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【医学部留学】海外の医学部に進学するメリット・デメリットから、その概観まで詳しく解説

【医学部留学】海外の医学部に進学するメリット・デメリットから、その概観まで詳しく解説

日本国内の医師国家試験合格率は90%を超える一方、その前段階である医学部合格率は約13%と非常に狭き門です。

そのため、「医学部に入学する」という前段が達成できず、医学の道を諦める方も少なくありません。

そこで今回の記事では、もう1つの選択肢である、“医学部留学”をご紹介します。

海外の医学部に進学するメリット・デメリットから、その概観まで、詳しくお伝えします。

海外の医学部進学(医学部留学)とは?


「医師を志す」場合、一般的には国内の大学・医学部進学、その後国内の国家試験を想起するかと思います。

しかし、日本国内の医学部進学は入学試験が超難関であること、加えて私立大学については学費が高額です。

そういった理由から、医師を目指す志があるにも関わらず、医学部への進学自体を断念する方も少なくありません。

そこで、医師になる手段は上記に限らず、海外への医学部進学(医学部留学)という手段もあります。

近年は、海外で医学について学び、世界レベルの医療知識を得たうえで、さまざまなケースに対応可能な医師を目指すという選択をするケースも少なくありません。

医師を目指したいと考えている方は、並行して海外の医学部進学も検討してみることをおすすめします。

海外の医学部に進学するメリット


以下では、海外の医学部に進学するメリットを4つご紹介します。

入試科目が少ない

海外医学部の多くは、入試科目として「総合審査」を取り入れています。

人間性や学びへの意欲、適性検査、学力試験が主な評価事項となります。

学力試験においては、現地の言語能力試験に加えて、理科2~3科目(化学・生物・物理)を課す大学が主となります。

日本の医学部入試との大きな違いとして、数学が受験科目にないことが挙げられます。

そのため、単純な科目数と比較して入試科目が少ないうえ、医学部受験生の中でも苦手科目として挙げられる数学がない点がメリットとして挙げられます。

試験の難易度がやや低い

国や大学にも依りますが、日本国内の医学部入試と比較して、試験の難易度がやや低めに設定されている点も、海外の医学部進学のメリットです。

海外の大学の全体的な傾向として、入学試験よりも進学後の進級にハードルが設定されていることが多くあります。

そのため、日本の大学のように入学試験を超難関試験として設定するのではなく、志のある人物を広く募集したうえで、大学で医師になるための学習を徹底的に行います。

入試難度が高いことも手伝って人気を博している傾向にもある日本の医学部と比べて、試験の難易度が全体的に低い傾向にあることは、医師を目指す人にとって大きなメリットであると言えます。

その土地の言語を学ぶことができる

医学部進学に限った話ではありませんが、海外留学の大きなメリットとして言語取得が挙げられます。

医学は世界各国で日々研究が進んでいるため、学会への参画、論文の理解のためにも、ハイレベルな言語力は医師としての活躍において必要不可欠です。

そのため、生活言語として外国語を用いることができる留学という手段は、高いレベルの医師を目指すうえで効果的な方法と言えます。

現地の言語コースのみの大学もありますが、英語圏の大学や、英語コースがある大学であれば、英語で医学を学ぶことができます。

海外の医師免許を取得できる

海外の医学部への進学の大きなメリットとして、海外の医師免許を取得できるという点があります。

国によって制度や取得条件が異なりますが、各国で以下のような医師免許を取得することができます。

【アメリカ】USMLE(United States Medical Licensing Examination)

【イギリス】ODTS(Overseas Doctors Training Scheme)など

【オーストラリア】Medical Board of Australiaへの登録

【中国】中医師資格試験 など

ただし、日本の医師法第2条より、海外の医師免許では日本国内の医療行為を行うことが認められていませんので、日本で医師として従事したい場合には、別途日本の医師免許を取得する必要があります。

海外の医学部に進学するデメリット


反対に、海外の医学部に進学するデメリットもいくつかあります。

進学については、メリット・デメリット両方の側面からよく検討することが重要なため、以下では主たるデメリットを3つご紹介します。

日本の医師国家試験が受験できない場合がある

前項でもお伝えした通り、日本では医師法第2条により、日本国内での医療行為にあたるためには日本の医師免許を取得する必要があります。

しかし、海外の医学部を卒業しただけでは、日本の医師免許を取得することはできません。

卒業後、厚生労働省による審査(この審査では修学年数や成績、大学の教育水準などを見られます)を経たうえで、条件を満たした場合に限り日本の医師免許を取得することができます。

