共通テストの生物で高得点を目指すには、まず試験の特徴を理解し、効率的な勉強法を実践することが大切です。
この記事では、共通テスト生物の試験時間や配点、出題形式や範囲のポイントを整理し、頻出分野の優先度や具体的な学習方法を解説します。
知識の整理方法からアウトプット練習、計算問題対策、過去問の活用法まで、8割超えに必要な戦略を具体的に紹介します。
目次
共通テスト生物の基礎情報
共通テスト生物の基本的な実施概要と特徴を押さえましょう。
ここでは、試験時間・配点などの概要、問題の形式的な特徴、生物と生物基礎の違いについて説明します。
基礎情報を理解することで、他科目とのバランスも考えた効果的な学習計画が立てられます。
試験時間・配点
共通テスト「生物」を1科目で受験する場合、試験時間は60分、配点は100点です。
2科目受験する理系受験生の場合は、合わせて130分(解答時間120分)で2科目各100点ずつ・計200点となります。(※理科基礎科目は2科目セットで受験し、試験時間は60分、配点は合計100点(各50点)です。)
問題はすべてマーク式で出題され、記述解答はありません。
また、共通テストは知識の暗記だけでは解けない思考力・判断力重視の問題が多く、グラフ・表や文章資料など読み取る情報量が多いのが特徴です。
出題形式の特徴
共通テスト生物の問題は大問ごとにテーマが設定され、複数の小問から構成されています。
実験データの図表や長めのリード文が提示され、その内容を踏まえて設問に答えるスタイルが一般的です。
文章・図表から必要な情報を素早く読み取り、基礎知識と組み合わせて解答する総合力が求められます。
設問はマーク式で、選択肢や数値などをマークして解答します。
共通テスト生物では、教科書レベルの知識をベースに与えられた資料を考察する問題が多く出題されているため、日頃から資料読み取りや考察力を鍛えておくことが重要です。
生物と生物基礎の違い
生物基礎は高校生物の基礎範囲のみを扱い、内容が狭く易しめです。
これに対し、生物は生物基礎を含む全範囲(遺伝・進化・生態系など)の発展的内容までが対象で、計算問題や実験考察も出題されるため扱う範囲が広くなります。
共通テストの理科では、生物基礎は他の基礎科目と2科目1セットで解答する形式で、文系で選択されることが多いです。
一方、理系(医学部を含む)では、志望校の指定により「生物」が求められることが多いです。
志望校の指定科目を確認し、自分に必要な科目を選択しましょう。
共通テスト生物の出題傾向

ここでは、共通テスト生物の問題構成や出題傾向について解説します。
最新年度の本試験を例に、大問数や各大問の分野構成、年度ごとの難易度や設問形式の変化、思考力を問う融合問題の特徴などを見ていきます。
傾向を把握することで、効率よく対策を進めるポイントが理解できるでしょう。
大問構成の傾向
共通テスト生物の試験では、大問数は年度により変動しますが、直近では5題構成の年度もあります。
各大問にはそれぞれ異なるテーマが設定され、年度によって扱われる分野は多岐にわたります。
1つの大問内で複数の分野知識が問われることもあり、どの単元がどのくらい出題されるかは年によって変動します。
ただし全体としては、生物の全範囲からバランス良く出題される傾向が強く、特定の分野に偏らず幅広く出題される傾向があります。
幅広い単元をカバーする学習が必要です。
年度ごとの変化点
共通テスト生物は年度によって難易度や平均点に変動があります。
初年度2021年は平均約73点と易しかった一方、2022年は約49点と低下し、その後も2023年約48点、2024年約55点と50点前後の難しい水準が続いています。
また、2023年度には物理との平均点格差が大きく、得点調整が実施されました。
難易度の変化に左右されないよう、基礎を確実に固めて安定して得点できる力を養いましょう。
思考力を問う融合問題
