少子化が進んでいるにもかかわらず、医学部の受験者の数は毎年増え続け受験競争は激しくなる一方です。
そんな過酷な競争を勝ち抜いていくために重要なのが、受験に関する情報です。
そこで今回は、医学部を設置している大学の一覧表に加え、定員数の解説や地域枠に関する説明をしていきましょう。
目次
なぜ医学部大学受験は超難関なのか

医学部の人気は年を追うごとに高まる一方で、受験希望者は年々増え続けています。
最近では女性の受験者も急増しており、合格を勝ち取るためには大変な努力が必要です。
しかし、なぜ医学部の受験はここまでの超難関と化しているのでしょうか。
この項では、医学部が超難関と言われている理由を三点取り上げて解説していきましょう。
偏差値、倍率の高さ
医学部が超難関である一つ目の理由は、必要偏差値と倍率の高さにあります。
医学部の偏差値は、国公立、私立共に最低でも62.5が必要です(京都医塾調べ)。
ただ、この数字はあくまで最低値であり、最近の傾向を見ると偏差値65以上の大学が多くなっています。
この偏差値65は全体の上位5%以上に入らないと取れない数字ですから、相当な量の勉強が必要となるでしょう。
また、倍率に関しても毎年高くなっており、国公立では3倍程度、私立大学では50倍を超える大学も出てきます。
センター試験(現・大学入学共通テスト)の難易度が高かった年度は、私立大学の医学部に国公立大学の受験者が流れてくることが多く、倍率がさらに上昇する場合もあります。
医師という職業人気
医学部が超難関と言われている二つ目の理由は、医師が人気の職業であることです。
みなさんもご存じのとおり、医師は高い報酬が保障されている職業です。
地方都市の病院でも年収15,000,000円以上もらえることも珍しくありません。
また、誰からも認めてもらえる社会的地位も魅力的でしょう。
高年収と社会的地位が得られるのなら、人気の職業になるのは当たり前です。
そしてなにより、人の命を救えるという医師にしかできない仕事にやりがいを求める人が大勢います。
大学ごとに入試傾向が異なる
医学部が難関とされている三つ目の理由は、大学ごとに出題傾向が異なるということです。
国立は大学入学共通テストの成績で判断されますが、どんな科目を重視するかは大学によって変わります。
例えば、東京大学であれば数学を重視しますが、東京医科歯科大学の受験では英語力が求められます。
また、私立大学では国公立の大学よりもさらに出題傾向が分かれておりますので、志望校に特化した取り組みが必要です。
この私立大学の出題傾向は、逆手に取ることでメリットにも変化します。
なぜなら、志望校に完全に対応した学習をすることで、現在自分が持っている実力よりも上位の大学に受かる可能性があるからです。
予備校などを利用して、最新の受験情報を手に入れるようにしましょう。
医学部のある大学一覧

文部科学省が発表している「大学別医学部入学定員一覧」によると、国内において医学部を設けている大学の数は全部で81校となっています。
この項では、医学部の定員数や応募者数と共に、国公立大学と私立大学に分けて表にしましたのでご覧ください。
国公立大学
こちらは国公立の大学を一覧表にしたものです。
国公立大学の医学部の2021年度の応募者数は国立大学が22,917人、公立大学が3,726人、合計26,643人でした。
定員数に関する解説は記事の後半で致します。
| 大学名 | 2021年度の 定員数 |
2021年度の 応募者数 |
2021年度の 定員数 (計画) |
| 東京大(理科三類) | 110 | 423 | 110 |
| 京都大(医) | 107 | 295 | 107 |
| 東京医科歯科大 | 105 | 594 | 105 |
| 大阪大(医) | 110 | 330 | 110 |
| 山梨大(医) | 125 | 1,181 | 125 |
| 名古屋大(医) | 112 | 369 | 112 |
| 神戸大(医) | 117 | 385 | 117 |
| 千葉大(医) | 117 | 740 | 117 |
| 九州大(医) | 110 | 274 | 110 |
| 大阪医市立大(医) | 95 | 262 | 95 |
| 横浜市立大(医) | 90 | 292 | 90 |
| 東北大(医) | 116 | 517 | 116 |
| 京都府立医科大(医) | 107 | 261 | 107 |
| 奈良県立医科大(医) | 114 | 1,403 | 114 |
| 宮崎大(医) | 11 | 683 | 110 |
| 弘前大(医) | 132 | 443 | 132 |
| 岡山大(医) | 117 | 464 | 117 |
| 北海道大(医) | 112 | 377 | 112 |
| 筑波大(医) | 139 | 476 | 139 |
