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2022年度近畿大学医学部の生物過去問対策・分析

2022年度近畿大学医学部の生物過去問対策・分析

京都医塾生物科です。

このページでは「近畿大学医学部の生物」についての過去問分析コメントを紹介します。

・“医学部受験に興味がある”という方
・“近畿大学医学部”の受験を考えている方
・“近畿大学医学部の生物がどのような問題か知りたい”という方

にオススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。

概要

【形式・制限時間・配点】2022年度 

形式:記述式
時間:理科2科目120分
配点:理科2科目200点

出題の傾向と特徴

 2021年度までは毎年必ず、免疫に関する出題がありましたが、昨年度は出題されませんでした。
 また、設問の形式も、その多くが基礎知識を問うものに変わったため、その難易度もかなり易化したと言ってよいでしょう。

【頻出の出題単元】

 上記のように、「免疫」は過去数年の中で、最も出題数が多いです。

【制限時間に対する問題量】

 文字数の制限がある論述問題が多く出題されていましたので、論述問題の経験値に左右されると思いますが、複雑な計算や細部までの読解を要求する問題は少なかったので、時間内にすべての問題に着手することは十分に可能です。

2022年度(最新の過去問)の分析

さらに踏み込んで、最新の入試問題を具体的に分析したいと思います。
※以下、過去問をお手元にご覧になるのが理想的ですが、過去問がなくても問題なくお読み頂けます。
 

【第1問】 

 呼吸に関する出題でした。
 知識問題主体でしたが、すべて教科書レベルの基礎知識で対応可能な簡単な問題でした。空欄補充問題では空欄の数が13個と多いですが、苦戦するものではないです。
 計算問題が3題出題されました。こちらも、呼吸商も含めた、呼吸に関する基本的なモル計算ばかりであり、満点を取ることも十分に可能な内容でした。生物で高得点を目指す生徒にとっては、失点をしたくない内容です。

【第2問】 

 酵素やタンパク質、脂質二重層、ABO式血液型に関する知識問題が5題、ABO式血液型に関する考察問題が3題という構成です。
 知識問題は教科書レベルの基礎知識の出題のみで簡単な内容でした。
 血液型を決定する遺伝子やその産物である酵素に関する考察問題も必要となる知識がリード文にほとんど記述されており、それを読み解くことが出来れば難しくありません。
 論述問題が150字と80字の指定でした。この文字数制限に苦手意識を持つことなく取り組むことが出来れば、この大問でも高得点を取ることは十分に可能です。

【第3問】 

 主に聴覚、平衡覚の受容器である耳に関する出題です。
 知識問題が7題、考察問題が2題という構成です。
 こちらも知識問題はほぼすべて、基礎レベルのものです。一題だけ、二次感覚細胞という見慣れない用語に関して出題されていました。これに戸惑った受験生もいるかもしれませんが、リード文にその説明が記されていましたので、十分に推測できたと思います。
 論述問題の出題もありましたが、典型問題であり簡単でした。
 考察問題は少し複雑ではありましたが、設問にしっかりと目を通せば解けない問題ではなかったと思います。

【第4問】 

 発生・細胞接着に関する知識問題でした。
 描図の出題もありましたが、発生における卵割の不等割、盤割の8細胞期を描くだけなので基礎レベルです。
 大問を通して難しい問題はなかったので、こちらも高得点を目指すうえでは失点をしたくない内容でした。

【総評】

 今年度は近畿大学らしい「空欄が多く読みにくい」、「免疫の細かい知識が要求される」といった難しい設問は見られませんでした。
 教科書を丁寧に何巡も読み返すことで基礎知識を固め、標準難度の問題集に多く取り組むことで満点近い得点も狙えます。
 論述問題は必ず出題されますので対策は必須です。

≪2022年度の目標値≫

生物を得点源にしたい受験生… 9割
他教科を得点源にしたい受験生… 8割

まとめ

というわけで、今回は近畿大学医学部の生物についてまとめてみました。皆さんの参考になれば幸いです!

京都医塾ではご相談・体験授業を随時募集しています。下記リンクからお気軽にお問い合わせください。

投稿者:廣瀬 希

  • 役職
    生物科統括/生物科講師
  • 講師歴・勤務歴
    11年
  • 出身大学
    京都大学大学院理学研究科
  • 特技・資格
    中高の理科教員免許所持
  • 趣味
    読書
  • 出身地
    岐阜県
  • お勧めの本
    ざんねんないきもの事典

受験生への一言
興味を持つこと、が理解に近づく第一歩です。いきものに興味を持って、生物の学習に取り組んでほしいです。