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2022年度 兵庫医科大学医学部の英語過去問対策・分析

2022年度 兵庫医科大学医学部の英語過去問対策・分析

京都医塾英語科です。

このページでは「兵庫医科大学の英語」についての過去問分析コメントを紹介します。
・“医学部受験に興味がある”という方
・“兵庫医科大学”の受験を考えている方
・“兵庫医科大学の英語がどのような問題か知りたい”という方
におススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。

概要

【形式・制限時間・配点】2021年度(最新の問題より)
形式: 記述式+マーク式
制限時間:90分
配点: 150点


出題の傾向と特徴

形式に加え、大問数も固定されてきた2017年度以降の5年分についての傾向をまとめます。

【毎年恒例の出題形式】

大問ごとの出題形式が必ずしも固定しているわけではありません。比較的固定しているのは、

①和訳問題

②長文読解

③英作文

長文問題には、空所補充問題(補充すべきものは、副詞、前置詞、文、語句など年度により異なります)、長文中の並び替え問題、語彙問題などが毎年出題されています。

【制限時間に対する問題量】

長文中の空所補充問題については、ある程度の速読力をもって読み進み、分からない問題は要領よく飛ばす必要があります。年度により、和訳問題や英作文の分量と難易度が異なるため、一概に、制限時間に対する問題量が「多い」や「少ない」は言いづらいですが、決して余裕があるとは言えません。和訳問題から英作問題まで、全ての問題を解き切ろうとすると、英語の得意な受験生以外は、時間が足りなくなる恐れがあるため、注意が必要です。まずは、比較的確実に答えの出る問題を見極めて、その取りこぼしを防ぎましょう。

2022年度(最新の過去問)の分析

ここまでは近年の傾向を見てきましたが、ここではさらに踏み込んで、最新の入試問題を具体的に分析したいと思います。
※以下、過去問をお手元にご覧になるのが理想的ですが、過去問がなくても問題なくお読み頂けます。

【第1問】(難易度:やや易~標準) 

ここ4年ほどは第1問に全文和訳問題が出題されていましたが、2022年度は語句整序を中心とする長文が出題されています(下線部訳が1問ありますが)。本文のテーマは「もの忘れは誰でも起こることであり、すぐ認知症の心配をする必要はない」というもので、非常に読みやすいはずです。語句整序は全部で5問、それぞれの選択肢は5つという設問で、こちらも非常に解きやすく、ミスは1問までにおさえたいところです。ここで大きくミスをすると、一気に引き離されてしまう可能性が高いと思われます。

≪2022年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…和訳満点、語句整序満点
他教科を得点源にしたい受験生…和訳で少し減点されても、語句整序は1問ミス

【第2問】(難易度:標準) 

「いつ食事をとるかで体重に変化が出る」という内容の長文問題です。設問は空所補充が10問だけ出題されています。ですので、かっこの前後だけを見て解くことも不可能ではないかもしれませんが、結局ほぼ全ての文を読むことになるはずなので、最初から全文読むほうがいいでしょう。空所は10個で選択肢も10個ですから、1つ間違えると自動的に2問間違えることになります。慎重に解答を選んでいきましょう。問題は語法や熟語的表現の知識で解けるものもありますが数は少なく(3問くらい)、残りは文脈を考えたり、前置詞のイメージから解かないと駄目なため、文の読みやすさの割りに点が伸び悩むタイプの問題という印象です。英語が得意な人でも満点はなかなか難しいかもしれません。

≪2022年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…7問正解
他教科を得点源にしたい受験生…5問正解

【第3問】(難易度:標準) 

ここで全文和訳問題が出てきました。過去問をしっかり解いていた人ほど、和訳問題の順番が変わっていたことに焦ったかもしれませんね。出題傾向は常に変わる可能性があり、テストを配られたらとりあえず全ページ目を通してみるべき、という受験の鉄則は大切ですね。とにかく単純な和訳問題ですから、文法・構文に忠実な訳を作成し、そこから必要な部分に手を加えるしかありません。内容が若干抽象的に分かりにくいようにも感じますが、ほぼ直訳で点になるはずです。兵庫医科大学を目指す人は和訳の訓練をしてきているでしょうから、不要な減点を限りなくゼロに抑えていきましょう。

≪2022年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…ほぼ満点を目指しましょう
他教科を得点源にしたい受験生…8割程度の点は取りたい

【第4問】(難易度:標準) 

ストレスに関する長文です。医学部の論説文としてはさほど珍しくないテーマです。ですので、ものすごく読みにくい内容という感じではない一方、ちょこちょこと出てくる難単語に注釈が一切ないので、スムーズには読み進められないストレスがあります。それらの難単語は内容理解には大きく影響しなかったり、ある程度推測することができるのですが、普段から「分からない単語を飛ばして読む・推測しながら読む」作業に慣れていないと焦りを感じることもあり得ます。設問は和訳、説明問題、語句整序、空所補充です。多少分かりにくい問題もありますが、全体としてはそこまでの難易度ではありません。

≪2022年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…7割
他教科を得点源にしたい受験生…6割

【第5問】(難易度:やや難しい) 

いきなり「発作が、来た。」という一文を英作するところから始まります。筆者はこの問題を始めて見たとき、「発作って、何の?」という疑問が出てきて、かなり困りました。その後はまだ何とか英語にできるようにも思いますが、それでも「目の前が歪み」のあたりはうまく書ける自信はありません。とにかくできるだけシンプルに、ミスのない英語で書けるよう工夫をしていくことが重要です。「発作なんて書けないよ」という感じで、一部ができないことに注意力を取られてしまうのではなく、「書けるところでミスをしない」ことを意識して下さい。

≪2022年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…6割程度
他教科を得点源にしたい受験生…4割程度

【総評】

全体的に見ると、2022年度の問題は比較的読みやすい文章が多いと思われますが、設問は分かりやすいものとそうでないものがはっきり分かれています。これは兵庫医科大学だけの話ではありませんが、「取れるところでしっかり点を取る」ことが一番大切です。多くの受験生が分からない問題に時間と労力を取られるのですが、その結果正解できる問題でミスをしては本末転倒です。兵庫医科大学の英作が書きにくいのは今にはじまったことではありませんので、自分の気持ちや集中力をいかに維持するかも受験生は事前に考えておくべきでしょう。

まとめ

というわけで、今回は兵庫医科大学の英語についてまとめてみました。皆さんの参考になれば幸いです!

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投稿者:吉田 恒

  • 役職
    英語科統括/英語科講師
  • 講師歴・勤務歴
    25年
  • 出身大学
    京都大学文学部
  • 特技・資格
    英検1級、TOEIC満点※3~4年前
  • 趣味
    読書・音楽を聴く・自転車(休眠中)など
  • 出身地
    京都府
  • お勧めの本
    貴志祐介か小川洋子の本を読んで下さい

受験生への一言
京都医塾には個性的で優秀な英語の先生が揃っています。英語が苦手な人、どうやっても英語の成績が上がらない人、英語の勉強法が分からない人、そんな皆さんに来て頂きたいです。