2026年度共通テストの社会で得点したい一方で、新課程で科目構成や出題範囲が変わったため、どこから手を付ければよいか迷っている人も多いはずです。
この記事では、共通テスト社会の仕組みや地理・歴史・公民の違い、新課程のポイントと出題傾向、得点につながる勉強法、志望校に合った科目選択の考え方までを整理して解説します。
共通テスト対策の全体像を把握し、自分に合った戦略を立てたい受験生に向けた内容です。
目次
共通テスト社会の基本
共通テストは7教科で構成されており、社会科として扱われるのが「地理歴史・公民」です。
まずは社会科全体の枠組みと試験形式を確認しましょう。
ここでは、地理・歴史・公民3分野の学ぶ内容の違いや、試験時間・解答形式などマーク式特有のポイントを整理します。
社会科3分野(地理・歴史・公民)の全体像
社会科は地理・歴史・公民の3分野に分かれ、それぞれ扱うテーマや視点が異なります。
地理は世界各地の自然環境や人間の生活・産業について学び、地図や統計から地域の特徴や差異を読み解く科目です。
歴史は人類社会の時間的な流れを扱い、古代から現代までの出来事を通じて原因と結果の関係を考察します。
公民は現代社会の仕組みを学ぶ分野で、政治制度や経済の仕組み、倫理的な問題や時事的な課題を通して、社会の中で生きる市民として必要な知識と考える力を身につけます。
3つの分野はいずれも社会を理解するうえで欠かせない視点を提供します。
試験方式とマーク式の特徴
共通テストの社会はマークシート方式で実施され、解答はすべて選択肢から選ぶ形式です。
試験時間は各科目60分で、地理歴史・公民で2科目受験する場合は合計130分(間に10分待機時間)です。
マーク式では解答欄のずれやマークミスに注意が必要で、正確に塗りつぶすことが求められます。
また、問題文や資料の分量が多く、限られた時間で読み取って判断する力が重要です。
時間配分を意識し、見直しの時間も確保できるよう練習しておくと安心です。
新課程のポイント

新しい学習指導要領に基づき、共通テストの地理歴史・公民科目は大きく再編されました。
ここでは、新課程で導入された2科目1セットの仕組みと、歴史総合・地理総合といった新必修科目の役割について解説します。
2科目1セット化の仕組み
新しい学習指導要領に基づき、共通テストの地理歴史・公民科目は大きく再編されました。
新課程では、必履修科目である「地理総合」「歴史総合」「公共」を、それぞれ探究科目と組み合わせた形で出題する仕組みが採られています。
地理歴史では「地理総合+地理探究」「歴史総合+日本史探究」「歴史総合+世界史探究」の3科目、公民では「公共+倫理」「公共+政治・経済」の2科目が設定されています。
共通テストでは、地理歴史・公民として定義されたこれらの試験科目の中から、最大2科目を選択して受験します。
ただし、「公共+倫理」と「公共+政治・経済」のように、同じ必履修科目を含む組合せは選択できません。
科目の組合せには制限があるため、必ず志望校の指定科目とあわせて確認しておくことが重要です。
歴史総合・地理総合の変更点
歴史総合では、用語などの個別知識にとどまらず、歴史に関わる事象の意味や意義、特色や相互の関連について、歴史的な見方・考え方を働かせて多面的・多角的に考察し、課題の解決を視野に構想する力が求められるとされています。
近代化・大衆化・グローバル化などを軸に、世界各地の出来事と日本の歴史がどのように関連するかを広い視野で学びます。
従来の日本史B・世界史Bで扱う内容と完全には重ならないため、近現代史の基礎として重要です。
地理総合は従来の地理Aに近い内容で大きな変更はなく、統計データの読み取りや地域課題の探究など地理探究に進むための基盤となる科目です。
また、歴史総合・地理総合はいずれも必修科目として位置づけられており、高校での学びがそのまま共通テスト対策の土台になります。
そのため、定期テスト対策の段階から背景やつながりを意識して理解を深めておくことが大切です。
出題範囲と問われる力
社会科の共通テストでは、知識の暗記だけでなく資料を分析して考察する力が重視されます。
ここでは、社会の問題で評価される思考力・判断力、グラフや地図など図版を用いた問題の特徴について説明します。
社会科で重視される思考力
共通テストの社会では、知識・技能に加えて、それらを活用しながら思考力・判断力・表現力等を発揮して解くことが求められる問題を重視するとされています。
与えられた資料や文章から必要な情報を見抜き、複数の知識を関連付けて論理的に判断する力が求められます。
選択肢も一見正しそうなものが並ぶため、最も適切な答えを慎重に見極める力が重要です。
出来事の因果関係や背景まで理解する学習を心がけ、単なる暗記に頼らない思考力を鍛えておきましょう。
図版・資料問題の比重
共通テストでは、学習の過程を重視する観点から、資料やデータ等を基に考察する場面を設定した問題を取り入れる方針が示されています。
そのため、文章・図表・統計などを読み取り、根拠をもとに判断する練習が重要になります。
複数の資料から共通点や相違点を見つけ出し、そこから考察して結論を導く力が必要です。
例えば地理では地域ごとのデータ比較、歴史では史料をもとに背景を推論する設問など、資料を正確に読み解く練習が欠かせません。
図表の凡例や数値の単位に注意し、必要な情報を素早く把握する訓練を積んでおきましょう。
科目別の出題傾向

