京都医塾公式ブログ

2022年度藤田医科大学医学部の生物過去問対策・分析

2022年度藤田医科大学医学部の生物過去問対策・分析

京都医塾生物科です。

このページでは「藤田医科大学医学部の生物」についての過去問分析コメントを紹介します。

・“医学部受験に興味がある”という方
・“藤田医科大学医学部”の受験を考えている方
・“藤田医科大学医学部の生物がどのような問題か知りたい”という方

オススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。

概要

【形式・制限時間・配点】2022年度 

形式: 記述式
制限時間:2科目120分
配点:100点

出題の傾向と特徴

 「生物で学習したこと」を使って「日常生活で触れる事柄」を考える、という問題パターンは他の大学よりも出題頻度が高いといえます。2022年度は「過呼吸で血液のpHが高くなる理由を考えさせる問題」が出題されました。
 また、「教科書的な知識」を使って「教科書に載っていない生命現象」を考える、という問題パターンも出題頻度が高いといえます。2022年度は「細菌が作る制限酵素によって細菌自身のDNAが切断されない理由を考えさせる問題」が出題されました。

【頻出の出題単元】

 遺伝子発現、バイオテクノロジー、人体(反応と行動、恒常性)

【制限時間に対する問題量】

 考察問題が多いので、「考察慣れ」していれば時間内で解き切れるでしょう。「考察慣れ」していない人は、実験考察問題をたくさん解いておく必要があります。

2022年度(最新の過去問)の分析

 さらに踏み込んで、最新の入試問題を具体的に分析したいと思います。
※以下、過去問をお手元にご覧になるのが理想的ですが、過去問がなくても問題なくお読み頂けます。なお、「教科書レベルの知識は身に付いている」という前提で書いています。
 

【第1問】 ゲノム編集

 近年、ゲノム編集の技術を開発した研究者がノーベル賞を受賞しており、医学的な応用への期待も高まっています。ゲノム編集の技術は、相同組換えを利用しているノックアウト技術よりも高効率で目的の遺伝子を変異させることができるので、遺伝子の機能を調べる強力な手法と見なされています。
 本問題では理解を助ける模式図などは与えられていないので、受験生はリード文を読解してゲノム編集について理解しなければいけません。読解力のある受験生ならば、試験会場でリード文を読んで少し考えれば問題を解けるのですが、ゲノム編集は私立医学部の入試問題でも出題頻度が高まってきているテーマであり、今後も出題頻度は上がっていくものと思われるので、読解力に自信のない人は『Newton』などの一般向けの科学雑誌でゲノム編集の特集号を読み、この技術のイメージを掴んでおくとよいでしょう。
 各設問の難度は高く、広い知識量と深い思考力が要求されます。ただし、各設問は難問ではあるが同時に良問でもあるので、「何故そのような解答になるのか」をしっかりと理解しておけば、今後同様の出題に出会った時にアドバンテージとなるでしょう。

【第2問】 酸素解離曲線

 血液中で炭酸水素イオンが生じる仕組み、成人と胎児のヘモグロビンの違い、2,3-BPG、高地順応、について問われました。
 「ヘモグロビンはそもそも、何のために、何をしているのか?」という観点で知識を整理できていれば正解に辿り着けると思いますが、教科書レベルの知識をそのような観点で整理できていない受験生は考察に時間がかかるかもしれません。「何のために」は、その個体が生き延びるためであり、「何をしているのか」は、酸素分子を組織へ運ぶことです。
 そのような観点から、胎児と母体のヘモグロビンが持つ特徴の違い、高地順応するためにはどのような特徴を持っていなければならないか、を考えて下さい。

【第3問】 ショウジョウバエの初期発生

 母性効果遺伝子と分節遺伝子の働きを、「ラクトースオペロンの遺伝子とレポーター遺伝子を連結させたDNA」をショウジョウバエの胚に導入して調べる実験について考察する問題でした。
 まずは、母性効果遺伝子や分節遺伝子の働きと、ラクトースオペロンの働きについてよく理解しておく必要があります。次に、それらの知識を活用して実験結果を読み解き、ショウジョウバエの初期発生において「分子レベルでは何が起こっているのか」を考察する能力が求められています。このような、バイオテクノロジーを活用して発生現象を調べる実験考察問題は出題頻度が高く、合否を分ける難易度のものが多いので、このレベルの問題をたくさん解いておけば合否ラインでのアドバンテージを得られるでしょう。

【第4問】 動物の群れと縄張り

 私立医学部入試としては珍しく、個体群の範囲からの出題となりました。いずれも教科書レベルの知識で正答出来る問題ですが、生態分野の対策が不足していた受験生は苦戦したものと思われます。
 群れの大きさや縄張りの大きさに関するグラフを描く問題が出題されていますが、いずれも教科書に出ているグラフです。しかし、その意味をしっかり理解せず「うろ覚え」だと、描く時に「おかしなグラフ」を描いてしまうことになります。生態系の分野に限りませんが、教科書に載っているようなグラフは、グラフの意味をしっかり理解して、白紙に一から自分の手でグラフを描けるようにしておくとよいでしょう。

【総評】

 例年通り、「生命現象の本質を理解しようとしている受験生」にとっては、「難問だが良問」が出題されました。第2問の解説でも書きましたが、教科書レベルの勉強をするときから、「この生命現象はそもそも、何のために、何をしているのか?」という観点で考え、知識を整理する癖を身に付けておきましょう。

≪2022年度の目標値≫

生物を得点源にしたい受験生… 8割
他教科を得点源にしたい受験生… 7割

まとめ

 というわけで、今回は藤田医科大学医学部の生物についてまとめてみました。皆さんの参考になれば幸いです!

京都医塾ではご相談・体験授業を随時募集しています。下記リンクからお気軽にお問い合わせください。

投稿者:廣瀬 希

  • 役職
    生物科統括/生物科講師
  • 講師歴・勤務歴
    11年
  • 出身大学
    京都大学大学院理学研究科
  • 特技・資格
    中高の理科教員免許所持
  • 趣味
    読書
  • 出身地
    岐阜県
  • お勧めの本
    ざんねんないきもの事典

受験生への一言
興味を持つこと、が理解に近づく第一歩です。いきものに興味を持って、生物の学習に取り組んでほしいです。