共通テスト生物では、複数の分野にまたがる総合問題や実験・探究を題材にした考察問題が頻出です。
与えられた実験結果や資料データを正確に読み取り、基礎知識と組み合わせて考察し答えを導く設問が多く見られます。
これらの問題では「資料を読み解く力」や「仮説を検証する力」が求められ、教科書の基本知識を土台に思考することが必要です。
実際に共通テストでも、読解力・考察力で解く実験考察問題が多く出題されています。
日頃から様々なテーマの実験問題に触れ、グラフや表から情報を読み取る練習を積んでおけば、本番でも落ち着いて対応できるでしょう。
頻出分野と優先すべきテーマ
共通テスト生物で安定して得点するには、特に出題されやすい中核分野を優先的に仕上げることが重要です。
ここでは、大学入試センターの過去問分析と出題傾向を踏まえて、頻出4分野の重要テーマを一覧に整理します。
まずはここに挙げた分野を確実に得点源にし、そのうえで時間に余裕があれば進化・分類など他分野も仕上げていきましょう。
| 分野(単元) | 重要テーマ例 |
| 細胞と代謝(細胞構造・酵素、光合成・呼吸など) | ・細胞小器官の構造とはたらきを整理しておきます。・光合成と呼吸の反応経路とエネルギー収支を理解します。・酵素反応と温度・pHの関係をグラフから説明できるようにします。 |
| 遺伝と遺伝情報(遺伝子の発現・分子生物学、遺伝計算など) | ・DNAからRNA、タンパク質への流れを図で示せるようにします。・転写・翻訳と遺伝子発現調節の仕組みを理解します。・メンデル遺伝や複数遺伝子が関わる遺伝の計算問題を素早く解けるようにします。 |
| 生物の環境応答(恒常性・神経、ホルモン、発生など) | ・神経系と内分泌系による体内環境の調節を経路として整理します。・恒常性の仕組みを具体例とともに説明できるようにします。・植物の屈性や光周性に関するグラフの読み取りに慣れておきます。 |
| 生態と環境(生態系、生物多様性、環境問題など) | ・食物連鎖・食物網とエネルギーの流れを押さえます。・物質循環や個体群成長に関するグラフを正しく読み取ります。・生物多様性や環境問題に関する代表的な指標を確認します。 |
※出典:河合塾 生物
※進化・分類は、他分野と融合して問われることが多く、時間に余裕が出てきた段階で基本事項を一通り確認しておくと安心です。
共通テスト生物で8割を取る勉強法

ここからは、共通テスト生物で8割(80点以上)を取るための具体的な勉強法を解説します。
知識の効果的な整理手順、アウトプット練習の進め方、苦手になりがちな計算問題への向き合い方など、段階的に紹介します。
これらの学習戦略を取り入れることで、得点力アップに直結させましょう。
知識整理の手順
最初のステップは、生物の基礎知識を体系的に整理することです。
教科書や参考書で生物全範囲を一通り復習しましょう。
ポイントは単元ごとにまとめノートを作り、関連する用語や概念を結びつけて理解することです。
例えば細胞分野では、細胞構造・酵素・光合成・呼吸などを一連の流れとして整理します。
単なる用語の暗記ではなく、各知識がどうつながるかを意識することが重要です。
共通テストでは用語単体でなく文章内容の理解を問う問題が多いため、知識同士を関連付けて学ぶ姿勢が不可欠です。
苦手単元がある場合は早めに基礎事項に立ち返って補強し、全体を通じて弱点を残さないようにしましょう。
重要事項は繰り返し復習し、図解や表も活用して記憶の定着を図ります。
アウトプット練習の進め方
知識のインプット完了後は、本番形式の問題演習(アウトプット練習)に重点を移しましょう。
共通テスト形式の問題集や過去問を60分間計測して解く訓練を積むことで、実戦感覚を養えます。
演習後は必ず自己採点と解説チェックを行い、間違えた問題を分析します。
間違えた原因(知識不足・読み違い・計算ミスなど)を分類し、それぞれ対策しましょう。
