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昭和大学医学部の過去問対策・出題傾向まとめ【生物編】

昭和大学医学部の過去問対策・出題傾向まとめ【生物編】

 

京都医塾生物科です。
このページでは「昭和大学の生物」についての過去問を分析します。

・“医学部受験に興味がある”という方
・“昭和大学”の受験を考えている方
・“昭和大学の生物がどのような問題か知りたい”という方

におススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。

概要

【形式・制限時間・配点】2021年度(最新の問題より) 

形式:記述式
時間:理科2科目140分
大問数:5
配点:理科2科目200点

出題の傾向と特徴(7年分)

 2015年度以降の7年分について、分野別の傾向をまとめます。

【1 細胞と分子】

 2017、2020年度で出題がありました。2017年度は「浸透圧での水の移動」に関する30字の論述問題、2020年度に関しては「ナトリウムポンプによる能動輸送」に関する20字の論述問題と、基礎レベルのものでしたので、確実に得点を稼ぎたいところです。

【2 代謝】

 2018年度には「クエン酸回路、電子伝達系」に関する出題でしたが、2020,2021年度には他分野と関連させる形での出題となっていました。具体的には、2020年度は、体内環境の分野と、2021年度には、生態の分野との総合問題となっていました。
論述に関しては、この分野に関しても、比較的標準レベルですから、確実に得点できるようにしましょう。
 また、代謝分野でよく出題される計算問題が、この昭和大学でもやはり出題されていますので、対策しておきましょう。

【3 遺伝情報の発現】

 2015~2021年度、全てにおいて出題されています。出題内容も、全範囲にわたって出題されており、対策は必須です。
 難易度の高めな実験考察問題が出題されていることもありますが、必ず得点すべき標準問題も出題されていますので、そちらで失点しないよう、ゲノムなどの基本用語を、覚えるだけでなく、20字程度でも説明できるよう、日頃から訓練しておきましょう。

【4 生殖・発生・遺伝】

 2017、2019,2021年度で出題されています。
 2019年度には「有性生殖の意義」が論述問題で出題されているように、やはり、名称をそのまま覚える勉強ではなく、「何故そうであるのか」を考えるようにしていきましょう。
また、2017年度には、遺伝病に関する確率の計算問題が出題されていました。苦手な生徒が多い部分です。差をつけるためにも習得していきましょう。

【5 生物の生活と環境】

 2017年度以外、毎年出題されています。
 出題された内容としては「アポトーシス」「バソプレシンの働き」「免疫系とその反応」「免疫系」「抗体」「心臓の構造と機能」「植物ホルモンの作用」「気候開閉」となっており、分野ごとの偏りは少ないです。
 この分野では、基本的知識を50字程度で説明できるよう練習をしながら、全体的に網羅していきましょう。

【6 生態と環境】

 2015、2021年度で出題されています。
 出題された内容としては「地球温暖化」「外来生物」「種間関係」「暖かさの指数とバイオーム」というように、「遷移」の出題はありませんでした。
 「BODとCOD」といった専門的な用語を問う問題もありましたので、余裕のある生徒は、こういった細かい部分も資料集など利用し、目にしておくことにしましょう。

【7 生物の進化と系統】

 2016、2019,2020年度での出題でした。
 この分野でも30字程度の論述があります。また、化石の推定という計算問題も出題されていました。問題集などでも応用問題で対策していくようにしましょう。

【制限時間に対する問題量】

 2020年度までは、大学教養課程レベルの問題が出題されることもありましたが、2021年度は大きく易化しました。年度ごとの難度の変動を予想することは困難なので、気にしても仕方ありません。
 大切なのは、標準レベルの問題を取りこぼさないことです。
 幸い、時間に対する問題量は適切です。

まとめ

 論述問題は、ほとんどが標準的な内容ですから、確実に得点できるよう徹底的に固めていきましょう。そのためにも、普段勉強する用語を丸暗記するのではなく、その定義まで20~50字程度で書くことが出来るよう訓練を積んでいきましょう。
 また、出題頻度から考えるに、複数の分野にまたがる出題がされているので、体系的に知識を整理していくようにしましょう。

投稿者:廣瀬 希

  • 役職
    生物科統括/生物科講師
  • 講師歴・勤務歴
    11年
  • 出身大学
    京都大学大学院理学研究科
  • 特技・資格
    中高の理科教員免許所持
  • 趣味
    読書
  • 出身地
    岐阜県
  • お勧めの本
    ざんねんないきもの事典

受験生への一言
興味を持つこと、が理解に近づく第一歩です。いきものに興味を持って、生物の学習に取り組んでほしいです。