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2023年度愛知医科大学医学部の化学過去問対策・分析

2023年度愛知医科大学医学部の化学過去問対策・分析

京都医塾化学科です。
このページでは「愛知医科大学医学部の化学」についての過去問分析コメントを紹介します。

・“医学部受験に興味がある”という方
・“愛知医科大学医学部”の受験を考えている方
・“愛知医科大学医学部の化学がどのような問題か知りたい”という方

オススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。

概要

【形式・制限時間・配点】2023年度
形式:記述式
制限時間:理科2科目で100分
配点:100点

出題の傾向と特徴

【毎年恒例の出題単元】

2022年度を除いて有機化学分野、特に天然高分子化合物に関する問題が出題されています。高分子化合物分野に関しては、現役生の方々は学習が後回しにならないように、本番までにしっかりと定着を目指しましょう。

【頻出の出題単元】

理論化学分野の反応速度・化学平衡は頻出です。基本事項の定着はもちろんのこと、標準問題を繰り返し演習して、手早く立式・解答までできるようになっておきましょう。

【制限時間に対する問題量】

2022年度、2023年度は大問2問で、50分の解答時間は余裕があるようにも思えますが、計算問題の割合が多いため、時間配分には十分気を付ける必要があります。標準的な難易度の問題が占める割合が多いので、時間内にそれらの問題に確実に解答できるようにしましょう。

2023年度(最新の過去問)の分析

さらに踏み込んで、最新の入試問題を具体的に分析したいと思います。
※以下、過去問をお手元にご覧になるのが理想的ですが、過去問がなくても問題なくお読み頂けます。

【第1問】アルミニウムの反応と性質、製法

問1:アルミニウムの反応と性質、製法に関する空欄補充問題でした。金属の電気伝導性の順など、やや難のものもありましたが、概ね基本知識なので、確実に解答したい問題でした。
問2:ミョウバンの化学式を答える問題でした。十二水和物になるところまで含めてしっかりと覚えておきましょう。
問3:ミョウバンの結晶の形を答える問題でした。基本知識です。
問4:アルミニウムが属する元素群を答える問題でした。「なんとなく」の印象で遷移元素としないように注意しましょう。
問5:氷晶石の名称と化学式を答える問題でした。どちらも基本知識です。
問6:ミョウバン水溶液の液性を答える問題でした。複塩になっても基本的な考え方は変わらないので、いつも通りの考え方ができたかどうかが正解・不正解の分かれ目となったでしょう。
問7:酸化アルミニウムと水酸化ナトリウムの反応に関する問題でした。錯イオンの名称も含めて基本知識です。
問8:アルミニウムの溶融塩電解に関する計算問題でした。頻出問題ですので、陽極で発生する一酸化炭素・二酸化炭素の量、流れる電子の量、陰極で析出するアルミニウムの量のどれを聞かれても答えられるようにしましょう。
問9(1)、(2):面心立方格子に関する基本的な問題でした。確実に正答しておきたい問題です。
問9(3):アルミニウム単体と、酸化アルミニウムの結晶の体積を比べる問題でした。アルミニウム原子の個数を揃えて比較しなければならないので注意です。
問10:アルミニウム単体と高温水蒸気の反応の化学反応式を答える問題でした。基本問題です。
問11(1):両性元素を選ぶ問題でした。確実に正答したい問題です。
問11(2):アルミニウムと水酸化ナトリウムの反応から発生する水素の量を答える問題でした。化学反応式が正しく書ければ平易です。
問12(1):テルミット反応の応用ですが、問題文に必要な情報が書いてあるので、それを読み取れば平易でした。
問12(2):テルミット反応の反応熱を求める問題です。基本問題ですが、アルミニウム1molであることには注意が必要です。

≪2023年度の目標値≫

化学を得点源にしたい受験生…9割
他教科を得点源にしたい受験生…7.5割

【第2問】脂肪族化合物の構造決定

問1:元素分析の結果から、分子量の分かっている未知化合物の分子式を求める問題でした。基本問題です。
問2:ヨードホルム反応の名称と、ヨードホルムの化学式を答える問題でした。基本問題です。
問3:異性体2つのアルコールの構造を決定する問題でした。脱水生成物の違いからアルコールの構造を決定する問題は頻出なので、しっかりとマスターしておきましょう。
問4:上記アルコールの脱水生成物を答える問題でした。「ザイチェフ則にしたがって」とありますが本文中に説明されているので、それを読んで確実に正答したい問題でした。
問5:アルケンの付加生成物と、アルカンの置換生成物の数を答える問題でした。問4までが正答できていれば平易な問題です。
問6:問5の生成物のうち、置換反応でしか生成しないものを答える問題でした。問5が正答できていれば平易です。

≪2023年度の目標値≫

化学を得点源にしたい受験生…10割
他教科を得点源にしたい受験生…8割

【総評】

第1問、第2問ともに基本的な知識が多く問われています。それゆえに、そうした基本知識で取りこぼすことが許されない試験でもありました。また、計算問題等に関しても典型的な問題や、頻出の問題が多く見られ、こちらも確実に得点したい問題が多く見られました。全体的に高得点での勝負となるので、制限時間内に全ての問題に解答できるように時間配分には十分注意しましょう。

まとめ

というわけで、今回は愛知医科大学医学部の化学についてまとめてみました。皆さんの参考になれば幸いです!
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