私立大学医学部の学費は非常に高額で、6年間で数千万円に達する場合もあります。
もし学費が払えなくなったら、大学からの督促や延滞金の発生、授業の履修や試験受験の制限、最悪の場合は休学や退学処分につながる可能性もあります。
この記事では、私立大学医学部の学費が払えないときに起こり得る事態とその対策を解説します。
また、6年間で必要な学費の目安や初年度にかかる費用、教材費や実習費など追加負担について整理するとともに、学費を準備・工面する方法を詳しく紹介します。
奨学金や教育ローン、大学の延納・分納制度、学費の比較的低い大学の選択や特待生・授業料減免制度の活用など、学費対策のポイントを網羅しました。
万一支払いが困難になった場合に取るべき行動や相談先、進学継続か退学・再受験かの判断まで、将来の夢を諦めないための知識と対策をお届けします。
目次
私立大学医学部の学費を払えないとどうなる?

大学からの督促と延滞への対応
私立大学医学部で学費の支払いが滞ると、大学からまず授業料納付の督促が行われます。
多くの大学では所定の期限までに学費を納入しない場合、延滞として注意喚起の通知や再度の振込用紙送付などが行われます。
延滞が長引くと、一部の大学では遅延期間に応じた延滞金(ペナルティ)が課されることもあります。
履修や試験への影響
学費の未納は学業面にも直接的な影響を及ぼします。
多くの大学では、学費を所定の期限までに納入しない場合、履修登録や定期試験の受験資格に制限がかかる決まりになっています。
つまり、学費を滞納していると期末試験を受けられなかったり、成績評価を得られなかったりと、進級や卒業に支障が出る恐れがあるのです。
また、試験だけでなく、実習への参加や施設利用を制限される場合もあります。
実験実習や臨床実習は医学部教育の重要な要素ですが、学費未納の状態が続くと「実習に参加できない」「実験室への立ち入りを認めない」といった措置を取る大学も存在します。
長期未納による休学・退学のリスク
学費の支払いが長期間にわたり滞ると、最終的には休学や退学(除籍)といった深刻な処分に至る可能性があります。
多くの大学で、一定の猶予期間を過ぎても学費が納入されない場合は、在籍を認めない措置(除籍処分)が規定されています。
私立大学医学部の学費はいくらかかる?
6年間で必要となる学費総額の目安
私立大学医学部の6年間の学費総額は大学によって大きな差がありますが、おおむね約2,000万~4,500万円程度とされています。
国公立大学医学部(6年間で約350万~400万円)と比べると、私立大学医学部の学費は文字通り桁違いに高額です。
平均的な私立大学医学部の6年総額は約3,000万円前後と見られていますが、志望校によって負担額は大きく異なります。
そのため、入学前に各大学の学費一覧を確認し、自分が卒業までに必要となる学費の総額を把握しておくことが重要です。
大学によっては寄付金や後援会費等が別途必要な場合もあるため、それらも含めたトータルの費用を見積もりましょう。
初年度納入金と入学金の特徴
私立大学医学部では入学初年度にかかる費用(初年度納入金)が特に高額になる傾向があります。
初年度は入学金に加えて1年目の授業料、施設設備費、実験実習費などをまとめて支払う必要があるため、他の学年と比べて出費が突出します。
文部科学省の調査によると、私立大学医学部の平均的な初年度納入金は約700万円を超える水準となっています。(出典:文部科学省)
教材費や実習費など追加負担の実態
私立大学医学部では、授業料以外にも、教科書代・参考書代、白衣や聴診器などの実習用器具費など、追加の費用がかかります。
代表的なものが教科書代や参考書代、白衣や聴診器などの実習用器具の購入費です。
医学書は1冊あたり数千円から数万円する専門書があり、6年間の在学中に揃える教科書・参考書類の費用は総額で数十万円に上ることも珍しくありません。
自治医科大学の公開情報によれば、医学科学生が1年次に教科書購入に約7.5万円、2年次に約6万円、3年次には約13万円、6年次には国家試験対策等で約16万円を費やす例が示されています。(出典:自治医科大学)
