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2022年度順天堂大学医学部の英語過去問対策・分析 

2022年度順天堂大学医学部の英語過去問対策・分析 

京都医塾英語科です。
このページでは「順天堂大学医学部の英語」についての過去問分析コメントを紹介します。

・“医学部受験に興味がある”という方
・“順天堂大学医学部”の受験を考えている方
・“順天堂大学医学部の英語がどのような問題か知りたい”という方
におススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。

概要

【形式・制限時間・配点】2022年度(最新の問題より) 

形式: マークシート+記述
制限時間: 80分
配点: 200点

出題の傾向と特徴

2018年以降では、出題形式は長文4題、自由英作文1題の形式で固定されています。同様の出題構成が今後も続く可能性があります。

【2022年度の出題形式】

① 長文問題(4題)
② 自由英作文(200語程度)

【制限時間に対する問題量】

大問1~4の長文問題のワード数は、大まかに、1200語、700語、700語、750語です。それに加えて、自由英作文は200語程度書くことのできるスペースが与えられていますから、一見したところ、時間に対して分量は多く感じられます。ただし、問題の難易度自体はやや易しいものから標準的なレベルでまとまっており、処理速度がある程度早ければ解ききることも可能です。英語が苦手な受験生は大問1つ分を「捨て問」として、解きやすい問題を素早く拾っていくことで他の科目での挽回を期待したいです。ただし、他科目と比べると英語の配点は高いため、やはり英語対策(単位時間当たりの処理速度を上げる学習)にある程度時間を割いておくほうが、全体としては得点の底上げをしやすくなるでしょう。

2022年度(最新の過去問)の分析

さらに踏み込んで、最新の入試問題を具体的に分析したいと思います。
※以下、過去問をお手元にご覧になるのが理想的ですが、過去問がなくても問題なくお読み頂けます。

【第1問】(難易度:易) 

ノーベル化学賞受賞者ジェニファー・ダウドナのインタビュー記事をもとに解答する読解問題です。2017年以降、第1問はインタビュー形式の長文が出題されているので、会話形式の問題が苦手な人は対策をしておく必要があります。インタビュアーの問いにジェニファー・ダウドナが解答する形式になっており、かつインタビュアーの発話は太字で強調されているため、インタビュアーの質問を読むことで、ジェニファー・ダウドナの発言内容が予測できます。設問が求めている内容を効率よく探すには、インタビュアーの発言に着目するのがよいでしょう。設問は、本文中で下線が引かれた語句と意味の近い語句を選ぶ問題、内容一致問題からなります。前者は間違いの選択肢に紛らわしさがないので、直感的に答えを選んでいけるレベルです。後者も、それほど長くない文章のなかから根拠となる箇所を手際よく探せば、間違う可能性は低いです。英語が非常に得意な人は落ち着いて解くことができれば9割以上の得点も望めるでしょう。
≪2022年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…9割以上
他教科を得点源にしたい受験生…7割

【第2問】(難易度:やや易~標準) 

地物のはちみつがアレルギー症状に効くか否かがテーマの長文問題です。長文中でいくつかの実験が結果とともに紹介されています。多少読みにくさを感じるとすれば、実験結果がはっきりしない(はちみつに本当に効果があるのかどうかは実証できていない)ことです。そのため、他の問題とも共通しますが、全文を通読しようとするのではなく、内容一致問題と本文中に対応する根拠となる箇所とを素早く見つけ出せれば、高得点が狙えます。全体的な設問は平易ですから、英語の苦手な人も、全文を読み通そうとせずに関係のある箇所だけを拾って効率よく解答していけば得点自体はさほど悪くならないはずです。

≪2022年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…8割以上
他教科を得点源にしたい受験生…6割

【第3問】(難易度:やや易~標準) 

クジラはガンにかかる可能性をいかにして減らしているのかがテーマの長文読解問題です。ここまでの文章とくらべると、語彙レベルが多少上がっていますがそれでも比較的読みやすいことに変わりありません。解き方はやはり共通で、全文を読むのではなく、設問に直接関係ありそうなところを拾い読みしていくだけで十分です。また、難しい語については豊富な語注もついていますから、時間が足りなくなる以外では、本文を読めないということもなさそうです。
≪2022年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…8割以上
他教科を得点源にしたい受験生…6割以上

【第4問】(難易度:やや易~標準) 

幼少期の健康状態が、成人になってからの認知パフォーマンスに影響を与えるという研究について書かれた長文読解問題です。本文中で紹介される研究結果は、子供時代に健康上になんらかの問題やリスクのある人は、成人してからの認知能力(エピソード記憶、短期作業記憶、反応速度、視覚的な情報処理、注意力など)において低下がみられるというもので、これが全体を通して一貫しているため本文の趣旨は分かりやすいものとなっています。問自体も相変わらず該当箇所さえ見つけられれば相変わらず平易なので、いかに早く文章を読み、解答に必要な部分を見つけられるかが勝負です。
≪2022年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…8割以上
他教科を得点源にしたい受験生…7割

【第5問】(難易度:標準) 

「大量破壊兵器以外で、これまでに発明された発明品のなかから一つ、発明を阻止できるものがあるとしたら、それは何か。またなぜか。」という自由英作文です(設問文は英文)。発明品を選ぶ際には、その負の側面をいくつか書けるものが書きやすいはずです。その発明品のメリットとデメリットが拮抗する(あるいはデメリットが勝る)発明品を出して、それについて書くことができればよいでしょう。19.8cm×22行の解答欄が与えられています。1行あたり10語程度書けると仮定すると、200語前後の英作文を求められていることになります。比較的書きやすいテーマではあるものの、普段から一定の速度で正しい英文を書く練習をしていない受験生にとっては、分量が多く感じられるかもしれません。大問1~4までをどれだけ効率よく解き進めてこられたかが鍵にもなります。採点は、質・量の両方の観点から行われると明記されているため、最低でも20分、できれば25分はかけて、段落構成にも配慮し、答案を作成しましょう。採点者にとって、読みやすい(採点しやすい)解答を心掛けましょう。
≪2022年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…8割
他教科を得点源にしたい受験生…6割以上

【総評】

制限時間に対して一定の分量はあるものの、長文問題については小問一つひとつの難易度は平易だと感じられるものが大半です。これらで取りこぼさない正確さが問われています(これだけ平易だと、合格点に達する人のうち大半が間違いようのないレベルなので、わずかなミスが大きく合否を分ける可能性があります)。同時に、ディスコースマーカーやパラグラフ構成に注意して、必要な箇所を効率よく読み進める速読力も必要でしょう。これらを駆使してある程度の速度と得点を長文問題で稼ぎ、時間的な余裕を十分確保したうえで英作文に進むことができれば、英語の得意な人は高得点を望めます。

まとめ

というわけで、今回は順天堂大学医学部の英語についてまとめてみました。皆さんの参考になれば幸いです!

京都医塾ではご相談・体験授業を随時募集しています。下記リンクからお気軽にお問い合わせください。

投稿者:野口 剛

  • 役職
    英語科主任/英語科講師
  • 講師歴・勤務歴
    9年
  • 出身大学
    京都大学教育学研究科
  • 特技・資格
    なし
  • 趣味
    読書
  • 出身地
    愛媛県
  • お勧めの本
    最高の任務

受験生への一言
ぜひ、京都医塾へお越しください。