京都医塾化学科です。
このページでは「関西医科大学の化学」についての過去問を分析します。
・“医学部受験に興味がある”という方
・“関西医科大学”の受験を考えている方
・“関西医科大学の化学がどのような問題か知りたい”という方
におススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。
概要
【形式・制限時間・配点】2021年度（最新の問題より）
形式：記述
時間：理科2科目で120分
大問数：4題
配点：100点
出題の傾向と特徴（６年分）
2016年度以降の6年分について、分野別の傾向をまとめます。
【①理論化学】
毎年、2題程度は出題されています。出題テーマは
・「状態方程式、熱化学、燃料電池、電離平衡、溶解度積とモール法 (2021)」
・「理想気体と実在気体、ファンデルワールスの状態方程式、熱量計算、結晶格子、NO2とN2O4の平衡移動に伴う色の変化 (2020)」
・「水銀柱、銅の電解精錬、電離平衡、浸透圧 (2019)」
・「塩、逆滴定、凝固点降下、平衡定数、酢酸の会合体、熱化学方程式 (2018)」
・「沈殿形成を利用した定量分析、状態方程式、酸化還元、代謝における物質量計算 (2017)」
・「CaCO3とCaOの混合物の定量分析、コロイド溶液、気体 (2016)」
です。
（講評）
出題頻度が高く、化学基礎・化学の幅広い範囲から出題される。無機化学や有機化学との融合問題として出題されることもある。計算問題が多く、難易度の高いものも出題される。
【②無機化学】
2017、2018年を除いて、0.5題程度は出題されています。出題テーマは
・「金属イオンの定性分析、コバルトの錯イオン (2021)」
・「金属と酸の反応、合金 (2020)」
・「水銀の性質、銅の反応 (2019)」
・「ガラス、ハロゲン化銀、ケイ素 (2016)」
です。
（講評）
出題量は少なく、他分野の問題の中で関連知識として問われることが多いです。基本的な性質や反応についての知識を身に付けておく必要があります。反応式を書かせる問題も多いので、教科書レベルの反応式はすべて書けるようにしておきましょう。
【③有機化学（高分子化学も含む）】
毎年、１~1.5題は出題されています。出題テーマは
・「炭化水素、異性体、ペプチドの配列決定 (2021)」
・「エステルの合成、エステルの構造決定、陰イオン交換樹脂、アルコールとアルケンの酸化、C5H12O構造決定 (2020)」
・「アルデヒドの合成、ゴム、陽イオン交換樹脂、半合成繊維と再生繊維、PET (2019)」
・「元素分析、C4H10O構造決定、クメン法、アミノ酸の等電点と電気泳動 (2018)」
・「油脂、セッケン、糖類 (2017)」
・「セルロースの反応、アセチレンの付加反応、芳香族化合物の構造決定 (2016)」
です。
（講評）
構造推定や合成実験に関する出題が多いです。難易度に関しては、標準的なものが多いが、難易度の高いものが出題されることもある。また、高分子化学からの出題も多く、教科書には載っていない内容がテーマになることもある。基本的な知識を身に付けた上で、構造決定や計算問題の対策も行うようにしましょう。
【制限時間に対する問題量】
1科目あたり60分で4題を解く必要があるので、時間的な余裕はない。計算問題も多いため、時間をかけずに解ける問題を取捨選択していく必要がある。
まとめ
見慣れないテーマがよく出題されるが、設問自体の難易度は標準的なものが多いので、教科書レベルの知識をしっかり身に付けておく必要があります。また、教科書の発展内容や実験内容などもしっかり目を通しておくとよいでしょう。さらに、実験に関する考察問題や計算問題の対策を行う際は、実験の流れをイメージし、説明できるようにしておきましょう。
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