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【2022年度】医学部の定員について解説!定員は削減される?今後の推移は?

【2022年度】医学部の定員について解説!定員は削減される?今後の推移は?

 

医学部を受験するにあたって、必ず押さえておきたい情報の1つが大学ごとの定員数です。

医学部はただでさえ激しい競争が強いられる狭き門ですから、定員の微細な推移であっても、合否に大きな影響を与えます。

そのため、正しい情報を事前にキャッチして、志望校選びに反映させていく努力が欠かせません。

そこで今回は、医学部受験を検討している人に向けて、医学部の定員について解説していきましょう。

医学部の定員はどのくらい?

医学部 定員

最初に、医学部の定員数について見ていきましょう。

こちらの項では、国公立大学と私立大学の医学部の定員数を、2021年と2022年度、そして2007年度のものに分けて掲載しました。

志望校選びの参考として役立ててください。

国公立医学部の定員数

大学名2021年度2022年度(計画) 2007年度(増員前)
東京大(理科三類)110110100
京都大(医)107107100
東京医科歯科大10510580
大阪大(医)110110100
山梨大(医)《後期のみ》125125100
名古屋大(医)112111100
神戸大(医)117117100
千葉大(医)117117100
九州大(医)110110100
大阪医市立大(医)※959580
横浜市立大(医)909060
東北大(医)116116100
京都府立医科大(医)107107100
奈良県立医科大(医)11411495
宮崎大(医)110100100
弘前大(医)132132100
岡山大(医)117117100
北海道大(医)112112100
筑波大(医)139139100
名古屋市立大(医)979780
広島大(医)118118100
新潟大(医)132133100
金沢大(医)117117100
滋賀医科大(医)110110100
浜松医科大(医)120120100
三重大(医)125125100
岐阜大(医)11011080
和歌山県立医科大(医)10010060
熊本大(医)110110100
福井大(医)115115100
群馬大(医)123123100
島根大(医)11211295
信州大(医)120120100
山口大(医)11711795
愛媛大(医)11511595
旭川医科大(医)105105100
長崎大(医)125125100
琉球大(医)117117100
鹿児島大(医)12012095
佐賀大(医)10310395
大分大(医)11011095
徳島大(医)11411495
高知大(医)11511595
鳥取大(医)10910980
香川大(医)11411495
富山大(医)11011095
秋田大(医)129129100
福島県立医科大(医)13013080
山形大(医)113113100
札幌医科大(医)110110100

2021年と2022年度における国公立大学の医学部の定員数は、ほぼ横ばいとなりました。

新潟大学で1人増に転じていますが、その一方で名古屋大学では1人減となっているため、個別での増減が少々あったとしても、全体としてはほぼ同じ定員数で推移するものと考えてもよいでしょう。

しかしながら、2007年度との比較では、全ての大学が大きく定員数を増加させていることがわかります。

特に、福島県立医科大学の増員数は50人と驚異的な数字となっています。

私立医学部の定員数

大学名2001年度2022年度(計画)2007年度(増員前)
慶応義塾大学(医学部)110110100
順天堂大(医)13613890
東京慈恵会医科大(医)110105100
日本医科大(医)126123100
産業医科大(医)10510595
昭和大(医)※116128110
東邦大(医)115120100
東京医科大(医)※119121100
日本大(医)120125100
自治医科大(医)123123100
大阪医科薬科大(医)112112100
関西医科大(医)127127100
東北医科薬科大(医)100100
杏林大(医)11511790
帝京大(医)116116100
東京女子医科大(医)110110100
聖マリアンナ医科大(医)115115100
東海大(医)118118100
国際医療福祉大学(医)140140
藤田医科大(医)120120100
愛知医科大(医)115115100
金沢医科大(医)108111100
岩手医科大(医)13013080
近畿大(医)11211295
兵庫医科大(医)112112100
久留米大(医)115115100
福岡大(医)110110100
北里大(医)118120100
埼玉医科大(医)130130100
獨協医科(医)120120100
川崎医科大(医)124126100

続いて、私立大学医学部の定員数についても解説していきましょう。

2022年度における私立大学医学部の定員数は、前年度と比べて増員傾向にあることが見てとれます。

日本医科大学では減員されていますが、昭和大学の12人増を皮切りに日本大学、杏林大学、金沢医科大学、北里大学、川崎医科大学など多くの医学部で定員が増やされています。

また、2007年度との定員数の比較でも、国公立大学の医学部と同様、大幅に定員が増えていることが確認できるでしょう。

医学部の定員の推移

医学部 定員

さて、2022年度の医学部の定員について確認したところで、定員数の推移についても解説していきましょう。

医師不足問題などを引き合いに出しつつ詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

医師不足問題

医学部の定員数の推移を考えるうえで、切っても切り離せないのが医師不足の問題です。

高齢化が進む現代社会において、医師の需要は年々高まりを見せています。

特に2012年を契機に、いわゆる「団塊の世代」が65歳以上の高齢者となったことで、より一層、医療の拡充が叫ばれるようになりました。

こちらの世代は日本における世代別人口比でも、とりわけ大きなウェイトを占めており、彼らの高齢化および健康状況の変化は、国の医療・福祉体制へ大きな影響を与えます。

内閣府の推定によると、2025年には、75歳以上の団塊の世代が3,657万人になると予想されていることからも、高齢化の深刻さが伺えるはずです。

こういった事態に対処するためにも、我が国では医学部の定員を増やすなどして、医師不足回避のための対策を練っているというわけです。

また、医師が偏在化していることも大きな問題となっています。

関東や関西といったエリアでは医師数が多く、比較的充実した医療体制が敷かれているものの、地方の状況を鑑みるに慢性的な医師不足にあえいでいる自治体も少なくありません。

