懲役2年を乗り越えた人生ゲーム
まず、このタイトルをつけた理由について説明させてください。少しきつい表現になりますが、「浪人生」は社会において“何者でもない存在”だと思っています。たとえば、アンケートなどで職業を問われたとき、「その他」に丸をつけるしかない。そんな現状が象徴的で、まるで「予備校」という牢屋に入って社会復帰のための訓練をしているような感覚があり、このタイトルをつけました。正直な話、私はよく脱走しては塾長に叱られていました(笑)。そのため、ご指導が長びいて塾の下校時間を過ぎてしまい、わざわざ塾長と学長にシャッターを開けてもらって見送られたあの光景は、一生忘れないと思います。 でも、この浪人期間はただの勉強だけでなく、自分自身と向き合い、人間的に大きく成長する貴重な時間でもありました。今はまさに“人生ゲーム”の途中で、「医学部」という超強敵に立ち向かっているようなもの。そして、今は「一時停止マス」に止まっている状態だと思ってください。人生ゲームはまだまだ続きます。 私は、「こんなところで終わってたまるか!」という反骨精神と、医師である父のすごさを自分自身で確かめたい、そしていつか父に認めてもらいたい、そんな気持ちでこの“強敵”に挑んでいました。 中高時代の私は、ほとんど勉強もせず、友達と遊んだり部活をしているばかりでした。しかし、浪人生となり本気で勉強と向き合って、初めて「医学部ってこんなに難しいのか」と衝撃を受けたのを覚えています。けれど、どんな人でも諦めずに立ち向かい続ければ、いつかは報われます。私のような人間でも医学部に合格できたのですから。今、浪人をしている人、これから挑む人に向けて何かお伝えできるとすれば、これは“人生ゲーム”の途中過程であり、楽しみながら乗り越えていただきたいということです。きっと物の見え方が変わってきます!