東京慈恵会医科大学医学部医学科は、慶應義塾大学・日本医科大学と並ぶ私立大学医学部御三家の一角として知られる最難関私立大学医学部の一つです。
再受験先として検討する方にとって、共通テスト利用型選抜を実施せず一般選抜の単一トラックで選抜を行う方針や、MMI形式の面接、過去3年分の年齢別合格者データを募集要項で公開する透明性など、この大学ならではの特徴を把握することが戦略の出発点となります。
社会人経験や他学部卒の経歴を経て医師を目指し直す方にとっては、年齢区分別の合格・入学実績が公表されている点は、出願判断の材料として客観的に参照できる貴重な情報です。
ここでは、2027年度と2026年の入試情報をもとに、再受験者が押さえておくべき出願資格・配点・倍率・学費を整理して解説します。
志望校選びの判断材料として、ぜひ最後までご覧ください。
目次
特徴と再受験者が知るべき建学の精神
建学の精神「病気を診ずして病人を診よ」を体現する伝統校で、共通テスト利用型を実施せず一般選抜の単一トラックで選抜を行う特色を確認します。
1881年創立・建学の精神「病気を診ずして病人を診よ」
東京慈恵会医科大学医学部は、1881年に創立された建学145年の伝統を持つ私立大学医学部です。
建学の精神は「病気を診ずして病人を診よ」で、患者一人ひとりを人間として捉え、疾病の背景にある生活や環境に目を向ける医療の実践が教育の軸に据えられています。
医学科の教育理念である「医学は学と術と道とより成る」とともに、2026年度の学生募集要項にも明記されています。
慶應義塾大学・日本医科大学と並ぶ私立大学医学部御三家の一角として位置づけられ、医学部医学科と看護学科の2学科体制で医療人を養成しています。
附属医療機関は東京慈恵会医科大学附属病院(本院)、葛飾医療センター、第三病院、柏病院の4病院体制で、臨床実習から卒後研修まで一貫した学びの場が首都圏に広がっています。
1年次から福祉体験実習、重症心身障害児療育体験実習、在宅ケア実習などのカリキュラムが組まれており、建学の精神を早期から実体験する教育設計となっています。
再受験者にとっては、患者中心の医療を重視する教育理念のもとで、自身の職業観や志望理由を整理することが求められます。
募集要項に基づく出願資格と年齢制限の有無
2026年度学生募集要項を確認すると、出願資格に年齢制限の記載はありません。
大学卒業者や社会人も制度上は出願することができ、大学在学中・大学院在学中・卒業者は、在学証明書または卒業証明書の追加提出が必要となります。
再受験者は、通常の出願書類にこれらの証明書を加えて出願することで、年齢や経歴に関わらず選抜対象となります。
再受験者にとっては、出願段階で他大学の在学・卒業証明書を揃える手続きが必要となる点を、早めに確認しておくことが出願戦略の第一歩です。
西新橋キャンパスと附属4病院の学習環境
主要キャンパスは、東京都港区の西新橋にある西新橋キャンパスです。
大学1号館を中心とした医学教育施設が集約され、都心立地による交通利便性の高さが学習・通学の両面で特徴となっています。
二次試験も西新橋キャンパスの大学1号館で実施されます。
附属医療機関は、東京慈恵会医科大学附属病院(本院)、葛飾医療センター、第三病院、柏病院の4病院で構成されています。
本院は都心に位置し、特定機能病院・大学病院として高度医療と医学教育を担っています。
葛飾医療センターは東京都東部、第三病院は狛江市、柏病院は千葉県柏市と、首都圏の複数エリアに附属医療機関が広がっており、臨床実習では多様な医療現場を経験できる環境が整っています。
入試制度とMMI面接の特徴

共通テスト利用型を実施しない一般選抜105名のみという選抜構成と、MMI面接を含む二次試験の評価軸を整理します。
一般選抜のみ・共通テスト利用型未実施の選抜設計
2027年度入試の募集人員105名を一般選抜の単一で選抜する特徴があります。
大学入学共通テスト利用型選抜、学校推薦型選抜、総合型選抜、地域枠選抜のいずれも実施していない点は、私立大学医学部のなかでは稀な選抜構成です。
選抜区分を一つに絞る運用は、出願者全員を同じ条件で評価する透明性の高さを生む一方、合格の機会が年1回の一般選抜に集約される構造でもあります。
再受験者にとっては、他大学のように複数方式を併願して受験機会を増やす選択肢がない代わりに、対策を一般選抜の一次試験と二次試験に集中させやすい入試体系といえます。
地域区分優先合格制度と試験会場
全国を5つの区分に分けた地域区分優先合格制度があります。
東京都・千葉県・神奈川県・埼玉県以外の地域をA区分(北海道・東北)、B区分(北関東・甲信越・北陸)、C区分(東海・近畿)、D区分(中国・四国)、E区分(九州・沖縄)に分け、各区分の出身高校から1名を一般選抜の枠内で優先合格とする仕組みです。
