数学の記述式問題に苦手意識を持っている人は多いのではないでしょうか。
しかし、多くの医学部では入試の数学で記述式問題が出題されており、避けて通ることはできません。
正しい書き方を知っておくことが重要です。
この記事では、数学の記述式答案の書き方のポイントや対策について詳しく説明します。
加えて、医学部受験に対応できるだけの数学力を身につけるポイントについても解説します。
医学部を目指す受験生はぜひ参考にしてください。
数学記述式答案の書き方のポイント

まずは、数学の記述式問題の答案を書くにあたって、押さえておくべき3つのポイントについて解説します。
回答に至る過程を筋道立てて説明する
数学の記述式問題では、答えさえ合っていればよいというわけにはいきません。
むしろ、答えに至らなくても、正しいプロセスや方針が明記されていれば部分点がもらえる可能性があります。
「どのようにしてその結論にたどり着いたのか」が分かるように解答をしましょう。
数式を並べるだけでなく、要所要所できちんと言葉を使うことが大切です。
採点者は、説明のない部分の行間を読んで「きっとこういう意図でこの数式が出てきたのだろうな」などと好意的に解釈したりはしてくれません。
前提となる条件や使用する定理や公式を明記し、「なぜなら」「よって」などの論理語を使って式の意味や解法の流れを簡潔に説明しましょう。
また、問題文に書かれていない文字を変数として導入する際には、定義してから使いましょう。
例えば「ここで〜をaとする」のように、最初に明確にすることが必要です。
なお読者の中には、「どこまで記述すべきか分からない」「書き過ぎたら減点になるのでは」という不安を持っている方もいるかもしれません。
確かに、矛盾した内容や事実と異なることを書いて減点につながる可能性はあります。
しかし「書き足りないリスク」を考慮すると、「必要か迷ったら書く」姿勢の方が安全です。
内容が間違っていないならば、丁寧に書いた方が意図が伝わりやすくなります。
もちろん制限時間の問題もあるので、必要十分な解答が理想です。
ただし、慣れないうちは過不足なく書けるものではありません。
後述する「数学記述問題への対策」などを参考に練習を重ねる必要があります。
場合分けに注意する
絶対値や平方根を含む式は、変数 x の値域によって形が変わります。
区間を漏れなく調べ、得た値がその区間条件を満たすかを確かめないと、論理性が欠けて大きく減点されてしまいます。
【例題】 |x − 2| + |x + 1| = 5 絶対値が切り替わる点は x = 2, −1。したがって次の3つに分けて解きます。 (1) x ≥ 2 ( x − 2 ) + ( x + 1 ) = 5 → 2x − 1 = 5 → x = 3 この値は条件を満たすので、解となる。 (2) −1 ≤ x < 2 ( 2 − x ) + ( x + 1 ) = 5 → 3 = 5 この区間には解がありません。 (3) x < −1 ( 2 − x ) + ( −x − 1 ) = 5 → 1 − 2x = 5 → x = −2 この値は条件を満たすので、解となる。 よって解は x = 3, −2 です。 |
区間を分ける→式を変形→区間条件と照合の三段階を必ず書き切る。
これが場合分けの基本ルールです。
読みやすい答案を作る
採点者が読みやすい答案を作ることも必要です。具体的には下記のポイントに注意しましょう。
字は丁寧に
綺麗でなくても構いませんが、採点者が読める字を書きましょう。
特に数字や変数の英字は、読み間違えによる減点に繋がる恐れがあるので注意が必要です。
例
- 「1と7」「0と6」などの紛らわしい数字
- 「aとα」などの紛らわしい文字
- 「Xとx」など大文字と小文字の区別
数式や場合分けに番号をつける
数式や場合分けに番号をつけることで、例えば「式(3)より..」や「場合1では..」のように参照できるため論理展開が分かりやすくなります。
採点者にとって、解答のどこを見るべきかが明確になるため、解法を正確に理解してもらえる可能性が高まります。
・答えがどれか明確に分かるようにする
採点者が真っ先に見るのは答えなので、どこにあるのか分からないと採点しづらいです。
「…(答)」と書いたり、下線を引くなどして一目で分かるようにしましょう。
数学記述式問題への対策
ここでは、記述力を上げるための具体的な3つの対策について解説します。
網羅型参考書等の解答解説を参考にする
独学で記述式解答を書く練習をする場合は、網羅式参考書の解答解説を参考にするのがおすすめです。
自分で書いた解答と照らし合わせ、不足している記述があればなぜその部分が必要なのかを考えながら学習するとよいでしょう。
日頃から記述答案を書く準備をする
記述式答案は、模試の時だけ取り組んでも上手く書けるものではありません。
時間が足りなくなったり、普段はしないようなミスを犯したりしてしまいます。
問題演習のたびに毎回書くのは難しいかもしれませんが、何日に1度など自分でペースを決めて普段から記述答案を書く練習をしておきましょう。
練習を繰り返せば、書くスピードも上がります。
添削を受ける
自分が書いた解答を自分で見返してみても、記述の不備を見つけるのは簡単なことではありません。
自分では正しく書けているつもりでも、論理に飛躍があったり読み手に伝わりにくい文章であったりということはよくあります。
添削を受けることで、自分の答案の足りない点を客観的に知ることができ、改善すべき部分が明らかになります。
できれば、数学の専門家であると同時に大学受験にも詳しい人の添削を受けることが、望ましいです。
医学部受験数学のポイント