詳しくは後述しますが、地方医療を発展させるための取り組みとして定員に特別枠を設ける試みも行われています。

医学部定員の推移

医師不足が逼迫した状況であることは、先ほども述べたとおりです。

高齢化と医師の偏在化が同時進行するなかで、これらの問題を解消するため、医学部の定員を段階的に引き上げる施策が取られてきました。

象徴的なのは、2008年度からスタートした、地域枠や地元枠を設定した定員数拡大施策です。

こちらの施策は、医学部が所在する地域の出身者や縁故者を対象に定員を優先して開放する制度で、現場で活躍する医師の増員と地方の医師不足の両方の解決を目的としています。

地域枠制度について

医師不足を解消するための施策の一環として、地位枠制度が設けられていることは前述のとおりです。

ここでは、そんな地域枠制度について深掘りして解説していきましょう。

医師の偏在を解消するために作られた制度

上でも軽く触れたとおり、地域枠制度とは医師の偏在を解消するための精度として設けられました。

地元出身者などを優先的に登用し、地域医療を支える人材を生み出そうというわけです。

こちらの制度は2008年度から導入されましたが、定員数は順調に増加し2020年度では全国で約1,600人にまで拡大しています。

この地域枠の定員数は年度を追うごとに段階的に増加しており、2023年度以降も地方医師の養成状況を鑑みつつ、定数を維持・拡大する見込みとなっています。

卒業後に原則9年間指定の病院で勤務する

地域枠で医学部に入学した学生には、卒業後に指定の病院で原則9年間勤務する義務が課せられます。

この9年間の義務を放棄する場合、奨学金を返還しなければなりません。

病気や親の介護など、やむを得ない事情がある場合に限り、一時的に現場を離れることが許可されますが、治療や用務が済んだ後は再び指定の病院での勤務に従事する必要があります。

そのため、人によっては将来のキャリア形成に大きな影響を与える可能性もあるでしょう。

奨学金が給付され、学費の負担が少なくなることが多い

地域枠入学では奨学金が給付されるケースが多いため、学費の負担が少なくなるというメリットがあります。

金額は医学部によってバラつきがありますが、が見込めるでしょう。

医学部を受験する人たちの中には、学費で頭を悩ませている人も少なくないはずですが、これらの制度を活用することによって、負担を軽減させることができます。

上手に利用して、充実したキャンパスライフに活かしてください。

今後どうなる?医学部の定員の変化

医学部 定員

医学部の定員数の変化は、今後いったいどうなるのでしょうか。

こちらの項では、医学部の定員数の展望について探っていきましょう。

今後は段階的に削減される見込み

今後の医学部の定員の増減についてですが、結論から言いますと、そう遠くない将来、段階的に削減される見通しとなっています。

理由については、一般枠と地域枠との兼ね合いや医師数の需給の均衡などがあげられます。

地域枠の定員は増枠

段階的な削減をする方向に舵を切っている地域枠の定員数ですが、厚生労働省が発表している「令和4年度以降の医学部定員と地域枠について」によると、「より多くの地域枠を継続的に設定することが望ましい」とされていることから、今後も増員が期待できるでしょう。

マクロ需給推計によると、将来的には医師が過剰配置になるものと推計されていますが、医師の地域定着率を鑑みるに、地域枠を維持した方がよいとの意見が交わされています。

地域医療に興味、関心のある人には朗報と言えるでしょう。

一般枠の定員削減により受験競争が厳しくなる可能性も

地域枠が優遇される一方で、一般枠については定員数削減が危惧されているのが現状です。

医師需給分科会が行った調査によると、2029年~2032年頃を境に医師の需給バランスが崩れ、医師が過剰になると予想されています。

医師数の過剰は、医師の生活基盤を脅かす危険性がある他、医療費の高騰を招くとして同分科会では医師数の抑制をするよう促しています。

診療科指定の地域枠が導入か

2023年度の医学部入試では、新たな動きも見られています。

それは、診療科指定の地域枠の導入です。

こちらの制度では、従来設けられていた歯学部の振り分け枠が撤廃され、新たに医学部へ人員が設定されます。

これまで歯学部希望者しか受け入れられなかった枠へ人材を迎え入れられるようになったことで、全国で40名以上もの医学部の定員が新たに生まれました。

2022年度は医学部の定員が一部増枠予定

文部科学省は、2022年度における医学部の入学定員を9,374人にするとしています。

この数字は前年度よりも17人上回るものとなっており、順天堂大学や岩手医科大学を始めとする多くの大学が、定員数増加のために動いています。

地域枠の増員による影響もありますが、いずれにせよ受験生の方々には追い風と言えるでしょう。

しかし、2023年度以降においては、定員数削減の意向が少なからず働く可能性も考えられており、受験競争が厳しくなるという見立ても散見されています。

まとめ

医学部 定員

医学部の受験に際して、必ず確認しておきたいのが定員数の増減です。

定員数は志望校選びの指針となりますから、ぜひとも参考としたいところでしょう。

この医学部の定員数ですが、地方などにおける医師不足が叫ばれてからは順次、拡大されてきました。

ところが、近年になると医師の過剰増員が予想されるようになり、これまでの方針が見直されるようになってきています。

医師需給分科会の提言の中でも、遠くない将来、医師の増員を抑制していく必要に迫られるという趣旨の発言が見られることから、医学部の門は先細りとなってしまう可能性が高いでしょう。

医師を志すのであれば、少しでも多くの定員数が確保されているうちに合格を決める必要が出てきました。

そのため、「来年もチャンスがあるはずだ」などと悠長なことを言ってはいられない状況になっています。

予備校などのしっかりとした教育施設へ通い、実力を養う努力がより一層問われるようになるでしょう。

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