医学部専門予備校 京都医塾 » 医学部受験コラム » 医学部入試の卒業生子女枠推薦とは?科目や実施大学、注意点について解説!

医学部受験コラム

医学部入試の卒業生子女枠推薦とは?科目や実施大学、注意点について解説!

医学部入試の卒業生子女枠推薦とは?科目や実施大学、注意点について解説!

 

医学部の入試には、一般入試やAO入試など色々なものがあります。

その入試方法の中には、卒業生子女枠入試というものも存在します。

卒業生子女枠入試は珍しい入試方法ですから、聞き慣れないという人も多いはずです。

そこで今回の記事では、卒業生子女枠入試について基本情報をまとめるとともに、実施している医学部に関する情報も同時にまとめました。

卒業生子女枠とは?

卒業生子女枠とは、いったいどのようなものなのでしょうか。

先ほどもお話したとおり、まずは卒業生子女枠の基本的な情報について触れていきます。

ここでは、制度の目的や入試時期、定員などについて解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

制度について

卒業生子女枠とは、医学部の子女を対象とした入試制度です。

この「子女」とは、息子や娘のことを指す言葉で、女性だけを対象とした言葉ではありません。

そのため、卒業生子女枠による入試制度を設けている医学部であれば、男性でも女性でも受験にチャレンジする機会が与えられます。

こちらの入試制度は、大学の建学の精神や教育理念に共感し、ぜひ学びたいという高い志を受け継ぐ人を迎え入れるために創設されました。

選抜方法は入試を行う医学部によっても違いがありますが、学力テストや面接、調査書などによって審査がなされます。

入学検定料が必要となりますので、どれくらいの費用がかかるのか事前に確認しておきましょう。

そして、入試の時期については、例年11月ごろに行われるのが一般的です。

また、入試定員については基本的に数名程度となっており、一般入試の定員と比べると非常に少ない人数に設定されています。

大学の入試時期や定員については、記事の後半にて詳細に説明していますので、そちらもご覧ください。

受験できる条件

続いて、卒業生子女枠入試の出願条件についても解説していきましょう。

一般的な卒業生子女枠入試では、医学部の卒業生の2親等以内の親族が、受験を許可されています。

つまり、両親や祖父母が志望医学部の卒業生であれば、子どもに受験資格が与えられるというわけです。

加えて、入学を確約できること、医学部が指定する病院で一定の期間勤務することなどの諸条件が発生する場合もありますので注意してください。

卒業生子女枠の科目

さて、卒業生子女枠入試の概要について解説したところで、試験内容についても見ていきましょう。

基本的には他の推薦入試と一緒

卒業生子女枠入試は、基本的には学力試験と面接を軸に試験が行われます。

この点に関しては、一般的な推薦入試と変わりません。

ただし、大学ごとに試験方法の詳細が異なるケースもありますので、志望校へ問い合わせるなどして事前に把握しておいてください。

自己推薦書や推薦文

先ほどもお話ししたとおり、卒業生子女枠入試は通常の推薦入試と同じ形式を踏まえつつ、受験生の審査が進められます。

そのため、出願に際しては、自己推薦書や推薦文が必要です。

自己推薦書と推薦文の違いは、誰が主体となって作成するかという点にあります。

自己推薦書は、その名のとおり受験生本人が作成する推薦書類です。

この自己推薦書を作る際は、建学の精神や医学部の活動理念の理解度をわかりやすく書いていきましょう。

また、医学部の志望理由や入学後の目標、卒業後の進路についても詳しく書くと、より印象がよくなります。

そして、推薦書は、本人以外の誰かが主体となって作成される推薦書類です。

こちらの書類は、受験生が医師の資質をどれだけ備えているかを、客観的な視点で医学部に伝える目的で作成されます。

なお、卒業生子女枠入試においては、推薦内容に加えて、出願者本人との関係も明確に書き入れる必要があります。

学力試験について

学力試験については、基礎学力テストが課されるケースが多く見られます。

たとえば、英語ではコミュニケーション英語ⅠやⅡが出題されたり、数学では数学Ⅰや数学Aが範囲となります。

共通テストと比較すると出題範囲は狭く、学習内容も易しいものとなりますが、どんなテストであっても油断は禁物です。

予備校などに通い出題傾向を掴むなどして、しっかり試験対策をしておきましょう。

面接

面接では、アドミッションポリシーを基準に評価がなされます。

アドミッションポリシーとは、大学の医学部が公表している入学者の受け入れ方針です。

要するに、受験生が医学部のアドミッションポリシーに則した人材かどうかを面接で判断し、合否の判定をするというわけです。

卒業生子女枠入試の場合は、医学部の伝統を継承してくれる人材や、地域の医療に根差した活動をしてくれるかどうかを見られることが多いので、十分な回答を用意しておきましょう。

