小児科医になるには、どのようなステップを踏み、どんな資格が必要なのでしょうか。
小児科医の仕事内容や年収、小児科医に向いている人の特徴、さらに将来性について詳しく解説します。
医学部受験を検討している高校生や浪人生の皆さんに、小児科医というキャリアについて具体的なイメージを持ってもらえる内容です。
小児科医とは

小児科医は、小児期(一般的に新生児から中学生まで)の子どもの病気を診断し治療する、小児医療のスペシャリストです。
病気の治療だけでなく、子どもの発達や健康に関して保護者への指導や助言を行う役割も担います。
小児科は内科・皮膚科・外科・アレルギー科といった診療科に分かれていないため、子どもの体全体に関する幅広い知識が必要となります。
小児医療に関する高度な専門知識や技術を要しますが、子どもやその家族、地域に貢献できるため活躍の場は幅広いです。
小児科医の仕事
それでは、小児科医は具体的にどのような仕事をしているのでしょうか。
この項では、小児科医の仕事内容について詳しく解説していきます。
小児科医の仕事内容
小児科医は、生まれたての赤ちゃんから中学生頃までの子どもを対象に診断と治療を行います。
言葉で症状をうまく伝えられない小さな子どもの場合、表情やしぐさから病状を読み取ったり、付き添いの家族から丁寧に話を聞き取ることが必要です。
また、一般診療以外にも地域の乳幼児健診や予防接種を実施することがあります。
学校医の立場では、学校の児童・生徒を対象に就学時健診や内科健診を行うケースもあります。
子どもの成長段階に合わせた対応が求められる点が、小児科医の仕事の特徴です。
小児科医の働き方は?
小児科医の働き方は、勤務医として病院などに属する場合と、自らクリニックを開業する場合で大きく異なります。
勤務医の場合
勤務先の医療機関によって業務範囲や労働条件は様々です。
たとえば病床を持つ病院に勤務する小児科医は、夜間の救急診療対応のため月に数回の当直業務があります。
また、受け持ち患者の容体次第では長時間勤務や夜間・休日の診療対応が必要となる場合もあります。
その結果、週休2日制であっても当直や時間外労働により多忙になりがちです。
開業医の場合
入院設備のない小児科クリニックを開業している医師は、週休1.5日程度のことが多いですが、夜間の呼び出しや時間外労働は比較的少なくなります。
自分の裁量で診療時間や休日を決められる反面、経営者として医院の運営にも責任を負うことになります。
小児科医の年収
小児科医の年収は勤務形態や地域によって大きく変わります。
診療科別の公的統計はありませんが、医師転職サイトの集計によると勤務医の求人提示額はおおよそ1,200万~1,800万円が目安とされています。
開業を選ぶ場合は、患者数や経費によって収入の幅がさらに広がりますが、地域ニーズや経営努力によって結果が左右されることが特徴です。
安定を重視するなら勤務医、自由度の高さや挑戦を重視するなら開業といった形で、将来像に応じて働き方を選ぶことが重要です。
小児科医になるには?流れを解説

