聖マリアンナ医科大学医学部の一般選抜は、英語・数学・理科ともに記述式を含む出題形式で、マーク式のみの大学とは対策の方向性が異なります。
さらに数学と英語には基準点が設定されており、1科目でも基準点を下回ると、他科目の得点にかかわらず不合格となることがあります。 (※理科には基準点の定めはなく、公式要項上、基準点制度は英語・数学に限られています)
再受験者にとっては、特に英語・数学を苦手として残さず仕上げることが合格への重要な条件となります。
この記事では、聖マリアンナ医科大学医学部の再受験に必要な入試制度、偏差値・倍率、科目別の対策、学費と川崎市での生活設計まで解説します。
目次
聖マリアンナ医科大学医学部の再受験者が押さえるべき入試の特徴
聖マリアンナ医科大学医学部の入試は記述重視の出題形式と基準点制度を組み合わせた独自の選抜方式を採用しています。
ここでは入試形式の特徴、出願資格、大学病院の教育環境の3点を整理します。
記述重視の入試と基準点制度の仕組み
聖マリアンナ医科大学医学部の一般選抜1次試験は、英語・数学が各100点、理科が200点(2科目選択)の合計400点です。
英語は記述式と選択式(マーク式)の混合形式、数学は大問1〜3が穴埋め式、大問4が記述式(証明問題を含む)という組み合わせです。理科は選択する科目によって形式が異なり、化学・生物は記述式が中心、物理は記述式と穴埋め式の併用となっています。
マーク式のみの大学では消去法で正解にたどり着けますが、聖マリアンナ医科大学では解答の過程や考え方を自分の言葉で記述する力が問われます。
加えて、英語と数学には基準点が設定されています。
いずれかの科目で基準点を下回った場合、他の科目でどれだけ高得点を取っていても不合格となることがあります。
再受験者にとっては得意科目に頼る戦略が通用しないため、特に英語・数学について一定以上の得点力を安定して維持することが求められます。
募集要項に基づく出願資格と年齢に関する情報
聖マリアンナ医科大学医学部の出願資格は、高等学校卒業者または同等の学力を有する者とされており、公式の入学者選抜要項に年齢上限の記載はありません。
制度上は年齢に関わらず出願が可能です。
再受験者の合格が不可能ではないものの、面接では再受験の動機と医師としてのビジョンを明確に伝えられるよう準備することが重要です。
附属病院を中心とした教育環境とスポーツ医学の強み
聖マリアンナ医科大学病院は955床(一般924床、精神31床)を有する特定機能病院です。
高度救命救急センター(神奈川県内最高レベルの救急指定)、地域がん診療連携拠点病院(高度型)としても機能しており、臨床実習では救急医療から高度専門医療まで幅広い症例に触れる機会が得られます。
さらに、聖マリアンナ医科大学病院はFIFA(国際サッカー連盟)メディカルセンターに指定されています。
2007年12月に世界で5番目、アジアでは初めての指定を受けており、スポーツ医学の分野で国際的な評価を受けています。
また、2019年から進めてきたキャンパスリニューアルプロジェクトでは、免震構造・12階建て・屋上ヘリポートを備えた新入院棟が2023年1月に稼働、新外来棟・エントランス棟が2025年1月にオープンしました。
グランドオープンは2027年6月が予定されており、教育・臨床環境のさらなる充実が見込まれます。
聖マリアンナ医科大学医学部の一般選抜の入試制度と配点

入試の特徴を把握した上で、次に確認すべきは具体的な配点構成と2次試験の評価方法です。
基準点制度がある前提での得点計画の立て方を確認します。
試験科目と配点の構成
聖マリアンナ医科大学医学部の一般選抜(前期・後期共通)の試験科目と配点は以下の通りです。
| 科目 | 配点 | 試験時間 |
| 英語 | 100点 | 90分 |
| 数学 | 100点 | 90分 |
| 理科(2科目) | 200点 | 150分 |
| 小論文(2次) | 50点 | 60分 |
| 面接(2次) | 50点 | 約15分 |
| 合計 | 500点 | — |
※配点は2026年度入学者選抜要項に基づく
1次試験400点のうち理科が200点と半分を占めるため、理科2科目の得点力が合否に大きく影響します。
数学と英語はそれぞれ100点ですが基準点が設定されており、一定以上の得点を確保しなければなりません。
基準点の具体的な点数は公表されていませんが、基準を下回ると他科目の得点にかかわらず不合格となることがあります。
