2025年度入試では大学入学共通テストの新教科「情報Ⅰ」や数学B「統計的な推測」の追加、地域枠の大幅拡充など、医師養成政策と新課程対応の双方から変更が実施されます。
国公立医学部では「学力+人物評価」へとシフトし、私立医学部では英語外部試験の加点制度や共通テスト利用枠の新設により、受験戦略の複雑化が進んでいます。
今回の記事では、文部科学省と各大学の最新情報(2025年5月時点)をもとに、変更点を国公立・私立別にわかりやすく整理し、受験生が「何を、いつまでに準備すべきか」を具体的に解説します。
【2025年】国公立医学部の主な入試変更点

2025年度の国公立医学部は、新課程対応で数学B「統計的な推測」と「情報Ⅰ」を課す大学が増加。
共通テストの得点配分を再調整して理数4教科重視にする一方、面接や小論文の配点を引き上げて「学力+人物」の総合評価へシフトしています。
地域枠は昨年度比で約200席拡大し、都道府県との協定を結ぶ新規枠が目立ちます。
これにより一般枠の倍率は緩和方向ですが、人物評価で足切りを設ける大学も増えているため、早めの面接対策が必須です。
山形大学
山形大学では、前期日程で2024年度に廃止された 国語(現代文)の個別試験は2025年度も出題されません。
個別学力試験は数学200点・理科2科目400点・英語200点のみ(計700点)で、理系科目に学習時間を集中できる構成です。
出願書類は調査書に加え、地域枠志願者のみ「志望の動機」および「誓約書」(県内勤務の確約)を提出します。
一般枠では「活動報告書」など追加レポートは課されていません。面接では山形県の医療課題やチーム医療への理解、将来の貢献プランが深掘りされる傾向があります。
金沢大学
金沢大学では、KUGS(Kanazawa University Global Standard)特別入試において新たに地域枠が設けられ、より幅広い受験層に門戸が開かれました。
総定員は従来通り112名を維持しつつ、調査書や課外活動の内容を重視する総合選抜型入試が強化されています。
受験生は、探究学習やボランティアなどの実績をエビデンス付きでまとめたポートフォリオの提出が求められるため、自己の学びを客観的に示す資料づくりがポイントになります。
山梨大学
2025年度の山梨大学では、医学科の定員を臨時で20名増員し、全体で125名の募集となります。
また、推薦Ⅱ入試における地域枠の拡大が行われ、地元出身者や地域医療志向の強い受験生に有利な制度が整備されました。
数学の出題範囲には「統計的な推測」が明記され、データの分析や解釈に関する問題が出題される見込みです。
医師国家試験で出題される疫学・統計分野の問題にも類似点が多いため、応用的な演習が効果的といえます。
岐阜大学
岐阜大学では、2025年度に定員が25名増加し110名となる一方、入試の内容にも変更があります。
特に一般選抜においては、数学B「統計的な推測」が個別試験でも問われるようになり、共通テストと合わせて二重での出題が実施されます。
これは、医療現場での統計活用力を重視する姿勢の表れであり、医療統計やエビデンスベースの思考法に関する長文問題が例年出題されていることから、早期の本格的な演習が重要です。
奈良県立医科大学
奈良県立医科大学では、前期日程において個別筆記試験(数学・英語)を廃止し、選抜は共通テストと小論文のみによって行われます。
これにより、受験生の論理的思考力や医療に対する志向性が評価の中心となります。
小論文では、地域医療に関連する課題が頻出であり、医療現場の体験や医療倫理に対する考察を盛り込んだ論述が求められます。
面接も重視されるため、地域医療を担う意識と現実的な将来像の提示が必要です。
愛媛大学
愛媛大学では、2025年度に地域特別枠推薦の定員が20名から5名へと大幅に削減されます。
全体の定員数(110名)は維持されますが、地域医療を志す受験生にとっては競争率が上がる見込みです。
そのため、地域貢献に関する志望理由の差別化が一層重要となり、単なる「地域に貢献したい」では評価が得られにくい傾向があります。
地元の医療課題や過疎地医療の現状に関する具体的な知見を含めて語れるよう準備を進める必要があります。
