日本の医学部受験生から大きな支持を得ているハンガリー医科大学です。
ハンガリー医科大学へ進学することで、国際的な感覚をしっかり身につけられることに加えて、先進的な医療にも多く触れることができます。
本記事では、ハンガリー医科大学の基礎知識と、進学する際のメリット・デメリットをわかりやすく解説します。
目次
そもそもハンガリーってどんな国?

ハンガリーとは、どんな国なのでしょうか。
進学した場合、長期間を過ごす国ですから、基本的なことは知っておきたいところです。
まず、ハンガリーの人口は2025年1月1日時点で約950万人です。
日本と比較すると規模は小さく、EU加盟国で首都はブダペストです。
次に教育水準については、歴史的にノーベル賞受賞者を多数輩出してきた国です。
一方で日常生活に関しては、治安は概ね良好だがスリ等の一般犯罪には注意が必要とされています。
また、銃器の一般所持は全面禁止ではなく厳格な許可制で、法令に基づいて管理されています。
なお、ハンガリーの医学部を卒業して日本で医師として働くためには、厚生労働省による個別の受験資格認定が必要です。
これは外国の医学部卒業者全員に適用されるもので、日本語による診療能力の確認や医師国家試験予備試験の受験など、一定の手続きを経る必要があります。
入学が可能なハンガリー医科大学は?
ハンガリーの医学部進学では、国立大学の4校が主な受け入れ先となります。
いずれも英語またはドイツ語による医学課程を設置しており、EU各国をはじめ多くの留学生が学んでいます。
以下に、各大学の概要をまとめました(※2025/26年度時点の公式情報に基づく目安です)。
| 大学(都市) | 授業言語 | 学費(医・年額の目安) | 主な入試科目・形式(年度で変動あり) | 出願・試験時期の目安 |
|---|---|---|---|---|
| Semmelweis University(ブダペスト) | 英語/独語 | EUR 22,000/年(または EUR 12,000/学期) | 筆記+面接 | 出願:2〜5月頃/試験:春〜初夏に複数回実施 |
| University of Debrecen(デブレツェン) | 英語 | USD 16,900/年(約15,000〜16,000EUR相当) | 筆記:生物(必須)+化学または物理(各45分)+口頭試問 | 春〜初夏に複数回実施(年度で変動) |
| University of Pécs(ペーチ) | 英語/独語 | USD 16,750/年(=9,000+7,750/学期) | 筆記+面接 | 学内・海外・オンラインで実施(春〜初夏中心) |
| University of Szeged(セゲド) | 英語/独語 | EUR 15,800/年(1–5年)/6年次 EUR 7,900 | 筆記+口頭 | 主に春〜初夏に実施 |
※学費・試験内容・出願締切は毎年度更新されます。必ず各大学の最新募集要項を確認してください。
※学費はユーロまたは米ドル建てで公表されており、為替レートにより円換算額が変動します。
※Semmelweis Universityは年度によって「学期額(ユーロ)」で表示されるため、年額は学期額×2で計算した参考値です。
国立デブレツェン大学医学部(University of Debrecen, Faculty of Medicine)
国立デブレツェン大学医学部は、ハンガリー国内でも規模が大きく、英語課程での医学教育を提供しています。
モットーはReform and Practice(改革と実践)で、革新的な教育を重視しています。
入試は筆記試験(生物必須+化学または物理、各45分)と口頭試問で構成され、基礎科学と英語でのコミュニケーション力の両方が求められます。
また、アメリカ医師国家試験(USMLE Step 1)対策としてKaplan USMLE Courseが学内で提供されており、北米志向の学生にとってもメリットがあります。
学内には附属病院・学生寮がキャンパス内に配置され、1か所で学習・生活・臨床実習を完結できる環境が整っています。
国立ペーチ大学医学部(University of Pécs, Faculty of Medicine)
国立ペーチ大学医学部は、ハンガリー最古の大学に属しています。
学費はUSD 16,750/年で、学内試験・海外試験・オンライン試験など複数形式で入試を実施しています。
入試ではBiology・Chemistry・General English・Medical Englishを中心とする筆記+面接が行われ、基礎科学と英語力の両方が問われます。
カリキュラムは基礎医学から臨床実習まで体系的に組まれており、多分野にわたる知識をバランスよく修得できます。
国立センメルワイス大学医学部(Semmelweis University, Faculty of Medicine)
センメルワイス大学医学部は、ヨーロッパ有数の伝統校です。
教育水準は国際的に高く評価されており、研究者の中にはノーベル賞受賞者も輩出しています。
日本の大学との交流も盛んで、埼玉医科大学との交換留学プログラムは2002年に開始され、現在も継続しています。
国立セゲド大学医学部(University of Szeged, Faculty of Medicine)
セゲド大学医学部は、世界大学ランキングでも高評価を得ている総合大学に属し、英語・独語プログラムを展開しています。
学費はEUR 15,800/年(1〜5年次)、6年次 EUR 7,900です。
附属の中央医学校図書館には約13.8万冊の医学書が所蔵され、約1,000席の閲覧席と数百台のPCが利用可能で、充実した学習環境が整っています。
また、授業は英語に加えドイツ語でも開講されており、複数言語で学びたい学生にも選択肢があります。
ハンガリー医科大学へ通うメリット
ハンガリー医科大学の概要を理解したところで、これらの大学へ通うことで得られるメリットについて見ていきます。
サポートが手厚い
ハンガリーの4大学は、留学生の受け入れ体制を長年整えており、出願から入学、在学中の生活支援まで公式に以下のようなサポートを提供しています。
- 入学手続きではビザ取得や保険加入、住居手配などを大学側が案内します。
- 渡航前にはオンライン説明会やオリエンテーションが実施され、現地生活の基本情報が提供されます。
- 在学中も学習面の個別相談や相談窓口が設置されており、附属病院での臨床実習も大学が調整します。
治安が安定している
ハンガリーはEU加盟国の中でも比較的治安が良好とされており、外務省も「全般的に安全」と評価しています。
ただし、スリや置き引きなど軽犯罪は発生しているため、基本的な防犯対策は必要です。
また、銃器は全面禁止ではなく厳格な許可制で管理されており、日本人学生にとっても生活環境は比較的安心です。
年齢制限がない
ハンガリーの医学部には法律による年齢制限が設けられていません。
そのため、現役生でなくとも熱意さえあれば誰でもチャレンジすることが可能です。
ただし、上記4つのハンガリー医科大学のうちいくつかでは「30歳以下の学生が望ましい」としているため、年長の受験生の場合は若い受験生とまったく同じ土俵で競争することは難しいかもしれません。
しかしながら、医師として必要なのは若さだけではありません。
多くの人を救いたいと願う強い心を持って試験に臨めば、その熱意が現地の選考者にも伝わるはずです。
ハンガリー医科大学へ通うデメリット

