医学部への入学方法には、共通テストを利用した方法や、学校推薦型選抜など色々なものがありますが、総合選抜型もその中の一つです。
大学の説明会や、オープンキャンパスを通じて、耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか。
この総合選抜型の入試方法は、他の入試方法とは違い独特な選抜方法でもありますが、魅力を感じた受験生も少なくないはずです。
そこで、今回の記事では、総合選抜型の入試方法について、詳細に解説していきましょう。
目次
総合選抜型とは何か?AO入試との違いは?
さっそく、総合選抜型の入試方法について解説していきます。
こちらの項では、総合選抜型の入試方法における基本的な情報をまとめました。
まずは、基本をしっかり押さえて、理解を深めるための足がかりへとしてください。
総合型選抜とは?
総合選抜型とは、大学が求める学生像に合致する人物を、選抜するために設けられている入試制度です。
もともとはAO入試という名称で実施されてきましたが、2021年から名称が変更となり、それにともなって評価基準も変更となりました。
AO入試では面接を通じて人物を推し量ることに比重を置いていましたが、総合選抜型の入試では、小論文や共通テストなどの結果も評価項目として新たに採用されています。
アドミッションポリシーとは
アドミッションポリシーとは、大学の求める人材を具体的にあらわしたものです。
たとえば、医学部の場合は、勉学に励む意欲の高い学生を求めていることを明示したり、医師としての高い倫理観を備えた人材が欲しいというメッセージを、ホームページなどで公表しています。
総合選抜型の入試においては、このアドミッションポリシーに合致している人間が、合格を勝ち取っていきます。
志望校医学部のアドミッションポリシーをよく確認し、医学部の求めている人材になれるよう自己を高めていきましょう。
受験時期
総合選抜型の入試の出願開始時期は、指定校推薦や一般入試よりも早く設定されており、基本的に9月1日〜12月となっています。
大学によっては、9月を待たずにエントリーを実施している医学部もありますので、総合選抜型の入試を希望している人は、志望校の出願時期を事前に確認しておきましょう。
総合型選抜に出願要件はある?
総合選抜型の入試には、複数の出願要件が存在します。
出願要件もしっかり確認し、総合選抜型の入試に備えておきましょう。
評定平均
AO入試に変わって導入された総合選抜型の入試では、大学により評定平均などで出願基準が決められているところもあります。
なぜなら、AO入試では学力よりも面接での結果を重視する傾向がありましたが、総合選抜型の入試では、基礎学力の有無を確認する傾向が強まっているからです。
医学部の授業はハイレベルなものが実施されますから、基礎学力についてもチェックするようになったというのは、自然な流れと言えるでしょう。
学校における試験勉強にもきちんと力を入れて、よりテストの成績を向上させられるよう努力を重ねておいてください。
年齢制限
総合型選抜の入試では、年齢制限が設けられている大学もあるため注意が必要です。
たとえば、金沢医科大学の2022年度の試験では、「2021年4月1日現在、25歳以下の者」という制限が設けられています。
さらに、獨協医科大学医学部における2022年度の試験の年齢制限は、「令和4年4月1日現在で30歳未満の者(平成4年4月2日以降の出生者)」です。
また、藤田医科大学では現役生だけに門戸が開かれる、「高3枠」という選抜枠もあります。
高3枠は、現役生の人だけが受けられることから、高校生にとっては合格のチャンスの広がりが期待できはずです。
現役の受験生の人は通常の推薦入試のほかにも、総合選抜型も検討してみてはいかがでしょうか。
合格した場合は辞退できない
総合選抜型の入試には、合格した場合に辞退不可能な医学部も存在します。
上でも引き合いに出している金沢医科大学が、その典型例です。
同大学の総合選抜型の募集要項における入学資格の中には、「合格した場合には必ず入学することを確約できる者」という文言が含まれています。
入試にチャレンジする場合は、合格後の入学の意思があるのか、自分ときちんと向き合って結論を出してから出願しましょう。
総合型選抜の入試科目

