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医学部の共通テスト利用入試について徹底解説!入試科目やメリット・デメリットは?

医学部の共通テスト利用入試について徹底解説!入試科目やメリット・デメリットは?

2021年度から新たに導入された大学入学共通テスト(以下、共通テスト)。

私立大学医学部の受験生の方の中には、一般選抜に加えてこちらの試験を用いた、共通テスト利用入試も使おうという方も多いかと思います。

そこで今回の記事では、共通テスト利用入試のメリット、デメリットなどを紹介していきましょう。

医学部の共通テスト利用入試の基本情報

さっそくですが、私立大学医学部入試における共通テスト利用入試の基本情報について見ていきましょう。

こちらの項では、医学部の共通テスト利用入試に関する概要や、日程などを詳しく解説していきます。

概要

最初に、医学部の共通テスト利用入試の概要について説明していきます。

共通テスト利用入試

そもそも、共通テスト利用入試とは、いったいどのような入試方法なのでしょうか。

共通テスト利用入試とは、その名のとおり共通テストの点数を一次試験の評価点として計上し、合否判定を受ける試験方式です。

一次試験に合格した受験者は二次試験に進み、そしてその試験を通過することで、晴れて医学部生として認定されます。

共通テスト利用入試は、かつては「センター利用方式」という呼ばれ方をしていましたが、センター試験が廃止されたことにともなって、新たに導入されました。

名称こそ違いますが、実質的な方式は変わりませんので、これまでどおりの感覚で受験してください。

共通テスト併用式の場合

共通テスト併用式とは、共通テストのほかにも大学独自の試験が課されるタイプの試験を指します。

共通テストと独自試験の合計点で合否判定をすることもありますが、点数の高かったテスト結果の方を評価材料に用いることもあります。

科目

続いて、共通テスト利用入試で課される科目についても見ていきましょう。

基本的には「英・数・理」の3教科

共通テスト利用入試で受験生に課される科目は、英語と数学、そして理科2科目が主だったものになっています。

これらの3教科は私立大学の併願時にも課されますので、特に力を入れて勉強に励みましょう。

現代文が課される場合も

共通テスト利用入試では、現代文が課される場合もあります

たとえば、愛知医科大学や大阪医科薬科大学、藤田医科大学などの医学部があげられます。

これらの医学部を志望している人は、現代文の学習も忘れずにしておいてください。

日程

次に日程についても見ていきます。

出願のタイミングに関する注意点もあわせて解説していきますので、参考にしてください。

出願のタイミングは共通テストより前

多くの場合、共通テスト利用方式の出願のタイミングは、共通テストよりも前に設定されています。

要するに、共通テストの得点結果がわかる前に、あらかじめ志望校への出願手続きを済ませておかなければならない、というわけです。

こちらの方法では、試験の結果を掴んでから出願するということ自体が難しいうえ、得点が判明した後に中期試験や後期試験が行われることもあり、毎年多くの受験生の悩みのタネとなっています。

