2025年度入試で導入された大学入学共通テストの新教科「情報Ⅰ」や数学B「統計的な推測」への対応は、2026年度にかけてすでに定着し、各大学の選抜方式そのものを見直す動きへと移っています。
国公立医学部では後期日程を廃止する大学が相次ぎ、私立医学部でも地域枠の拡大・再編や後期日程の縮小が進むなど、新たな過渡期を迎えています。
本記事では、文部科学省と各大学が2026年7月時点で公表している最新情報をもとに、2027年度入試に向けた変更点を国公立・私立別に整理し、受験生が「何を、いつまでに準備すべきか」を具体的に解説します。
目次
国公立医学部の主な入試変更点

2027年度の国公立医学部では新課程への対応が一巡した一方、後期日程を廃止する大学がさらに広がりを見せています。
旭川医科大・山形大・佐賀大などがすでに廃止を決定しており、浮いた定員を前期日程や学校推薦型選抜へ振り分ける動きが続いています。
また、多くの大学で地域枠の拡大傾向が続いており、都道府県との協定に基づく臨時定員増を活用する事例が目立ちます。
面接や小論文の配点を引き上げて人物評価を重視する大学も増えており、早期の対策が合否を分けるポイントです。
山形大学
2026年度から後期日程(医学科)が廃止され、選抜は前期日程(一般枠65名)に一本化されています。
個別学力試験は数学・理科・英語の3教科構成で、2024年度に廃止された国語(現代文)の出題はありません。
出願時、一般枠の追加書類はありませんが、地域枠志願者は「志望の動機」と「誓約書(県内勤務の確約)」が必要です。
前期一本勝負となったことで、面接では山形県の医療課題やチーム医療への理解、地域貢献プランがより深く問われる傾向にあります。
出典:令和9年度入学者選抜要項、Ⅱ 入学定員・募集人員等(PDF)
金沢大学
KUGS(Kanazawa University Global Standard)特別入試の枠組みが継続されており、近隣県との協定に基づく地域枠も実施されます。
総定員112名を維持しつつ、調査書や課外活動を重視する総合型選抜を強化する方針です。
受験生には探究学習やボランティア等の実績をまとめたポートフォリオの提出が求められるため、自身の学びを客観的に示す資料づくりが欠かせません。
出典:【予告】令和9年度入学者選抜試験から一般選抜(前期日程)募集人員の変更及びKUGS特別入試(総合型選抜Ⅱ)を新設、2027年度変更予告PDF
山梨大学
臨時定員増(20名)を維持し、全体で125名の募集を継続する見込みです。
学校推薦型選抜Ⅱ(地域枠)では、全国から幅広く人材を募る方向で募集人員や出願資格の変更が予定されています。
従来の制度から見直しが入るため、最新の募集要項で条件を必ず確認しておきましょう。
なお、数学では引き続き「統計的な推測」が出題範囲に含まれており、応用的な問題演習が効果的です。
出典:募集要項ページ(学校推薦型選抜Ⅱ変更予告あり)、特別選抜(学校推薦型選抜・総合型選抜)
学生募集要項
岐阜大学
2025年度の定員増(110名)の体制を維持して実施される見込みです。
一般選抜では数学B「統計的な推測」が個別試験でも課されるため、共通テストと合わせた二重の対策が必要です。
医療現場での統計活用力を重視する傾向から、医療統計やエビデンスベースの思考法を問う長文問題への対策を早めに進めましょう。
出典:令和9年度入学者選抜に関する要項の公表について、医学部医学科 3つの方針、医学部 入学案内(地域枠情報)
奈良県立医科大学
前期日程では個別筆記試験(数学・英語)を課さず、共通テスト(配点比率約9割)と小論文・面接で選抜する独自スタイルを継続しています。
小論文・面接で適性を欠くと判断された場合、共通テストの得点に関わらず不合格となる点に注意が必要です。
小論文では地域医療や医療倫理に関する課題が頻出するため、自身の考えを論理的に述べる記述力が求められます。
出典:大学トップ(令和9年度医学科入学者選抜要項掲載のお知らせあり)、医学部医学科 入試情報、入試に関するお知らせ
愛媛大学
2027年度入試から、学校推薦型選抜ⅡB(地域特別枠推薦)の募集人員が20名から5名へと大幅に削減されます。
一方で学校推薦型選抜ⅡA(学校推薦)では、卒業後に愛媛県内の医療機関へ3年以上所属することを確約できる者という出願要件が新たに追加されました。
出願条件の大幅な見直しが行われる大学として要注目です。
長崎大学
2027年度入試に向けてさらなる変更が予告されています。
前期日程の面接配点が段階的に引き上げられているほか、「長崎医療枠(学校推薦型選抜ⅡA)」の定員が15名から25名へ拡大され、一般選抜(前期)の定員は10名削減されます。
また、出身校ごとの推薦人数制限が撤廃されるなど大きな動きがあります。
医療倫理や多職種連携への深い理解など、医療人としての資質が一段と厳しく問われる構成です。
出典:入学者選抜要項・学生募集要項ページ、受験生の入試情報サイト(トップ)
宮崎大学
2025年度からの変更で共通テストにおける「情報Ⅰ」の必須化が継続されます。
情報処理やプログラミング的思考に加え、デジタル技術と医療ICTの関係性、情報モラルの基礎知識まで目を通しておくことで周りと差をつけることができます。
出典:宮崎大学 入試情報トップ、学校推薦型選抜・総合型選抜ページ
鹿児島大学
2025年度からの変更で導入された地域枠の面接配点(80点)が2027年度も継続される見込みです。
人物評価が数値として明示される体制が定着しており、多職種連携への理解や地域医療への定着意欲を、定量的なデータや具体的なエピソードとともに語る準備が引き続き重要です。
札幌医科大学
二次試験における面接配点(200点)を高く設定した総合評価が行われます。
総合型選抜(道民枠)の新設や枠組みの再編など、選抜区分の見直しが進みました。
特に地域貢献への具体的な意思や医学的倫理観が厳しく評価されるため、志望理由書のブラッシュアップが重要です。
出典:入学者選抜要項ページ、令和7年度以降の配点予告PDF、一般選抜(前期日程)募集要項ページ
私立大学医学部の入試変更点まとめ

