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倍率から見る医学部の難易度!コロナの影響で医学部の倍率は変わった?

倍率から見る医学部の難易度!コロナの影響で医学部の倍率は変わった?

医学部を志す学生にとって、指標の一つになるのが倍率です。

倍率が高い大学ほど入学することが難しいイメージがあります。

また、2020年初頭から始まったコロナ禍は大学入試にも影響を与えました。

では、医学部の入試ではどうでしょうか。

この記事では、倍率から見た医学部の難易度を解説して行きます。

医学部の倍率はどのくらい高いのか?

医学部はどの大学でも難易度が高く入りづらいイメージがあります。

では、医学部の倍率はどのくらいなのでしょうか。

ここでは、医学部の倍率を実例に基づいて解説します。

倍率50倍以上になることも

医学部の入試倍率は、国立よりも私立が高い傾向にあります。

また、私立大学の場合は一般とセンター利用の試験があり、国立大学は前期・後期と試験が分かれています。

私立も国立も、試験の種類によって大きく倍率が変わることはありません。

私立の場合、倍率がトップの大学は50倍~100倍になることもあります。

一例を挙げると、2019年度の金沢医科大学の一般後期試験の倍率は108倍でした。

つまり、100人に1人合格できるかどうかの狭き門なのです。

国公立大学も高い倍率

国公立大学の倍率は、高くても20倍程度です。

一例を挙げると、2020年度の山口大学の前期試験は約21倍、旭川医科大学の後期試験は約19倍となっています。

私立大学の医学部と比べると半分以下の倍率ですが、他の学部では倍率が2~3倍が平均ですので、それに比べるとかなり高い倍率だと言えるでしょう。

「倍率が低い=入りやすい」ではない

では、国立大学のほうが倍率が低い分入りやすいのでしょうか。

そうとも限りません。

倍率が低いことは、人気がないこと、入りやすいこととイコールではありません。

医学部の入試は学力試験だけでなく面接もあります。

そして、人柄や医学への志も合否に関わります。

医学部志望者に浪人生は珍しくありませんが、できることなら現役で合格したいと考える人がほとんどでしょう。

そのため、自分の学力を考えて、より合格できる可能性の高い大学を受験しようとする方も多いのです。

その結果、「入りやすい」と思われる大学に受験生が集中し、倍率が上がることもあります。

倍率が低い大学は難易度が高く、成績上位者しか志さない大学である可能性もあるのです。

特に、国立大学は学費が低い分、多くの受験生に門戸が開かれています。

優秀な人材も集まりやすいので、かえって倍率が低くなることもあるでしょう。

コロナの影響で医学部の倍率に変化はあったのか?

2020年初頭より始まったコロナ禍は社会全体に影響を与えました。

では、医学部の倍率にはどのような変化があったのでしょうか?ここで詳しく解説します。

国公立大学では志願者数がやや増加

2021年度の入試では、国立大学医学部の志望者がやや増加傾向にあります。

理由の一つに、コロナによって経済的に打撃を受けた家庭が多く、少しでも学費がかからない大学に進学したいという傾向もあります。

しかし、全ての国立大学の志願者が増加している訳ではありません。

また、私立大学医学部の中にも志望者が増えているところもあります。

つまり、コロナにより多少の影響はあったものの、医学部全体の倍率が変わるほどではないということです。

ただし、大学によっては地方の会場を増やすなど、コロナ禍の影響で入試のスタイルが変った大学もあります。

医学部入試で特殊な問題は少なくなった?

コロナ禍が始まる前から、医学部の志望者はやや減少傾向にありました。

その理由の1つが入試の難化です。

そのため、医学部では入試問題の変更をするところが増えました。

特殊な問題が少なくなった反面、基礎学力を問う問題が増えている傾向があります。

ただし、全ての大学の医学部が同じ傾向とは限りません。

人気の高い上位の医学部の入試はあまり変化がないとも言われています。

コロナに関係なく、入試のスタイルを定期的に変える大学はありますので、医学部を志望する学生はこまめな情報収集を心がけましょう。

医学部倍率ランキング

では、最新の医学部の倍率はどうなっているのでしょうか?ここでは、2020年度版の医学部倍率ランキングを紹介します。

国公立大学の傾向

始めに、国立大学の倍率上位10校を紹介します。

前期・後期ではどのように倍率が変わるのか、注目してください。

国立の倍率は高くても20倍前後です。

前期と後期では、募集定員の違いから、後期の方が倍率が高くなる傾向があります。

〈前期〉

  大学名 倍率
1 防衛医科大学校 16.1
2 岐阜大学 11.1
3 愛媛大学 7.7
4 奈良県立医科大学 7.4
5 秋田大学 6.6
5 島根大学 6.6
7 高知大学 6.3
8 旭川医科大学 6.1
9 山口大学 5.5
10 佐賀大学 5.4

〈後期〉

順位 大学名 倍率
1 岐阜大学 23
2 山口大学 21.4
3 旭川医科大学 19.1
4 佐賀大学 23.9
5 宮崎大学 16.3
6 香川大学 16
7 福井大学 15.7
8 東京医科歯科大学 15.3
9 奈良県立医科大学 15.1
10 愛媛大学 14.4