共通テストは1月の中旬に行われる

共通テスト利用においても、試験は通常のものと同様、1月中旬に行われます。

日程については、新型コロナウィルス感染拡大の影響で前後する可能性もありますので、随時情報をチェックしておきましょう。

一次試験の合否は2月中旬ごろ、その後二次試験が実施され、合否が決まる

共通テスト利用時の一次試験の合否は概ね2月中旬ころに発表されます。

その後に二次試験が実施され、最終的な合否判定が行われます。

また、後期日程においても共通テスト利用入試を実施する医学部の場合は、2月中旬~3月上旬に試験を実施し、そして3月上旬~中旬に合格発表という運びとなります。

日程については、大学ごとにバラつきがありますので、志望校の入試要項を確認し、適切なスケジュールを立てて試験に臨んでください。

共通テスト利用入試のメリット

さて、ここから先は、共通テスト利用入試のメリットについて確認していきます。

共通テスト利用入試のメリットの中でも、代表的なものを5点取り上げて解説していきますので、ぜひ押さえておいてください。

合格のチャンスが増える

共通テスト利用入試を受けることによるメリットには、合格のチャンスが増えるといったものがあります。

共通テスト利用入試では、同試験の結果で合否判定を受けられますから、併願が可能となり合格の可能性がアップするというわけです。

少ない負担で併願先を増やすことができる

共通テスト利用入試には、低負担で併願先を増やすことができるというメリットもあります。

ここでは、こちらのメリットについて細かく見ていきましょう。

国公立大学志望の場合、共通テストは必須のため、少ない負担で済む

国公立大学の医学部を志望する場合、必然的に共通テストを受けることになります。

みなさんもご存じのとおり、共通テストでは私立大学医学部の試験で出題される英語や数学、理科なども課されます。

つまり、国公立大学のために割いていた勉強時間を、そのまま併願先の私立大学の勉強のリソースとして転用できるというわけです。

このように、国公立大学志望時における、共通テスト利用入試には勉強時間の負担を軽減させるというメリットもあるのです。

私立大学志望でも各大学の過去問対策に時間をかけずに済む

共通テスト利用入試は、国公立大学の医学部を志望する場合だけでなく、私立大学を志望する場合にも大きなメリットを発揮してくれます。

私立大学の入試では医学部ごとに出題傾向が大きく異なる傾向が見られますが、共通テストの学習を進めておくことにより、事前に基本的な学力を身に付けることができます。

基本的な学力が身に付いているのであれば、私立大学ごとの過去問を解く負担も減り合格がグッと近づくはずです。

一般受験に比べて受験費用が安い

共通テスト利用入試には、一般受験と比べて受験費用が安く済むというメリットもあります。

たとえば、獨協大学における共通テスト利用時の検定料は、40,000円で済みますが、一般受験では60,000円もかかります。

他の大学を例にとってみても、帝京大学の共通テスト利用時の検定料が35,000円、一般受験が60,000円と大きな差があるのが見て取れるでしょう。

このように、共通テスト利用入試には、受験費用を抑えられるというメリットもあるのです。

共通テスト利用入試のデメリット

共通テスト利用入試にまつわるメリットを確認したところで、デメリットについても見ていきましょう。

ここでは、共通テスト利用入試時のデメリットを3点ピックアップして解説していきます。

早めに志望校を決めておく必要がある

共通テスト利用入試を受ける際は、早めに志望校を決めておかなければなりません

理由は上でもお話ししたとおり、多くの場合、共通テスト利用入試の結果が判明する前に、志望医学部への出願手続きを済ませておく必要があるからです。

共通テストまで時間があるからといって、志望校選びを後回しにしていては、時間が無くなってから十分な検討をしないままに受験先を決定してしまう事態にもなりかねません。

共通テスト利用入試を受ける際は、志望医学部を早い段階で決めておきましょう。

募集定員が少ないため、厳しい競争となりやすい

共通テスト利用入試では募集人員が、一般受験と比較して少数であることから、厳しい競争になりやすいというデメリットもあります。

たとえば、一般受験であれば多くの医学部が70人~80人前後の募集をしますが、共通テスト利用入試では5人~10人程度のところがほとんどです。

このように、少ない定員に応募者が殺到するわけですから、共通テスト利用入試は競争が激化しやすくなるというわけです。

ただ、医学部の中には、募集定員よりも多くの合格者を出す場合もあります。

競争が激しい共通テスト利用入試ですが、最後まで希望を持ってベストを尽くしましょう。

高い得点率が必要

共通テスト利用入試では、競争が激しいことから高い得点率をマークする必要にも迫られます。

目安としては、最低でも得点率85%を見ておくとよいでしょう。

