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2023年度埼玉医科大学医学部の生物過去問対策・分析

2023年度埼玉医科大学医学部の生物過去問対策・分析

京都医塾生物科です。

このページでは「埼玉医科大学医学部の生物」についての過去問分析コメントを紹介します。

・“医学部受験に興味がある”という方
・“埼玉医科大学医学部”の受験を考えている方
・“埼玉医科大学医学部の生物がどのような問題か知りたい”という方

にオススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。

概要

【形式・制限時間・配点】2023年度 
形式:マークシート式
時間:理科2科目90分
配点:理科2科目200点

出題の傾向と特徴

基礎的な知識を問われる問題が多いものの、計算問題も欠かさず出題されるほか実験考察問題などの出題も見られます。実験考察問題は最新の研究内容に触れるものなど非典型の内容が出題されることが多く、初見の題材であっても与えられた情報から合理的に考えて考察する力が求められます。

【頻出の出題単元】

複数年度の問題を見渡すと出題分野には特に偏りは見られません。どの分野をどのような形で問われても対応ができるように、教科書レベルの知識は幅広く定着させておく必要があります。

【制限時間に対する問題量】

問題の数そのものが多いというだけでなく、複雑な計算や細部までの読解を要求する問題が多く見られるため、演習経験が十分でなければ時間に追われることになるでしょう。知識問題を手早く解き切って、計算や読解・考察に多くの時間を割り当てることを意識して問題に臨むことが大切です。

2023年度(最新の過去問)の分析

2021年度までは大問5~6題の形で出題されていて、総合問題型の大問が見られましたが、2022年度以降は大問3題の出題になり、総合問題型の出題も見られなくなっています。
※以下、過去問をお手元にご覧になるのが理想的ですが、過去問がなくても問題なくお読み頂けます。
 

【第1問】 

肝臓、血糖濃度調節、細胞膜を介した輸送に関する問題でした。
ごく基本的な用語、知識を問われているため、時間をかけずに手早く判断し正答を選び出すことが求められます。肝臓のはたらきは複数あるため、それぞれの内容を正しく理解しておくことが必要です。

【第2問】 

遺伝子発現の知識と、実験考察問題が出題されました。
病気の原因となる遺伝子の変異について考察する問題は近年の医学部入試ではよく出題される題材です。この問題では、遺伝子のスプライシングの変化が、他の遺伝子産物に与える影響や体全体に及ぼす影響について考えており、それぞれの実験結果を丁寧に整理した上で結果が表すものを理解しないと、結果の判断が難しいものになっていました。グラフ読解が苦手、という受験生は、早い段階でさまざまな分野のグラフ読解問題に取り組んでおくとよいでしょう。

【第3問】 

遷移と陽生植物・陰生植物の光合成、生態系の物質収支に関する問題でした。
生態系の分野は、学習を後回しにしてしまって知識が不十分、という医学部受験生も多いのではないでしょうか。この問題のように、生産構造や物質収支を扱う問題は他の大学も含めて決して扱われることが少なくないので、少なくとも教科書レベルの内容は正しく身につけた上で受験に臨みましょう。
光合成で合成されたグルコース量の計算問題も基本的な内容です。葉面積、光の強さ、光照射時間、など必要な要素を見落とさないようにして、丁寧に計算を行いましょう。

【総評】

問題を処理する速度と基礎的な内容に対する安定感が求められます。2022年度以降は総合問題という形式の出題が見られませんが、過去にも2020年度に総合問題の形が無くなったものの2021年度には出題された、といった具合に年度によって形式が細かく変化している例があることから今後の出題形式もまた変わってくることも想定しておいた方がよいでしょう。そのため、総合問題が復活する可能性に備えて、全ての分野について知識を確認・理解し、弱点を残さないようにしておくことが望ましいです。

≪2023度の目標値≫

生物を得点源にしたい受験生… 8割
他教科を得点源にしたい受験生… 6.5割

まとめ

というわけで、今回は埼玉医科大学医学部の生物についてまとめてみました。皆さんの参考になれば幸いです!

京都医塾ではご相談・体験授業を随時募集しています。下記リンクからお気軽にお問い合わせください。

投稿者:廣瀬 希

  • 役職
    生物科統括/生物科講師
  • 講師歴・勤務歴
    11年
  • 出身大学
    京都大学大学院理学研究科
  • 特技・資格
    中高の理科教員免許所持
  • 趣味
    読書
  • 出身地
    岐阜県
  • お勧めの本
    ざんねんないきもの事典

受験生への一言
興味を持つこと、が理解に近づく第一歩です。いきものに興味を持って、生物の学習に取り組んでほしいです。