ここまで、小児科医の仕事内容について見てきました。
この項では、小児科医になるために必要なステップについて解説していきます。
医学部医学科のある大学に進学して医師免許取得
小児科医になるには、まず医学部医学科のある大学に入学し、医師国家試験に合格して医師免許を取得する必要があります。
大学の6年間で医学に関する専門知識や診療技能を身につけ、卒業試験に合格して初めて医師国家試験の受験資格が得られます。
医師国家試験に合格し医師免許を取得することで、小児科医への第一歩を踏み出すことができます。
臨床研修を2年間
医師免許取得後、実際に医師として診療を行うためには最低2年間の初期臨床研修が義務づけられています。
指定された研修病院で研修医として幅広い診療科を経験し、実務スキルを磨きます。
現行制度では、内科・外科・小児科・産婦人科・精神科・救急・地域医療が必修分野とされ、一般外来での研修も含めることが求められています。
個々の期間配分は研修プログラムによって異なるため、具体的なローテーションは各研修病院のプログラムに従って確認する必要があります。
2年間の臨床研修を修了した後に専門として小児科を選択することで、小児科医としてのキャリアを本格的に開始できます。
小児科専門医研修を3年以上
小児科専門医研修では、指導医のもとで小児に関する様々な疾患の診療経験を積みます。
研修プログラム修了後に専門医認定試験を受験し、合格すると「小児科専門医」の資格を取得できます。
加えて、感染管理・医療倫理・医療安全に関する講習会の受講が受験資格の必須要件とされ、会員歴・症例要約・指定書類などの出願条件も定められています。
具体の要件や書類は年度の告示で確認する必要があります。
サブスペシャリティ領域の専門医取得も
小児科専門医取得後、さらに専門性の高い分野(サブスペシャリティ)で専門医資格を取得する道もあります。
小児科のサブスペシャリティには、小児血液・がん、小児循環器、周産期(新生児)などがあり、それぞれ指定された研修施設で3~5年程度の研修を受けることで受験資格が得られます。
現在、小児科専門医と比べるとサブスペシャリティ専門医の数は不足しているのが実情です。
サブスペシャリティ領域の専門医資格を取得すれば、小児科医として扱える領域がぐっと広がり、給与や待遇面でも有利になることが期待できるでしょう。
小児科医に向いている人の特徴
小児科医になるまでの流れを見てきましたが、実際に小児科医として活躍しているのはどのような人なのでしょうか。
この項では、小児科医に向いている人の特徴を解説します。
子供を喜ばせること、子供の笑顔が好きな人
小児科医は専門知識が求められ、当直や救急対応も多いハードな仕事です。
しかしその大変さの中でも、子どもを喜ばせることが好きで子どもの笑顔にやりがいを感じられる人は、小児科医に向いていると言えます。
病気だった子どもが回復して笑顔を見せてくれた瞬間に喜びを感じられるならば、小児科医として働く大きなモチベーションになるでしょう。
子ども好きで、その笑顔を見るために頑張れる人は、小児科医の適性が高いです。
コミュニケーション力が高い人
言いたいことを上手に言えない相手の気持ちをくみ取れるコミュニケーション力も、小児科医には欠かせません。
小さい子どもは自分の症状を言葉で伝えることが難しいため、表情や仕草から状態を読み取る必要があります。
また、小児科医は患者である子どもだけでなく、その親御さんとも信頼関係を築かなければなりません。
保護者の話に耳を傾けて不安を和らげ、治療方針を丁寧に説明する力が求められます。
高いコミュニケーション能力を持つ人は、小児科医に向いているでしょう。
根気強い人
小児科医には根気強さも求められます。
子どもは診察や治療を怖がって泣いてしまったり、思うように意思疎通ができなかったりすることがありますが、そんな時でも焦らず辛抱強く向き合える人は小児科医に向いています。
例えば、子どもが納得して治療を受け入れてくれるまで何度も優しく説明したり、保護者の方に同じ内容を繰り返し質問されても穏やかに対応したりといった場面があります。
そうした対応には忍耐力が必要です。
根気強く子どもや家族に寄り添える人は、小児科医として信頼されるでしょう。
小児科医の将来性

小児科医に向いている人の特徴を見てきましたが、小児科医という仕事の将来性も気になるところです。
この項では、少子化が進む社会における小児科医の需要や、働き方の展望について解説します。
少子化での小児科医の需要
厚生労働省 令和4(2022)年医師・歯科医師・薬剤師統計によると、小児科医は17,781人(2022年)と報告されており、地域偏在への対応や周産期医療の体制強化が引き続き重要な課題になっています。(出典:厚生労働省 令和4(2022)年医師・歯科医師・薬剤師統計)
少子化が進む中、「子どもの数が減っているから小児科医の需要も減るのではないか」と不安に思うかもしれません。
ところが、発達障害やアレルギー疾患など小児の健康課題が多様化しており、共働き世帯の増加も相まって、小児科医の需要はむしろ高まっています。
地域によっては小児科医が不足しており、「かかりつけ医」として小児科医を選ぶ親も多くなっています。
とくに小児科医が少ない地方や、新生児医療(周産期医療)に携わる医師の不足は深刻です。
国もこうした問題を認識しており、地域枠入学制度の創設や産科・小児科医師確保のための奨学金制度など、小児科医の確保策や偏在解消策に取り組んでいます。
少子化だからといって小児科医の役割が小さくなるわけではなく、むしろ子どもの健やかな成長を支える小児医療体制の重要性が増しているのです。
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まとめ

本記事では、小児科医になるには何を学び、どのような適性や働き方が求められるのかを概観し、将来性のポイントも整理しました。
医学部合格に至る過程では、教科横断での学習配分管理と、出願から当日運営までを含む受験計画の一体化が重要になります。
一方で、何から着手するか、どの配分が自分に最適か、直前期の過ごし方はどうするかなど、不安や迷いが残る方も多いはずです。
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