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愛知医科大学の一般入試の過去問対策・出題傾向まとめ【化学編】

愛知医科大学の一般入試の過去問対策・出題傾向まとめ【化学編】

 

京都医塾化学科です。

このページでは「愛知医科大学の化学」についての過去問を分析します。

・“医学部受験に興味がある”という方

・“愛知医科大学”の受験を考えている方

・“愛知医科大学の化学がどのような問題か知りたい”という方

におススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。

概要

【形式・制限時間・配点】2021年度(最新の問題より) 

形式:記述

時間:理科2科目で100分

大問数:3題

配点:100点

出題の傾向と特徴(4年分)

大問数が現行と同じ3問となった2018年度以降の4年分について、分野別の傾向をまとめます。

【①理論化学】

毎年、1~1.5題程度は出題されています。出題テーマは

・「鉛蓄電池、電気分解、電解後の水溶液のpH計算、気体の状態方程式 (2021)」

・「アンモニア水のpH計算、緩衝液、塩の加水分解 (2020)」

・「酸化還元、COD、浸透圧、水銀柱、熱化学 (2019)」

・「イオン化エネルギー、電子親和力、NaClの格子エネルギーの導出、指示薬の変色域を求める計算、2段滴定 (2018)」

(講評)

出題はどれも典型的な問題ですが、計算量が多い問題もあるため解答速度が求められます。問題文を読み、解法を考え、解き始めるという一連の流れを素早く行う練習をしておきましょう。理論分野の学習は市販の問題集で網羅性の高いものを使うと良いでしょう。特にCODや格子エネルギーを求めるような、設問の流れがほぼ決まっている問題がよく出題されているので、このような問題は入試までに解き慣れておきましょう。

【②無機化学】

無機化学としての大問は近年出題されていません。沈殿や錯イオン、単体等の知識を、理論分野や有機分野の中で問う形で出題されています。

(講評)

 近年大問としての出題が無いとは言え、医学部入試であることを考えるとやはり基礎~応用レベルの知識の習得は必須です。教科書や他大学の過去問を使って知識をしっかりと身につけておきましょう。

【③有機化学(高分子化学も含む)】

毎年、1~2題は出題されています。出題テーマは

・「アルケンの酸化開裂、元素分析、構造決定、クメン法、プロピンの三分子重合、多糖、デンプンの枝分かれの数を求める問題 (2021)」

・「油脂、けん化価、ヨウ素価、ベンゼンの製法、アニリン、アセトアニリド、合成繊維、ゴム、導電性高分子、ポリ乳酸、ラクチド (2020)」

・「元素分析、シックハウス症候群、ヘキストワッカー法、ナフタレンの酸化 (2019)」

・「単糖とアミノ酸の縮合、元素分析、アミノ酸の電離平衡、等電点 (2018)」

(講評)

 有機化学の出題は発展的な知識や複雑な計算問題も見られます。まずは基礎~標準レベルの知識を身につけることから始め、けん化価やヨウ素価、油脂の加水分解のモル計算などもしっかりと練習しておきましょう。さらに、過マンガン酸カリウムによる酸化開裂やヘキストワッカー法、ナフタレンの酸化、プロピンの三分子重合といった応用知識も出題されています。応用問題として有名な内容なので入試までに身につけておきましょう。また、高分子化合物からの出題も毎年見られます。特に天然高分子化合物については出題頻度が高く、かつ難易度の高い問題も見られます。過去問演習などを通して正しく計算出来るように対策しておきましょう。

【制限時間に対する問題量】

50分で3題を解く必要があります。計算問題が多く、また発展的な出題も見られることから、時間的な余裕はあまり無いと思われます。解く際には、まずは知識問題を確実に解答し、さらに計算問題をミスなく素早く解くように心がけましょう。

まとめ

 出題の多くは標準的な問題ですが、全体的に計算量が多いので練習の段階から時間管理をしっかりと意識して、素早く正確に解けるよう訓練しておきましょう。また設問の流れに乗って解く力も必要です。複雑な問題であっても誘導に従えばきちんと解き進められる問題も多いと感じます。問題の意図を読み取り解答していくことにも慣れていきましょう。 

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投稿者:森岡 真吾

  • 役職
    化学科主任/化学科講師
  • 講師歴・勤務歴
    15年
  • 出身大学
    徳島大学工学部
  • 特技・資格
    長時間走り続けられます。
  • 趣味
    ジョギング
  • 出身地
    広島県
  • お勧めの本
    西村京太郎シリーズ

受験生への一言
丸暗記はやめて原理現象の理解を深めれば、化学はきちんと分かるようになります。