2027年度の私立医学部では、地域枠の対象都道府県拡大や後期日程の縮小・廃止が目立ちます。
また、英検やTOEFLといった英語外部試験のスコアによる加点・筆記試験免除を採用する大学が増えており、高い英語力を持つ受験生には有利な環境です。
学科試験一本での突破が難しくなっているからこそ、面接や小論文などの人物評価対策を並行して進める必要があります。
東京医科大学
CEFR B1相当以上の英語資格スコアを提示することで筆記試験が免除される学校推薦型選抜を実施しています。
地域枠の対象エリアが従来の群馬県に加え、茨城・新潟・埼玉の各県へ拡大されました。
地域医療への貢献意欲を志望理由書や面接で明確にアピールすることが求められます。
出典:医学科 入学試験概要
日本医科大学
前期日程を「グローバル特別選抜」として運用し、共通テストと英語資格スコア、さらに英語面接や課題解決型討論(グループディスカッション)で選抜を行います。
地域枠の対象都道府県も順次拡大されており、国際的視野と地域医療への意欲をあわせ持った人材が求められています。
藤田医科大学
2025年度に共通テスト利用方式の後期募集を廃止し、2026年度入試では一般選抜(後期)および共通テスト利用(後期)を相次いで廃止し、日程の絞り込みを行いました。
「ふじた未来入試(総合型選抜)」では、英語のスピーキング・リスニング能力を面接課題内で直接評価する形式をとっており、実践的な英語コミュニケーション能力対策が欠かせません。
※2027年度学生募集要項の一般入試については10月ごろに公開予定です。
大阪医科薬科大学
2025年度の公募推薦・一般前期入試において追加された「数学C」(ベクトル・複素数平面)の出題範囲が2027年度も継続する見込みです。
旧課程では扱われなかった範囲のため、対策には新課程対応の問題集や難関大学の過去問による演習が引き続き推奨されます。
出典:「至誠仁術」入試ほか募集要項PDF(数学C範囲の明記あり)、令和8年度医学部入学試験結果PDF
※令和9(2027)年度版入試要項は9月中旬頃の掲載を予定しています。
産業医科大学
2027年度も引き続き、共通テストを利用しない独自の選抜方式(※一部方式除く)を継続しています。
一次試験の筆記(英語・理数総合)に加え、二次試験の面接では「産業医への適性」が鋭く問われます。
「情報Ⅰ」を課さない点も特徴であり、大学の設置理念を深く理解した上での対策が有効です。
慶應義塾大学医学部
2025年度の一次試験日程の前倒しにより、国公立大学との併願がしやすいスケジュールとなっています。
また「栃木県地域枠」制度も定着しており、卒業後の指定勤務条件はあるものの、私立最難関で地域医療に携わる大きな選択肢として定着しています。
出典:医学部一般選抜(栃木県地域枠)について、医学部の入試情報、一般選抜 入試制度一覧
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ここではその特徴を3つの視点からご紹介します。
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担当講師が代わっても情報が共有されるため、弱点克服と得点安定化のスピードが落ちません。
個別最適化とチーム連携を両立した濃密な指導が、医学部特有の高得点ゾーンで戦える力を鍛え上げます。
最新情報を即授業へ反映
専任スタッフが国公私立大学の要項改訂を常時モニタリングし、変更点は最長48時間以内に教材へ反映されます。
全員がオーダーメイドカリキュラムで学ぶため、共通テスト対策から個別試験の面接・小論文演習まで、必要な科目を必要な順序と分量で配置できます。
自習時間まで細かく管理される逆算設計により、「今日は何をどこまでやれば合格ラインに届くのか」が常に可視化されるため、学習の迷いを最小化し、努力を得点に直結させる仕組みが機能します。
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学習・生活・健康を三位一体で支えることで、長丁場の医学部受験を最後まで走り切る集中力を維持できます。
まとめ

2025年度の医学部入試は、新課程への完全移行と人物評価強化が同時進行する、かつてない過渡期です。
理数系の新範囲に追いつくだけでなく、面接や小論文で医療人としての資質を示す準備が合格を左右します。
記事全体で整理した通り、早い段階から「教科横断型の学習」と「自己表現のトレーニング」を並行させることが、国公立・私立を問わず合格率を高めるために重要です。
とはいえ、自分の現状がどの大学のどの方式に適しているのかを独学で見極めるのは簡単ではありません。
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