具体的な条件としては、WHOの医学部リストの指定校を卒業後、6年制の医学部であれば日本語診察能力を調査したうえで、日本の医師国家試験受験の資格認定を得られます。

中国など、5年制の医学部であれば、1年間の実地修練ののち、医師国家試験予備試験の受験が可能です

このように、国や地域によって日本の医師免許取得の条件が大きく異なるため、日本での医師免許取得を検討している方は留学前によく調べることが重要です。

医師免許取得の部分だけでなく、医学部留学はさまざまな側面からの情報収集が必要となりますので、専門家のアドバイスも受けながら、具体的な検討を詰めていくことをおすすめします。

卒業の難度が高い

海外の医学部進学のデメリットの2点目として、卒業が難しいという点が挙げられます。

繰り返しになりますが、海外の大学は一般的に入学後の学習に力を入れているため、5~6年間の継続した学習をしたうえで、厳しい進級条件を満たす必要があります。

海外での生活をしながら、難度の高い勉強をする必要があることから、日本の大学生活を想像したままに入学すると、そのギャップに驚かされるかもしれません。

あらかじめ、海外の医学部に通学するとどのような生活になるのか、モデルケースなどを確認しておきましょう。

現地で医学を学べるだけの語学力が必要

海外の医学部進学のデメリットの3点目は、現地で医学を学べるだけの語学力が必要という点です。

医学は、学問の中でも高難易度なうえ、覚えることが多く、1つの症例に関連して大量の対処法を理解する必要があります。

医学は専門用語も多いため、あらかじめ生活レベル+医学用語以外で海外の大学レベルに対応可能な語学力を身につけておく必要があります。

ただし、入学時にも語学力を確認される機会がありますので、試験科目が日本の大学と比較して少ない分、語学学習により注力した準備をしておけば十分に対応可能です。

地域別・医学部留学の方法

ここまで、海外の医学部進学、いわゆる医学部留学についてメリット・デメリットを中心に解説してきました。

実際に海外の医学部進学を検討する際、どの地域に医学部留学をするかは非常に重要な選択となります。以下では、地域別の医学部留学の方法をご紹介します。

①アメリカへの医学部留学

アメリカで医師を目指すには、4年制大学を卒業後、入学試験(MICT)を受けて4年制メディカルスクールに入学・卒業する必要があります。

メディカルスクールへの入学には、MICTの他に面接やボランティア活動など、人間性の面でもアピールと実績が必要なため、ここが1つ目の関門と言えるでしょう。

大学在学中には難関の学科試験や臨床試験があり、現地人であっても修了まではアメリカ人にとっても非常に難しい道のりです。

卒業後は、州ごとに医師免許試験を受けることとなります。

②ヨーロッパへの医学部留学

ヨーロッパへの医学部留学は、EU内での医師免許取得を主眼に置いたうえで国・大学を絞ることをおすすめします。

イギリスの医学部の多くは国公立大学の5年制です。

日本の国公立大学よりも学費が安く、医学部留学としても一定の人気があります。

入試は主に学力試験と面接、加えて高校卒業時の内申点も重視される点が特徴です。

ドイツの医学部も、ほとんどが国公立大学の6年制です。入学にあたっては共通試験の受験と、高校時の成績も参照されます。

ハンガリーの大学医学部は、日本人の医学部留学先として非常に人気です。

ハンガリーの4つの国立大学校(セゲド大学 センメルワイス大学 デブレツェン大学 ペーチ大学)は、書類審査・語学試験(英語)・志望動機などで選抜を行います。

卒業し、研修を終えた後はEU内の医師免許の取得、日本の国家医師資格の取得が可能です。

③中国への医学部留学

中国の医学部は、学費の安価さと留学生の受け入れの多さに定評があり、日本を始めアジア諸国の学生が多く医学部留学しています。

主に臨床を学ぶ5年制の医学部と、高度な医療を学ぶ7~8年制の医学教育部の2種類があります。

先述の通り、5年制の医学部は日本の医師国家試験受験資格を得るために追加で1年の実地修練が必要なため、日本でも医師免許取得を目指す場合、事前によく調べたうえで検討をしましょう。