なお、このアドミッションポリシーは、卒業生子女枠入試を設けている大学以外にも、数多くの大学で公表されています。

卒業生子女枠入試で志望している医学部のほかにも気になっているところがある場合は、一度チェックしてみることもおすすめします。

医学部で卒業生子女枠を実施する大学

医学部で卒業生子女枠を実施する大学についても、しっかり見ていきましょう。

ここでは、金沢医科大学や東邦大学など、4つの医学部における卒業生子女枠入試について解説していきます。

金沢医科大学

金沢医科大学の卒業生子女枠入試は、2020年から導入されました。

そんな金沢医科大学の2022年度における募集人数は、8名と発表されています。

そして、学力試験では、基礎的な学力を確かめるものが出題されます。

医学をしっかり学べるだけの力があるか推し量るための大事なテストですから、手を抜かずに全力で挑みましょう。

試験に関する詳細は、下記表をご覧ください。

英語 コミュニケーションⅠ・Ⅱ、英語表現Ⅰ
数学 数学Ⅰ、数学A
理科 物理基礎・化学基礎・生物基礎から2科目選択
一般問題 文章理解力、一般常識

なお、出願要件については、

✓金沢医科大学の医学部卒業生の子女であること

✓年齢が25歳以下であること

✓高等学校を卒業、もしくは卒業見込の人間のあること

✓合格時には、必ず入学すると確約できる者

となっています。

それぞれの事項をしっかりチェックして、要件を満たしているか確認しておきましょう。

東邦大学

東邦大学における卒業生子女枠入試は、「同窓生子女枠入試」という名称で制度が運用されています。

同大学での、募集人数は約5名となっています。

選抜方法については、適性試験と基礎学力試験、面接試験、調査書による審査が実施されます。

適性試験においては、将来医師として活動していくために必要な思考力や、判断力を備えているかがチェックされますので、日ごろから素養を磨き自分を高めておきましょう。

基礎学力の試験では、論理的に物事を表現する力や、文章・図表を理解するための科学的判断力が見られます。

また、面接においては、自分の考えを他人に伝えるためのコミュニケーション力、周りと調和できる協調性などを有しているかが確認されます。

さらに、出願要件については、

✓東邦大学医学部の卒業生の血族2親等までの者

✓試験に合格時、入学の確約をできる者

✓併願受験を希望していない者

などと規定されています。

昭和大学

昭和大学における卒業生子女枠入試は、「卒業生推薦入試」という名称で行われます。

こちらの入試方法は、2022年度から新たな試験制度として設けられました。

そんな昭和大学における募集人員は、他の医学部と同程度の5名

そして、選抜時に行われる試験は、学力試験と小論文試験、加えて面接試験の3つです。

学力試験は、基礎学力を有しているか判定するために実施され、科目ごとではなく総合点で評価を行います。

また、小論文では倫理観や科学的な思考力、テーマへの理解度などがチェックされます。

面接試験においては、志望動機や倫理観、コミュニケーション力が判定されますので、日ごろから面接のトレーニングをしておきましょう。

さらに、出願要件については、

✓高等学校もしくは中等教育学校を卒業見込みの者

✓通常の課程による、12年の学校教育を修了見込みの者

✓祖父母もしくは両親のいずれかが昭和大学医学部、歯学部、薬学部、保健医療学部の卒業生である者

✓合格した場合、入学を確約できる者

などとなっています。

昭和大学では、こちらの制度で合格した場合、いかなる理由があっても入学の辞退を認めないとしていますので、受験希望の人はきちんと意思を固めてから出願してください。