| 名古屋市立大(医) | 97 | 287 | 97 |
| 広島大(医) | 118 | 545 | 118 |
| 新潟大(医) | 127 | 490 | 132 |
| 金沢大(医) | 117 | 404 | 117 |
| 滋賀医科大(医) | 110 | 343 | 110 |
| 浜松医科大(医) | 120 | 685 | 120 |
| 三重大(医) | 125 | 557 | 125 |
| 岐阜大(医) | 110 | 1,111 | 110 |
| 和歌山県立医科大(医) | 110 | 225 | 110 |
| 熊本大(医) | 110 | 574 | 110 |
| 福井大(医) | 115 | 800 | 115 |
| 群馬大(医) | 123 | 350 | 123 |
| 島根大(医) | 112 | 574 | 112 |
| 信州大(医) | 120 | 445 | 120 |
| 山口大(医) | 117 | 653 | 117 |
| 愛媛大(医) | 115 | 893 | 115 |
| 旭川医科大(医) | 105 | 733 | 105 |
| 長崎大(医) | 125 | 380 | 125 |
| 琉球大(医) | 117 | 617 | 117 |
| 鹿児島大(医) | 120 | 643 | 120 |
| 佐賀大(医) | 103 | 632 | 103 |
| 大分大(医) | 110 | 451 | 110 |
| 徳島大(医) | 114 | 258 | 114 |
| 高知大(医) | 115 | 696 | 115 |
| 鳥取大(医) | 109 | 706 | 109 |
| 香川大(医) | 114 | 799 | 114 |
| 富山大(医) | 110 | 616 | 110 |
| 秋田大(医) | 129 | 840 | 129 |
| 福島県立医科大(医) | 130 | 420 | 130 |
| 山形大(医) | 105 | 565 | 113 |
| 札幌医科大(医) | 110 | 364 | 110 |
私立大学
こちらは私立大学を一覧表にしたものです。
私立大学は併願できることもあって、応募者は104,397人にも上りました。
こちらの定員に関する解説も記事の後半でいたします。
| 大学名 | 2020年度の 定員数 |
2020年度の 応募者数 |
2021年度の 定員数 (計画) |
| 慶応義塾大学(医学部) | 110 | 1,459 | 110 |
| 順天堂大(医) | 135 | 4,082 | 136 |
| 東京慈恵会医科大(医) | 110 | 1,963 | 110 |
| 日本医科大(医) | 126 | 4,118 | 126 |
| 産業医科大(医) | 105 | 1,708 | 105 |
| 昭和大(医) | 109 | 4,421 | 116 |
| 東邦大(医) | 115 | 2,810 | 115 |
| 東京医科大(医) | 119 | 2,713 | 119 |
| 日本大(医) | 120 | 3,722 | 120 |
| 自治医科大(医) | 123 | 2,728 | 123 |
| 大阪医科大(医) | 112 | 3,110 | 112 |
| 関西医科大(医) | 127 | 4,030 | 127 |
| 東北医科薬科大(医) | 100 | 1,642 | 100 |
| 杏林大(医) | 115 | 3,385 | 115 |
| 帝京大(医) | 116 | 9,897 | 116 |
| 東京女子医科大(医) | 110 | 1,506 | 110 |
| 聖マリアンナ医科大(医) | 115 | 2,496 | 115 |
| 東海大(医) | 118 | 4,917 | 118 |
| 国際医療福祉大学(医) | 140 | 4,001 | 140 |
| 藤田医科大(医) | 120 | 3,455 | 120 |
| 愛知医科大(医) | 115 | 3,521 | 115 |
| 金沢医科大(医) | 107 | 4,911 | 108 |
| 岩手医科大(医) | 52.5 | 2,571 | 65.0 |
| 近畿大(医) | 107 | 3,599 | 112 |
| 兵庫医科大(医) | 112 | 2,165 | 112 |
| 久留米大(医) | 115 | 3,387 | 115 |
| 福岡大(医) | 110 | 3,819 | 110 |
| 北里大(医) | 118 | 2,064 | 118 |
| 埼玉医科大(医) | 130 | 5,179 | 130 |
| 獨協医科(医) | 120 | 3,305 | 120 |
| 川崎医科大(医) | 124 | 1,713 | 124 |
