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【医学部学費一覧】費用による医学部入学のハードルは下がっている?

【医学部学費一覧】費用による医学部入学のハードルは下がっている?

 

合格することができれば、安定した職と高い報酬を手に入れることができる医学部。

長年大学受験の中でも人気のある学部であり、合格するためにもかなり勉強する必要があります。

そんな医学部ですが学費などでかかる費用が高く、なかなか通うのも難しいと考えている方も多いのではないでしょうか。

しかし、近年では医学部にかかる学費は下がりつつあり、費用という経済的な面での医学部入学のハードルは、実は下がってきているのです。

そこで今回の記事では、医学部の学費と学費を免除するための方法について詳しく解説していきます。

医学部にかかる学費の現状をしっかりと把握して、費用という経済的な面だけで医学部進学を諦めないでください。

医学部の学費について


ここからは医学部の学費について詳しく解説していきます。

医学部の学費について簡単にまとめると、結論は以下の通りです。

・学費は下降傾向で費用という経済的な面での入学のハードルは下がっている
・社会情勢の変化により私立医学部の値上げの可能性もあるので注意

学費は下降傾向にあり、費用による入学のハードルは下がっている

実は、近年では医学部の学費は下降傾向にあるというのはご存知でしょうか。

少子高齢化の影響によって、大学側としても学生を集めるのに必死になっていることから、近年では医学部の学費値下げに踏み切る大学も増えてきました。

以下がその例となります。

・順天堂大学…2008年度入試の際に、学費を30,500,000円から21,130,000円へ約9,000,000円の値下げ
・帝京大学…2014年度に、学費を49,200,000円から37,500,000円へと約12,000,000円の値下げ
・国際医療福祉大学…2017年に新設校として、医学部学費を18,500,000円と「最安値」に設定

このように誰もが知っている有名大学でも、医学部の学費を値下げし始めており、以前よりも学費という点で医学部進学を諦める必要はなくなっているのが事実です。

一方で、学費が値下げされることによって志望する受験生の数が増えてきています。

そのため、医学部の偏差値は毎年のように上がっており、受験の難易度も上がってきています。

経済的な面から医学部進学を諦めていた層が、医学部進学に参入し始めたことによって、今後医学部合格を勝ち取ることはより難しくなっていくことが予測できます。

しかし、社会情勢の変化で私立医学部値上げの可能性も

下降傾向にある医学部の学費ですが、社会情勢によっては私立医学部で値上げの可能性もあります。

例えば、2020年度は新型コロナウイルスが世界的に拡散したことによって、日本の大学でも経済的に苦しむところが増えました。

そのため東京女子医科大学では、2021年度の入学生から学費を6年間で12,000,000円値上げすることを発表しています。

大幅に学費を値上げすることになった理由として、新型コロナウイルス感染拡大による大学病院の経営悪化などが関係していると言われており、今後も他の大学で同じような動きが起きる可能性もあるでしょう。

このように社会情勢の変化による大学病院の経営悪化などで、私立医学部の学費は値上げされる可能性は高いため、医学部進学を考えている人は、今後の大学側の動きに注目する必要があります。

医学部学費一覧

ここからは国公立と私立における医学部の学費について詳しく見ていきましょう。

国公立大学学費

まずは国立大学医学部の学費についてです。

国立大学医学部の学費は、2020年度時点で、年間535,800円が標準額となります。

私立大学とは異なり、ある程度良心的な価格なので、経済的に苦しくても医学部を目指しているという場合は、まず国立を目指すことをおすすめします。

入学金を含めた、国立大学医学部に進学した場合にかかる費用は以下の通りです。
・入学金…282,000円
・授業料…535,800円
・6年間総額…3,496,800円

一方で、公立大学は国立大学とは異なり、大学によって学費が上下するため、事前に把握しておく必要があります。

ですが、ほとんどの公立大学の学費も年間535,800円ですが、大学によって若干異なる場合があるので、志望校をしっかりとチェックしておきましょう。

私立大学学費

私立大学の学費は、国公立と比較してもかなり高いのが特徴です。

また、学校によってその額も大幅に異なってくるので、進学を検討している大学がどのくらいの学費なのか、必ず事前に調べておきましょう。

私立大学の中でも一番学費が高い川崎医科大学は、卒業までの6年間総額で47,365,000円と50,000,000円近くにものぼります。

一方で、私立大学の中で学費が安い国際医療福祉大学では、6年間総額18,500,000円と、川崎医科大学と比較してもおよそ30,000,000円近く大きな差があるのです。

