今後の将来を考えたとき、医学部か東大のどちらを目指せば良いのか、悩んでいる方は非常に多いのではないでしょうか。
選択肢によって将来が大きく異なるため、誰もが失敗しない進路選択をしたいと考えるものです。
そこで今回の記事では、医学部は東大よりも難しいのかを解説するとともに、医学部に入学するメリットや東大に入学するメリット・デメリットを紹介します。
さらに、将来性の観点からも医学部か東大かを比較し、進路選択の参考になる情報をお伝えします。
目次
医学部と東大、どちらが難しい?合格難易度を徹底比較

結論から申し上げると、一般的には医学部入試のほうが東大入試よりも難しいと言われる傾向があります。
その理由の1つとして、医学部と東大で合格最低点(必要な得点率)の違いが挙げられます。
2025年度のデータでは、東京大学・理科一類は二次550点満点中 321.0点(約58.4%)、北海道大学・医学部医学科は総合825点満点中 660.85点(約80.1%)でした。
両者の「必要得点率」の差は約21.7ポイントで、医学部の方がより高得点を要求されがちな傾向は最新年度でも概ね同様です。(出典:2025年度 北海道大学 合格最高点・最低点・平均点一覧、東京大学)
もちろん、大学ごとに出題傾向や試験科目が異なるため、一概にどちらが難しいと断言することはできません。
しかし、これらのデータを見る限りでは「医学部入試のほうが東大入試より高得点が求められる(=難易度が高い)」という傾向は確かに存在します。
とはいえ、進路選択においては入試の点数難易度だけで判断すべきではありません。
医学部か東大かを選ぶ際には、それぞれの特色や在学中・卒業後のメリットを踏まえて総合的に考えることが大切です。
次からは、難易度以外の観点で医学部と東大を比較していきましょう。
医学部と東大、将来性を踏まえた徹底比較
医学部か東大かという選択では、将来のキャリアや目標を踏まえて考えることも重要です。
難易度だけでなく、卒業後にどのような道が開けるかを比較することで、自分にとって後悔のない進路を選びやすくなります
以下では医学部卒業後と東大卒業後、それぞれの将来性について解説します。
医学部卒業後の将来性:医師として安定したキャリア
医学部を卒業し医師免許を取得すれば、医師として安定したキャリアを築くことができます。
医師は社会的ニーズが非常に高い職業であり、日本では慢性的な医師不足も指摘される状況です。
病院やクリニック、研究機関など働く場が全国に多く存在するため、自分の希望する地域で働きやすく、医師としてのスキルを活かして長く活躍できるでしょう。
さらに、医師は他職種と比べて平均年収が高く、経済的にも恵まれた将来を期待できます。
実際に厚生労働省の調査によると、医師の平均年収は約1,200万円とされ、これは正規雇用者平均の2倍以上という非常に高い水準です。(出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査の概況」)
このように収入面・職業寿命の面で医学部卒業から医師のルートは将来の安心感が大きいと言えます。
また医師は専門職でありながら転職先の選択肢も幅広く、病院から病院への移籍や開業といった形で自分の望む働き方に柔軟に切り替えやすい点も魅力です。
もっとも、医学部を卒業して医師になった後に別の道に進みたくなる場合もゼロではありません。
そのような場合でも、医学部に合格できる学力と6年間の専門教育を修了した実績は評価につながりやすく、企業によっては医師資格保持者や医学知識を持つ人材を歓迎するケースもあります。
総じて、医学部から医師になる進路は高収入かつ需要の高い安定した将来性を持っています。
東大卒業後の将来性:広がる多様な進路
東京大学を卒業した場合、その将来の選択肢は非常に多岐にわたります。
東大生は在学中に専門を限定されず幅広い教養を身につける機会があり、自分の興味や適性を探りながら進路を決めていくことができます。
卒業後は官公庁や大手企業、研究機関、ベンチャー起業など様々な分野で活躍する道が開けています。
例えば東大卒業生の中からは官僚や政治家、研究者、経営者など社会の各界でリーダーとなる人材が数多く輩出されています。
就職活動においても東大生という肩書きは企業側から高い潜在能力の証明として見なされることが多く、東大卒であること自体が大きなアドバンテージとなる場面が少なくありません。
もっとも東大卒の場合、どの道に進むかは本人の希望と努力次第であり、その将来は自由度が高い反面で保証されたものではないとも言えます。
東大に入学したからといって必ずしも高収入や安定が約束されるわけではなく、卒業後は他大学出身者と同じ土俵で自身の実力を発揮していく必要があります。
しかし裏を返せば、自分の努力次第で好きな分野に挑戦できるということであり、東大卒という強力なバックグラウンドを活かして多方面でキャリアを築ける可能性があります。
東大卒業後の将来性は「可能性の広さ」と言い換えることができるでしょう。
医学部のメリット

