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暗記と「余計な」情報

暗記と「余計な」情報

京都医塾化学科の安逹です。

皆さん暗記は得意ですか?私は苦手とまではいきませんが嫌いです。ただ、勉強にはこの暗記が付きものですので、学生時代の私も嫌々ながらこの作業をこなしていました。ただ、できることなら2回も3回も同じことを覚え直したくはないですよね?そこで今回は、私なりに暗記作業の回数を減らす方法をここに記してみようと思います。

暗記の仕方

例えば「リンゴの色は赤」である。という事実を暗記する必要があったとしましょう。ある人は脳内で次のように記憶したとします。

「リンゴ=赤い」

別のある人は脳内で次のように記憶したとします。

「リンゴはイチゴと同じ果物で、イチゴと同じ赤色である」

どちらの記憶がより効率的でしょうか?

結論から言えば後者の方が、暗記作業の回数を減らすことができます。前者の記憶方法は確かに情報がシンプルで、脳のリソースの節約になっているようなのですが、反面「赤色」という情報が失われてしまうと、今一度情報をインプットし直すほかありません。

「余計な」情報のある記憶

後者の記憶は、「リンゴ」という単語に「イチゴ」「果物」という覚えるべきではない情報もくっついています。一見非効率なのですが、こうした「余計な」情報とともに暗記する方が、記憶を思い出すときに「その記憶が本当に正しいかどうか」を判断する材料になります。したがって、「赤色」という情報を忘れた、もしくはそれに自信がないというときに、「イチゴと一緒だから赤色でいいのか」と思い出すことができます。

受験勉強の中での暗記

とは言え、膨大な量が暗記項目としてある受験勉強の中で「余計な」情報は極力脳に入れたくないという人もいるかと思います。実は受験勉強においては「その分野の別の情報」を関連付ければよいのです。例えば二酸化炭素は水に溶けるという事実は

「二酸化炭素は無極性分子だが、水と反応して炭酸になるから水に溶ける」

といった具合です。こうした記憶を続けていくと、結果として単純に暗記する項目も減っていきます。

最後に

長々と書いてきましたが、要は記憶をする際は「その記憶を思い出すことのできる根拠を一緒に覚えておく」ことが効率の良い学習につながる、ということです。単純な暗記だけに頼っている方はこの機会に少しだけ、学習法の改善に取り組んでみてはいかがでしょうか。

投稿者:安達 康明

  • 役職
    化学科統括/化学科講師
  • 講師歴・勤務歴
    8年
  • 出身大学
    京都大学工学部
  • 特技・資格
    バレーボール
  • 趣味
    ゲーム、アニメ鑑賞
  • 出身地
    岡山県
  • お勧めの本
    ビーカーくんとそのなかまたちシリーズ

受験生への一言
なぜその思考が必要なのか、なぜこの解法なのかをキチンと理解できれば点数は必ずついてきます。その手助けをしていくことを最優先で考え、授業を進めています。合格のために出来るサポートは全力でやります。