以下に主な私立大学医学部の学費をまとめたので、6年間総額でどれくらいかかるのかチェックしてみてください。

参照:2020年度 メディカルラボ調査
※単位:円

大学名 6年間総額の学費
国際医療福祉大学 18,500,000
順天堂大学 20,800,000
日本歯科大学 22,000,000
慶應義塾大学 22,059,600
東京慈恵会医科大学 22,500,000
自治医科大学 23,000,000
東邦大学 25,800,000
昭和大学 27,922,000
関西医科大学 28,140,000
東京医科大学 29,833,800
藤田医科大学 30,526,000
産業医科大学 30,697,800
大阪医科大学 32,075,000
福岡大学 37,738,260
帝京大学 39,380,140
北里大学 39,528,000
埼玉医科大学 39,570,000
東京女子医科大学 46,214,000
川崎医科大学 47,365,000

日本中で私立大学の学費の値下げ傾向があるといっても、一番安い国際医療福祉大学で6年間総額約20,000,000円の費用がかかるのが事実です。

そのため、経済的に医学部に行けないという方は、まずは国公立を目指し、その後私立の学費が安い医学部を検討してみるというのも良いかもしれません。

医学部の学費免除の方法も


学費が値下げ傾向にあるからといっても、他学部と比較しても医学部の学費は高いです。

経済的に医学部進学は難しいと落胆している方もいるのではないでしょうか。

しかし、心配はありません。

医学部には学費の免除方法というのもあるため、うまく活用することができれば、経済的な負担を減らしながら医学部進学することができます。

【医学部の主な学費免除の方法】
・ローン
・特待生
・専攻限定枠
・その他

ローン

学費の高い学部に通うにあたって、まず検討するのがローンという方法なのではないでしょうか。

ローンと一口に言っても様々な種類があるため、医学部進学にあたってはどういうものがあるのか事前に知っておく必要があります。

・日本学生支援機構による貸与型奨学金…高校時代に成績が良かった学生に対して貸与する奨学金制度
・日本政策金融公庫…最大3,500,000円まで借り入れ可能。

他のローン制度との併用もできる
・銀行ローン…メガバンクや地方銀行による教育ローン. 医学部を進学する学生限定の教育ローンもあり

特待生

近年では様々な大学が特待生制度を創設し、安い学費で通えることをアピールすることによって、優秀な学生を集めています。

医学部進学での最大の目標は、国家資格である医師免許の取得です。

この医師免許の取得のための医師国家試験の合格率は毎年公表されており、それぞれの大学の医学部がどれだけ合格率が良いのかというのは、医学部進学を考えている受験生にとっても注目の的になります。

優秀な成績で入学試験に合格し特待生を勝ち取ることができれば、毎年の学費を大幅に節約することが可能です。

例えば、慶応義塾大学医学部ですが、2020年度特待生に選ばれると、年間2,000,000円の奨学金を4年間受け取ることができます。

他にも、特待生がどのくらい費用的にお得なのかというのは、それぞれの大学のホームページや募集要項などに記載されているため、志望校の制度は確認しておきましょう。

専攻限定枠

最近では、少子高齢化や首都圏に人材が集中していることが影響となり、医師不足が深刻化しています。

そのため、卒業後に勤務する場所や専攻科目を限定する代わりに、奨学金を受けることができるという制度も広がりつつあるというのはご存知でしょうか。

医師免許取得後働く場所や、専攻する科目が限定されてしまうというデメリットはありますが、そのぶん安く医学部に通うことができるため、医学部進学が経済的に難しいという方は一考の余地があるでしょう。

その他

上記で紹介した制度のほかにも、少子高齢化による医師不足の深刻化によって、医師を増やそうとする地方自治体の奨学金制度なども増えつつあります。

また、病院からの奨学金制度というのも存在しており、奨学金貸与の代わりに勤務をしてもらうという制度です。

様々な奨学金制度があり、こういったものを利用すれば経済的に苦しい家庭でも医学部進学というのは難しくないため、一度調べてはいかがでしょうか。

まとめ

今回は医学部の学費について詳しく解説してきました。

近年、医学部の学費は減少傾向になりつつあり、昔よりも通いやすくなっています。

一方で、社会情勢の変化によって学費が大きく変更される可能性もあるので注意が必要です。

今回紹介したように、学費をできるだけ抑えることができる制度も近年では多くあるため、医学部は学費が高そうというイメージだけで諦めてしまうことはありません。

医学部を進学しようとしている方は、志望している大学の医学部で、奨学金制度や特待生制度がないか、学費をできるだけ節約することができる制度はないか、一度確認してみましょう。