日本に出先機関を設けている大学もあるため、日本国内での実績を入学資格としている大学もあります。

大卒、センター試験科目平均80%以上が条件など、さまざまな条件がありますので、あらかじめ調べておきましょう。

④オーストラリアへの医学部留学

オーストラリアで医師を目指すには、ファウンデーションコースを受講し6(5)年制大学医学部に入学する方法と、大学卒業後に5(4)年制のメディカルスクールに通う必要があります。

入学には高校卒業時の一定以上の成績と、共通試験の合格が必要です。

医学部留学も対応可能! 医学部合格を目指すなら京都医塾


医学部留学のメリット・デメリットに加え、医療を学ぶにあたっての地域特性について、お分かりいただけたかと思います。

ただ、医学部留学を目指す方の中には、“情報収集の仕方がわからない”という、戦略面で苦戦してしまい、医学部留学に必要な勉強に注力しきれない…という方も多いかと思います。

そこで、おすすめしたいのが、医学部専門予備校「京都医塾」です。

京都医塾では、国内医学部受験はもちろん海外の医学部受験を目指す受験生もサポートしています。

「医学部留学を検討しているけれど、あまり知識がなく心配」

「国内の医学部と併願して海外医学部進学を視野に入れているが、両方に対応してくれる予備校がない」

など、医学部留学についてお悩みを抱えている方におすすめの予備校です。

以下では、京都医塾がどのように医学部志望者をサポートしているか、お伝えします。

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京都医塾では、生徒それぞれの目標に合わせたプランニングを行っています。

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授業の内容はもちろん、授業形態(個別指導/少人数集団授業)や自習内容、自習の方法、使用する教材まで、細やかに指示します。

そのため、「今何をすべきかわからない」や「思い付きで今日やる勉強を決める」といった無計画な学習を避け、必要事項に絞った学習ができるため、効率的に医学部合格への道をたどることができます。

医学部専門予備校だからこそ得られる、入試情報

医学部留学はメリットも多く、特に医師としての国際的な活躍を目標とする方には非常に魅力的な選択肢です。

一方で、海外の医学部進学は国内の医学部進学と比較して圧倒的に情報量が少なく、また効果的な対策を講じられる予備校も多くはありません。

京都医塾は、医学部専門予備校のため、業界トップクラスの医学部に関する情報収集能力があります。

国内の医学部進学はもちろんのこと、海外の医学部進学についても対策実績があるうえ、進学希望者に積極的に情報を共有しています。

そのため、生徒自身は入試に向けて学力アップに集中しながら、合格に必要な情報収集は京都医塾が収集・共有することが可能です。

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京都医塾の強みとして、いつでも質問が可能な環境の提供が挙げられます。

京都医塾は、チューターなどの大学生アルバイトではなく、「医学部指導のプロ」である講師が質問対応を行っています。

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また、苦戦している問題がどうすれば解けるようになるのかのアドバイスが可能な点も、プロの講師が質問対応を担当している強みでもあります。

まとめ


いかがでしたでしょうか。

医学部留学は、医学を志す人にとって非常に有効な手段の1つといえます。

ただし、正しい情報と入念な事前準備が必要なため、進学にあたってはプロのサポートを十分に活用しましょう。

記事を通して、京都医塾による医学部受験生のサポート内容にご興味をもってくださった方も多いかと思います。

しかし、京都医塾は名の通り京都に拠点を置いていますため、遠方の方は「せっかく興味をもったけれど、通塾は難しいだろう」と感じられたかもしれません。

京都医塾は寮を完備しておりますので、医学部受験に全身全霊を注ぐため、遠方から入寮のうえ、ご通塾いただいている方も少なくありません。

ただ、やはり遠方での生活は心配かと思いますので、京都医塾でどのような指導を行うのか、また京都医塾への通塾がどのようなものになるのかを体験いただける、『一泊二日医学部合格診断』を実施しております。

実際に京都医塾にお越しいただいたうえで、指導理念のご説明や授業体験など、京都での生活をイメージいただける2日間となっています。

交通費や滞在費は、京都医塾が負担いたしますので、来場者さまのご負担はございません。

京都医塾に少しでも興味をもってくださった方、医学部受験を検討している方に有益な内容となっておりますので、ぜひご参加ください。