続いて、総合選抜型の入試科目についても解説していきます。
自己推薦書などにもとづく書類選考や面接、小論文など様々な角度からアプローチしていきますので、ぜひ参考にしてください。
書類選考
総合選抜型の入試では、自己推薦書や推薦書などを使って書類選考が行われます。
書類選考の主な目的は、出願書類から類推される、受験生の日ごろの生活態度を考慮して、今後どのように社会と向き合っていくのかを推量することにあります。
また、医療に対する主体性や物事の計画性の有無、勉強の意欲、他者への献身性など色々な角度から、受験生一人ひとりへの評価がなされるということも特徴的です。
必要書類については、自己推薦書や推薦書、特別活動に対する調査書、そして成績請求票などが求められます。
また、自己推薦書や推薦書は大きな評価項目となりえますから、手抜かりのないものを用意しましょう。
面接・小論文
面接や小論文試験も総合選抜型の入試において、課される試験の一つです。
面接では、前述したアドミッションポリシーにまつわる質問が数多くなされます。
大学の求める人材をしっかり把握したうえで、十分に納得してもらえる回答を準備していきましょう。
基本的にはAO入試のときと同じ対策で通用しますので、身近に医学部生がいる人などはおすすめの対策方法を聞いておくと役立つはずです。
また、そのほかにも、調査書や自己推薦書などにもとづいた質問がなされる場合もあるため、自身の実績や活動記録に関する質問もあらかじめ想定し、きちんと答えられるように練習しておきましょう。
小論文については、大学ごとに特色のあるものが課されます。
たとえば獨協医科大学では、英文の長文課題を論じるものが課されますので、受験希望の人は英語の勉強に励み、学力をより一層充実させてください。
学力試験
学力試験については大学独自の試験のほかにも、共通テストの試験を評価に用いる場合があるため、こちらにも注意が必要です。
金沢医科大学などは、大学独自の試験を実施しており、英語や数学、理科が課されますが、試験範囲は共通テストのものよりも大分狭くなっています。
一方、大分大学医学部などは、共通テストの結果を評価基準としています。
このように、医学部によっても評価される学力試験が異なりますので、希望医学部の試験科目、評価方法などについても、きちんと確認しておきましょう。
グループディスカッションを実施する大学も
総合選抜型の入試では、グループディスカッションを実施する大学もあります。
一般的なグループディスカッションでは、リーダー役の人が決められ、課題のテーマをメンバーたちと議論していくことになります。
こちらの試験では、テーマへの理解度やコミュニケーション力、周りと調和できる協調性の有無が問われます。
十分に練習していないと発言の機会を失ってしまったり、議論の進行の妨げになる行為をしてしまう可能性がありますので、予備校などでトレーニングを積んでおいてください。
総合型選抜を受けるメリット

記事の締めくくりとして、総合選抜型の入試を受けるメリットについても見ていきましょう。
こちらの項では、総合選抜型の入試にまつわるメリットの中でも、代表的なものを4点取り上げて解説していきます。
倍率が低いことが多い
総合選抜型の入試では、多くの場合、一般入試などに比べて倍率が低くなります。
倍率の低さは合格へのボーダーが下がることにつながりますので、他の受験生に先んじて、医学部の門へ近づくことが可能です。
また、受験の機会が増えるという意味でも、医学部の合格に近づくことができます。
ぜひ、総合選抜型入試の受験機会を獲得して、医学部合格へとつなげましょう。
学力以外の面が重視される
総合選抜型の入試ではAOと同様に、学力以外の面が重視される傾向にあります。
そのため、学生時代の実績がある人やコミュニケーション能力に自信のある人、小論文の作成が得意な人には、とりわけおすすめの入試方法と言えるでしょう。
とくに、部活動などで全国大会へ出場した実績や、海外留学などの特徴的な経験は評価項目となりやすいので、積極的にアピールしていきましょう。
現役生が有利
総合選抜型の入試において、年齢制限が設けられている場合もあるということは、先ほども触れたとおりです。
25歳以下や30歳以下の人を対象としたものなど、浪人生にも選抜枠のある形式もありますが、中には現役生のみを対象としたものもあります。
現役生のみを対象としたものは、必然的に挑戦者が少人数化し倍率が低くなります。
指定校推薦などと同様、千載一遇とも言えるチャンスですから、存分に生かして合格を勝ち取りましょう。
勉強する科目は少なくて済むことが多い
総合選抜型の入試では、一般入試などと比較すると、学力試験による評価基準が低下する傾向にあります。
上でも例示した金沢医科大学などはその典型例で、英語ではコミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱと英語表現Ⅰだけが出題範囲です。
数学においても、数学Ⅰと数学Aのみが出題範囲として設定されています。
共通テストと比較すると低難易度の試験となりますから、学力面で不安のある人には、打ってつけの選抜方法と言えるでしょう。
ただし油断をしていると、対策不足の問題が続出してしまうなど、思いがけない落とし穴にハマってしまう可能性もあります。
試験対策には十分な時間をかけ、万全な学力で当日を迎えましょう。
まとめ

医学部への入学方法には、共通テストを利用した方法や、学校推薦型選抜、指定校推薦など色々なものがあります。
そして、総合型選抜もその中の一つです。
こちらの入試方法は、もともとはAO入試と呼ばれる入試形式でしたが、2021年から制度が変わり、名称や試験内容が変更されました。
これまでの面接中心の試験に加えて、学力試験や小論文試験が課され、学力面も評価対象として加えられるようになったのです。
とは言え、学力試験よりも人物評価の方に重きを置いているのはAO入試と同じで、総合選抜型の入試における面接試験では、受験生の回答や振る舞いにとても厳しい目が向けられます。
対策としてはAO入試を参考に、アドミッションポリシーやディプロマポリシーの内容を織り交ぜた回答や、自身の高校時代の実績をアピールできる回答を用意しておくと役立つでしょう。
また、高校生だけを対象とした、年齢制限も設けられていることもあるため、現役生にとっては合格の可能性を広げられるよい機会となるはずです。
AO入試に代わって導入された総合選抜型入試は、事前に様々な書類作成などがあり、準備が大変かもしれませんが、受験の機会が増えるという大きなチャンスが与えられます。
このチャンスを大いに生かして、ぜひ合格を勝ち取ってください。

