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日本医科大学医学部の一般入試の過去問対策・出題傾向まとめ【英語編】

日本医科大学医学部の一般入試の過去問対策・出題傾向まとめ【英語編】


京都医塾英語科です。

このページでは「日本医科大学の英語」についての過去問分析コメントを紹介します。
・“医学部受験に興味がある”という方
・“日本医科大学”の受験を考えている方
・“日本医科大学の英語がどのような問題か知りたい”という方
におススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。

概要

【形式・制限時間・配点】2021年度(最新の問題より) 

形式: マークシート+記述
制限時間:90分
配点: 300点

出題の傾向と特徴

形式に加え、大問数も固定されてきた2017年度以降の5年分についての傾向をまとめます。

【毎年恒例の出題形式】

  • 長文問題(2、3題)
  • 発音・アクセント・語の定義問題(1題)
  • 自由英作文(1題)

年度によって長文の出題数が2題の年度と3題の年度があります。

【制限時間に対する問題量】

自由英作文や、解答根拠まで日本語で説明させる問題など、解答には一定程度の分量の記述が求められます。ただし、制限時間は90分と余裕もあり、発音・アクセント・語彙からなる小問集合の難易度もそれほど高くないため短時間で解けることもあって、時間の圧迫感は大きくは感じられません。

2021年度(最新の過去問)の分析

ここまでは近年の傾向を見てきましたが、ここではさらに踏み込んで、最新の入試問題を具体的に分析したいと思います。
※以下、過去問をお手元にご覧になるのが理想的ですが、過去問がなくても問題なくお読み頂けます。

【第1問】(難易度:やや難) 

例年、長文問題の出題は2題~3題でしたが、2021年度入試では1題になりました。単語数は2000語程度です。入試で読む英文としては長く感じられますが、1題だけということと試験時間時間(90分)とを考えれば、時間が足りなくなる心配はそれほどありません。また、英文自体もいくつかのパートにあらかじめ分けられているため、それぞれのパートで言いたいことを踏まえながら読み進めれば、全体の要旨がわからなくなることもないでしょう。テーマは、臓器提供とその合意形式です。医学部受験生としては、どこかの問題集や過去問で触れたことがあったり、小論文・面接対策などでも聞き覚えがあったりするテーマですから、読みやすく感じられるはずです。

本文そのものよりも、本文内容に関する問いの根拠となる場所を、分量の多い長文のなかから見つけ出す必要があるので、解答作成に手間取る可能性はあります。その場合は、難しそうな問題や解答作成に時間のかかりそうな問題は後回しにして、手のつけやすい問題を先に解きましょう。問3と問4では、解答を記号で選ぶだけでなく、「さらにそのように判断した理由を、本文および選択肢の具体的な内容に照らして日本語で説明せよ。」という、日本医科大学独特の出題もありますから、このような出題形式に対しては事前に演習しておいて、耐性をつけておくのがよいでしょう。

≪2021年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…7割
他教科を得点源にしたい受験生…5割

【第2問】(難易度:やや易~標準) 

発音・アクセントを問う問題や、単語の定義をたずねる問題からなる小問集合です。選択肢の単語を見ると、どれも市販の標準的な単語帳に掲載されているレベルの語が中心になっており(ただし、後半以降に出てくる単語主体で構成されています)、難しさはそれほど感じません。ただし、出題形式には多少慣れが必要であり、「あてはまるものをすべて選べ」という設問では、単語自体の難易度が難しくはなくとも、理解が曖昧な受験生は失点してしまう恐れが高まります。音声面も含めた英語学習を普段から丁寧にできているかどうかをはかる出題といえるでしょう。

≪2021年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…8割以上
他教科を得点源にしたい受験生…6割

【第3問】(難易度:やや難) 

テーマを与えられてそれについて意見を述べる自由英作文です。設問文は次のように英文で書かれています。”The text in [ Ⅰ ] discusses four methods of obtaining consent for organ donations. Describe another situation in people’s lives, other than organ donations, where these types of consent are applicable. In the case of your example, which method do you think should be used and why? Write your answer in academic style, in one or two paragraphs.” ここで求められている、臓器提供以外のシチュエーションをうまく設定できれば、4種類の同意の仕方については分かりやすい説明が本文自体についているので、書きづらくはないはずです。シチュエーション選定の際に、深く考えすぎず、書きやすそうなものを選んでください。医学に関連する話題でいえば、「尊厳死」や「治験」などが思いつくでしょう。また、語数指定はないものの、解答欄の大きさ(19.7cm×14行)からすると、150語程度は書けそうですから、全体の構成を考えつつ、シチュエーションの説明、4つのうち最適だと考える方法とその理由をバランスよく配置する必要があります。

≪2021年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…6割5分以上
他教科を得点源にしたい受験生…5割

【総評】

日本医科大学の英語は、制限時間に対する解答の量は多くはないものの、問いの形式自体には、過去問演習を通じて耐性をつけておく必要があります。また、自由英作文は毎年出題されていますから、100~150語程度の英文は、ある程度の速度で書き慣れておく必要もあるでしょう。まずは6割台の得点を目指しつつ、英語に自信のある受験生はそれ以上の7割を、英語が苦手な受験生はなんとか5割は切らない程度に踏みとどまることができれば十分戦えるでしょう。

まとめ

というわけで、今回は日本医科大学の英語についてまとめてみました。皆さんの参考になれば幸いです!

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投稿者:野口 剛

  • 役職
    英語科主任/英語科講師
  • 講師歴・勤務歴
    9年
  • 出身大学
    京都大学教育学研究科
  • 特技・資格
    なし
  • 趣味
    読書
  • 出身地
    愛媛県
  • お勧めの本
    最高の任務

受験生への一言
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