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【11月 生物編】医学部合格に向けた学習アドバイス【現役生向け】

【11月 生物編】医学部合格に向けた学習アドバイス【現役生向け】

京都医塾生物科です。

 気付けば今年も残りあと2ヶ月。10月の模試に一喜一憂したという人もいるでしょうし、総合型選抜や学校推薦型選抜の出願や準備に追われているという人もいるのではないでしょうか。大学別模試などもあり、まだしばらくは週末も落ち着かないという日々が続く時期ですが、焦って浮き足立たないように、このタイミングで入試までの学習計画を改めて見直して立て直すようにしましょう。

今月は、

・過去問に手を付け始めたら
・11月の勉強のポイント

をお届けします!

■過去問に手を付け始めたら

 先月は、過去問を解き始める時期や解く際の目的についてお伝えしました。今月も引き続き、過去問に取り組む際に気にすると思われる点について触れていきたいと思います。

何年度分解けばいい?

 赤本をはじめとした大学別入試過去問題集には、最新年度の問題だけでなく複数年度の問題が収録されていることがほとんどです。前回は「とりあえずまず1年分」解いてみること、をお勧めしたわけですが、「最終的に何年分解けば十分なのだろう…?」と考える人もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、「十分といえる量は何年分なのかという点では決まらない」ということになるのですが…場合別に見てみましょう。

国公立大学(配点が共通テスト重視型)

 この時期には問題の出題傾向や難易度が大まかに把握できていればよいので、1年分解き終わった後は共通テストの対策に重点を置きましょう。この型の大学の場合は、共通テストで高得点が取れていないと出願を断念することにもなりかねませんので、受験する機会を確実につかみ取るために全力で共通テストの対策に取り組みましょう。

国公立大学(配点が二次試験重視型)

 共通テストの対策を疎かにするわけにはいきませんが、二次試験で高得点を取ることを意識して過去問に取り組む機会はなるべく多く確保するのがよいでしょう。制限時間を意識して全体を解くことはもちろん、大問ごとに分けて、1つ1つを理解できるまで解き直すことで大学側が求めている考え方や解答の傾向が掴めてきます。この場合は、受験予定校だけでなく、似た形式の大学があればその過去問に取り組むことも対策として有効と言えるでしょう。

私立大(複数校受験予定)

 大学ごとに問題の形式や傾向が全く異なりますので、受験する可能性がある大学については一通り目を通しておく必要がありますが、全てを複数年度しっかり解くことは現実的に難しいでしょう。大学ごとの問題の傾向を把握した後は、より基本的な内容を問う形式の大学から重点的に解いていくとよいでしょう。問題難易度の高い大学であっても、基本となる知識は必要なものですから、着実に得点に繋がる基礎事項から確実に理解・定着させていく方が多くの大学入試問題に対応できるようになります。結果として、複数年度解いた大学と、1年分だけ解いた大学、という差が生じることになりますが、全体の学力の向上具合を考えるとそれで問題ないと考えます。
 ただし、論述問題を含む大学を受験することを予定している場合は、演習する大学がマーク式・選択式の問題のものばかりにならないように注意しましょう。文章で説明する力は、自分で書いてみて内容を確認して、という学習を継続していないとなかなか伸びてこないためです。

解く数よりも、解いた後の扱いの方が大切

 以上のように、志望する大学によって、入試問題に対する取り組み方は変わってきますので、「安心」と言える数は無いと言えます。ただ、どの場合でも共通して言えるのは、「解けばいいというものではない」ということです。解いたはいいものの、それが解きっ放しになってしまっては意味がありません。自分の答案を見て、覚えたはずなのに抜けていた知識が無いか確認する、新たに得た知識はまとめ直して覚える、計算の公式の当てはめ方が正しいかを確認する、類題があれば取り組む…など、解いた後にそこから学びその内容を身につけることでようやく過去問を解いた意味がある、と言えるのです。

■11月の勉強のポイント・学習アドバイス

 分野別の問題演習が順調に進められていれば、かなり複雑な実験考察問題などを扱う所まで問題レベルが上がってきているのではないでしょうか。生物の実験には、典型的なものも数多くありますが、「見たことがない」条件や設定で進められるものも決して珍しくありません。一度目に解いた際には分からなかった内容であっても、解き直す際に問題文や図・グラフのどの部分に着目して読解すれば実験の目的が把握できるのか、を考えながら取り組むことで重要なポイントを捉える要領が掴めてきます。計算問題でも同様に、解き直してみる過程で考え方を追う順序が理解できるようになってきます。一つの問題に一度取り組んで満足するのではなく、確実に解けるようになるまで何度も取り組んで解き方を学びましょう。
 扱う教材が入試過去問に切り替わっても方針は同じです。分からない部分があったら基礎的な内容に戻る、解けるまで何度も解き直しに取り組む、を徹底しましょう。

■まとめ

入試問題に触れるようになると、つい得点率など結果に目が向きがちになってしまいます。しかし、大切なのは「そこから何を学ぶか」ということです。今間違えている問題には伸びしろが沢山眠っていると考え、しっかりとそこから学びとることを意識して復習に取り組みましょう。

投稿者:廣瀬 希

  • 役職
    生物科統括/生物科講師
  • 講師歴・勤務歴
    11年
  • 出身大学
    京都大学大学院理学研究科
  • 特技・資格
    中高の理科教員免許所持
  • 趣味
    読書
  • 出身地
    岐阜県
  • お勧めの本
    ざんねんないきもの事典

受験生への一言
興味を持つこと、が理解に近づく第一歩です。いきものに興味を持って、生物の学習に取り組んでほしいです。