ここまで、医学部と東大の難易度や将来性について比較してきました。
続いては、医学部に入学することのメリットについて見ていきましょう。
医学部進学には主に以下の3つのメリットがあります。
- 高収入を実現できる
 - 転職しやすい
 - 6年間の学校生活で将来の選択肢を広げる
 
それぞれ順番に解説します。
高収入を実現できる
医学部に入学し将来医師になることができた場合、高収入を実現できる可能性が高いです。
東大卒の場合の収入は就職先や職業によって千差万別ですが、一般的には医学部を卒業して医師になったほうが生涯年収は高くなるケースが多いと言われています。
そのため、将来できるだけ高い収入を得たいという明確な目標がある場合は、迷ったときに医学部を目指す選択肢が有力候補となるでしょう。
転職しやすい
医師資格を持っていれば転職しやすいと言われています。
病院やクリニック、大学病院、製薬会社のメディカル部門など医師の活躍できる場は複数あり、人材不足の医療分野では有資格者の需要が高いためです。
そのため、もし最初に勤務した病院で働きづらさを感じても他の医療機関に比較的スムーズに移れることは大きなメリットです。
自分に合った職場環境を選び直しやすいという点で、医師は職業的な自由度が高いと言えるでしょう。
6年間の学校生活で将来の選択肢を広げる
医学部の場合、在学期間が6年間と長いため、その分じっくり将来や自分の適性について見つめ直す時間を確保できます。
多くの大学は学部4年間で卒業となりますが、医学部では6年間の学びが用意されています。
この長い学校生活の中で、多様な実習や専門科目の勉強を経験し、自分の興味関心を深めながら進路を検討できます。
実際、医学部に入学した当初は「医師になりたい」という一心だった人も、在学中に研究職や企業医務職など医師以外の道に興味を持つ場合もあります。
仮に卒業時点で医師とは別のキャリアを選ぶことになったとしても、医学部合格に必要な学力や努力を示した6年間の経験は評価されやすく、一般企業への就職も十分に狙えるでしょう。
このように、医学部の6年間は自分の将来を深く考え選択肢を広げられる時間でもあります。
東京大学の学部の概要
次に、東京大学(東大)の学部制度について押さえておきましょう。
東大には「進学振り分け制度」と呼ばれる独自の制度が用意されていることをご存知でしょうか。
進学振り分け制度とは、東大入学後の1~2年次で教養課程(前期課程)を履修し、その成績や希望に基づいて3年次以降の進学先(学部・学科)が決定する仕組みです。
これは東大が掲げるリベラルアーツ教育の一環であり、入学直後から専門を絞るのではなく幅広い分野を学んだ上で専門を選べるようになっています。
基本的に、東大理科三類(通称:理III)に入学すれば医学部医学科への進学が最有力となりますが、成績によっては必ずしも希望通りの学部に進めるとは限りません。
言い換えれば、仮に東大に入学できたとしても在学中の成績次第では医学部(医学科)に進めない可能性があるということです。
そのため、将来医師になることを目指す場合は東大にこだわる必要はなく、最初から他大学の医学部を目指す選択肢も十分に検討すべきでしょう。
東大のメリット
それでは、東大に入学することのメリットについても確認しましょう。
東大生になることで得られる主なメリットは次の4点です。
- 最高の学習環境が整っている
 - 意識の高い仲間ができる
 - 合格したことで自己肯定感が得られる
 - 就職や起業で大きなアドバンテージとなる
 
