医学部受験では正規合格のほかに繰り上げ合格や補欠合格という判定が存在します。
中でも「補欠合格」と聞くと、本当に合格できるのか不安に思う受験生も多いでしょう。
この記事では、医学部受験における正規合格・繰り上げ合格・補欠合格の仕組みをわかりやすく解説し、その後、補欠合格の制度や現状、補欠合格後に知っておきたい注意点・心構えについて詳しく説明します。
目次
医学部受験の補欠合格とは

正規合格
正規合格とは一般入試や推薦入試などで上位に入り、入学資格を得ることを指します。
正規合格者は原則としてその大学に入学手続きを進めますが、複数の大学に合格した受験生は辞退を選択する場合もあります。
辞退者が出ると大学の定員に空きが生じるため、その不足分を補う目的で繰り上げ合格や補欠合格の制度が設けられています。
繰り上げ合格
繰り上げ合格とは、補欠合格者の中で成績優秀な人が追加で合格となり、入学資格を得られる仕組みです。
多くの場合、補欠合格者のなかで試験の点数が高い人から順に選抜されます。
合格最低点に近い成績の受験生が選ばれることが多いとされています。
繰り上げ合格の通知は郵送や電話などで行われることが一般的です。
補欠合格
補欠合格とは、正規合格者の入学辞退者が出ることを前提に、予備的に合格認定を受けた状態のことです。
補欠合格者自体はまだ正式な入学資格を持っていません。
補欠合格者の中で定員に空きが生じた場合に、改めて繰り上げ合格者が選抜されます。
つまり、補欠合格通知が届いても実際に入学できるのは繰り上げ合格に昇格してからです。
この点は「仮合格」のような扱いなので、あまり期待しすぎず心の準備をしておきましょう。
医学部補欠合格からの繰り上げ合格の実態

補欠合格者にとって最も気になるのが、どれくらいの人数が実際に繰り上げ合格になるかでしょう。
大学や年度によって大きく異なりますが、多くの私立大学医学部では毎年一定数の繰り上げ合格者が出ています。
難関大学ほど補欠合格者数が多いため、繰り上げ合格者も多い傾向があり、慶應義塾大学医学部や東京慈恵会医科大学、昭和大学医学部などでは例年、数10人~100人を超える繰り上げ合格者が出ることがあります。
ただしこれらの数字は年度や大学によって異なり、すべての大学が発表しているわけではない点に注意が必要です。
ここでは過去の例を参考にしながら、繰り上げ合格者数の傾向を見ていきましょう。
どれくらいの人数が繰り上げ合格となっているのか
補欠合格者にとって最も気になるのが「実際にどれくらい繰り上げ合格になるのか」という点です。
大学によっては繰り上げ合格者数を公式に公表しており、過去のデータを参考にすることで見通しを立てることができます。
ただしすべての大学が公開しているわけではなく、多くの大学は繰り上げ合格者数を非公開としています。
そのため、以下の表は公式発表が確認できる大学のみを対象に直近3年(2023〜2025年)の状況を整理したものです。
| 大学名 | 2025年 | 2024年 | 2023年 |
| 東京医科大学 | 138(一般89+共通49) | 93(一般65+共通28) | 53(一般41+共通12) |
| 金沢医科大学 | 143(一般前期ほか・大学公表の最終数) | – | – |
| 東京慈恵会医科大学 | 67(繰上合格連絡者数/大学公表) | – | – |
※「一般」「共通」ともに補欠合格者数と繰り上げ合格者数の合計となります。
繰り上げ合格の基準は?
繰り上げ合格の選抜基準として最も多いのは試験成績の順位です。
基本的には一般入試での得点が高い順に、補欠合格者のなかから繰り上げ合格者が決まっていくのが一般的です。
例えば、東京医科大学では、補欠合格者には「補欠順位」が付与され、その順位に基づいて繰り上げ合格が決定されます。
具体的には、補欠順位が早い者から順に繰り上げ合格の連絡が入り、24時間以内に連絡が取れなければ辞退と見なされます。
これは成績順による選抜が前提であることを示し、かつ公平性を保つための手法です。
大学ごとの詳細な方式は各大学の入試要項で必ず確認しましょう。
繰り上げ合格の人数は?
公式統計で具体的な繰り上げ人数が明確に示されている大学は現時点では限られています。
ただし、東京医科大学の2025年の公式発表では、「一般選抜 補欠順位 89位」「共通テスト利用 補欠順位 49位」として、補欠順位がどこまで回ったかを明示しており、実質的にその人数が掲載されています。
繰り上げ合格者数について具体的な数字が欲しい場合、そのような順位情報から推測することが可能です。
医学部補欠合格の繰り上がり確率
補欠合格者全体の中でどれほどの割合が繰り上げ合格に至るかという具体的な確率は大学公式には公表されていません。
各大学は年度によって情報公開の範囲が異なるため、明確な数値を示すのは難しい状況です。
したがって、以前の例から推定せず、志望大学の最新公表内容で判断することが重要です。
医学部の補欠合格は大学によって対応が違う