共通テスト利用選抜も実施されており、4教科6科目(710点満点)に2次試験(小論文50点・面接50点)を加えた構成です。
定員は約5名と少なく競争は非常に激しいため、定員75名の一般選抜前期が現実的な主要選択肢となります。
面接と適性検査の評価方法
2次試験は小論文(60分・50点)、面接(50点)、適性検査(30分)の3つで構成されます。
面接は例年、受験生1名に対して面接官3名による個人面接で実施されているとされており、所要時間は1人あたり15分程度が目安です。
医師志望理由や本学志望理由についてオーソドックスな質問がされる一方、回答に対して深く掘り下げて質問される傾向があります。
付け焼き刃の回答では対応しにくいため、自分の考えの軸を事前に整理しておくことが重要です。
(出典:聖マリアンナ医科大学 入試情報)
聖マリアンナ医科大学医学部の偏差値・倍率と合格の現実性
入試制度の全体像を把握した上で、偏差値と倍率のデータから合格に必要な学力水準を確認します。
偏差値データから見る神奈川県の私立大学医学部の中での位置づけ
2026年度の大手予備校の偏差値データによると、聖マリアンナ医科大学医学部のボーダー偏差値は62.5です。
この偏差値は私立大学医学部全体の中では標準的な水準ですが、基準点制度があるため単純な偏差値比較だけでは合格可能性を判断できません。
各科目で安定した得点力を持っていることが、偏差値以上に重要な要素です。
まずは大手予備校の模試で偏差値63以上を安定して出せる実力をつけることが目標となります。
志願倍率の推移と前期合格の重要性
2025年度入試(令和7年度)の前期は受験者2,678名に対して最終合格者75名で、実質倍率は35.7倍でした。
後期は受験者1,490名に対して合格者10名で実質倍率149.0倍、共通テスト利用は受験者514名に対して合格者5名で実質倍率102.8倍と、いずれも非常に高い水準です。
前期では1次合格者が464名出ており、受験者2,678名のうち約17%が1次試験を通過しています。2次試験に進んだ366名の中から75名が最終合格となっており、2次での通過率は約20%です。
なお2024年度入試(令和6年度)の前期も受験者2,892名・1次合格488名・最終合格75名と、規模・競争率ともに同水準で推移しています。
後期・共通テスト利用の倍率は前期を大幅に上回るため、再受験者は前期での合格を第一目標に据えた準備が重要です。
合格最低点・合格平均点は例年非公表のため、具体的な得点の目安は模試の成績や1次通過率をもとに推測するしかない点には注意が必要です。
聖マリアンナ医科大学の科目別対策

聖マリアンナ医科大学の記述重視の出題形式を踏まえ、科目ごとの学習方針を整理します。
数学・英語は特に弱点を残さない対策が必要です。
英語と数学:記述式で論理的な解答を書ききる力
英語は90分・記述式とマーク式の混合形式です。長文読解に加えて、実験や現象の内容を英語で説明する記述問題が出題される点が特徴的です。
マーク式の対策だけでは不十分で、英文の要約力や説明力を鍛えるトレーニングが必要になります。社会人経験者で英語に日常的に触れている方は、読解力をベースに記述力を上乗せすることで英語を得点源にできる可能性があります。
数学は90分・穴埋めと記述の組み合わせです。出題範囲は数学Ⅰ・数学Ⅱ・数学Ⅲ・数学A・数学B(数列)・数学C(ベクトル、平面上の曲線と複素数平面)で、標準レベルの典型問題が中心ですが、第4問では記述・証明問題が出題されます。
データの分析からの出題も小問・大問を問わず多く見られる点も特徴の一つです。穴埋め部分で確実に得点しつつ、記述問題では論理の飛躍なく解答を書ききる力が問われます。
再受験者は数IIIの微積分・数列・複素数平面などを早期に復習することが優先事項となります。
理科2科目:論述問題への対応が得点差を生む
理科は150分で2科目を解答します。配点200点と1次試験の半分を占めるため、理科の出来が合否を大きく左右します。
化学は大問2題構成で典型問題が多く時間的余裕があるため、高得点を狙いやすい科目です。一方、生物は知識論述と考察論述がバランスよく出題され、現象を自分の言葉で説明する力が必要です。
物理選択者は全単元から出題される傾向にあり、導出過程の記述やグラフ描画が含まれる問題にも対応する必要があります。
いずれの科目でも、教科書の基本概念を正確に理解した上で記述式の解答に慣れるための演習を重ねることが対策の柱となります。