共通テスト利用入試を導入している大学と受験科目

この項では、共通テスト利用入試を導入している大学と受験科目を一挙にまとました。

2022年度の試験では、英語と数学、理科に加えて国語が課さられる傾向が強くなっています。

また、一部の医学部では、地歴・公民も評価対象となっていることにも注目しておきましょう。

いずれにせよ、5教科をフルで学習する必要のある医学部は小数ですから、苦手科目は避けたいという方には適した受験方法と言えます。

なお、ほとんどの医学部における後期試験では、受験科目を前期と同様に設定していますが、関西医科大学は教科が変更となりますので、注意してください。

また、近畿大学の後期試験の試験も中期試験に準ずるものとなります。

こちらもあわせて確認しておいてください。

▼【2022年度】共通テスト利用入試実施大学・受験科目一覧表

大学名 受験科目(前期) 中期 後期 二次試験※2
国際医療福祉大学 英・数・理・地歴・公民・国 英・小論文・面接
杏林大学 英・数・理 前期に同じ 小論文・面接
獨協医科大学 英・数・理 獨協医科大学
埼玉医科大学 英・数・理・国 小論文・面接
順天堂大学 英・数・理・地歴・公民・国 前期に同じ 小論文・面接
帝京大学 英・数・理・国 小論文・面接
東京医科大学 英・数・理・地歴・公民・国 小論文・面接
東海大学 英・数・理※1 小論文・面接※
愛知医科大学 英・数・理+現代文 面接
藤田医科大学 英・数・理+現代文 前期に同じ 面接・総合問題(総合問題は後期のみ)
大阪医科薬科大学 英・数・理+現代文 小論文・面接
関西医科大学 英・数・理・地歴・公民・国 英・数・理 面接
近畿大学 英・数・理 英・数・理・国 中期に同じ 小論文・面接
産業医科大学 英・数・理・地歴・公民・国 英・数・理・小論文・面接
福岡大学 英・数・理・地歴・公民・国 面接

※1東海大学の選抜方式は神奈川県及び静岡県地域枠選抜
※2二次試験は特段の記載がない限り、前・中・後期ともに共通

共通テスト利用入試を受ける際の注意点

最後に、共通テスト利用入試を受ける際の注意点についても見ていきましょう。

しっかり確認して、受験に生かしてください。

受験科目・配点比率をチェック

共通テスト利用入試では、受験科目と配点比率をきちんとチェックしておきましょう。

受験科目は、先ほども触れたとおり、前期と中期、後期で異なる場合があります。

志望医学部のホームページなどを逐一確認して、備えておいてください。

また、配点比率にも気を配っておく必要があります。

ここでは、一例として東京医科大学と杏林大学を取り上げましょう。

東京医科大学の場合は英語をリーディング150点、リスニング50点で評価しています。

一方で、杏林大学ではどちらも100点ずつの配点となっています。

このように、大学ごとに評価傾向は異なりますので、志望医学部に合致した勉強を心がけてください。

募集人員をチェック

募集人員のチェックも欠かせません。

上でも書いたとおり、共通テスト利用入試では募集人員が一般受験と比べて少なくなるのが一般的です。

医学部によっては、1桁台しか募集しないこともあり得ますし、そうなれば競争の激化は免れません。

ご自身の実力と募集人員の数を照らし合わせて、受験の是非を決定してください。

共通テスト対策もぬかりなく

共通テスト利用入試に挑む人の中には、私立大学の医学部の一般受験も考えている人も多いはずです。

むしろ、私立大学の医学部の方が本命という人も少なくないでしょう。

しかし、いずれの場合も共通テストと対策もぬかりなくしておく必要があります。

なぜなら、私立大学が受かる保証はどこにもありませんし、共通テストの結果次第では上位の国公立医学部へ受かることも考えられるからです。

私立大学の一般受験の勉強と共通テストの勉強を同時進行させるのは、精神的にも肉体的にも非常に辛いと思いますが、合格をより確実にするためにも意欲的に取り組みましょう。

まとめ

2021年度から新たに導入された共通テスト。

そんな共通テストを利用した、医学部への受験方法が共通テスト利用入試です。

こちらの入試方法を利用することで、受験にまつわる負担を軽減させられるとあって、多くの受験生が利用しています。

また、併願受験が許可されていることや受験費用が抑えられるという利点もあって、大変な人気です。

そんな共通テスト利用入試ですが、小数の募集定員に多くの受験生が応募するため激しい争いが繰り広げられています。

そのため、私立大学の受験勉強に加えて、共通テストの勉強も同時進行させる必要があります。

受験生の人の中には、「多くの私立大学では課されない社会や国語の学習は時間を割くのがもったないし、仮に時間を割り振るのであれば、より効率的に学習を進めたい」と考えている人も多いはず。

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