この制度は、卒業後の勤務地を拘束せず、通常の一般選抜の合格枠のなかで地域的な多様性を確保する運用となっている点が特徴です。
偏差値・倍率と年齢別合格者データ
大手予備校の2026年度ボーダーと、募集要項で公表される年齢別合格者データから、合格難易度を整理します。
偏差値と2026年度入試の倍率実績
共通テスト利用型選抜を実施していないため、共通テスト得点率のボーダーは設定されていません。
偏差値70.0は全国の私立大学医学部のなかでも最難関の部類に位置し、合格を掴むためには、英語・数学・理科のいずれも高得点を安定して取れる状態に仕上げる必要があります。
合格者最高得点率は77.3%、合格最低得点率は57.1%と公表されており、480点満点で概ね274点から371点の範囲が正規合格圏となります。
ボーダーラインを意識した得点計画が、対策の基礎となります。
募集要項で公開される過去3年分の年齢別合格者データ
募集要項には、過去3年分の年齢別受験者数・合格者数・入学者数が公表されています。
この開示は私立大学医学部のなかでも透明性の高い運用のひとつで、再受験者にとっては出願判断の客観的な材料となります。
自身の年齢区分における直近のデータを把握したうえで、学習計画を立てることが現実的です。
科目別対策と学習計画

全教科記述式の一次試験と医療倫理を問う二次試験の小論文について、科目別の対策方針を整理します。
英語:記述式への対応
一次試験の英語は、試験時間60分・配点100点で実施されます。
出題範囲は英語コミュニケーションⅠ・Ⅱ・Ⅲと論理・表現Ⅰ・Ⅱ・Ⅲに対応し、解答形式は全問記述式で、マークシート方式は採用されていません。
60分という短い試験時間のなかで、長文読解と記述式の英作文に対応する処理速度が求められます。再受験者は、語彙・文法の基礎確認から始め、医系や社会科学的な題材を含む長文への対応力を積み上げる学習計画が現実的です。
記述式の解答では、論理構造を崩さずに英文で自己の意見を展開する能力が評価対象となります。
過去問演習では、時間を計測しながら、設問の配分と解答の精度のバランスを身につけてください。
数学:出題範囲の確認
一次試験の数学は、試験時間90分・配点100点で実施されます。
出題範囲は数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲと数学A、数学B(数列)、数学C(ベクトル、平面上の曲線と複素数平面)の全範囲に対応しており、新課程に準拠した内容です。
解答形式は記述式で、計算過程や論理展開の精度が問われます。再受験者は、高校数学を離れてからの期間が長いほど、計算の正確さと論理的な記述力の両方を取り戻す必要があります。
理科:最大配点への対応
一次試験の理科は、試験時間120分・配点200点で実施され、物理・化学・生物の3科目から2科目を選択します。
各100点で合計200点は一次試験400点満点の半分を占め、最大配点の科目です。
出願登録時に選択した2科目は一切変更できないため、出願前の科目選定が重要な判断となります。
解答形式は全問記述式で、計算過程や実験考察の文章化が評価対象となります。
化学では医学・薬学に関する自然・生命科学の背景知識、生物では実験考察問題の読解力、物理では思考力を問う問題への対応が、一般的な傾向として指摘されています。
得意科目で得点を積み上げつつ、もう1科目で崩れない堅実な学習を並行して進めることが、理科の得点を安定させる基本戦略です。
過去問演習で時間配分と記述のボリュームを本番水準に合わせておいてください。
小論文:課題文要約と論述の構成
二次試験の小論文は、試験時間90分・配点25点で実施されます。
構成は課題文の要約(300字以内)と、課題文を踏まえた論述(1,200字以内)の二段構成で、読解力と論理的表現力の両方を評価する設計です。
医療倫理や社会性に関する題材が出題されやすい傾向が、一般的な指摘としてあります。
要約部分では、課題文の核となる主張を300字以内で正確に抽出する能力が問われます。
論述部分では、課題文で示された論点に対する自分の立場を、根拠とともに1,200字以内で組み立てる必要があります。
90分のなかで、読解・構想・執筆の時間配分を安定させる練習が対策の中心となります。
また、二次試験では面接評価または小論文評価が一定水準以下の場合、総合点に関わらず不合格となる判定ルールが募集要項に記載されています。
小論文は単独で合否を左右する可能性がある評価項目のため、試験対策としても時間を割いて準備する必要があります。
学費と特待生制度・経済計画

私立大学医学部のなかでは最安水準クラスの6年間学費と、成績上位5名が対象の特待生制度を整理します。
