医学部合格のカギは「覚えたつもり」をいかに減らすかにあります。
そこで近年注目されているのが、学んだ内容を他人に「教える」ことで理解を深める勉強法です。
自分の言葉で説明する過程で知識の抜けを洗い出し、定着率を高めるこの手法は、膨大な出題範囲を抱える医学部受験生にこそおすすめです。
今回の記事では、教える勉強の効果や実践テクニックを解説します。
目次
教える勉強法の効果とは?ラーニングピラミッドが示す学習定着率

アメリカ国立訓練研究所が示した「ラーニングピラミッド」は、学習方法ごとの平均定着率を階層で表した有名なモデルです。
効果に諸説はあるものの、講義を聞くだけの定着率が5%にとどまる一方、最上位の「他者に教える」は90%に達すると報告されています。
受動的なインプットほど忘却曲線に沿って急速に記憶が薄れるのに対し、教える行為は発話による能動的アウトプット、相手の反応からのフィードバック、再説明のための再構築という3つのプロセスで頭をフル回転させるからです。
特に医学部入試で頻出の「理由説明」や「計算過程」を声に出して説明することで、思考回路そのものが整理される点が大きな利点です。
教える勉強の効果と3つのメリット
ただ「人に説明する」だけでも効果はありますが、やり方を少し工夫するだけで、学習効率はさらに高まります。
ここでは、教える勉強をより効果的にするための3つの視点をご紹介します。
4段階で理解を深められる
教える勉強法の一つ「ファインマン・テクニック」という方法では、以下の4つの流れで勉強の理解を深められます。
- わかりやすく説明してみる
- うまく話せなかったところを見つける
- 教科書などで復習する
- 簡単な言葉でまとめ直す
まずは高校1年生でもわかる言葉で問題を解説してみてください。
言い淀んだ箇所が理解のあいまいゾーンです。
すぐに教科書へ戻り、根拠となる定義や公式を補強し、再び説明を試みます。
最後に専門用語をそぎ落として一文で言い切れるまで簡潔化すれば、自分の理解構造が一本筋でつながります。
この循環を2~3回するだけで、同じ問題を初見として出されても解答までの流れをすぐに再現できるレベルに到達できます。
想起強化で思い出す力をつける
記憶は想起するたびに強化されるため、説明前に自作テストや過去問で内容を呼び起こす工程を挟むと効果が倍増します。
教える行為は、それ自体が「想起練習」でもあります。
具体的には、まず20分で小テストを解き、誤答やあいまいだった設問をリスト化します。
その上で、間違えた問題を家族や友人に教えるという流れが効果的です。
説明しながら再度想起が起こるため、短時間で二重の想起効果を得られ、定着率が飛躍的に向上します。
暗記が苦手な英単語や生化学反応式などは、この合わせ技で克服しましょう。
自分の理解度をチェックできる
「教える」だけでは達成感に流されがちです。
そこで有効なのが質問リストを用いたセルフテストです。
例として、5W1H形式の問いを項目別に作成し、友人にランダムで質問してもらいます。
即答できないトピックがあれば、その場でメモして後から重点的に復習できます。
回答の正解度だけでなく速度も測定することで、入試本番さながらのプレッシャー下で回答を考える練習になります。
医学部面接の想定問答集を兼ねられる点も一石二鳥です。
すぐに試せる教える勉強の実践方法

教える勉強法が効果的なのはわかっていても、実際にどう始めればいいのか迷う人も多いはず。
ここでは、今日から実践できるシンプルな方法を2つご紹介します。
特別な準備なしで家でもすぐに取り組める方法です。
ホワイトボード1分説明
家で使える小さなホワイトボードを使って、1つのテーマを1分で説明する練習をしてみましょう。
制限時間を設けることで、話がダラダラせず、要点を絞る訓練になります。
例えば、録音や動画で自分の説明を振り返ることで、「話が飛んでいないか」「専門用語が伝わっているか」など、改善点が具体的に見えてきます。
こうしたトレーニングを続けると、短時間で本質を伝える力が身につき、記述問題や面接試験にも応用できるようになります。
スマホやタブレットで簡単に記録できるのもメリットです。
ミニ授業会の開き方
身近な友人と3人グループを作って、1人20分ずつ授業をする「ミニ授業会」を開催するのも効果的です。
テーマごとに担当を分け、スライドやノートにまとめて人前で説明するだけでも、知識の整理・再確認につながります。
授業のあとは、残り10分ほど質疑応答の時間を取りましょう。
友人から予想外の質問を受けることで、表面的な理解では対応できないことに気づけます。
自分では見落としていた知識の穴を埋めるチャンスです。
このような勉強会は、学校が終わったあとの時間や週末に短時間でも行えます。
Zoomなどのオンライン通話を活用して、遠くにいる受験仲間と一緒に勉強する方法もおすすめです。
受験生が教える勉強を活用するポイント