それぞれ順番に見ていきましょう。
最高の学習環境が整っている
東大は「日本一の大学」と称されるだけあり、学生が学問に打ち込むための最高レベルの環境が整っています。
世界的にも評価の高い研究施設・設備がキャンパス内に揃い、各分野で著名な教授陣・研究者が多数在籍しています。
そのため、最新かつ高度な専門知識に触れながら勉強できるほか、在学中に最先端の研究プロジェクトに参加したり優れた指導を受けたりする機会にも恵まれます。
こうした恵まれた学習環境の中に身を置くことで、自分の学力や知見を継続的に高めていけるでしょう。
意識の高い仲間ができる
東大には全国からトップレベルの学生が集まります。
そのため、学ぶ意欲が高く優秀な仲間と切磋琢磨できることも大きなメリットです。
周囲に努力家で向上心あふれる同級生が多い環境では、良い刺激を受けて自分も一層勉強に励むことができます。
いわば高い志を持つ仲間との競争と協力を通じて、自らの能力を伸ばせるのです。
また、異なるバックグラウンドや才能を持つ同世代から多くのことを学べるため、人間的な成長や視野の広がりも期待できます。
東大で築いた人脈は卒業後も貴重な財産となり、互いに良い影響を与え合う関係を長く続ける人もいるでしょう。
東大合格による強い自己肯定感
日本一難関と言われる東大に合格できたという事実は、学生に大きな自信と自己肯定感をもたらします。
実際に合格発表を経験すると、「自分はやればできる」という確かな達成感を得られるでしょう。
こうした自己肯定感があることで、その後の大学での勉強にも積極的に取り組む原動力となります。
難関を乗り越えた成功体験は精神的なお守りのような役割を果たし、就職活動や社会に出てからの挑戦においてもポジティブなマインドセットで臨む助けとなります。
東大に合格したという過去の努力と結果が、自分自身を支える大きな自信になる点は見逃せないメリットです。
就職や起業で大きなアドバンテージとなる
東大出身という肩書き自体が、就職やキャリアで強力なアピールポイントになります。
企業の採用担当者や社会の周囲から見れば、東大に合格できるだけの努力と能力を持つ人材というだけで高い評価を得やすい傾向があります。
また、将来的に起業を考える際にも、東大時代の人脈やブランド力が役立ちます。
東大の先輩・同級生から支援を得たり、信用力を武器に投資家から資金調達しやすくなるといった利点も指摘されています。
過去に東大に合格するまで積み重ねてきた努力の経験値自体も貴重であり、「難関を突破した」という事実は自分や周囲に対する説得力となって今後のキャリアを後押ししてくれるでしょう。
このように、東大に合格・入学することは決して容易ではありませんが、その分得られるメリットも大きいのは間違いありません。
東大のデメリット
一方で、東大に入学・卒業することにはデメリットも存在します。
東大ならではの注意点として、以下のような点が挙げられます。
- 「東大卒なのに」と言われるリスクがある
 - 入学までの道のりが非常に大変
 - 入学時点で学部を選択できない
 
