大学に存在する数ある学部の中でも特段の難易度を誇るのが、医学部です。
医学部ではハイレベルな問題を高い精度で解き得点しなければなりませんから、大変な量の学習が必須と言えるでしょう。
しかし、大切なのは試験科目の学習だけではありません。
面接対策もしっかりしておく必要があります。
筆記で一次試験を合格できたとしても、二次試験では面接試験を突破できなければ医学部の門はくぐれません。
そして、面接試験では質問に対する受け答えのほかにも、入退室の仕方や所作といった面接マナーも問われます。
そこで今回の記事では、面接マナー対策を、入退室や所作など色々な視点から解説していきましょう。
目次
受験に面接マナー対策はわざわざ必要なのか
医学部の受験生の人の中には「試験でよい点数が取れれば、面接は低い点数でも受かるはずだ」と考えている人がいるかも知れません。
しかし、面接が原因で不合格になることも多く存在するのも事実です。
したがって、面接対策が非常に重要な意味を持ってくるのです。
面接試験では、面接官から医学部生・医師としての適性を見定めるための質問が投げかけられますが、その受け答えのほかにも、面接マナーも合わせて評価されていると言われています。
一般的な社会常識の有無は、その人の態度などにはっきりとあらわれるため、しっかりチェックされるのです。
そのため、面接マナーが身についていないと、不合格になる恐れがあります。
このように、医学部の試験では、学科試験などの対策だけでなく面接マナーの対策もしっかりしておくことが重要なのです。
医学部面接でのマナーや態度

医学部の面接における面接マナーの重要性については、先ほどお伝えしたとおりです。
こちらの項では、さらに深掘りし、医学部の面接マナーの中でもとくに押さえておきたいポイントを取り上げ解説していきます。
服装
良くも悪くも、人の心証は第一印象によって大きく左右されます。
初対面の人の服装を見て、どのような人物なのか判定した経験はあなたにでもあるはずです。
それは、面接官であっても同じで、彼らもまた受験生の服装を見ておおよその人物像を評価しています。
「面接は中身を評価してもらう試験だ」という意見を持つ方もいるかも知れませんし、ある意味では間違っていないでしょう。
しかし、服装などすぐに準備できる要素をないがしろにしたという事実は、面接官には重く受け止められる可能性もあります。
そうなってしまうと、減点の対象にはなっても、加点の対象にはなりません。
面接マナーを整える基本的な要素の一つとして、服装についても日ごろからしっかり確認しておきましょう。
入退室
入退室の面接マナーにおいて多くの受験生が気にするのが、ノックの回数です。
「ノックは2回が好印象なのか」、「3回だと多すぎないだろうか」と思いを巡らせる受験生は少なくありません。
結論から言うと、ノックの回数は2回でも3回でも、面接マナーとしては間違いではありません。
回数よりも、むしろ叩くときの強さを意識してください。
緊張しすぎて勢いよくノックしてしまうと、乱暴な印象を面接官に与える可能性もあります。
乱暴なノックをしてしまうと面接マナーにおける評価はもちろんのこと、医師としての適性も疑われてしまいます。
面接官に、「現場に出てから患者さんを乱暴に扱わないかな。大丈夫だろうか。」と不安感を与えてしまうと、そのイメージを挽回するのが大変です。
また、入退室の際はドアを開ける、挨拶をする、礼をするといった動きがありますが、こちらの動作は1つずつ行うのが原則です。
1度に2つ以上の動きを同時にしてしまうと、だらしない印象を持たれてしまいますので注意しましょう。
姿勢
背筋を真っすぐに伸ばし、イスに浅く腰掛けるのが基本的な面接時の姿勢です。
背もたれには寄りかからず、頭と首、そして腰まで1本の筋が通っている状態をイメージしていただけると、理解しやすいはずです。
少しの意識と努力で、美しい姿勢は作れます。
そして、美しい姿勢はどんな相手にでも好印象を与えられます。
余談ですが、よい姿勢をキープできるようになれば、医学部の試験勉強の際の疲労感が軽減されるというメリットもあります。
面接マナーの一つとして、日ごろから意識して背筋を伸ばすよう意識しておきましょう。
目線/視線
面接マナーにおける目線、視線はとても大切なポイントとなります。
なぜなら、相手の目を見て情報のやり取りをするというのは、医師として患者と向き合うための基本的な振る舞いだからです。
患者やその家族の顔を満足に見られない医師が、診療の場において信頼を勝ち得るのは困難です。
そのため、面接試験では目線を逸らさずに自分の意見をしっかり伝えられるかが、逐一チェックされています。
もし、どうしても相手の目を見つめるのが苦手という場合は、眉間や面接官のネクタイの結び目あたりを見ながら話すとよいでしょう。
この辺りを見ながら会話をすれば、直接相手の目をみなくとも自然な形で会話を進められます。
声の大きさ/トーン
面接マナーにおいては、声の大きさやトーンも大切です。
人間誰しも緊張が高まると声が上ずって不自然なトーンになったり、思わず早口で喋ってしまうものです。
受験生が面接で緊張してしまうことは面接官も重々承知のうえですが、あまりにもトーンが不自然となると聞き取りにくくなってしまい、面接に支障をきたしてしまいます。
また、早口で喋るのも聞き取りにくくなる原因となり得るでしょう。
面接では、自分がどういった人間なのかを相手に伝える必要がありますが、情報の伝達ができなければあなたの良さを伝えられません。
面接マナーでは、相手に伝わりやすい声の調子を徹底しましょう。
話し方
面接マナーに限ったことではありませんが、人間同士のコミュニケーションでは話し方が非常に重要です。
言葉の端々には、知らずしらずのうちに人間性が滲み出てしまいますから、よく気をつけておく必要があります。
また、「マジ」や「ヤバい」などのいわゆる若者言葉も面接では使用してはいけません。
面接マナーを磨く際は、敬語と謙譲語を日常的に使用するなどして、意識の中に刷り込む努力をしておきましょう。
所作
面接マナーにおける所作とは、主に動作を指します。
たとえば、入室時からイスに座るまでの動きなどです。
礼儀正しい振る舞いができていれば問題はありません。
指を揉んだりする「手遊び」、貧乏ゆすりのクセがある人は要注意です。
高い緊張感から体がムズムズすることもあるかも知れませんが、一時の辛抱です。
面接マナーの一環だと思い、ここは堪えて乗り切りましょう。
こんな人は落とされる可能性が高い?