教える勉強法をしっかり活用するには、少し工夫が必要です。
ここでは、知識の定着に役立つテクニックを紹介します。
難解知識を例え話でやさしく解説してみる
医学部の勉強では、専門用語や抽象的な概念がたくさん出てきます。
こうした内容を自分の言葉でかみ砕くには、例え話を使うのが効果的です。
例えを考える過程では、「この現象の本質って何だろう?」と自分の頭で深く考える必要があります。
その結果、表面的な理解ではなく、根本的な理解に近づくことができます。
説明力と理解力が同時に鍛えられる効果的な学習方法です。
過去問を授業形式で解説してみる
過去問を解いたあと、自分が先生になったつもりで、黒板やノートを使って解説してみましょう。
流れとしては、以下の順で説明すると思考の筋道が明確になります。
①問題文からキーワードを見つける
②使う公式を思い出す
③条件を整理
④解答を書く
このとき、声に出して説明することで、自分の考え方が論理的に伝わっているかを確認できます。
もし途中で詰まる部分があれば、そこが理解の浅い箇所です。
もう一度教科書に戻って、しっかり復習しましょう。
授業形式で解説することで、答案作成時の「思考の型」が自然と身につきます。
試験本番でも、頭の中でこの流れを再現できるようになると、初見の問題にも落ち着いて対応できるようになります。
本気で医学部合格を目指すなら医学部専門予備校 京都医塾
医学部合格を左右するのは、「どれだけ深く、順序立てて説明できるか」です。
医学部専門予備校 京都医塾では、授業から自習、生活リズムまで一人ひとりに最適化された学習環境を整えています。
ここでは、合格力を最短で高めるための3つの特徴をご紹介します。
分単位で逆算するオーダーメイドカリキュラム
面談と学力診断をもとに、起床から就寝までを授業・演習・復習・説明課題に割り振った「1日タイムテーブル」を作成します。
週に一度の担任カウンセリングで進捗と理解度を洗い直し、必要なら翌週の自習配分まで修正するため、勉強がやりっぱなしで終わることはありません。
浮かんだ弱点が次の授業にはすでに補強ポイントとして組み込まれることも特徴です。
このように、学習計画の見直しと改善が行われるサイクルを構築しています
京大出身を中心とした講師チームが伴走
医学部専門予備校 京都医塾では、70名超の講師のうち約7割が京都大学出身です。
さらに1人の生徒につき平均13名がチームを組むため、どの科目の質問でもすぐに専門家が対応します。
つまずいたときにすぐフィードバックを受けられる環境は、アウトプット重視の受験勉強において大きなアドバンテージとなります。
8時から夜まで使える個人ブースと徒歩5分圏内の学寮
校舎内には一人ひとりに割り当てられた専用ブースがあり、ホワイトボードも常設しています。
朝8時にブースへ入り、そのまま夜まで「ホワイトボードで1分解説→振り返り→再テスト」という教える勉強のサイクルを完結することも可能です。
遠方生は家具家電完備・寮母常駐の学寮に滞在でき、教室までは徒歩5分。
移動や生活面のストレスを極力削ぎ落とした環境が、長時間学習を支えます。
まとめ

教える勉強法は、一問一答の確認を説明へ昇華させることで記憶を定着させる勉強法です。
ホワイトボード解説やミニ授業会を毎日の学習に組み込めば、答案作成のスピードと精度は驚くほど向上できるでしょう。
しかし、説明して浮かび上がった疑問をどう埋め直し、どの順序で再確認するかを一人で設計するのは簡単ではありません。
そこで活用したいのが医学部専門予備校 京都医塾の「1泊2日医学部合格診断ツアー」です。
到達度テストと個別授業を通じて現在地を数値化し、専任講師があなた専用の合格ロードマップを提示します。
しかも遠方からでも交通費・宿泊費は無料。費用面の不安を気にせず、環境と指導を丸ごと体験できるチャンスです。
「覚えたつもり」をゼロにする学習習慣を、最短距離で身につけるその第一歩として、ぜひ1泊2日医学部合格診断ツアーで自分の伸びしろを可視化してみてください。
ここで得た具体的な課題リストと学習プランが、医学部合格までの道のりを確かなものにしてくれるはずです。