これらを合計すると教材費だけで40万円以上になる計算です。
また、解剖学実習や臨床実習に必要な個人用の器具類(聴診器・解剖用具など)や実習先への交通費、模擬試験や国家試験対策講座の費用なども発生します。
私立大学医学部の学費を準備する方法

貯蓄や親の収入による支払い
私立大学医学部の学費を賄う代表的な方法の一つは、家庭の貯蓄や保護者の収入から直接支払うことです。
特に高所得の世帯では、あらかじめ教育費として数千万円単位の貯蓄を用意し、お子さんの医学部進学に備えているケースもあります。
学資保険や積立を長年コツコツと行い、18歳時点でまとまった額を準備する家庭も少なくありません。
明治安田生命の調査によれば、大学生の保護者の半数近くが何らかの奨学金制度を利用しているものの、裏を返せば残りの約半数は自己資金のみで学費を賄っていることになります。
教育ローンや国の制度の活用
学費を賄う方法として、多くの家庭が教育ローンを利用しています。
代表的なものに、日本政策金融公庫の「国の教育ローン」(教育一般貸付)があります。
国の教育ローンは政府系の低利融資制度で、学生1人につき上限350万円(特定の条件を満たす場合は上限450万円)まで借入可能です。(出典:日本政策金融公庫)
一方、銀行など民間金融機関の教育ローンは審査基準が家庭の収入等によって厳しめな反面、融資限度額が高い商品が多いのが特徴です。
例えば地方銀行の中には医学部専用の教育ローンを設け、融資枠を3,000万円まで用意しているケースもあります。
奨学金や地域医療枠の利用
学費負担を軽減するために奨学金制度を利用する方法もあります。
日本学生支援機構(JASSO)の奨学金は、多くの大学生が利用している代表的な制度です。
JASSOには返済が不要な給付型奨学金と、卒業後に返還が必要な貸与型奨学金があります。
医学部生の場合、特に貸与型(第二種奨学金)の利用が一般的で、私立大学医学部では特例として月額12万円に加えて4万円を増額し、最大月16万円の貸与を受けることも可能です。(出典:日本学生支援機構)
大学の分納・延納制度
私立大学医学部では、経済的理由がある学生に対し授業料の分納や延納を認める制度を設けている場合があります。
分納とは学費を複数回に分けて納入すること、延納とは納入期限を延ばして後日支払うことを指します。
各大学によって条件や手続き方法は異なりますが、共通して言えるのは「事前に大学への申請が必要」という点です。
学費が低めの私立大学を選ぶ工夫
私立大学医学部の学費は大学によって大きな差があります。
例えば、関西医科大学は6年間で約2,100万円と、比較的学費が低めの水準を公表しています。
一方で、川崎医科大学は約4,550万円と高額な水準に位置しています。
経済的理由で進学を断念しないためには、学費の安い大学や特別な修学資金制度を持つ大学を志望候補に加えることが現実的な対策です。
特待生制度・減免制度の確認
私立大学医学部には、成績優秀者や家計困難者に向けた特待生制度や授業料減免制度が用意されています。
例えば、慶應義塾大学医学部では「学問のすゝめ奨学金」として特に優秀な新入生に奨学金を給付しています。
日本大学医学部では、家計急変時に「教育充実料減免制度」を設け、所定の額を免除する仕組みがあります。
このように大学ごとに名称や内容は異なりますが、特待・減免・給付奨学金の情報は募集要項や公式サイトに掲載されます。
志望校の制度を事前に確認し、利用できる制度を最大限に活用しましょう。
学費を払えないときにできること

納付期限前に大学へ相談
学費納入が困難な場合、必ず納付期限前に大学へ相談することが重要です。
多くの大学では「延納願」や「分納願」を提出すれば、事情によって支払い猶予を認めています。
延納・分納の申請手順
延納・分納を希望する場合は、大学所定の願書を期限前に提出し、収入証明や理由書を添付する必要があります。