長崎大学
長崎大学では、2025年度から面接の配点を従来の60点から150点に大幅に引き上げます。
これは、単に知識ではなく、人間性や医療人としての資質を重視する評価基準への明確な転換を示しています。
実際に、近年の面接では、医療倫理・災害医療・多職種連携といったテーマについて深い理解や意見が求められるケースが増加しています。
共通テストで高得点を取っても、面接で評価が低ければ不合格となることもあり得るため、早い段階からの模擬面接対策が必須です。
宮崎大学
宮崎大学では、2025年度からの変更で「情報Ⅰ」を全学部で必須化し、医学科でも例外なく出題範囲に含めています。
これにより、情報処理・プログラミング的思考に関する設問が出される可能性が高まっています。
受験生は、デジタル技術と医療ICTの関係性や、情報モラルに関する基礎知識をしっかり押さえておくことが、他者との差をつけるポイントとなります。
鹿児島大学
鹿児島大学では、2025年度からの変更で地域枠の面接を配点化し、80点を新たに割り当てます。
これにより、これまで曖昧だった人物評価が数値として明示されるようになり、面接における評価の重要性が一段と高まりました。
特に注目されるのは、多職種連携に対する理解や、地域医療への定着意欲を数値的・経験的に裏付けて話す能力が問われる点です。
面接準備では、定量的なデータや具体的なエピソードを用意しておくことが有効です。
名古屋大学
名古屋大学医学部では、個別学力試験から国語を完全に廃止し、理科・数学・英語の理数4科目と面接で選抜が行われます。
また、共通テストにおける国語の比重も低下しており、理系能力と論理的思考を軸とした選抜方針がより明確になりました。
二次試験の理科は難易度が高く、単なる知識ではなく「時間内に完答する力」と「課題解決型の記述力」の双方が求められるため、過去問を用いた時間管理トレーニングが有効です。
札幌医科大学
札幌医科大学では、2025年度入試で面接の配点を100点から200点に倍増し、人物評価の比重が大幅に拡大されました。一次選抜は共通テスト1,100点換算、二次では面接200点の総合評価となり、面接結果が合否を左右する割合が極めて高くなっています。
評価内容としては、医学的倫理観や将来の学修計画、地域貢献に関する具体性が問われる傾向があり、受験生には自己分析シートや志望理由書の精緻化が強く推奨されます。
私立大学医学部の入試変更点まとめ

2025年の主な入試変更点
2025年度の私立医学部入試では、入試方式の多様化と個別制度の充実が一段と進んでいます。
特に、英語外部試験のスコア加点制度や共通テスト利用枠の新設、さらに地域医療枠の拡充・再編などが複数の大学で導入され、受験生はより多様な選抜方式の中から、自身の得意分野や学力特性に合った戦略的な併願設計が求められます。
英語外部試験では、TOEFL、英検などのスコアが大学所定の基準に達していれば、20〜50点の換算加点が付与されるケースが一般的です。
これにより、英語の筆記試験が免除される大学も存在し、英語力を客観的に示せる受験生には大きなアドバンテージとなります。
一方で、一般入試の日程前倒しや定員再編によって、従来型の学力試験一本勝負では合格が難しくなっている側面もあり、面接や調査書、小論文といった人物評価型の要素にも注力する必要があります。
東京医科大学
東京医科大学では、2025年度入試から英語検定スコアを活用した学校推薦型選抜(募集人員3名以内)を新たに導入します。
出願にはCEFR B1相当以上(例:英検2級、TOEFL iBT 42以上など)の英語資格スコアが必要で、合否判定においては英語の筆記試験が免除される仕組みです。
さらに、群馬県との協定に基づく地域枠(募集人員2名以内)も同年度より新設され、推薦・一般選抜の両方で地域医療志向の受験生に対する受け入れ枠が広がっています。
地域枠では、卒業後の地域医療貢献を前提とした選抜が行われるため、志望理由書や面接において明確な意志の表明が求められます。
日本医科大学
日本医科大学では、2025年度より後期日程を「グローバル特別選抜」へ刷新し、英語外部資格を必須化します。