続いて、面接において落とされる可能性の高い人の特徴を見ていきましょう。
面接マナーに関する基本情報をお伝えしたときにも、面接試験での注意点を解説しましたが、ここではその他の部分にもスポットを当てて解説していきます。
まずは、遅刻についてです。
遅刻は面接のみならず、社会に出てからも許されない失態の一つでしょう。
時間にルーズな人は職場でも信用されませんし、もちろん患者からも印象が悪くなってしまいます。
遅刻を絶対にしないためにも、事前に生活リズムを整えて朝型に頭を切り替えるなどしておきましょう。
次に、態度やマナー、身だしなみについてです。
こちらは先ほども触れましたが、態度やマナーは反復して練習することで正しいものを身につけられます。
個人で練習して上達を確認するのは難しいこともあるので、予備校などで第三者に指導してもらえると心強いはずです。
身だしなみでは、清潔感を第一に意識してください。
シワや汚れを取るのはもちろん、サイズ感もきちんと合っているのかチェックが必要です。
スーツで面接に臨む際は、セミオーダーを新調するのもよいでしょう。
髪型は、短髪が最も清潔感が醸し出せます。
ワックスなどで整えるのが基本ですが、普段から使用していないとセットするまでに時間がかかる可能性もありますから、何度か練習しておいてください。
女性の受験生の場合、メイクはなるべく控えめにして、アクセサリーも身につけずに向かいましょう。
そして、質問の受け答えですが、こちらについても練習あるのみです。
なにも答えられずに沈黙してしまったり、泣いてしまったり、挙動不審になってしまわないよう、何度も訓練を重ねて正しい面接マナーを体に叩き込んでください。
なお、面接時の質問とその回答例については、京都医塾講師<ブログ>医学部受験攻略「面接での危険な回答①~③」でも紹介していますので、合わせて参考にしてください。
医学部受験ならではの質問は準備をしっかり
ここまでは、医学部入試における面接マナーを中心に解説してきましたが、質問に対する回答についてもしっかりとしたものを用意しておかなければなりません。
どんなに清潔感あふれる身だしなみであっても、どんなにハキハキとした口調でも、内容がともなっていないと、よい印象にはつながりにくいと言えるでしょう。
そこで大切なのが、事前に回答の準備をしっかりしておくことです。
ここで言う準備とは、たとえば、ある物事に対して自分なりの意見をしっかり持っておくことなどがあげられます。
クローン問題や感染症対策などは、いきなり意見を求められても答えに困ってしまうと思いますが、前もって自分の考えを整理しておくと理路整然とした回答ができるはずです。
面接に臨む際は、面接マナーを確認するとともに、質問への回答についてもレベルの高いものを用意しておきましょう。
ちなみに、面接における詳しい質問内容や医学部受験の面接試験の概要は、「医学部受験の面接ではどんな質問がされる?合格のポイントを解説!」で紹介していますので、ぜひ閲覧してみてください。
まとめ

医学部の面接対策では、質問への回答方法に目が行きがちです。
しかし、面接官の目は回答以外のところにも向けられています。
すなわち、面接マナーです。
そして、面接マナーとして着目されやすい部分は、服装や入退室の仕方、姿勢、目線、声の大きさなど多岐に渡ります。
回答の内容だけに集中し、目先の評価だけに目を奪われてしまっては、姿勢や声のトーンに配慮が行きわたらず、減点の対象になりかねません。
せっかく面接まで漕ぎつけたのにもかかわらず、面接マナーが原因で落第したのでは目も当てられないでしょう。
しかし、逆に言うと、回答における内容で多少劣っていても、< strong>身だしなみや所作に優れていれば、答えの説得力がアップし勝ち目も出てくるはずです。
胸を張り、自身を持ち、堂々とした振る舞いをしていれば、面接官からも一目置かれる存在となります。
いずれにせよ、面接試験まで登りつめたのであれば、合格成就はすぐ目の前です。
今が一番苦しいときかも知れませんが、悲願達成のその日まで、試験以外には目もくれず最後まで走り切りましょう。