「東大卒なのに」と言われるリスクがある
東大を卒業すると、その肩書きが社会で一人歩きすることがあります。
つまり、周囲から「東大卒なのにこれくらいできないの?」といった色眼鏡で見られる恐れがあるということです。
東大出身というだけで高い能力や完璧さを期待されやすく、社会に出た際にはちょっとしたミスでも周囲から失望されたりするケースがあります。
このプレッシャーは東大卒ならではの悩みと言え、実力以上のものを常に求められる心理的負担になる可能性があります。
いわば東大ブランドの裏側には高い期待値という影がつきまとうため、その点は覚悟しておく必要があるでしょう。
入学するまでが非常に大変
東大に合格すること自体が日本最高峰レベルに困難であり、入学までの受験勉強は並大抵の努力では達成できません。
高校時代に友人との時間や部活動など多くのことを犠牲にして勉強漬けの日々を過ごす受験生も少なくなく、精神的・肉体的な負担は非常に大きいです。
仮に合格できなかった場合には大きな挫折感を味わうリスクもあります。
東大入試は受かるまでの道のりが険しいこと自体が一種のデメリットと言えるでしょう。
また、晴れて東大生となった後も周囲は優秀な人ばかりの環境に身を置くことになるため、自分の凡庸さを痛感して落ち込む「東大コンプレックス」に陥る学生もいるようです。
いずれにせよ、東大合格までのハードルの高さは覚悟すべきポイントです。
入学時点で学部が選択できない
前述の東大の学部概要でも触れたように、東大では入学直後に自分の専門分野を決めることができません。
理科三類以外の理科一類・二類や文科各類で入学した場合、希望する学部・学科に進むには1~2年次の成績によって振り分けられる必要があります。
そのため、「東大に入ったから医学部に行けるだろう」と安易に考えていると、成績次第では医学部に進めず当初思い描いていた進路と違う結果になる恐れもあります。
このように、東大では入学時に専攻を自由に選べないことがデメリットとして挙げられます。
なお、東大のメリット・デメリットに関しては、その多くが表裏一体と言えます。
東大の受験を検討する際には、これら両面を十分に考慮した上で自分にとってプラスが大きいかどうか判断することが重要です。
医師を目指す場合は東大にこだわる必要はない

以上を踏まえ、「将来医師になりたい」という明確な目標がある場合は、必ずしも東大にこだわる必要はありません。
繰り返しになりますが、医師免許を取得して医師になるためには大学の名前は関係なく、どの医学部を卒業しても同じ国家試験に合格すれば良いからです。
極端に言えば東大でなくとも医学部に入学できれば医師への道は開けますし、逆にたとえ東大に合格できても医学部医学科に進めなければ医師にはなれません。
東大経由で医師を目指そうとしても理科三類以外から医学部医学科に進学するのは容易ではなく、たとえ理科三類に入れても成績不振で医学科進学を断念せざるを得ないケースも考えられます。
その意味で、医師志望であればより確実に医学部合格できる大学を選ぶことが望ましいと言えるでしょう。
具体的には、私立大学の医学部など東大理科三類よりも偏差値や競争率が低めで、合格可能性の高い医学部を志望校に検討する価値があります。
医師になるという最終目標さえ達成できれば、経由する大学が東大である必要はありません。
医師国家試験の合格率はどの医学部でも概ね同程度であり、東大医学部生でなくとも立派に医師として社会で活躍しています。
重要なのは、自分が医師になれる可能性を最大化する受験戦略を取ることです。
難関である東大に固執するあまり医師への道そのものを逃してしまっては本末転倒ですので、自分に合った医学部合格へのルートを選びましょう。
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まとめ

この記事では「医学部か東大か」という違いを比較し、自分の目指す将来像に応じた進路選択の重要性を解説してきました。
医学部入試は一般に高得点が求められる難関ですが、医師という職業には高い社会的ニーズと安定した将来性があります。
一方で東京大学に進学すれば多方面への道が開ける反面、自分で道を切り拓く努力が求められます。
最終的にどちらを選ぶかは本人の志や適性次第ですが、進路に悩むのは当然のことです。
「本当に医学部を目指して良いのだろうか」「自分に合った勉強法で乗り越えられるだろうか」と不安を感じる方も多いでしょう。
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