例えば知識不足なら該当分野の教科書に戻って理解を補強し、読み違いなら長文問題の練習で読解力を鍛える、といった形で弱点を潰します。
間違えた問題には印を付け、後日もう一度解き直して克服しましょう。
共通テスト模試なども活用し、解いた後の振り返りまで徹底することで得点力向上に繋げます。
計算・思考問題の対策
遺伝の組み合わせ計算やグラフ・表を用いた思考問題は、共通テスト生物の得点のカギとなります。
対策として、まず典型パターンの解法に習熟することが重要です。
遺伝計算では、メンデル遺伝の基本的な分離比や確率計算、伴性遺伝や遺伝子連鎖など頻出問題の解き方を身につけましょう。
自分で簡単な例題を解き、計算プロセスに慣れておくと効果的です。
グラフ問題では、グラフの軸や単位を確認し、何のデータか素早く読み取る練習をしておきましょう。
日頃から図表を積極的に読み解き、考察力を磨いておくと対応しやすくなります。
こうした計算・考察問題は難しく感じがちですが、「解き方の型」を身につけておけば落ち着いて対処できます。
苦手分野ほど演習量を増やし、解法の手順に慣れておくことで、本番でも焦らず解答できるようになります。
過去問と模試の活用法

最後に、共通テスト生物の過去問と模試の効果的な活用方法を紹介します。
過去問演習を始める時期と段階的な取り組み方、一度解いた後の復習・分析ポイント、本番直前期の模試の使い方など、得点力アップにつなげる具体策を説明します。
適切なタイミングと方法で過去問・模試を活用し、仕上げの精度を高めましょう。
過去問を始める時期
共通テスト生物の過去問演習は、基礎固め完了後に早めに取り組むのがおすすめです。
秋以降の着手でも十分間に合いますが、余裕があれば夏終わり頃から1年分を解いて傾向を掴んでおくと安心です。
まずは直近の本試験問題から2~3年分を解いて問題の傾向や時間配分に慣れましょう。
その後は必要に応じて演習年数を増やし、5年分以上に挑戦するなど段階的に範囲を広げます。
また、共通テストの追試験問題も公開されているため、本試験とあわせて活用すればより多くの問題に触れられます。
効果的な復習のポイント
過去問や模試を解いたあとの復習こそが、得点力アップのポイントです。
解きっぱなしにせず、必ず自己採点と分析を行いましょう。
間違えた問題についてなぜ誤答したのかを検証します。
知識不足なのか、問題文の読み違いか、計算ミスか、時間配分ミスか、と原因を分類し、それぞれに応じた対策を講じます。
例えば知識不足なら該当分野を復習し、読み違いなら文章問題に慣れて読解力を補強するなど、ミスのタイプごとに弱点補強を行います。
時間配分のミスがあれば、次回以降は各大問にかける目安時間を決め、全問に目を通せる練習を積みましょう。
こうした丁寧な分析と対策により弱点が解消され、着実に得点力が向上します。
また、復習ノートを作って間違えた問題と正解へのプロセスを書き留めておくと、直前期の総復習に役立ちます。
共通テスト直前にはそのノートで苦手ポイントを最終チェックし、万全の状態で本番に臨みましょう。
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まとめ

共通テスト生物で8割をめざすには、試験の形式や出題傾向を踏まえて頻出分野を優先し、知識整理とアウトプット演習、計算・思考問題への慣れを並行させることが重要だとお分かりいただけたと思います。
この記事の内容を一つずつ実践していけば、共通テスト本番に向けて得点力を着実に高めていくことができます。
とはいえ、医学部を志望する受験生にとっては、生物だけでなく全科目の対策や生活リズムの管理まで含めて、一人でやり切れるか不安になることもあるはずです。
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