日本大学医学部

日本大学医学部における卒業生子女枠入試は、「校友子女選抜」と呼ばれています。

こちらの制度は募集人員が5名で、入試では基礎学力を判定する試験が行われます。

試験科目は下記の表を参考にしてください。

理科 物理・化学・生物の中から2科目選択
英語 コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、英語表現Ⅰ、英語表現Ⅱ
数学 数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学Ⅲ、数学A、数学B(ただし、確率分布と統計的な推測を除く)

こちらの学力試験を通過した後は面接試験が実施されますが、他の医学部と同様、コミュニケーション力に重きをおいてチェックされます。

アドミッションポリシーに則した振る舞いを見せられるよう、訓練に励んでおいてください。

出願資格については、

✓大学入学の資格を有していること

✓日本大学医学部への入学を第一希望とする校友の子女(法定血族を含む2親等内直系血族)である者

となっています。

ちなみに、養子縁組の人でも対象となりますので、受験を希望している人は、詳細を大学に問い合わせてみるとよいでしょう。

卒業生子女枠の注意点

最後に、卒業生子女枠入試にまつわる注意点を見ていきましょう。

注意点の中でも主だったものを、3点取り上げてまとめました。

出願が早いため、準備期間が一般入試より短い

一般的に、卒業生子女枠入試は、出願時期から試験までの期間が短く設定されています。

たとえば、昭和大学の2021年度の試験では出願期間が2021年11月1日〜同年11月12日だったのに対し、試験は同年11月27日に行われました。

また、金沢医科大学においては出願期間が2021年11月3日〜同年11月6日だったのに対し、試験は同年11月13日に実施されています。

このように、出願時期から試験日までの日数が非常に少ないことから、より綿密な対策をしておく必要があるでしょう。

合格したら辞退できない

繰り返し述べますが、卒業生子女枠入試は、合格の辞退ができないというルールのもとで実施されます。

出願の際は、本当に迷いなく入学することができるのか、自分の考えときちんと向き合ってから応募しましょう。

卒業後の勤務地に制限があることも

卒業生子女枠入試では、医学部卒業後の進路が固定されることもあるため注意が必要です。

たとえば、金沢医科大学では卒業後9年間、指定病院における勤務が課されます。

これは、金沢医科大学の求める人材が、地域医療に貢献できる人間と定められているからです。

地域医療のほかにも目指したい進路を持っている人は、熟慮のうえで応募してください。

まとめ

医学部の入試制度には、一般試験や共通テスト利用、推薦入試など色々なものがあります。

その中の一つとして、一部の医学部に設けられているのが、卒業生子女枠入試です。

卒業生子女枠入試は、医学部の卒業生の子女を対象として実施される入試制度で、一般的に2親等以内の親族が受けられます。

大学によっては卒業後に、指定の病院における勤務が義務付けられることもあるため、出願に際しては自分の進路を決定してから応募しましょう。

また、こちらの入試では、学力試験や面接試験が行われるほか、自己推薦書や推薦文の提出が求められます。

学力試験は基礎学力を問うものが出題されますが、油断せずきちんと学習に励みましょう。

そして、面接や自己推薦書は、あなたに与えられた格好のアピールの場です。

志望医学部でぜひ学びたいという情熱を、面接官にこれでもかとぶつけましょう。

あなたの合格を、心から祈っています。