法もあります。
また、特待生制度を設け、優秀な学生を集めている大学もあります。
たとえば、慶応義塾大学医学部は特待生に選ばれると、年間2,000,000円の奨学金を4年間受けることができます。
大学によって特待生制度の有無や給付額が異なりますので、大学のホームページや募集要項で詳細を確認しましょう。
大学に入ってからの過ごし方で決める
大学に入学してからの6年間にどのようなことを学び、どのような学生生活を送るかも大学選びの基準になります。
次の項では、医学部受験で大学を選ぶ際、在学中に学べることや学生生活のポイントをまとめました。
医科単科大学か総合大学か
医学部を設置している大学には、医科単科大学と総合大学の2つのタイプがあります。
医科単科大学の場合は、早い段階から専門分野や高度な医療分野の学習ができます。
また、総合大学に比べて学生数が少ないことから、アットホームな雰囲気でキャンパスライフが送れるというメリットがあります。
一方、総合大学では一般教養の授業を自由に選択できるため、幅広い知識をつけることができます。
他学部の学生と一緒に授業を受けたり、部活やサークル活動が活発であることが多いことから、学部を超えた交流があるのも魅力です。
留学制度の有無
将来は世界で活躍する医師になりたいと考えている方は、短期留学や海外研修プログラムが充実している大学を選ぶのがよいでしょう。
国際交流に積極的な大学では、在学中のカリキュラムに海外実習が組み込まれていることもあります。
たとえば国際医療福祉大学では、6年次全員が1か月以上の海外臨床実習に参加します。
国際性の高い大学ほど、提携している海外の大学数も短期留学の選択肢も多くあります。
海外の医療現場で学んでみたいという場合は、留学制度があるかどうか、海外研修プログラムがあるかどうかを基準に大学を選んでもよいでしょう。
カリキュラムの違い
自分に合った医学部を選ぶためには、大学ごとにパンフレットを見比べて、教育方針やカリキュラムについて確認しておきましょう。
とくに私立大学医学部では、大学ごとに教育方針や6年間のカリキュラムの内容は大きく異なります。
たとえば、実習の開始年次や実習期間、海外留学制度の有無などに違いがあります。
できるだけ早く専門知識を学びたいという場合には、学年が浅い時期に臨床実習に参加できる大学を基準に選ぶこともできます。
寮生活の有無
大学によっては、寮生活が必須となるところがあります。
自治医科大学や防衛医科大学は6年間全寮制、順天堂大や昭和大など1年次のみ寮制の大学もあります。
寮では、他人との共同生活になりますが、仲間同士で勉強し励まし合う良さもあります。
基本的に食事は提供され、規則や門限もあります。
大学の管轄であるため、寮生活は学生の1人暮らしに比べると安心と感じる保護者の方も多いでしょう。
医学部では、寮を持つ大学が複数校ありますので、受験校を考える際の1つのポイントとして考えてみてもよいでしょう。
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まとめ

医学部の志望校選びに迷っている人に向けて、大学を選ぶポイントについてまとめてきました。
医学部の受験校は、けっして偏差値だけで決めてはいけません。
医学部は大学ごとに入試問題の傾向が大きく異なります。
自分にとって合格可能性が一番高い大学を見極めて出願しましょう。
また、自分がなりたい将来の医師像、在学中に学びたいことや学生生活をイメージして、大学を選ぶ方法もあります。
しかし、受験生の中には「たくさんの大学の情報収集をするのは時間がかかる」「自分1人で志望校を選ぶのは不安だ」と思う人も多いはずです。
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