記述式問題に取り組む際には、必要な数学力があることが大前提です。
自力で答えを出す力が無いのに、記述力だけ磨いても意味がありません。
ここでは、医学部受験に対応できる数学力を身につけるための3つのポイントについて解説します。
基礎固めが重要
数学の勉強に関しては、まず基礎を固めることが重要です。
基礎ができていないうちに、高度な問題集に手を出したりしても、うまく行きません。
医学部の入試問題でも全てが難問というわけではなく、目安として約4割が教科書レベルの標準問題です。
まずはここで確実に取りこぼさないことが大切です。
なお基礎を固めるに当たっては、数Ⅲまでの範囲をできるだけ早く終わらせましょう。
医学部の入試では数学Ⅲからの問題が頻出します。
多くの高校ではカリキュラム通りだと数Ⅲが始まるのは3年生になってからで、終わるのは夏を過ぎてからというケースも多いですが、それだと現役合格するには間に合わない可能性が高いです。
解法のパターンを身につける
基礎を固めた後は、解法のパターンを身につけましょう。
その際に解法を丸暗記するだけだと、試験で少し問い方を変えられたら対応できません。
なぜそのような解き方になるか理解を伴った上で、自力で再現できるまで繰り返し解いて身につける必要があります。
計算力も大切
計算は数学の勉強で軽視されがちですが、医学部合格には必須のスキルです。
厳しい時間制限の中で大量の問題をこなすためには、素早く正確に計算ができなければなりません。
計算力は、筋力のようなもので、一朝一夕には身につきません。
毎日少しずつ計算練習を続けることが大切です。
本気で医学部合格を目指すなら京都医塾
これまで見てきたように、記述力を伸ばすには受験数学に通じている人の添削を受けることが不可欠です。
しかし身近にそういう人がいるとは限りません。
大前提として、医学部受験に対応できるだけの数学力を身につける必要がありますが、自力で行うのは簡単なことではありません。
医学部専門予備校の京都医塾を活用すれば、記述対策も前提となる数学力のアップのどちらも目指すことが可能です。
添削の質と対応スピードが記述力を鍛える
記述問題は、答えを出す力だけでなく「どう書いたか」が評価の対象になります。
つまり、自分の答案が相手に伝わるかどうかが合否を分ける要素になるのです。
京都医塾では、日々常駐するプロ講師陣が、生徒一人ひとりの解答をその場で添削します。
疑問点があればすぐに相談でき、ミスの原因や改善の方向性まで丁寧に指導してもらうことも可能。
受験数学に精通した講師が、思考の過程にまで目を向けてアドバイスを行うため、記述力が自然と鍛えられていきます。
独自の学習設計で数学力を徹底的に底上げ
記述力を発揮するには、土台となる数学力が不可欠です。
京都医塾では入塾時に学力を詳細に分析し、生徒の現状と志望校との差を見極めたうえで、オーダーメイドのカリキュラムを設計します。
たとえば、数学が苦手な分野があれば基礎に戻って集中的に復習、逆に得意分野は演習を重ねて解法の幅を広げるなど、最短距離で力をつけられるような学習導線を整備。
日々のToDo管理まで可視化されているので、迷わず勉強に集中できます。
定期的な1on1面談で記述の悩みもすぐ相談できる
京都医塾では、毎週担任との個別カウンセリングが行われ、生徒の学習や精神面を常にチェックしています。
たとえば、記述式で何を書けば良いかわからない場合や答えが合っていても不安が残るといった数学特有の不安も、面談で丁寧に拾い上げてくれます。
試験直前の焦りやストレスを減らすことは、記述問題に対する落ち着いた対応にもつながります。
生徒が安心して勉強に向き合える環境を整えることで、着実に合格を目指せるのが京都医塾の強みです。
まとめ

数学の記述問題は、単なる計算力や知識の正確さだけでは乗り越えられない壁です。
答えに至るまでの過程を相手に伝える力、そしてその内容を的確に表現する力が求められます。
この記事で紹介したように、記述式答案で評価されるには、日々の練習と的確な添削を繰り返すことが重要です。
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自分の現在地を知り、合格までに必要な準備を明確にするチャンスです。
まずは一歩踏み出して、未来の自分を変えるためのスタートを切りましょう。
医学部受験を検討中の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。