なお理科には英語・数学のような基準点制度は設定されていませんが、400点中200点を占める以上、安定した得点力がなければ合格は難しい状況です。
適性検査・小論文・面接(二次試験):多面的な評価に備える総合的な準備
2次試験は適性検査・小論文・面接の3つで構成されます。1次試験を通過しても2次で不合格となるケースがあり(2025年度は2次受験366名中の合格75名)、1次の学力対策と並行して準備を進める必要があります。
小論文は字数800〜1,000字・60分で実施されます。近年は図表や資料を読み解いた上で自分の意見を述べる形式が続いていましたが、2025年度よりテーマ提示型の自由論述に変化したとの報告もあります。
出題形式は年度によって変わる可能性があるため、どちらの形式にも対応できる準備が求められます。
面接では医師志望理由と本学志望理由について踏み込んだ質問がなされる傾向があります。
再受験者は「前職での経験を医療にどう活かすのか」「なぜ他の大学ではなく聖マリアンナ医科大学なのか」という問いに対し、具体的なエピソードを交えて回答できるよう準備しておくことが重要です。
適性検査は30分で実施されます。
過去の実績としてYG性格検査が使用されてきたとされており、性格傾向を把握するためのもので採点による点数はありません。公式要項上も「面接時の参考とする」と位置づけられています。
聖マリアンナ医科大学医学部の学費と川崎市での生活設計

科目別の対策を確認したところで、次に重要なのが経済面の計画です。
6年間の学費と川崎市宮前区での生活環境を整理します。
6年間の学費総額と奨学金制度
聖マリアンナ医科大学医学部の6年間の学納金は約3,482万円です。
初年度は入学金150万円を含めて697万円、2年次以降は年間557万円の納付となります。年次ごとの内訳は以下の通りです。
| 年次 | 学納金 | 備考 |
| 1年次 | 697万円 | 入学金150万円含む |
| 2年次 | 557万円 | |
| 3年次 | 557万円 | |
| 4年次 | 557万円 | |
| 5年次 | 557万円 | |
| 6年次 | 557万円 | |
| 6年間合計 | 約3,482万円 |
※2026年度入学生に適用される金額(聖マリアンナ医科大学公式サイトに基づく)
上記に加え、初年度は学生自治会費(5千円)、保護者会会費(約11万円)、同窓会費(20万円)が別途必要です。6年間の総額は約3,515万円となります。
私立大学医学部の中では中程度の学費水準です。
大学独自の奨学金制度や日本学生支援機構の奨学金を活用することで、経済的な負担を軽減する手段は用意されています。
川崎市での生活環境と通学
聖マリアンナ医科大学のキャンパスは神奈川県川崎市宮前区菅生に位置しています。
最寄りのバス路線は複数あり、東急田園都市線の宮前平駅から市営バスで約20分、鷺沼駅から市営バス・小田急バス・東急バスで約25分でアクセスできます。
渋谷駅から宮前平駅まで各停で約25〜28分、そこからバスで約20分が必要なため、渋谷からキャンパスまでは合計で概ね1時間程度を見込む必要があります。
キャンパス周辺の1K・ワンルームの家賃は物件条件によって幅があり、一般的な目安として月額7万〜9万円程度が参考値となります。
東京23区内の都心エリアと比較すれば比較的割安な水準です。
宮前区は住宅街として落ち着いた環境が整っており、田園都市線沿線には商業施設も充実しています。聖マリアンナ医科大学病院はキャンパスに隣接しているため、臨床実習の際の移動負担も少なく済みます。
食費・光熱費を含めた生活費の総額は個人差がありますが、家賃を含め月額12万〜15万円程度を目安として検討しておくことが現実的です。
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まとめ

聖マリアンナ医科大学医学部の再受験で最も重要なのは、数学・英語の基準点制度をクリアしながら記述重視の出題に対応できる総合力を身につけることです。
また、数学・英語の基準点をクリアすることが必須のため、苦手科目を残したまま受験に臨むことは大きなリスクとなります。
記述や穴埋め中心の出題に対応するには、解答プロセスを論理的に組み立てるトレーニングが必要です。
再受験で合格を勝ち取るには、基準点をクリアするための弱点科目の克服と、記述式に対応する表現力の強化を並行して進める必要があります。
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