一次選抜は、大学入学共通テストのスコアと、TOEFL iBT 72点以上のスコアを組み合わせて実施され、従来の一般的な後期型入試とは異なる評価体系が導入されました。
二次選抜では、英語による面接および課題解決型討論(グループディスカッション)が行われ、単なる語学力ではなく、国際的視野や医療人としての判断力・協調性も重視されます。
海外医療研修プログラムへの参加志望がある受験生にとっては、自らの意欲をアピールできる絶好の機会となります。
藤田医科大学
藤田医科大学では、2025年度入試において共通テスト利用方式の後期募集を廃止し、前期のみでの実施に一本化されます。
これにより、受験生はスケジュールの再設計を迫られる一方、事前準備の集中が可能になります。
また、同大学の選抜「ふじた未来入試」では、英語のスピーキング・リスニング能力を面接で直接評価する方式が導入されています。
これは、国際医療への適性を判断する一環として、コミュニケーション力や語学力を重視する方針を明確に示したものです。
英語資格スコアの活用とともに、実践的な表現力のトレーニングも重要になっています。
大阪医科薬科大学
大阪医科薬科大学では、2025年度の公募推薦・一般前期入試において、出題範囲に「数学C」が追加されます。新たに含まれる分野は、「ベクトル」および「複素数平面」で、旧課程では扱われなかった範囲の対策が求められます。
この変更により、特に理系数学で高得点を狙う受験生には、大学入学共通テストの枠を超えた記述・応用力が試されることになります。
旧課程の過去問だけでは対応が不十分となる可能性があるため、新課程対応問題集や難関大学の過去問による演習が推奨されます。
産業医科大学
産業医科大学では、2025年度も引き続き、共通テストを利用しない独自選抜方式を継続します。
一次試験では、英語長文読解と理数総合問題を中心とした筆記試験が行われ、二次では、面接を通じて産業医学への適性が重点的に評価されます。
注目すべきは、2025年度も「情報Ⅰ」を入試科目として課さない方針を明確にしている点です。
これにより、他大学と比較して、科目数が限定されており、対策科目に集中できる利点があります。
働く人々の健康と安全を支える産業医を育成するという大学の理念に沿った選抜設計が貫かれています。
聖マリアンナ医科大学
聖マリアンナ医科大学では、2025年度入試から共通テスト利用方式(募集人員約5名)が新設されます。
この方式では、英語(リーディング・リスニング)、数学、理科2科目、国語(近代以降の文章)の得点を標準化して利用し、二次試験では小論文・面接・適性検査が実施されます。
この新制度は、学力だけでなく、医師としての適性や人間性を重視する選抜方針を反映しており、共通テストで高得点を得た受験生にとって、科目負担を抑えた追加出願がしやすい方式として注目されています。
慶應義塾大学医学部
慶應義塾大学医学部では、2025年度一般選抜の一次試験日程が従来の2月19日から2月9日に変更されました。
この前倒しにより、共通テスト後に行われる国公立大学との日程競合が回避され、併願戦略の自由度が高まると期待されています。
また、2025年度より新設される「栃木県地域枠」(募集人員1名)は、地域医療への意欲が高い受験生にとって、国立大学以外で地域医療に関わる進路を選ぶ貴重な選択肢となります。
現時点では詳細は6月に発表予定ですが、地域枠志望者は早期から志望理由の明確化が求められます。
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まとめ

2025年度の医学部入試は、新課程への完全移行と人物評価強化が同時進行する、かつてない過渡期です。
理数系の新範囲に追いつくだけでなく、面接や小論文で医療人としての資質を示す準備が合格を左右します。
記事全体で整理した通り、早い段階から「教科横断型の学習」と「自己表現のトレーニング」を並行させることが、国公立・私立を問わず合格率を高めるために重要です。
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