医学部への合格を目指す受験生にとって、志望校を決める際の重要な指標になるのが「倍率」です。
医学部の倍率は、数字の大きさに圧倒されてしまう方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、医学部の倍率ランキングを公開し、受験生のみなさんに医学部受験のリアルをお伝えします。
また、倍率の正しい見方や倍率データから読み解く入試トレンドまで、受験戦略を立てるうえで参考となる情報を、わかりやすくまとめました。
医学部入試における「倍率」の重要性と正しい見方
医学部合格を目指す受験生にとって「倍率」は気になる指標の一つです。
高い倍率を見ると不安になったり、低い倍率だと少し安心したりと一喜一憂してしまうかもしれません。
医学部入試における倍率を参考にする際は、数字の意味を正しく理解する必要があります。
ここからは、倍率の基本的な考え方について、わかりやすく解説します。
志願倍率と実質倍率
入試における倍率には、「志願倍率」と「実質倍率」の2種類があります。
志願倍率は「志願者数÷募集人数」で計算され、募集人数に対して、どの程度志願者が集まったかを示します。
多くのメディアで最初に報じられるのは「志願倍率」であるため、注目度が高い数値といえるでしょう。
しかし、志願者のなかには、ほかの大学と併願している受験生や、記念受験のような形で出願している受験生も含まれるため、必ずしも実際の競争率を正確に反映しているわけではありません。
一方、実質倍率は「受験者数÷合格者数」で求められる数値です。
志願倍率よりも「本当に合格を争うライバルがどのくらいいるのか」をより正確に示しているといえるでしょう。
医学部受験においては、この実質倍率を注視してください。
倍率を見る際の注意点
倍率は大学選びの参考になる情報ですが、その数字だけに振り回されてはいけません。
倍率を見る際は、以下の点に注意してください。
- 募集人数の変動に注意する
- 入試方式の多様化を考慮する
- 隔年現象の可能性を考慮する
- 倍率の高さ=難度の高さではない点を理解する
倍率は、大学の立地や学費、入試科目の特性など、さまざまな要因で変動します。
偏差値や合格最低点といったほかの指標と合わせて、総合的に判断するようにしましょう。
特に、私立大学医学部では、複数の大学を併願する受験生が多いため、倍率が高くなりやすい傾向があります。
倍率を正しく理解し、冷静に分析することで、より的確な受験戦略を立てられるでしょう。
今回の記事で紹介する倍率は「実質倍率」となっていますので、ぜひ志望校選びの参考にしてください。
医学部の倍率ランキング

ここでは、医学部の倍率について、国公立大学と私立大学に分け、さらにそれぞれの入試方式別にランキング形式で紹介します。
本ランキングを参考情報の一つとし、最新の情報とあわせて活用してください。
国公立大学医学部倍率ランキング(前期)
まずは、国公立大学の前期日程における倍率ランキングを紹介します。
順位 | 大学名 | 実質倍率 | 受験者数 | 合格者数 |
1 | 弘前大学 | 6.8 | 473 | 70 |
2 | 島根大学 | 5.9 | 422 | 71 |
3 | 高知大学 | 5.1 | 289 | 57 |
4 | 愛媛大学 | 4.6 | 274 | 59 |
5 | 山口大学 | 4.4 | 259 | 59 |
5 | 長崎大学 | 4.4 | 331 | 76 |
5 | 宮崎大学 | 4.4 | 210 | 48 |
8 | 三重大学 | 4.3 | 322 | 75 |
8 | 琉球大学 | 4.3 | 302 | 71 |
10 | 福井大学 | 4.1 | 225 | 55 |
11 | 山形大学 | 3.9 | 271 | 70 |
12 | 旭川医科大学 | 3.8 | 159 | 42 |
12 | 滋賀医科大学 | 3.8 | 229 | 61 |
14 | 秋田大学 | 3.7 | 203 | 55 |
14 | 奈良県立医科大学 | 3.7 | 44 | 12 |
上記のとおり、国公立大学医学部前期日程の実質倍率は3倍〜6倍程度で推移しています。
国公立大学医学部の前期日程は、多くの医学部志望者が最初に挑戦する関門であり、高い人気を誇ります。
共通テストの得点と個別学力検査の総合点で合否が決まるのが特徴です。
国公立大学医学部倍率ランキング(後期)
次に、国公立大学の後期日程における倍率ランキングを紹介します。
順位 | 大学名 | 実質倍率 | 受験者数 | 合格者数 |
1 | 三重大学 | 5.3 | 53 | 10 |
2 | 宮崎大学 | 4.9 | 79 | 16 |
3 | 奈良県立医科大学 | 4.6 | 282 | 61 |
4 | 千葉大学 | 4.3 | 82 | 19 |
5 | 山形大学 | 4.1 | 91 | 22 |
6 | 佐賀大学 | 3.4 | 37 | 11 |
7 | 東京科学大学 | 3.1 | 31 | 10 |
8 | 浜松医科大学 | 3.0 | 51 | 17 |
8 | 旭川医科大学 | 3.0 | 24 | 8 |
10 | 山口大学 | 2.9 | 38 | 13 |
11 | 名古屋大学 | 2.8 | 14 | 5 |
12 | 山梨大学 | 2.7 | 295 | 109 |
13 | 秋田大学 | 2.2 | 65 | 29 |
14 | 琉球大学 | 2.1 | 62 | 30 |
15 | 鹿児島大学 | 2.0 | 48 | 24 |
後期日程も前期日程と同程度の倍率で推移します。
国公立大学医学部の後期日程は、前期日程で不合格だった受験生や、後期日程に特化した対策をしてきた受験生が集中します。
募集人数が少ないことも相まって、高い倍率となるのが特徴です。
私立大学医学部倍率ランキング(一般選抜)
続いて、私立大学の一般選抜試験における倍率を紹介します。
順位 | 大学名 | 実質倍率 | 受験者数 | 合格者数 |
1 | 聖マリアンナ医科大学 | 145.2 | 1,307 | 9 |
2 | 金沢医科大学 | 113.0 | 1,130 | 10 |
3 | 近畿大学 | 87.7 | 614 | 7 |
4 | 日本大学 | 65.8 | 1,382 | 21 |
5 | 大阪医科薬科大学 | 61.4 | 737 | 12 |
6 | 埼玉医科大学 | 57.8 | 1,330 | 23 |
7 | 関西医科大学 | 57.3 | 344 | 6 |
8 | 藤田医科大学 | 48.0 | 576 | 12 |
9 | 帝京大学 | 47.0 | 141 | 3 |
10 | 昭和医科大学 | 46.7 | 1,075 | 23 |
11 | 日本医科大学 | 42.4 | 1,146 | 27 |
12 | 藤田医科大学 | 41.0 | 205 | 5 |
13 | 金沢医科大学 | 39.2 | 3,766 | 96 |
14 | 聖マリアンナ医科大学 | 38.6 | 2,892 | 75 |
15 | 獨協医科大学 | 37.1 | 741 | 20 |
私立大学医学部の一般選抜では、実質倍率が高くなるケースが多いです。
なかには100倍以上に達する大学もみられるなど、非常に高い倍率となっています。
私立大学医学部倍率ランキング(共通テスト利用)
さいごに、共通テストを利用した際の倍率を紹介します。
順位 | 大学名 | 実質倍率 | 受験者数 | 合格者数 |
1 | 大阪医科薬科大学 | 124.0 | 620 | 5 |
2 | 埼玉医科大学 | 49.4 | 692 | 14 |
3 | 関西医科大学 | 49.0 | 49 | 1 |
4 | 帝京大学 | 42.3 | 719 | 17 |
5 | 杏林大学 | 39.0 | 976 | 25 |
6 | 獨協医科大学 | 35.5 | 462 | 13 |
7 | 近畿大学 | 29.4 | 558 | 19 |
8 | 順天堂大学 | 25.5 | 714 | 28 |
9 | 近畿大学 | 24.0 | 144 | 6 |
10 | 順天堂大学 | 23.3 | 326 | 14 |
11 | 福岡大学 | 20.3 | 447 | 22 |
11 | 国際医療福祉大学 | 20.3 | 891 | 44 |
13 | 関西医科大学 | 18.8 | 1,109 | 59 |
13 | 愛知医科大学 | 18.8 | 866 | 46 |
13 | 順天堂大学 | 18.8 | 603 | 32 |
共通テスト利用入試は、募集人数が一般選抜に比べて少ないにもかかわらず、全国から志願者が集まるため、倍率は非常に高くなる傾向にあります。
こちらも実質倍率が100倍を超えるケースがあるため、合格のためには、共通テストで極めて高い得点率が求められます。
合格倍率から読み解く医学部入試のトレンドと推移

