医学部の面接試験では、個人面接のほかにも集団面接やグループ討論が実施されることもあります。
これらの面接方法は、個人面接と勝手が異なるため、苦手意識を強く持っている人も大勢いるはずです。
そこで今回の記事では、医学部の集団面接やグループ討論における対策についてまとめました。
医学部入試における面接
さっそく、医学部入試における集団面接や、グループ討論の詳しい説明に入りたいところですが、おさらいを兼ねて基礎知識も確認しておきましょう。
ここでは、医学部入試における面接試験の基本情報を解説していきます。
なぜ医学部入試には面接があるのか?
そもそも、なぜ医学部入試には面接試験が課されるのでしょうか。
その答えは、受験生の人間性を把握するためにあります。
医師として現場に出た際に、人間性がともなっていないと患者への十分なケアができません。
加えて、看護師や薬剤師との連携も上手くいかない可能性もあります。
学力試験で好成績を修めた人物であったとしても、人間性に問題があると業務に大きな支障が出るというわけです。
そういった事態を回避するためにも、面接試験を実施して、受験生がどういった価値観を有しているかの判断がなされます。
面接の形式
面接試験の意義について確認したところで、形式に関しても基本的な知識を確認しておきましょう。
こちらの項では、面接における試験形式を3タイプに分けて、それぞれを解説していきます。
個人面接
最初に解説するのは、個人面接です。
こちらの面接試験では、その名のとおり受験生が一人だけ入室し面接がなされます。
時間としては、10〜30分程度で行われることが大半です。
面接官が自分のことだけを見ている点を生かし、はっきりとした自己表現をしましょう。
集団面接
集団面接では、受験生を2〜4名ほどの集団に分けて面接試験を行います。
受験生一人ひとりの協調性に比重をおいて、逐一チェックするのが一般的です。
時間は、個人面接とほぼ同じ10〜30分。
こちらの試験形式でも個人面接のときと同様、自分の意見をはっきりと伝えましょう。
他の受験生が質問に答えている時も気を抜かないことが大切です。
グループ討論
グループ討論は、受験生を4〜6名ほどのグループに分けて、討論をさせる面接形式です。
グループディスカッションや、討論面接とも呼ばれることもあります。
こちらの面接形式では、30〜60分ほどの制限時間で実施されるのが一般的です。
比較的長時間だからといってのんびり構えていると、すぐに時間を浪費して発言の機会が失われてしまいますので、ここでも積極性と協調性をアピールしていきましょう。
集団面接・グループ討論を実施する大学一覧

さて、ここからは集団面接やグループ討論の本格的な解説に移っていきます。
まずは、集団面接・グループ討論を実施している、主な大学の情報から見ていきましょう。
✓群馬大学
群馬大学では集団面接が課されます。
面接時間は25分で、集団面接としては標準的な長さと言えるでしょう。
群馬大学では医学を学ぶ意欲や、社会貢献の精神を評価基準に据えていますので、事前にしっかりとした回答を準備しておいてください。
✓山梨大学
山梨大学においても、集団面接が課されます。
面接においては、医師としての創造性や、医療研究者となるための適応性に比重が置かれて評価されます。
また、面接員が必要と認めた場合には集団面接のほかにも別途、個人面接が課されることもありますので、集団・個人面接の両方を練習しておきましょう。
✓信州大学
信州大学では3人の面接官に対し、5〜7人の受験生が参加する集団面接が実施されます。
圧迫面接に代表されるような高ストレスをかける形式ではありませんので、他の受験生の発言力に負けないようしっかりと自分の意見を述べてください。
なお、学力試験で十分な点数を獲得しても、面接における人物評価で著しく問題ありとされた場合には、試験を不合格にする旨を大学側は公表しています。
日ごろから、人間性を磨く努力を怠らないように気をつけてください。
✓北里大学
北里大学では、グループ討論か個人面接のどちらか、あるいは両方を複合したタイプの面接が実施されます。
面接時間は20〜30分と標準的ですが、上記のとおり面接形式がやや変則的ですから、きちんと対応できるよう、面接の訓練はしっかりしておきましょう。
✓福岡大学
福岡大学の面接試験では、集団面接が行われます。
面接時間は20分ほどとなっており、面接官3人に対して受験生5人の割合で進行されます。
リーダーを一人決めて討論を行う形式を取りますので、リーダー役を任されても対応できるよう、トレーニングを積んでおいてください。
調査書も面接評価の一部に加味されますから、書類作成にも手抜かりがないよう注意しておきましょう。
✓金沢医科大学
金沢医科大学の面接は、グループ討論形式で行われます。
時間は、1グループあたり約20分です。
他の大学の面接試験と同じく、金沢医科大学においても受験生の人間性や積極性、協調性がチェックされます。
✓自治医科大学
自治医科大学では、集団面接と個人面接の両面から、人物評価をするのが特徴です。
時間は集団面接が約20分間、そして個人面接が約10〜15分間となっています。
こちらの大学の面接試験は都道府県単位で実施されますので、受験希望の方は事前に大学のホームページなどで詳細を確認しておきましょう。
集団面接のポイント
医学部の合格を確実なものにするためにも、集団面接やグループ討論におけるポイントについても確認したいところです。
まずは、集団面接のポイントについて見ていきましょう。
質問は個人面接と大して変わらない
集団面接を受けるにあたって、大きなプレッシャーを受けてしまう受験生は少なくありません。
しかし、集団面接はあくまで面接の応用編。
学力試験で数々の応用問題と戦ってきたあなたなら、きっと対応できるはずです。
自分を信じて、前向きに臨んでください。
他の人と回答が被っても焦る必要はない
集団面接では、他人の回答と自分の回答が重なってしまうことが少なくありません。
そういったケースでは、思いがけず焦りが生じる場合もあるでしょう。
しかし、動じる必要はありません。
面接官にしてみれば、受験生同士の回答が重なってしまうのは日常茶飯事。
重なってしまった回答に、ワンポイントの情報をプラスしながら答えれば、多少の重なりは減点対象とはならないでしょう。
端的に答えをまとめる練習をしておく
集団面接は性質上、個人面接よりも一人ひとりに与えられる回答時間は、短くなってしまいます。
そのため短時間で答えをまとめ、きちんと他者に伝えられるだけの思考力が求められます。
面接練習を通じて、自分なりに回答を要約するトレーニングをしておきましょう。
グループ討論の場合
集団面接のポイントに続いて、グループ討論のポイントについても解説していきます。
こちらの項では、グループ討論のポイントの中でも主だったものを3点ピックアップしてまとめました。
積極的に討論に参加する姿勢が大事
グループ討論では、提示されたテーマに基づいて議論をしていきます。
そのため、積極性がないと自分の発言権を誰かに奪われてしまい、何もアピールできないまま面接が終了してしまうこともあります。
グループ討論に臨む際は、個人面接のときよりもさらなる積極性を発揮してください。
周囲の人とコミュニケーションが円滑にできているか
グループ討論では、周囲の人とのコミュニケーション力に評価が向けられます。
そのため、リーダー役を任せられたときなどは、メンバーから意見を聞き出したりする努力が必要です。
また、メンバー役になった場合も、テーマの主旨を捉えて、議論をスムーズに進行させるための配慮が求められます。
グループ討論全体の流れも評価される
グループ討論は参加者全員でディスカッションをするため、討論全体の流れもチェック対象となり得ます。
そのため、与えられた役割をきちんと演じる能力の有無や、協調性が発揮できるかが問われます。
面接中にメンバーの発言を遮り自分だけが意見を述べてしまうと、コミュニケーション力に低評価が付けられる場合もありますので要注意です。
先ほど積極性の重要性を説いたばかりですから、これには矛盾を感じる人もいるかも知れませんが、食い違っていることはありません。
なぜなら、繰り返しになりますが、グループ討論で問われているのは本人の発言する意欲と、他者を優先する助け合いの精神のバランスだからです。
自分が発言する機会と、誰かに発言を譲る機会を均等にできるよう、訓練しておきましょう。
グループ討論のテーマについて

