医学部だけでなく、薬学部や看護学部など医療系学部には多彩な進路があります。
この記事では主要な6学部について、それぞれの特徴や難易度、将来性を比較し、学部選びのポイントを解説します。
医師以外にも看護師やリハビリ職など目指せる医療系学部の違いやおすすめを知り、自分に合った進路発見に役立てましょう。
目次
医療系学部の種類と特徴

医療系の大学には、主に医学部・歯学部・薬学部・看護学部・医療技術系学部・獣医学部の6種類があります。
それぞれ学ぶ内容や取得できる資格が異なり、将来目指せる職種も多様です。
まずは各学部の概要を押さえて、自分の興味や将来像に近い分野を確認しましょう。
医学部(医師)
医学部は、人間の病気の予防や治療方法、健康維持など医学全般の知識を深め、医師免許の取得を目指す学部です。
修業年限は6年で、幅広い基礎医学から臨床医学まで体系的に学びます。
医学部を卒業し国家試験に合格すると、臨床研修医(研修医)として医療現場での研修が始まり、その後正式に医師として勤務できるようになります。
医師は高度な専門知識と責任が求められますが、人々の命と健康を支えるやりがいの大きい職業です。
歯学部(歯科医師)
歯学部は、口腔内や顎の疾病予防・治療について学び、歯科医師を養成する6年制の学部です。
口腔(こうくう)や顎(がく)の構造を理解し、実習で歯科治療技術を身に付けます。
歯学部を卒業後に歯科医師国家試験に合格すれば、歯科医師として歯科医院や病院の歯科口腔外科などで働けます。
歯科医師は虫歯治療から歯科矯正、インプラントまで口腔の健康を支える専門職であり、人々の食生活や生活の質を守る重要な役割を担います。
薬学部(薬剤師)
薬学部では、薬の作用や調剤、医薬品の研究開発について学びます。
カリキュラムは大きく分けて4年制課程と6年制課程があり、4年制では創薬研究などに進むための基礎的な薬学を学び、6年制では薬剤師として必要な臨床薬学を中心に学びます。
薬剤師になるには6年制の薬学部を卒業して国家試験に合格する必要があります。
薬学部卒業後は病院や調剤薬局、製薬企業などで薬の専門家として働く道が開かれます。
人々の健康を薬の面から支える職種として、地域差はあるものの医療現場では一定の需要が続いています。
看護学部(看護師)
看護学部は、医師の診療補助や患者さんのケアに必要な看護知識と技術を学ぶ4年制の学部です。
基礎看護学から小児看護、老年看護など幅広い分野を履修し、実習を通じて現場力も養います。
卒業時には看護師国家試験の受験資格を取得でき、試験に合格すれば看護師として病院や診療所で働けます。
大学によっては所定の科目履修で保健師や助産師の受験資格も得られます。
また看護師は病院以外にも介護施設や訪問看護など活躍の場が広く、ライフスタイルが変化しても続けやすい安定した職種です。
医療技術系学部(臨床検査技師・リハビリ職 等)
医療技術系の学部(大学によっては保健学部・医療科学部などの名称で設置)は、臨床検査技師や理学療法士、作業療法士、診療放射線技師など特定の医療技術者を養成する学部です。
大学によって学部名称は様々ですが、主な分野として患者さんの検査データを扱う「臨床検査系」、リハビリテーションで機能回復を支援する「リハビリ系」、X線撮影やMRI検査を行う「診療放射線系」の分野があります。
いずれも4年制課程で、卒業により各専門職の国家試験受験資格を取得できます。
それぞれ医療現場に欠かせないプロフェッショナルであり、職種によって需給バランスに差はありますが、高齢化で全体的に一定の需要は続いています。
獣医学部(獣医師)
獣医学部は、動物の診療や病気の治療について学ぶ6年制の学部で獣医師を目指す人の進路です。
犬や猫などのペットから牛・馬などの産業動物まで、幅広い動物の解剖生理や病理を学び、実際の診療技術も修得します。
獣医学部卒業後に獣医師国家試験(農林水産省管轄)に合格すれば、晴れて獣医師として動物病院や畜産分野などで働くことができます。
動物の命を預かる責任ある職種であり、人間と動物の共生や食の安全保障にも寄与する重要な役割です。
医療系学部の入試難易度と学費

