私立大学医学部の「地域枠」は、地元や医師不足地域で一定期間勤務することを条件に、奨学金や学費支援を受けられる制度です。
2025年度の最新情報に基づき、全国の私立大学医学部が設ける地域枠の種類、対象都道府県、選抜方式(一般・学校推薦型・総合型)を一覧表で整理し、出願要件や勤務義務の仕組みもわかりやすく解説します。
目次
私立大学医学部の地域枠とは?

地域枠の主旨は、地方医療を担うための若手医師の育成です。
医師不足は、都市部でも起こっている問題ではありますが地方においては、さらに深刻化していることから、国をあげて取り組むべき課題として位置づけられています。
そのため、国内にある私立大学医学部の多くでは地域枠を創設して、医師不足の解消と医療のさらなる充実を目指しているというわけです。
地域枠を設けている私立大学医学部
ここからは、地域枠を設けている私立大学医学部を紹介します。
以下は2025年度のデータをもとに、各医学部の地域枠をまとめたものです。
志望校の検討にぜひ参考にしてください。
| 大学名 | 地域枠名 | 対象地域 | 選抜方式 | 備考 | 
| 岩手医科大学 | 地域枠C(全国枠)、地域枠D(全国枠・診療科指定)、学校推薦型(A枠・B枠・秋田県枠)、総合型(地域医療医師育成特別枠) | 岩手・東北・全国 | 学校推薦型・総合型 | A枠は岩手県、B枠は東北出身者対象 | 
| 東北医科薬科大学 | 一般選抜修学資金枠(A方式・B方式) | 全国 | 一般選抜 | A・B方式で条件が異なる | 
| 獨協医科大学 | 栃木県地域枠、共テ栃木枠、推薦(地域特別枠) | 栃木・新潟・埼玉・茨城 | 一般選抜・推薦 | – | 
| 杏林大学 | 東京都地域枠、新潟県地域枠 | 東京・新潟 | 一般選抜 | 救急・周産期・小児科医療希望者も可 | 
| 順天堂大学 | 東京都・千葉県・静岡県・新潟県・埼玉県・茨城県地域枠 | 上記6県 | 地域枠選抜 | – | 
| 昭和大学 | 新潟県・静岡県・茨城県・山梨県地域枠 | 上記4県 | 地域枠選抜 | 2024年度より山梨県追加 | 
| 帝京大学 | 千葉県・静岡県・福島県地域枠、茨城県・新潟県資金貸与対象 | 上記 | 一般選抜 | 出願時に資金貸与制度あり | 
| 東京医科大学 | 茨城県・新潟県・埼玉県・群馬県地域枠 | 上記4県 | 学校推薦型 | 2025年度より群馬県新設、千葉県枠廃止 | 
| 日本大学 | 新潟県・茨城県・静岡県・埼玉県地域枠 | 上記4県 | 地域枠選抜 | 神奈川県枠は廃止済 | 
| 日本医科大学 | 東京都・千葉県・静岡県・埼玉県・新潟県地域枠 | 上記5県 | 一般選抜 | – | 
| 北里大学 | 相模原市修学資金枠、地域指定校枠 | 山梨・茨城・神奈川・埼玉・新潟 | 一般選抜・推薦 | 指定校から選抜 | 
| 東海大学 | 神奈川県・静岡県地域枠(共通テスト利用型) | 神奈川・静岡 | 一般選抜 | – | 
| 金沢医科大学 | 指定校・指定地域枠 | 石川・富山・福井・氷見市 | 推薦型 | – | 
| 愛知医科大学 | 愛知県地域特別枠(A方式・B方式) | 愛知県 | 推薦・共通テスト利用 | – | 
| 藤田医科大学 | 愛知県地域枠 | 愛知県 | 一般入試 | – | 
| 大阪医科薬科大学 | 大阪府地域枠 | 大阪府 | 一般選抜 | 修学資金貸与同意書必要 | 
| 関西医科大学 | 大阪府・静岡県・新潟県地域枠 | 上記3県 | 一般選抜 | 2025年度より前期に変更 | 
| 近畿大学 | 大阪府・奈良県・和歌山県・静岡県地域枠 | 上記4県 | 一般前期・後期 | 後期は静岡県枠のみ | 
| 久留米大学 | 久留米特別枠、福岡県特別枠 | 福岡県 | 推薦型 | 併願可だが合格は片方のみ | 
| 川崎医科大学 | 岡山県・静岡県・長崎県地域枠、中国・四国地域枠、霧島市枠 | 岡山・静岡・長崎・中国四国 | 地域枠選抜・総合型 | 専願制 | 
| 産業医科大学 | A・B・Cブロック地域枠 | 九州各県等 | 推薦型 | 各ブロックから15名以内 | 
| 福岡大学 | 地域枠推薦 | 福岡県 | 推薦型 | – | 
以上のように、2025年度時点で私立大学医学部では多数の地域枠が設けられており、各大学が地域医療に貢献する学生を積極的に受け入れていることがわかります。
私立大学医学部地域枠のメリット・デメリット
医学部地域枠を利用することには、一般入試にはないメリットが多く存在します。
一方で、制度の性質上どうしても避けられないデメリットもあります。
ここでは地域枠の主なメリットとデメリットを確認しておきましょう。
地域枠入試のメリット
合格のチャンス拡大