提出し、やむを得ない事情と認められた場合に限り認可されます。
認可後は通知された新たな納付期限を厳守する必要があり、最終的に支払いができなければ除籍対象となる点に注意が必要です。
借入や返済計画の立て直し
家計急変時には、日本学生支援機構(JASSO)の緊急採用・応急採用制度を利用できます。
例えば、保護者の失職や災害による急な減収があれば年間を通じて申請可能で、発生から3か月以内に学校を通じて申し込む必要があります。
また、すでに奨学金を返還中の場合は、所得基準に応じた返還期限猶予制度を利用することも可能です。
民間教育ローンでは、据置や返済期間延長により月々の返済を軽減できる場合があります。
続けるか退学・再受験かの判断
経済的に継続困難な場合、休学制度を利用し資金を準備する道もあります。
休学中は授業料が一部免除される大学もあり、最長1~2年の猶予を得られることがあります。
退学に至る場合は注意が必要です。
JASSO奨学金利用者が退学した場合、貸与終了月の翌月から数えて7か月目に返還が開始されます。
再受験で国公立大学に進学すれば学費負担を大幅に減らせますが、合格保証はなく年齢的リスクもあります。
最終判断は「医師になる意思」「家計状況」「家族の同意」を総合的に踏まえたうえで行う必要があります。
本気で医学部合格を目指すなら医学部専門予備校 京都医塾
私立大学医学部の学費は高額であり、1年でも早く合格を勝ち取ることが何よりも大切です。
医学部専門予備校 京都医塾では、一人ひとりに合わせたカリキュラムと徹底したサポートで、合格を目指せる体制を整えています。
個別最適化で無駄を省いたカリキュラム
医学部専門予備校 京都医塾では、生徒ごとの学力・弱点に合わせて完全オーダーメイドのカリキュラムを設計しています。
科目ごとの細分化されたクラスに加え、必要に応じて個別指導を組み合わせることで、学力を効率的に伸ばせます。
さらに、カウンセリングで進捗を確認し、状況に応じてカリキュラムを柔軟に修正しています。
こうした無駄のない設計によって、限られた時間で合格レベルへと導いています。
学習効果を最大化する学習環境と管理体制
医学部専門予備校 京都医塾では、ICTを活用した授業や自習環境、学寮による生活管理まで一貫して整えています。
授業は双方向型で理解度を常に確認し、進捗や課題を管理することで勉強の質を高めています。
寮生活では生活リズムを整え、学習時間を最大限に確保できる環境を提供しています。
効率的な学習環境と徹底した管理体制により、授業料に見合う高い費用対効果を実現しています。
出願から合格まで伴走するプロのサポート
医学部専門予備校 京都医塾では学習面だけでなく、出願戦略や入試当日のサポートまで徹底的に寄り添います。
複数大学の受験計画を一緒に立て、願書の記入や志望理由書の添削も丁寧に指導します。
遠方での受験では講師が会場まで同行し、宿泊や移動も含めて安心して試験に集中できる環境を整えています。
受験が終わるその日まで支援が途切れないサポートで、多くの生徒を医学部合格へ導いています。
まとめ

私立大学医学部の学費は6年間で数千万円に達するため、経済的な不安を抱える受験生は少なくありません。
この記事では、学費未納によるリスクや総額の目安、教材費などの追加負担、奨学金や延納制度といった備えの方法を解説しました。
重要なのは「学費は非常に高額だが、制度や工夫を活用すれば進学の道はある」ということです。
それでも「費用をかけて受験して落ちたらどうしよう」という不安を感じる方も多いはずです。
だからこそ、一度で合格をつかむための戦略とサポートが必要です。
医学部専門予備校 京都医塾なら、無駄のない個別カリキュラムや伴走支援によって、安心して医学部受験に挑めます。
まずは「1泊2日医学部合格診断ツアー」で、実際の指導や学習環境を体験し、学力分析と最適な学習プランの提案を受けてください。
交通費も宿泊費も無料で参加できるため、遠方からでも気軽に申し込めます。
医学部合格を目指すあなたにとって、大きな一歩になるはずです。