※参考資料:文部科学省発表の「令和2年度 医学部医学科入学状況」及び「大学別医学部入学定員一覧」
医学部のある大学に設けられている地域枠について
医学部には「地域枠」と言われる特別な選抜制度が存在します。
この項では、地域枠の概要とメリット、デメリットについて解説しましょう。
地域枠とは
地域枠とは医師が不足していたり、診療科が偏っている地域の医療体制を補強する目的で学生を選抜する制度です。
地元出身者か一定期間、志望校が所在している都道府県に住んだことがある人が対象となります。
地域枠のメリット、デメリット
地位枠のメリットとデメリットにはいったいどんなものがあるのでしょうか。
こちらの項では、地域枠のメリットとデメリットについて解説していきます。
代表的なメリットは経済的な負担が少ないことです。
地域枠では奨学金制度や学費免除制度が適用されるため、経済的に余裕がない人でも医学部に進むことができます。
大学によっては生活費も支給してくれる場合がありますので、地域枠を希望している人は志望校に確認しておくとよいでしょう。
また、地元の医療に貢献できるというメリットもあります。
先ほどもお話ししたとおり、地域枠は地域医療の発展のために導入された制度ですから、医師免許取得後は地元の病院で勤務することになります。
自分の出身地で人助けをしたいと思っている人にとっては、願っても無いことでしょう。
デメリットとしては、医師免許取得後9年間、指定の地域で勤務する義務があることです。
地元医療に貢献する目的がある人にとっては関係のない話ですが、勤務したい先が明確に決まっている人にとっては、大きな足かせとなるでしょう。
こちらの義務から離れる場合、免除されていた学費の返還義務が生じますので注意してください。
ただし、病気や家族の介護、結婚などの事情がある場合に限り、一定期間であれば出身県以外での勤務が許可される場合もあります。
しかし、こちらのケースにおいても9年間の就労義務は消えませんので、最終的には出身県に戻って勤務を再開し、残りの期間を消化しなければなりません。
2022年入学の医学部定員も決定

さて先ほどお話ししたとおり、この項では2022年の医学部の定員について見ていきましょう。
2022年入学の医学部定員は前年の9,330人から27人増加し9,357人となっています。
各校の増員数の内訳ですが、国公立の大学の増員数は山形大学が8人、新潟大学が5人となっており、私立大学では、金沢医科大学と順天堂大学が1人、昭和大学が7人、そして近畿大学が5人となっています。
医学部の定員数は2008年度から増加傾向にあり、2020年度までに合計1,492人分の枠が増員されています。
加えて、地域枠に関しても当時200人弱だったものが、現在では約1,700人にまで拡大されています。
今後の医学部受験について
医学部の定員は2022年度までは増加傾向にありましたが、2023年度以降の定員は削減される見通しとなっています。
これは、将来的に医師需要が減少していくと考えられていることや、2021年度の入試で医学部志願者が減少したことが理由となっています。
なお、医師の地域偏在解消のために、地域枠は拡大していくとみられます。
医学部の総定員削減に伴い、医学部受験は今後ますます過酷なものになるでしょう。
偏差値についても、30年前は47.5で入学できた聖マリアンナ医科大学や藤田医科大ですら、現在では65にまで大幅に引き上げられていますから、学習面でもよりシビアな戦いになるはずです。
これからの医学部受験は個人の力で対抗するのは非常に難しいので、予備校などを利用して万全の対策を講じてから受験に臨んでください。
将来は医師不足が解消する
文部科学省が発表している「令和4年度以降の医学部定員と地域枠について」によると、現在のペースで医学部の定員を増やし続けていった場合2028年、または2029年には全国規模で医師不足が解消する見通しとされています。
将来的には医師が過剰になると予測されており、それに合わせて医学部の定員も削減していく方向で議論されています。
ただし、新型コロナウィルス感染拡大の影響が大きければ、上記定員数は変動される可能性もありますので注意してください。
まとめ

医学部は難関であるにもかかわらず、毎年多くの受験者が狭き門にチャレンジします。
医学部を受験する際は大学ごとに出題傾向が異なりますから、予備校に通うなどして常に最新の情報にアップデートしましょう。
また、医学部の定員に関しては、2008年度の増員開始から2022年度までは増加傾向にあり、当時と比べると2020年度では1,492人も定員が増えています。
しかしながら、2023年度以降は医学部の定員が削減される見通しです。
受験競争は今後も激しさを増していきますが、予備校を上手く活用するなどして、諦めずに学習に励んでください。
この記事を読んでくれたあなたが、目標を達成できることを願っています。