続いて、医療系学部の入試難易度の傾向と学費について解説します。
入試難易度の傾向
医療系学部を目指す上で、入試の難易度は学部によって大きく異なります。
一般的に医学部は偏差値が最も高く最難関で、国公立・私立を問わずトップクラスの成績が求められます。
その次に難易度が高い傾向にあるのが獣医学部や歯学部で、これらも高い学力と競争率を突破する必要があります。
一方、薬学部や看護学部は大学によって偏差値帯に幅があり、中堅レベルから難関レベルまで様々です。
特に薬学部は6年制(薬剤師養成課程)の方が4年制より難易度が高い傾向があります。
医療技術系学部(臨床検査技師やリハビリ系等)は他の医療系に比べれば入試難易度は比較的抑えめで、定員にゆとりのある大学も多くあります。
卒業までの年数と学費の違い
医療系学部を選ぶ際は、大学在学にかかる年数と学費負担の違いにも注目しましょう。
医学部・歯学部・獣医学部・薬学部(6年制)はいずれも修業年限6年で、一般の4年制学部より2年長く在学する分、学費も高額になります。
一方、看護学部や医療技術系学部、薬学部の4年制課程は4年間で卒業できるため、学費の総額も比較的抑えられます。
加えて、在学期間が長いということはその分だけ社会に出る時期が遅れ、学費以外の生活費もかかることになります。
それぞれの学部で必要な修業年限と経済的負担をあらかじめ把握し、ご家庭とも十分に相談した上で進路を検討することが大切です。
医療系学部卒業後の進路と将来性
次に、医療系学部を卒業したあとの将来性や進路について解説します。
将来性と需要
医療系学部で学んだ後のキャリアは、それぞれの専門職として安定した需要があります。
超高齢社会を迎える日本では、特に理学療法士や作業療法士、言語聴覚士といったリハビリ職は今後ますますニーズが高まるとされています。
高齢者の自立支援や介護予防にリハビリ専門職は欠かせない存在だからです。
また看護師も時代を問わず常に求人が多く、結婚や出産などライフスタイルの変化後も復職しやすいなど安定性が抜群です。
医師や薬剤師、臨床検査技師など他の医療職も、人々の健康や命を支える職業であるため景気に左右されにくく、慢性的な人手不足が指摘される分野もあります。
どの職種も専門資格を活かして社会に貢献できるやりがいがあり、今後も一定の需要が見込まれるでしょう。
平均年収の比較
進路を考える際には、将来の収入も重要な目安となります。
厚生労働省のデータによれば、医療系職種の平均年収は約458万円となっています。
- 医師:約1,428.9万円
- 歯科医師:約810.4万円
- 薬剤師:約583.4万円
- 看護師:約508.1万円
- 理学療法士・作業療法士:約431万円
(出典:厚生労働省 令和4年 賃金構造基本統計調査 一般労働者・職種(小分類)表)
医師・歯科医師・薬剤師は6年制大学と国家試験が必須であり、高度な専門性と責任の大きさが収入に反映されています。
一方、看護師やリハビリ職は4年制大学(または3年制専門学校)で資格取得が可能ですが、平均年収は依然として国内平均を上回る水準です。
年収は勤務先の規模や地域、夜勤の有無、経験年数によって増減します。
数字はあくまで目安とし、「仕事内容との適性」「労働環境」「ライフプラン」なども合わせて総合的に進路を選ぶことが大切です。
医療系学部の選び方と志望校決定のポイント

自分にとって最適な医療系学部を選ぶには、興味のある分野や将来就きたい職業を起点に考えることが重要です。
「将来どんな医療職になりたいか」「どの分野なら学びに意欲を持てるか」をまず自問してみましょう。
例えば「どうしても医師になりたい」という明確な目標があるなら医学部が必要ですし、「患者さんに寄り添う看護師になりたい」なら看護学部が有力です。
また「人の役に立ちたいが直接患者と接するのは苦手」という場合、臨床検査技師など裏方で支える職種も選択肢に入ります。
次に、志望学部の難易度と自分の学力とのバランスも考慮しましょう。
医学部や難関歯学部・獣医学部は合格が非常に狭き門なので、現状の成績やこれからの伸びしろと照らし合わせて現実的に目指せるか判断します。
もちろん挑戦する価値はありますが、第2志望以降に他の医療系学部や関連する学科も視野に入れておくと安心です。
さらに、卒業までの年数や学費負担も無視できないポイントです。
6年制の学部は時間と費用の面で負担が大きくなります。
家庭の経済状況や奨学金の利用計画なども含め、納得できる進路かどうか話し合っておきましょう。
特に私立大学医学部や私立大学歯学部は学費が高額になりがちなので、経済的な準備も必要です。
加えて、大学だけでなく専門学校(各種医療系の養成校)も選択肢に入ります。
看護師や臨床検査技師、リハビリ系の資格は3年制や4年制の専門学校でも取得可能です。
専門学校は実践的なカリキュラムで即戦力を育成する傾向があり、大学より入試難易度が低めで早く現場に出られる利点もあります。
一方で大学進学は学士の学位が取得でき、研究や幅広い教養を身につけられるメリットがあります。
それぞれの違いを理解し、自分の性格や将来設計に合ったルートを選びましょう。
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まとめ

医療系学部には看護、リハビリ、薬学など多彩な選択肢がありますが、どの道にも国家資格取得や高度な専門知識が求められる点は共通です。
この記事では、各学部の特徴と将来像を比較し、自分の適性から逆算して進路を選ぶ大切さをお伝えしました。
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