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2023年度獨協医科大学医学部の生物過去問対策・分析

2023年度獨協医科大学医学部の生物過去問対策・分析

京都医塾生物科です。

このページでは「獨協医科大学医学部の生物」についての過去問分析コメントを紹介します。

・“医学部受験に興味がある”という方
・“獨協医科大学医学部”の受験を考えている方
・“獨協医科大学医学部の生物がどのような問題か知りたい”という方

にオススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。

概要

【形式・制限時間・配点】2023年度 
形式:マーク式
時間:理科2科目100分
配点:理科2科目200点

出題の傾向と特徴

生物・生物基礎の各範囲から出題されますが、「生態と環境」「生物の進化と系統」など他の医大では出題が少ない分野からも出題されています。単純に解答を選択する問題だけではなく、適語の組み合わせを選択する問題や計算結果を答える問題もあります。

【頻出の出題単元】

「代謝」、「遺伝情報の発現」、「生殖と発生」、「生物の生活と環境」、「生態と環境」などがよく出題されています。

【制限時間に対する問題量】

2科目100分に対して大問が5つあり、問題量が多く、一部に難易度の高い設問が含まれているため、時間内に全て解くのはかなり厳しいです。全問を必ず解かねばならないと考えるのではなく、解ける大問を選択してできるところから素早く解いていくことで得点を伸ばしましょう。

2023年度(最新の過去問)の分析

さらに踏み込んで、最新の入試問題を具体的に分析したいと思います。
※以下、過去問をお手元にご覧になるのが理想的ですが、過去問がなくても問題なくお読み頂けます。獨協医科大学の入試は2日間ありますが、以下の分析は1日目(1/28実施分)についての内容です。

【第1問】 

細胞と分子に関する問題でした。
Aはタンパク質、Bは細胞骨格の基本知識を問う問題でした。こういった知識を問われる問題で着実に得点することが大切になります。Cは細胞分裂と細胞骨格の関係に関する問題で、最後の収縮環の収縮のしくみを考察する実験問題は見慣れない内容で読解・考察に苦戦したものと思われます。ATP分解とミオシンの移動が連動していることに注目して考えることが重要です。

【第2問】 

窒素同化と光合成に関する問題でした。
窒素化合物の変化やカルビン・ベンソン回路、C4植物のしくみなど、生じる化学反応についてかなり詳細な部分まで正確に理解している必要がありました。特に選択式の大学では、こういった詳細な部分の反応や関連する物質まで問われることがありますので、自信を持って選択できるように知識を完璧に定着しておきましょう。

【第3問】 

DNAの複製のしくみとPCR法や制限酵素によるDNA分析に関する問題でした。
DNAにまつわる分野は非常によく出題される大学ですから、この分野の知識は特に注意して正確にしておくことが大切です。問5のように、塩基の割合を文字式で表す問題なども特徴的ですので、考え方を確認していつでも使うことができるようにしておきましょう。

【第4問】 

刺激の受容と興奮の伝達に関する問題でした。
神経系についても、眼の構造やはたらきについても、どの大学入試でもよく問われる知識や考え方が扱われています。基本に戻って正しく理解して覚えておきましょう。問6の暗順応や問7の視交叉と視野との関係などでは、グラフや図の情報を正しく用いて考えることも重要です。

【第5問】 

生命の起源と進化に関する問題でした。
生命の初期進化、ヒトへの進化、のどちらの題材も進化の中で出題の増えている領域です。組み合わせや順序の並べ替えなど、正確性が必要な形式が多いため、根拠を持って選択することができるように知識習得に努めましょう。

【総評】

問題を処理する速度と基礎的な内容に対する安定感が求められます。1日目の問題は例年と比較すると考察問題や計算問題の割合が少なかったものの、複数の選択肢の組み合わせを解答する形式が多かったため、ちょっとした知識の穴があると得点があっという間に低下してしまう危険性がありました。出題される分野も幅広いため、高校で学習する範囲全体を満遍なく丁寧に学習して知識を蓄えて臨みましょう。

≪2023度の目標値≫

生物を得点源にしたい受験生… 8.5割
他教科を得点源にしたい受験生… 7.5割

まとめ

というわけで、今回は獨協医科大学医学部の生物についてまとめてみました。皆さんの参考になれば幸いです!

京都医塾ではご相談・体験授業を随時募集しています。下記リンクからお気軽にお問い合わせください。

投稿者:廣瀬 希

  • 役職
    生物科統括/生物科講師
  • 講師歴・勤務歴
    11年
  • 出身大学
    京都大学大学院理学研究科
  • 特技・資格
    中高の理科教員免許所持
  • 趣味
    読書
  • 出身地
    岐阜県
  • お勧めの本
    ざんねんないきもの事典

受験生への一言
興味を持つこと、が理解に近づく第一歩です。いきものに興味を持って、生物の学習に取り組んでほしいです。