医学部の合格倍率は、単にその年の人気度を示すだけではなく、医学部入試全体のトレンドや今後の変化を読み解く上での貴重な手がかりとなります。
ここでは、近年の倍率の動向から見えてくる医学部入試の注目すべきポイントを解説します。
地域枠の増加と一般枠への影響
近年、多くの大学医学部で「地域枠」の募集が増加しています。
地域枠とは、卒業後に一定期間、その大学が所在する都道府県や指定された地域で医療に従事することを条件に設けられる入学枠のことです。
この地域枠の増加は、一般枠の募集人数に影響を与えます。
医学部全体の定員が大きく増えないなかで地域枠が増えれば、相対的に一般枠の定員は減少します。
受験生は、志望する大学の募集要項をよく確認し、一般枠と地域枠のそれぞれの募集人数や出願資格、そして過去の倍率推移を把握しておきましょう。
面接・小論文の重要性がさらに高まる傾向
近年では面接や小論文の重要性が一層高まっています。
これは、単に知識が豊富なだけではなく、医師としての適性、倫理観、コミュニケーション能力などを備えた人材を求める大学側の意向が反映されていると考えられます。
面接では、志望理由、医療に対する熱意、人間性などが評価されるでしょう。
また、小論文では、与えられたテーマに対する理解力、論理的思考力、表現力などが問われます。
医学部合格を目指す上では、早期から面接、小論文対策にも力を入れる必要があるでしょう。
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医学部入試に立ち向かうには、得点力を伸ばすことと合格ラインを正確に読み解くことを同時に進める必要があります。
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オーダーメイドの逆算カリキュラムで合格ラインを可視化
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進度は週1回のカウンセリングで検証し、その場で修正を加えるため、学習の迷走を防げます。
こうして目標点との差を数値化しながら学ぶことで、日々の勉強が合格ラインに直結している実感を得られます。
70名超の専任講師が連携する13対1のチーム指導
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さらに担任の3名体制が学習管理とメンタル面をカバーするため、質問の置き去りや不安の放置が起こりません。
医学部入試で求められる面接・小論文対策も専門講師が担い、総合点の底上げを図ります。
受験生仕様の生活を実現
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食事は管理栄養士監修の1日3食で体調を管理し、最後まで継続できる体力を支えます。
まとめ

医学部の倍率は年ごとに揺れ動き、数字だけを追うと判断を誤りがちです。
本記事で触れた志願倍率・実質倍率の違いや募集人数の変動を踏まえれば、「どの大学が自分に合うのか」を見極めるには客観的な学力分析と入試情報の両方が欠かせないとわかります。
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