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藤田医科大学の一般入試の過去問対策・出題傾向まとめ【英語編】

藤田医科大学の一般入試の過去問対策・出題傾向まとめ【英語編】

 

京都医塾英語科です。

このページでは「藤田医科大学の英語」についての過去問分析コメントを紹介します。
・“医学部受験に興味がある”という方
・“藤田医科大学”の受験を考えている方
・“藤田医科大学の英語がどのような問題か知りたい”という方
におススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。

概要

【形式・制限時間・配点】2021年度(最新の問題より) 
形式: マークシート+記述
制限時間:90分
配点: 200点

出題の傾向と特徴

【毎年恒例の出題形式】

①文法・語法問題(マーク式)

②並べ替え(マーク式)

③長文読解(マーク式)

④長文読解(記述式)

⑤英作文(記述式)

【制限時間に対する問題量】

①②はそれほど時間がかからないとしても、長文読解では受験生にあまりなじみのない内容が出題されることもあり、問われている問題の根拠となる箇所を要領よく探し出せないと時間を浪費してしまう可能性があります。また、英作文もそれなりの長さ、難易度の問題が4題出題されることから、時間的な余裕はほとんどありません。

2021年度(最新の過去問)の分析

ここではさらに踏み込んで、最新の入試問題を具体的に分析したいと思います。
※以下、過去問をお手元にご覧になるのが理想的ですが、過去問がなくても問題なくお読み頂けます。

【第1問】(難易度:やや易~標準)

文法問題です。2021年度の文法問題はどれも高校英語の標準的な問題集や単語帳をこなしていれば、1度はふれたことがあるはずの問題ばかりのはずです。英語が得意な受験生は満点を十分目指せます。失点する可能性があるとすると、命令文の付加疑問文でwill youを語尾に付す問題(問4)、設問文の最後まで読んでいない受験生がbe better off「暮らし向きが良くなる」をうっかり選んでしまう問5ぐらいでしょう(正答はbe worse off「暮らし向きが悪くなる」)。問5は選択肢の一つ目にbetterを配置していることからも、注意力を試す問題でもあることが分かります。これらの設問以外で失点した受験生は、単語帳や標準的なレベルまでの文法問題の練習がそもそも足りません。

≪2021年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…6問中5~6問正解
他教科を得点源にしたい受験生…6問中4問以上正解

【第2問】(難易度:標準~やや難)

語句整序の問題です。can not possibly tell…の語順(問1)や、on the walk backの語順(問4)が少し難しく感じられるぐらいであとは標準レベルです。それぞれの問題で、すぐにつなげられそうな語はつなげて、余った語句どうしの順序を考えるのに少し時間を使う程度でしょう。

≪2021年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…4問中3~4問正解
他教科を得点源にしたい受験生…4問中2問以上正解

【第3問】(難易度:標準~やや難)

アメリカ先住民とポリネシア人の接触の可能性についてDNAを手掛かりに考える長文問題です。地理的な背景知識があれば理解しやすくなるのは確かですが、それが無くても設問自体は解けるようになっています。そもそもアメリカ先住民に詳しい受験生はほとんどいないはずなので、背景知識よりもむしろ、英文の読解力、速読力、選択肢を絞り込む技術が問われています。

英文を読んで理解するのが速い生徒でない限りは、全文を読もうとしてしまうと、続く大問4と5に取り組む時間が無くなるでしょう。選択肢のそれぞれのキーワードに着目して、本文をザッと見渡し、選択肢の根拠となっていそうな箇所を集中的に読んで効率よく解く必要があります。例えば、問3では、cohabited for hundreds of years、Rapa Nui、Kanaka Maoli、Sweet potatoesあたりがそれぞれの選択肢のキーワードです。解答根拠となる箇所さえ見つかれば、選択肢と丁寧に照合すればよいだけですから、さほど難しくはありません。大問1、2の知識問題で得点を落としてしまった人は、大問3で満点を目指して挽回したいです。

≪2021年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…6問中5~6問正解
他教科を得点源にしたい受験生…6問中4問以上正解

【第4問】(難易度:標準~やや難)

「マヤの都市ティカルの水質汚染による衰退」がテーマの長文問題です。大問3に続き、大問4も一見すると受験生になじみのないテーマに思えます。しかし、「人間の活動が環境を汚染し、それが人間の生活に跳ね返って負の影響を及ぼす」というストーリー自体はよくあるものです。舞台設定が古代マヤ文明になっているだけだと考えれば、ずっと理解しやすくなるはずです。

語彙レベルは若干高いものの、豊富な注があるため読む支障にはなりません。また、設問自体もオーソドックスなたずね方をしているものばかりで、かつ解答の根拠となる該当箇所も比較的見つけやすい(問いの順に根拠となる箇所が本文中に出てくる)ため、何らかの答案は書けるはずです。ただし、問5を除き、残り4問はすべて記述式解答のため、適切な語句を解答に織り込み、無駄なところを省く力が求められているでしょう。解答の添削を通じて、答案作成を練習しておくことをお勧めします。

≪2021年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…70%以上の得点
他教科を得点源にしたい受験生…50%以上の得点

【第5問】(難易度:標準~やや難)

英語で書かれた文章中の一部を日本語で与えられ、それを英作文する問題4問から構成されています。何もヒントが与えられないまま、課題文を英作するとなると、どのような単語を使えばよいか迷うところも少なくありません(不快な臭い、銀のナノ粒子、など)。ただし、下線を引かれている英文の前後をみてみれば、作文に使える語句が見つかるため、構文的な方針さえ立てられれば見かけよりも難しくないはずです。構文的な方針というのは例えば、(1)では、「どれくらい~かは、・・・による」という日本語から、“How 形容詞[副詞] SV depends on ….”という、英作文での定型表現を思いつくということです。これにさえ思い至れば、比較的時間をかけずとも答えられてしまいます。ただし、このような定型表現を思いつくこと自体、英作文のトレーニングを添削込みで時間をかけてこなしておかなければできないことでしょう。

≪2021年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…70%以上の得点
他教科を得点源にしたい受験生…50%以上の得点

【総評】

大まかに言って、英語を得点源にしたい生徒で70%以上の得点を目指し、他科目を得点源にしたい生徒では、52~53%あたりまでで踏みとどまるのが現実的です。英語を通した論理的な思考力を、文法、語彙、構成力、読解力、表現力など様々な角度から、総合的に問おうとする出題に見えます。こうした志向を踏まえれば、特定の単元に絞って付け焼刃の「傾向と対策」に走るよりも、えり好みせずさまざまな分野の練習を日ごろからこなし、自力を養っておくことが肝心でしょう。そうすれば、仮に、2022年度の受験で出題形式や問題数が多少変化したとしても動じることなく対応できるはずです。特に、比較的基礎~標準レベルの知識を問う前半戦(2021年度の形式では大問1~3)では出来る限り高得点を目指せる力を養っておくことが死活的に重要です。

まとめ

というわけで、今回は藤田医科大学の英語についてまとめてみました。皆さんの参考になれば幸いです!

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投稿者:野口 剛

  • 役職
    英語科主任/英語科講師
  • 講師歴・勤務歴
    9年
  • 出身大学
    京都大学教育学研究科
  • 特技・資格
    なし
  • 趣味
    読書
  • 出身地
    愛媛県
  • お勧めの本
    最高の任務

受験生への一言
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