地域枠入試は通常の一般入試より志願者が限定されるため、競争率が比較的低くなる傾向があります。
出願資格を満たす受験生にとっては、一般枠と併願できる場合も多く、結果的に合格の可能性を広げられると言えるでしょう。
経済的負担の軽減
多くの私立大学医学部では、地域枠合格者に対して自治体などから奨学金や修学資金の貸与があります。
一定期間の勤務など条件を満たせば学費の全額が免除されるケースもあり、実質的に学費負担ゼロで卒業できる可能性もあります。
経済面の不安が大きく軽減される点は大きなメリットです。
地元医療への貢献
地域枠で入学した学生は、将来その地域で医療に従事することが約束されます。
自分のふるさとや医師不足の地域に貢献できる道が開けることは、大きなやりがいにつながります。
地域医療に熱意のある人にとって、地域枠は志を実現する絶好の機会です。
地域枠入試のデメリット
卒業後の義務勤務
地域枠で入学した場合、卒業後に指定地域で長期間勤務する義務があります。
20代後半から30代前半のキャリア形成期を特定の地域で過ごす必要があり、「将来的に都会で専門医として活躍したい」などの希望がある場合には制約となります。
強い地元志向や地域医療への情熱がないと、人によっては後悔につながることもあるでしょう。
制度の趣旨を理解した上で慎重に判断すべきです。
奨学金返還リスク
地域枠で貸与される修学資金は、条件を満たせば返還免除となりますが、途中で義務勤務を果たせなかった場合は貸与額に利息を付けて全額返還しなければならない決まりです。
例えば家庭の事情で離職したり、他地域で勤務したくなった場合、多額の返還義務が発生するリスクがあります。
経済的メリットと表裏一体の負担である点に注意が必要です。
入試形式の違い
地域枠入試では一般入試と異なる選抜方法や基準が課されることがあります。
推薦型では調査書の評定平均値や面接評価が重視され、単純な学力試験だけでは合格できません。
また自治体面接や小論文など特殊な試験が課される場合もあります。
一般入試との違いを把握し、十分な対策を講じることが必要です。
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地域枠での医学部合格を目指すには、入試制度の理解に加えて、
確かな学力を身につけるための学習環境とサポート体制が欠かせません。
医学部専門予備校 京都医塾 は、地域枠に特化した対策講座は設けていませんが、医学部合格から逆算して設計された本質的な学力養成プログラムによって、一般選抜を中心に、地域枠を含むあらゆる入試方式に対応できる実力を育てます。
ここでは、そんな京都医塾の強みを支える3つの特徴をご紹介します。
13名の専門講師が連携するチーム制
医学部専門予備校 京都医塾では、一人の受験生を13名の専門講師がチームで担当します。
全科目の担当講師が学習進度や課題を共有し、科目ごとの偏りを防ぎながら効率的に学力を伸ばせるように計画を組み立てます。
さらに、担任講師に加えて教務スタッフ2名が連携して支える体制があるため、日々の学習状況を踏まえたアドバイスや調整を受けられる安心の仕組みです。
個別カリキュラムで合格までの道を設計
入塾時に学力診断を行い、得意と苦手を分析したうえで、一人ひとりに合わせた学習カリキュラムを作成します。
例えば苦手科目を重点的に強化しながら、得意科目をさらに伸ばすなど、効率的に成果を出すことを意識した設計です。
定期的に進捗を確認し、必要に応じて計画を修正していくので、常に自分に合った最適な学習を進めることができます。
寄り添いサポートで継続を支援
長期間にわたる医学部受験勉強では、学力面だけでなく精神的なサポートも不可欠です。
医学部専門予備校 京都医塾では、学習習慣の定着から生活リズムの改善、健康面に至るまで、受験生活をトータルで支える仕組みがあります。
困ったことがあればすぐに相談でき、学習が途切れないように寄り添いながら支援してもらえるため、安心して勉強に集中できます。
まとめ

この記事では、私立大学医学部の地域枠制度について最新情報を整理し、大学ごとの制度の違いやメリット・デメリットを解説しました。
地域枠は、学費支援や地元医療への貢献といった大きなメリットがある一方で、勤務義務やキャリア上の制約など注意すべき点もあります。
受験生にとっては「自分の志望や将来像と合っているかどうか」を判断する大切な分岐点になります。
一方で、複雑な制度や出願条件を前に「自分は地域枠を利用すべきなのか」「どの大学を志望すべきか」と悩むのも自然なことです。
そのような時、医学部専門予備校 京都医塾なら、13名の講師チームと個別カリキュラムを基に、受験戦略の立案から日々の学習サポートまでトータルサポートします。
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