私立大学の傾向

続いて、私立大学の倍率が高い上位10校を紹介します。

私立大学は倍率が100倍を超える大学もあります。

ただし、この倍率は出願をした人数と募集定員で決まります。

併願受験をする人も多く、ほとんどの大学が定員よりも多くの人数を合格にするため、実際はそこまで倍率が高くないケースもあります。

しかし、国立よりは倍率はずっと高くなります。

〈一般〉

順位 大学名 倍率
1 久留米大学(後期) 167.2
2 金沢医科大学(後期) 89.1
3 近畿大学(後期) 65.2
4 昭和大学(Ⅱ期) 54.3
5 帝京大学 43.3
6 関西医科大学(後期) 37.6
7 大阪医科大学(後期) 36.9
8 日本医科大学(後期) 32.5
9 藤田医科大学(後期) 29.7
10 埼玉医科大学(後期) 27

〈センター利用〉

順位 大学名 倍率
1 帝京大学 85.2
2 埼玉医科大学 55.9
3 杏林大学 51
4 近畿大学(前期)C方式 40
5 関西医科大学 33.1
6 順天堂大学 29.5
7 藤田医科大学 27
8 関西医科大学(後期) 24.5
9 近畿大学(中期)C方式 23.6
10 近畿大学(後期)C方式 23.3

今後、医学部の倍率は変化するのか?


では、今後医学部の倍率は変化していくのでしょうか。

ここで詳しく解説して行きます。

募集枠が変わる大学をチェック

医学部の入試方式や募集枠は年ごとに変化しています。

2021年7月現在、募集枠や入試方法が変る大学は以下の表の通りです。

〈私立大学〉

大学名 変更内容
東北医科薬科 大学入学共通テスト利用選抜を実施。45名中5名定員
昭和大学 総合型選抜入試、卒業生推薦入試を開始。 従来の大学入学共通テスト利用入試(B方式:地域別選抜)による募集を停止。
日本大学 医学部個別のA方式が廃止。 N方式での出願になる。 新たに2期試験(後期)が追加。
東海大学 【1】2022年度以降の一般編入学選抜(医学部医学科)の募集を停止。
【2】編入試験を廃止し、新たに「医学部医学科特別選抜」を新設。これまでと同等の資格条件で4月入学。
適性試験を廃止し英語・小論文・面接となる。
大阪医科大学 【1】「建学の精神」入試の名称と入試方法を変更 【2】新たな総合型選抜の実施 【3】一般選抜(前期)の日程変更 【4】一般選抜(大阪府地域枠)の実施
福岡大学 【1】共通テスト利用選抜において、共通テスト利用型(Ⅲ期)から共通テスト利用型(Ⅰ期)へ変更

〈国立大学〉

大学名 内容変更
防衛医科 [1]一次試験を1日に短縮
[2]択一式・記述式を同時間に実施。
[3]古文・漢文を除く。
横浜市立大学(医) 【1】一般選抜二次試験の理科配点の変更
群馬大学(医) 学校推薦型選抜(共通テストを課する)へ変更

また、人数の変更がある大学は以下の通りです。

〈私立大学〉

獨協大学 【1】総合型選抜募集人数 を7名から3名へ
【2】新たに学校推薦型選抜10名以内(系列校)を導入
【3】一般選抜募集人数を63名から57名へ削減
金沢医科 【1】AO枠を21名へ増員
【2】子女枠8名へ増員
【3】推薦型選抜6名へ増員
【4】編入選抜3名

〈国立大学〉

大学名 変更内容
北海道大学(医) 【1】募集人数:90名へ変更(前期日程85名・フロンティア入試5名)
【2】総合入試入学者移行:5名→10名へ
弘前大学(医) 【1】募集人数の変更:43名(青森県定着枠8名,一般枠35名)
【2】総合型選抜募集人数:42名(青森県内枠27名,北海道・東北枠15名)へ変更
千葉大学(医) 前期募集人数を85名(一般80名、千葉県地域枠5名)へ変更 後期募集人数を20名へ変更
富山大学(医) 【1】募集人数を前期70名へ変更
【2】総合型選抜Ⅱ(10名)を実施
宮崎大学(医) 【1】一般募集人数を60名(前期45名・後期15名)へ変更
熊本大学(医) 【1】一般前期募集人数を87名へ変更
【2】学校推薦型選抜Ⅱ募集人数を60名に変更

これからの医学部の定員は削減の方針

表を見れば分かるように、全体的に医学部の定員は削減傾向にあります。

これは、国の方針で、人口減少による医師が人数過多になるのを防ぐためです。

しかし、逆に地域枠は人数が増えています。

これは、地域ごとによる医療格差を減らすための国の方針に従っているためです。

倍率の変化に左右されない実力をつけることが必要

定員が増減すれば、もちろん倍率も変わっていきます。

「入りやすい」というイメージが強い大学が定員を削減すれば、倍率は上がるでしょう。

逆に、医学部を志望する学生が少なくなれば倍率は下がります。

重要なのは、倍率の変化に左右されない実力を身につけることです。

倍率は確かに入試の突破しやすさの目安ではありますが、十分な学力がついていれば、倍率に左右されることはありません。

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まとめ

今回は、医学部の倍率と入りやすさについて解説しました。

医学部の倍率は他の学部に比べればかなり高いです。

そのため、倍率だけ見ると躊躇してしまう学生もいるかもしれません。

しかし、十分な実力を付ければ倍率がどれほど高くても問題ありません

そのためのサポートを京都医塾は行っています。

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