ハンガリー医科大学へ通うメリットを確認したところで、次にデメリットについても見ていきましょう。
学費がやや高額
ハンガリー医科大学へ通う上でのデメリットとして、まず学費負担が挙げられます。
先述の4大学に進学する場合、6年間でおよそ1,500万〜2,000万円程度(為替により変動)となり、
日本の私立大学医学部(平均約3,500〜4,600万円)よりは低いものの、決して安くはありません。
このほか毎月の生活費も発生し、円安時には想定以上の費用負担となる可能性があります。
学費面に不安がある人は奨学金の利用も検討するとよいでしょう。
日本とハンガリーの政府間協定により「ハンガリー政府奨学金(Stipendium Hungaricum)」という給付型奨学金制度が設けられており、大学在学中の授業料全額免除に加えて月額の生活費補助が支給されます。
進級が難しい
ハンガリー医科大学へ進学するデメリットには、進級の難しさも指摘されます。
授業はすべて英語で行われ、化学・生物などの基礎科目の難易度も高く、定期試験の合格が進級条件となるため、途中でつまずく学生も少なくありません。
再試験制度はあるものの、回数に制限があり、一定数の留学生が留年や退学となるケースもあります。
十分なサポート体制はありますが、学習内容の難易度・自己管理・生活適応の3点で高い自立力が求められます。
日本の医師国家試験の受験資格
ハンガリーの医科大学を卒業しても、自動的に日本の医師国家試験を受けられるわけではありません。
厚生労働省は特定の海外医学校を一律に認定しておらず、卒業後に個人単位で審査が行われます。
要件に応じて日本語診療能力調査や医師国家試験予備試験を経て、最終的に本試験の受験資格が付与される仕組みです。
審査結果によっては資格が認められない場合もあるため、進学前に必ず厚労省の最新手続きを確認することが重要です。
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ハンガリー医科大学のような海外進学は大きな魅力がありますが、費用や言語、卒業後の手続きなど不安も少なくありません。
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まとめ

ハンガリー医科大学は国際的な学びを得られる貴重な場ですが、学費や生活費の負担、英語での授業についていく難しさ、日本での国家試験受験資格の取得など課題も少なくありません。
つまり、海外進学は魅力とリスクの両面を持つ選択肢だといえます。
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