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【8月 数学編】医学部合格に向けた学習アドバイス【現役生向け】

【8月 数学編】医学部合格に向けた学習アドバイス【現役生向け】

京都医塾数学科です。

まだまだ暑いですね。

夏の風物詩である高校野球も終わり、夏休みも半分以上が過ぎましたが、皆さん受験生はそれどころではないかと思いますので、今月も早速アドバイスをお届けします。

8月は、苦手とする受験生が多い単元「数列」のコツを簡単にお伝えしたいと思います。

数列の基本

この単元、序盤でつまずく生徒さんが多いです。しかし、最初の最初はそんなに難しくないはずです。

高校数学における「数列」とは、「ある規則をもつ数の並び」といってよいでしょう。要するに、ただ数が並んでいるだけなのです。わかりやすい例を挙げると{1,2,3,4,5,…}でしょうか。皆さん、”5″ の次にくる数はわかりますよね?

“5” の次の数を言えるのであれば、その数列の規則がわかっている(正確に言えば推測できている)ことになります。実は、数列を学習するにあたって最低限必要な能力はこの程度の能力だけです。決して、難しい推測をする必要はありません。「{1,2,3,4,5,…}なら、次は “6” かな?」と思える程度の数に対する感覚さえあれば、十分学習可能な単元です。あまりビビらずに学習を始めましょう。

つまずきやすいポイント

では、なぜ数列が苦手な生徒さんが多いのでしょうか。

これは、講師経験に基づく私のカンですが、上記の話「数列の基本」が当たり前すぎるので “カンタンやん” と油断してしまう生徒さんが多いのではないかと思います。また、先生側も “カンタンやん” と思ったところをサクッと飛ばしてしまい、いきなり文字や記号だらけの式を書いてしまっているかもしれません。

油断しているうちに、いつのまにか 「”n” が入った複雑な式」や、謎の記号「 ∑ 」に翻弄されて “難しい” “苦手だ” と言っている高校生が後を絶たない印象があります。

苦手を克服する鍵は「書き並べ」

極端な話、数列の単元はどこまでいっても数を並べているだけです。また、並べた数を足すことも多いです。

よって、確実に理解しながら進めていくには、数式や記号が出てきても、常に数を並べてみることです。また、”n” が入っている式の意味がわからなかったら、ひたすら「n=1 , n=2 , n=3 , …」を代入してみましょう。これは、入試問題レベルで問題文に n(n:自然数)が出てきたときも同じです。

数列の単元は等差数列・等比数列に始まり、和の計算、漸化式と続いていきますが、いつでも通用する話になります。

意味がわからずにとりあえず解法を再現するやり方では、どこかで必ず頭打ちします。学校のテストを乗り切るだけならなんとかなるかもしれませんが、入試における試験範囲は『全単元』です。小手先の技術や一夜漬けでは太刀打ちできないことは火を見るよりも明らかなので、急がば回れで学習しましょう。

8月の勉強のポイント(8月にすること)

最後に、毎月恒例の学習アドバイスをお送りします。

夏休みが終わるまでに、残りの単元を終えましょう。順調にきている方は「複素数平面」と「データの分析」くらいでしょうか。

数Ⅲ:「複素数平面」

7月記事で少し触れたように特に下地が必要な単元です。「複素数」「三角関数」「平面ベクトル」の復習を終えた後にスタートしましょう。ある意味、これらの単元を理解できているかが問われるとも言える単元なので、理解できなくなったら先生にアドバイスを求めましょう。例えスムーズにいかなくても、複素数平面を学習することで他単元の理解が深まることもあります。根気強く学習しましょう。

数Ⅰ:「データの分析」

共通テスト模試では必ず出てきますね。共通テストをどこまで本格的に利用するかで、学習の強度を変えるべき単元と言えます。

絶対出ないとは言えませんが、私立の医学部入試での出題頻度は低めです。現行の学習指導要領にない”統計学”に繋がる分野で、この単元を深く理解することで他分野のパフォーマンスが上がることはあまり多くありません。全国の受験生が手薄になっている単元かと思うので、コストパフォーマンスを重視するなら、教科書レベルの学習に留めておくのも策の一つと言えるでしょう。

残りの時間は、ひたすら苦手単元や不安な単元の解きなおしに充てましょう。解きなおしの重要性は7月に述べた通りですが、少なくとも8月いっぱいまでは解きなおしを徹底するようにしましょう。今後の学習に大きな違いが出てくるはずです。

さいごに

「早く過去問を」とか「もっと難しい問題を練習しないと間に合わない」と焦る生徒さんが多い時期です。しかし、ほとんどのケースで8月から過去問をやる必要はありません。超進学校で上位の成績を取り続けている生徒さんは、高1(早ければ中3)に数Ⅲまでの学習を終えて、そこからは演習中心の学習を続けます。しかし、京都医塾で医学部に合格していく生徒の中でそのような経歴をお持ちの生徒さんは極めて稀で、いわゆる“普通の高校生・浪人生”が基礎を固めて合格していきます。

難しい問題を焦ってやっても、身につかなければ何の意味もありません。少しずつ、地道にできることを増やしていくことで、徐々に合格に近づいていくのが受験の王道です。

それでは、来月の記事まで皆さんが学習を続けられることを祈っております。