ここでは地理・歴史・公民の各科目でよく出題されるテーマや問題の特徴を確認します。
分野ごとの傾向を把握し、効率よく対策を進めましょう。
地理の統計・地図問題
地理では各地域の統計データや地図を読み解かせる問題が頻出です。
自然環境と人間活動の関係や地域ごとの特色を、統計数値や分布図から考察する設問が多く見られます。
国や地域の比較、あるいは時系列の変化に注目させるパターンが典型的で、資料からA・B・Cと因果関係をたどる論理的思考力が問われます。
地理は暗記すべき用語は比較的少ない分、データからヒントを見つけ出す練習や、時間内に資料を処理する経験を積むことで得点を伸ばしやすくなります。
日本史・世界史の年代横断
日本史・世界史では、用語など個別知識だけでなく、資料から得られる情報と学んだ知識を関連付けたり、仮説を立てて根拠を示したりする問題に加えて、時代や地域を超えて特定のテーマを考察する問題も含めて検討するとされています。
例えば日本史でも他国の同時代の動向と結びつけて出題されたり、世界史でも異なる地域の出来事の共通点を問われたりします。
歴史の流れを通して因果関係を理解し、個々の出来事を点ではなく線として捉える学習が重要です。
史料や図版を用いた考察問題も多いため、基礎知識の暗記に加えて資料読解力を養う必要があります。
特に近現代の出題比重が高い傾向があるので、現代につながる歴史の流れを重点的に復習しておきましょう。
公民の時事テーマ
公民では、暗記だけではなく現代社会の時事的なテーマを扱う問題が多い点が特徴です。
政治や経済の仕組みに関する基本的な概念に加え、時事問題への対応力が得点差を生む傾向があります。
実際の共通テストでは、法律の条文や最新の統計データを題材に、現代の社会課題に絡めた思考型の設問が出されています。
日頃からニュースや新聞に目を通し、教科書の内容と今起きている出来事を結びつけて考える習慣が大切です。
政治・経済の内容からも幅広く問われるため、政治経済分野の基礎知識を重点的に身につけておきましょう。
効率的な勉強法
共通テスト社会で得点を伸ばすための効果的な勉強法を紹介します。
基礎知識の習得から演習、過去問の活用まで、効率よく学習を進めるポイントを見ていきましょう。
得点につながる学習順序
共通テスト社会の勉強は、まず教科書の内容をしっかりインプットすることから始まります。
学校の授業や定期テストで学ぶ基礎知識を確実に身につけ、その上で共通テスト形式の問題演習に進みましょう。
例えば日本史や世界史であれば、教科書の通史を一通り学んだ後に史料問題の演習に取り組むと効果的です。
地理や公民も同様に、基本用語や概念の理解から資料の読み取り練習へと進めることで、知識を応用しやすくなります。
学校での学びを共通テスト対策につなげ、段階的に実力を高めていきましょう。
資料問題の練習法
資料問題に慣れるには、過去問や模試を活用した練習が有効です。
時間を計って実際の試験に近い形で解いてみることで、資料を読むスピードや解答のペース配分を訓練できます。
解き終わった後は、答え合わせと解説の確認を丁寧に行いましょう。
特に地理の統計問題や歴史の史料問題では、どの情報がヒントになるのかを見極める力が重要です。
間違えた問題は、なぜ誤答を選んでしまったのか原因を分析し、次に同じタイプの資料が出ても対応できるようにしておきましょう。
過去問・試作問題の活用
共通テスト本番の形式に慣れるには、実際の過去問や大学入試センター公表の試作問題を解いてみることが欠かせません。
目安として、秋以降には時間を計って過去問演習を始め、自分の得点状況を把握しましょう。
自己採点の際は、単に点数を出すだけでなく、どの大問で失点したかを分析することが大切です。
解説を読んだ後は、誤答の原因や知識の抜けを確認し、同じミスを繰り返さないようノートに整理しておくと効果的です。
志望校と科目組み合わせの選び方

志望大学の入試科目要件や自身の得意不得意を踏まえて、社会科の科目を選択することが重要です。
多くの文系学部では、日本史・世界史を前提としたカリキュラムを組んでいる大学が目立ちます。
一方で、地理や公民を社会の選択科目に含めない大学や、学部によって指定科目が細かく分かれているケースもあります。
そのため、世界史や日本史を選んでおくと、出願できる大学の幅が広がりやすいと考えるとよいでしょう。
理系で社会1科目を受験する場合は、暗記中心の学習が苦手であれば、資料読解や理解重視で取り組める地理や政治・経済が向いている場合もあります。
なお、「地理総合・歴史総合・公共」は必修科目として全員が学びますが、大学入試では探究科目と組み合わせた試験科目のみを指定する大学が多いため、必ず志望校の募集要項で出願要件を確認しておくことが重要です。
最終的には、自分の興味や得意分野も踏まえつつ、受験できる大学の選択肢を狭めすぎない科目を選ぶことが大切です。
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まとめ

共通テストの社会は、新課程で科目構成や出題形式が変化し、思考力や資料読解力を総合的に問う試験へとシフトしています。
この記事で紹介したように、科目の仕組みや出題傾向を理解し、志望校に合った科目選択と段階的な学習計画を立てることが、得点力を高める近道です。
一方で、多くの受験生にとっては「今のやり方で十分なのか」「共通テストと二次試験をどう両立させるか」といった不安が尽きないのも事実です。
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