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立命館大学 の過去問対策・出題傾向まとめ【全学統一方式文系・数学】

立命館大学 の過去問対策・出題傾向まとめ【全学統一方式文系・数学】

 

 京都医塾数学科です。

 このページでは「立命館大学(全学統一方式文系)の数学」についての過去問分析コメントを紹介します。

形式・制限時間・配点 2022年度(最新の問題より, 学部学科によって異なるので注意)

形式:穴埋め・記述併用

制限時間:80分

配点:100点

近年の出題の傾向

 直近3年分の出題の傾向と特徴をまとめます。

 直近3年では大問を3つ出題し、大問1が小問集合で穴埋め方式、大問2が誘導形式で穴埋め方式、大問3が記述方式の出題となっています。

 大問1について、毎年小問が3つ出題されています。その中で簡単な誘導があり、計算量もあります。公式を覚えているだけでは太刀打ちできないレベルです。

 大問2について、21年度はローレンツ曲線について、22年度は飲食店の売り上げを二次関数で表して、利益の最大値を求めさせています。立命館大学の特徴として多くの受験生が知らないであろう知識を問題文中で解説し、誘導を与えて計算させる問題があります。最大値・最小値の考え方などを整理しておき、問題文の読解さえできれば難しくはないのですが、多くの受験生が戸惑うタイプでもあります。また、暗に新型コロナウイルスによる経済的影響などを数式で表すなど社会情勢を反映させることで「日常的に社会問題を数的解釈する者」を求めていると伺えます。

 大問3について、数列や確率など離散数学が出題されています。

 試験時間が75分であることを考慮すると大問1つに掛ける時間は25分程度です。学部のよって幅がありますが、合格最低点が全科目で6割5分から7割5分です。

 大問1は完答を目指しましょう。ただ、各小問の終わりの方で時間をとられて、大問を落としては本末転倒です。時間がかかりそうならば、最後は飛ばしても構いません。普段より計算量に対して要する時間を記録しておき、「数分で解けるかどうか」の判断力を身につけておきましょう。

 大問2は毎年扱うテーマが異なるので判断が難しいです。しかし、知らない用語・知識があっても丁寧な誘導があるので「何を求める問題なのか?」を見破れば難しくはありません。数学の力よりも読解力を試されていると思ってください。むしろニュースなどで用いられる数値(GDPやベア要求など)がどのように定義され計算されているかを調べ、社会的にどのような影響があるか考える習慣をつけておくと有利になると思います。

 大問3は標準から応用レベルの数列または確率の問題です。立命館大学だけでなく大阪大学や神戸大学の入試問題で練習しておくと似た式変形が見られます。標準的な問題集を1冊こなしたら、どんどん国公立大学の標準レベルで演習を進めるとよいでしょう。

最後に

 毎年、受験生が帰ってきたときによく聞くのは「難しかった。意味が分からん」という言葉です。出題されたテーマが読み取りがたいことがよくありますが、問題文を丁寧に読めば、計算すべきこととその手順が問題文に書いてあります。先ほどの受験生達の中でも「分からんかったけど、見たことがあるものだけは埋めてきた」と答える生徒は合格していることが多いです。標準レベルの演習をこなし、手を付けられるところを探していけば合格点に届きます。焦らずに頑張っていきましょう。

投稿者:玉島 亮

  • 役職
    数学科講師
  • 講師歴・勤務歴
    25年
  • 出身大学
    九州大学理学部
  • 特技・資格
    ソフトウェア開発技術者
  • 趣味
    読書・数学
  • 出身地
    奈良県
  • お勧めの本
    ここは今から倫理です

受験生への一言
「知らない」、「分からない」は成長できるチャンスです。