日本において、がんと診断される確率は2人に1人といわれています。

がんの診断や治療を行う放射線科医の需要は高く、現代医療において欠かすことができない存在です。

では、そんな放射線科医になるにはどうしたらよいのでしょうか。

今回の記事では、放射線科医のなり方や仕事内容など詳しくまとめました。

放射線科医とは

放射線科医とは、放射線を扱った治療や診断を行う医師のことです。

放射線科医は、CTやMRIなどの画像診断を行う「放射線診断医」と放射線を使って治療を行う「放射線治療医」に分けられます。

放射線技師とどう違うの？

放射線科医と間違えられやすい職種として放射線技師があります。

放射線技師は画像撮影やCTスキャンなど機器の扱いのプロフェッショナルです。

放射線科医が機器を使用することはあっても、基本的には放射線技師が撮影した画像の診断や患者さんの診察、放射線治療の計画をたてるといった業務を行います。

放射線科医の仕事内容

放射線科医はどのような仕事をしているのでしょうか。

この項では、放射線科医の仕事内容を具体的に解説していきます。

放射線科医の仕事内容は、下記の３つに分けられます。

・画像診断

・IVR

・放射線治療

1つひとつ見ていきましょう。

画像診断

各診療科の医師から依頼されたX線写真やCTやMRI、超音波などを読み取り、患者さんの病気を診断します。

最も有効な画像診断方法を放射線技師に指示し、画像撮影後は読影を行って診断レポートを作成します。

診断の際には、患者さんの過去の画像や病歴、血液検査の結果を参照しながら総合的に判断します。

画像読影の結果は患者さんの診断や治療に大きな影響を与えるため、正確さや迅速さが求められる業務といえます。

IVR

IVRとは「画像下治療」とも呼ばれており、X線やCTなどの画像で体内を見ながらカテーテルや針を使って行う治療です。

IVRは患者さんにやさしい治療法の1つで、低侵襲性治療とよばれるものです。

外科のように切る手術ではなく、小さな穴からカテーテルを誘導して病変部位に抗ガン剤を注入して治療します。

病変部位にピンポイントにアプローチでき、治療効果が高いことからIVRの需要は今後も増加が見込まれています。

放射線治療

放射線治療においては、主にがんを治療します。

主治医からの依頼を受けて患者さんの診察をし、どのように治療を行っていくか治療計画を立てます。

放射線治療は、外科治療に匹敵する効果が認められており、低侵襲性治療のニーズが高まっています。

今後も「切らないがん治療」を求める声がさらに増え続けることが予想されており、放射線治療医の需要はますます増加することが期待されています。

放射線科専門医になるには

放射線科医のキャリア形成を考えると、専門医取得は一定以上の知識と技術の証明になります。

それでは放射線専門医になるためには、医師免許取得後どのような道のりをたどればよいのでしょうか。

この項では、放射線科専門医について詳しく解説していきましょう。

放射線科専門医

医師免許取得後は、2年間かけてすべての診療科で学ぶための初期研修を受けます。

初期研修を終えた後は、放射線科に入局して3年以上の放射線科研修を受けることになります。

この研修はプログラムに沿って行われ、画像診断や放射線治療など放射線科医として必要な基礎を習得することができます。

放射線科研修プログラム終了後、認定試験に合格するとようやく放射線科専門医を名乗ることができます。

放射線科専門医になるには、最短で11年かかるため24歳で医師免許を取得したとすると29歳になるということです。

放射線科専門医取得後に専門分野に分かれる

専門医を取得すると、さらに専門性を高めるための研修や資格取得も可能です。

放射線科専門医取得後は「放射線診断専門医」と「放射線治療専門医」のいずれか一方を選択することができます。

しかし、診断専門医と治療専門医を同時に有することはできません。

そのため、自分の興味ややりがいを見極めて選択する必要があるでしょう。

放射線診断専門医

放射線診断専門医は、レントゲンやCT,MRIなどの読影やIVRの専門的な知識を持つ医師として認定されます。

放射線科専門医を取得後、カリキュラムに沿って2年間の研修を受けて、認定試験に合格すると取得できます。

資格取得後は、５年ごとに資格を更新しなければなりません。

放射線診断専門医を資格保有することは、画像診断の高い技術と知識を持った医師としての信頼性が高まり、転職や開業の際に有利に働きます。

放射線治療専門医

放射線治療専門医は、放射線治療を行う専門医として認定されます。

こちらの資格も放射線科専門医取得後、2年間の研修を受けて認定試験に合格すると取得できます。

同様に、資格保有するには５年ごとの更新がもとめられます。

放射線治療専門医を取得することで、がんに対する放射線治療に対するスペシャリストであることの証明になり、活躍の幅が広がります。

放射線科医の魅力

次に放射線科医の魅力についても見ていきましょう。

ここでは、放射線治療医と放射線診断医のそれぞれの魅力について取り上げました。

放射線診断医の魅力

放射線診断医は「ドクターズドクター」といわれるように、医者をリードする医者と呼ばれています。

主治医にとって放射線診断医による所見は正確な診断をするために重要な根拠となるため、治療方針をたてるために不可欠といえます。

画像から得られる情報を丁寧に読み込むこむことで、主治医が普段の診療では把握できない疾患を発見することもあるかもしれません。

また、IVRによって直接、患者さんを助けることも大きなやりがいの1つでしょう。

放射線診断医は、画像診断やＩＶＲを通して患者さんの命と向き合う重要な役割を担っているのです。

放射線治療医の魅力

放射線治療医は、放射線治療を通して診療科にとらわれることなく様々な患者さんの治療に関わることができる点が魅力です。

近年では機器の進歩に伴い、がんの根治を目的とした放射線照射を求める声が高まっています。

患者さんにメスを入れることなく、がんの緩和・根治的治療まで行える放射線治療医は今後も欠かすことができない存在です。

内科や外科など他診療科の主治医と連携しながら治療方針をたて、患者さんに治療効果が見いだせたときは大きな喜びを感じられるのではないでしょうか。

本気で医学部合格を目指すなら京都医塾

放射線科医は、現代の医療現場において不可欠な存在です。

仕事内容も魅力的で大きなやりがいがある放射線科医に憧れる受験生も多いのではないでしょうか。

しかしながら、放射線科医になるためには、まず医学部合格を果たさなくてはなりません。

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まとめ

がんの患者数が多い日本において、放射線科医は、がんの診断・治療に欠かすことができない存在です。

実際に「切らないがん治療」である放射線治療を求める声は高く、放射線科医の需要は高まるばかりです。

そんな放射線科医になるためには、まず必要なのは医学部に合格することです。

医学部受験は国内で最難関ともいわれる学部ですので、簡単に合格することはできません。

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