補欠合格者に対する情報公開の方法は大学によってさまざまです。
たとえば、東京医科大学では到達順位、東京慈恵会医科大学では繰上合格連絡者数(人数)をホームページで公開しています。
一方、大学によっては補欠合格者リストを非公開にしていて、順位は連絡があるまで分からないこともあります。
補欠合格に関しては、公開指標や通知手段が異なるため、志望大学の最新の入試ページや募集要項を必ず確認しましょう。
繰り上げ合格の通知はどのようにしてくるのか

ここでは、繰り上げ合格の通知はどのようなものかをご紹介します。
書面での通知
大学から合格通知書類や入学手続きの書類が郵送で届く方法です。
正式な書面で届きますが、郵送には時間がかかるため、通知が他の方法に比べて遅くなることがあります。
電話での通知
合格者に直接電話で通知するケースもあります。
大学から通知が来る際は非通知設定の場合もあるので、受験期間は着信拒否を解除しておきましょう。
電話連絡に出られないと入学手続きの期限を過ぎてしまい、繰り上げ合格が取り消される可能性もあるため、注意が必要です。
ホームページでの通知
大学が発行するIDとパスワードを使い、合否照会サイトで結果を確認する方式です。
出願時に配布されたID・パスワードで専用ページにログインし、合否結果が更新されます。
通知ではなく自分で確認する形ですが、確実かつ迅速に結果を知ることができます。
掲示での通知
大学のキャンパス内や事務室前などに氏名や受験番号を掲示する方法です。
かつては一般的でしたが、現在は減少傾向にあります。
遠方の受験生は確認が難しい方法なので、他の手段と併用される場合がほとんどです。
メールなどオンラインでの通知
学内メールや連絡用アプリ(LINEなど)、大学指定の連絡ツールで通知が行われる場合もあります。
新型感染症対策として導入する大学も増えており、通知が迅速なのがメリットです。
ただし、メールの受信設定やアプリの通知設定を見落とさないように注意しましょう。
医学部補欠合格後の注意点

補欠合格の通知を受けてから繰り上げ合格の連絡を待つ間は、不安や焦りが強くなる時期です。
しかし、いくつかの対策や心構えを持つことで、その期間をできるだけ有意義に過ごすことができます。
以下に主な注意点を解説します。
他大学入学手続きの必要性と入学金の扱い
補欠合格中でも、併願した他大学の結果次第では先に入学手続きを進めておく必要があります。
特に私立大学医学部は合格発表が早い大学も多く、合格した場合は期限内に入学金を納めなくてはなりません。
しかし、仮に後から補欠で繰り上げ合格となった場合、先に入学手続きをしていれば入学金を二重に支払う結果になります。
入学金は基本的に返金されないため、金銭的な損失にもなりかねません。
こうした点を理解し、必要に応じて入学手続きの準備を慎重に行いましょう。
来年に向けた準備がしづらい
補欠合格者は結果待ちの間、次年度の受験勉強を始めにくいものです。
しかし、万一繰り上げ合格にならなかった場合に備えて、できる範囲で来年に向けた勉強も少しずつ進めておくと安心です。
例えば、苦手科目の復習をしたり、模擬試験を受けて現状の学力を把握したりする方法があります。
どちらの結果になってもリスクを最小限にできるよう、学習計画の見直しや情報収集を並行して行うことをおすすめします。
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まとめ
この記事では、医学部受験において正規合格者の辞退により定員に空きが出た際に、補欠合格者が繰上合格として合格する仕組みを解説しました。
補欠合格はあくまで仮の合格であり、実際に入学できるのは繰り上げ合格に昇格してからです。
多くの医学部で毎年一定数の繰上合格者が生まれる一方、大学や年度によって状況は異なり、補欠のまま不合格となる可能性もあります。
そのため、補欠通知を受けた受験生は最後まで気を抜かず、合格発表後も他大学への入学手続きや来年度の受験準備を並行する必要があります。
こうした状況に一人で不安を抱える必要はありません。
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