最後に、グループ討論で用いられるテーマについても解説していきます。
グループ討論において、よく出されるテーマを抽出して紹介しますので、参考として下さい。
社会に関するテーマ
医学部のグループ討論では、社会に関するテーマがよく出題されます。
なぜなら、社会のできごとへどれだけ興味があるのかも、その人の人間性を推し量る基準の一つと言えるからです。
地球温暖化や生物の多様性、オリンピックに関係するスポーツの話題はしばしば提示されますので、幅広い知識を養っておきましょう。
そして、政治に関係する発言だけは控えるようにしてください。
特定の政党を支持する発言などは議論が乱れる原因となり、進行に支障が出る可能性が生まれます。
医療に関するテーマ
医療に関するテーマは、最も出題可能性の高いテーマと言えます。
遺伝子組み換えなど倫理規範を確認するテーマや、地域医療問題、最新の医療ニュースなど色々なテーマが想定されますので、事前に準備をしておくことが重要です。
どこから手をつけてよいか分からない場合、まずは、ご自身の興味のあるテーマから深掘りして学んでいきましょう。
医療と全く関係のないテーマのことも
医学部のグループ討論では、医療と無関係のテーマも出題されることもあります。
たとえば、「理系の学生はどのように増やせばよいか」といったものです。
「医療と関係ないのになぜ出るのだろう」と感じる人もいるかも知れませんが、こういった自由なテーマでは、思いがけない事態でも柔軟性を発揮できるかが見られています。
焦らず、落ち着いて自分の意見を発信していきましょう。
まとめ

面接試験は、医学部の受験における最後の難関です。
この面接試験では、医学部生としての学力を有しているかどうかだけでなく、医師としての人間性も有しているかを総合的に判断されます。
そんな面接試験には、大きくわけて個人面接や集団面接、グループ討論の3つの形式があります。
個人面接は、その名のとおり個人で面接官と向き合って行う試験です。
集団面接も個人面接と同様、名前のとおり集団形式の試験となります。
グループ討論は、少人数のグループで議論を進行していく面接形式です。
一見して集団面接と似ていますが、リーダー役を任せられたり、メンバー役としてディスカッションの進み具合をサポートする役目が生じるといった違いがあります。
グループ討論でも集団面接でも問われていることは、積極性と協調性です。
面接の練習を通じて、こちらの二つの要素をアピールできるようにしておけば、問題なく合格できるはずです。
自分を信じて、最後の最後まで走り切ってください。
この記事を読んでくれたあなたが、医学部への合格を果たしてくれたのなら幸いです。