6年間学費の内訳と入学手続の分納可能性
東京慈恵会医科大学医学部医学科の2026年度学費は、以下の通りです。
| 学年 | 入学金 | 授業料 | 施設拡充費 | 年間合計 |
| 1年次 | 100万円 | 250万円 | ― | 350万円 |
| 2〜6年次 | ― | 250万円 | 130万円 | 380万円/年 |
| 6年間総額 | 2,250万円 |
授業料については、125万円の前期分と125万円の後期分として、2回に分けて納入することも認められています。
2年次以降の学費についても、4月末日および10月末日までに190万円ずつ分納する方法が用意されています。
学費以外の納付金として、学生会経費10万円(在学期間分)、保護者会経費21万円(入会金と在学期間分)、共用試験受験料(4年次33,000円・6年次20,000円)、卒業時の同窓会費6万円が別途必要です。
出典:東京慈恵会医科大学 学費
成績上位対象の特待生制度と奨学金
入学試験の成績上位5名を対象とした特待生制度があります。
1年次は初年度の授業料250万円が全額免除され、2年次から6年次は各学年で前年度の成績上位5名が毎年選抜され、当該年度の授業料の半額125万円が免除されます。
1年次に特待生として入学し、2年次以降も毎年上位5名に残り続けた場合、6年間で最大875万円の授業料免除を受けられる設計です。
奨学金制度は複数用意されています。
慈恵大学奨学生は学納金の全額または半額を貸与する制度で、保護者会互助部会奨学金は年5名程度に50万円を給付する仕組みを含みます。
このほか、本多友彦慈恵医学教育奨励基金(毎年5名程度に50万円給付)、慈恵医師会海外選択実習奨学金(毎年10名程度に20万円以内)、静岡県医学修学研修資金、などが整備されています。
本気で医学部合格を目指すなら医学部専門予備校 京都医塾
東京慈恵会医科大学医学部医学科のようにMMI面接を含む二次試験80点の比重が高く、一般選抜一本で合否が決まる大学を目指す再受験者には、学力試験と面接・小論文の両面で万全の準備が求められます。
選抜ではなく分析から学習を組み立てられる
再受験における最大の不安は、現在の成績による行動の遅れです。
京都医塾では、最初から合否を分けるのではなく、徹底的な分析から学習を組み立てるアプローチを大切にしています。
今の実力をそのまま受け止め、どこを改善すれば伸びるのかを明確にしたうえで、合格へのステップを整えます。
特に東京慈恵会医科大学医学部医学科のように合格最低得点率が公表されている大学を志望する場合、目標とのギャップを客観的な数字で把握し、日々の計画に落とし込むことが欠かせません。
焦りを学習の「量と質」へと変え、確実な実力アップへ導きます。
1人1席の専用ブースで学習量を最大化
必要な学習量の確保も、再受験生が直面しやすい課題です。
京都医塾では、席取りや移動の手間を減らし、勉強だけに没頭できる環境にこだわります。
自分専用のブースがあると、教材管理も含めて学習のムダが減ります。
全教科記述式で高い論理展開が求められる入試において、日々の演習を途切れなく積み重ねる環境は、得点力の安定に直結します。
学習開始のハードルを下げ、短期で結果を出せる状態を作ります。
小論文・面接の準備を個別に深める
再受験では、社会人経験や他学部での経歴を志望理由にどう繋げるか、面接での説明の一貫性が厳しく問われます。
MMI面接と小論文の比重が大きい入試を突破するには、個別添削と対話を繰り返し、自分の言葉で論理を組み立てる訓練が必要です。
京都医塾では、受験生が伝えたい内容を整理し、本番でも落ち着いて話せる論理的な構成力を個別に磨き上げます。
まとめ

東京慈恵会医科大学医学部医学科は、募集要項には年齢制限の記載がなく、過去数年分の年齢別合格者データが公表される透明性の高い選抜体系が特徴です。
共通テストを利用しない一般選抜のみの入試構造だからこそ、二次試験(MMI面接・小論文・調査書)を含めた多面的な対策、つまり「学力」と「人物」の双方を高いレベルで仕上げる必要があります。
その成否を分けるのは、学習に集中できる環境を整えられるかどうかです。
医学部専門予備校 京都医塾では、学力診断テストで現在地を可視化し、講師によるチーム制で再受験者一人ひとりの課題に合わせた指導を行っています。
さらに「1泊2日医学部合格診断ツアー」では、1対1授業とアチーブメントテストを通じて、現在の学力を科目別に確認することができます。
受験までに何をどこまで仕上げればよいか、客観的な判断材料がほしい方は参加を検討してみてください。
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