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医学部生の大学生活ってどんな感じ!? vol.1

医学部生の大学生活ってどんな感じ!? vol.1

 

「医学部生ってどんな生活をしているの?」

「毎日どんな勉強をしているんだろう?」

…など、大学生活への疑問はありませんか?

医学部に入学してからの生活を知る機会はなかなか少ないですよね。

今回は、医学部生活のイメージをより確かなものにするために、

・京都大学のいいところ

・今大学で勉強していること

・医学部に入って苦労したこと

など、医学部に在籍する先輩だからこそ語れる、大学生活についてお伝えします!

今回は、京都医塾現役生科で数学科の非常勤講師として活躍する、

吉田直人さん(京都大学 医学部医学科   3年生)からお話をお伺いしました。

研究の第一線で戦っている先生の授業が受けられる

___京都大学のいいところを教えてください!

まず一つは研究の第一線で戦っている先生方の話を聞く機会があることです。京都大学には本庶先生、山中先生などノーベル賞を取られた先生がいらっしゃいますし、教科書に出てくるような細胞を最初に発見した教授、その専門で多くの本を出版されている教授なども多くいらっしゃいます。そのような方々の授業に出て、考えに触れることが出来るのは京大生の特権です。

次に、医学部を考えるうえで重要な要素となるのは進級の難易です。京大医学部の進級は他の大学に群を抜いて楽と言われています。そもそも専門科目に出席義務がないうえ、各教科の追試験のチャンスが最低2回用意されており、相当なことがない限りは留年しません。つまり、過程がどうであれ試験で点をとればよいということです。その分部活動やサークル、自分の研究に時間を割けるというのが京大のいいところであると言えます。」      

3年次の前半で基礎医学、後半で臨床医学を勉強

___今どんな勉強をしていますか?

「私はこの春から4回生なので、3回生でどんな勉強をしたかについて話します。

3年時には、前半で基礎医学、後半で臨床医学を学びます。基礎医学で一番興味を持ったのは「薬理学」という授業です。薬がどのような分子メカニズムで体内に作用するのか、ということを1つ1つ学んでいく講義です。「〇〇という薬は△△細胞の□□を阻害するから、◇◇という作用が得られる代わりに、逆に◎◎という副作用を生じる」ということを系統立てて、理解するのが論理的で面白いものでした。とはいえ数が多いので非常に大変でした。

臨床医学で興味を持ったのは「消化器病学」です。臨床系は基本的に、病態や症状、治療法などをひたすらに頭に詰め込んでいく講義が多いです。特に消化器は、腸内細菌叢をはじめ解明できていないことが非常に多く、研究の余地が多く残されていると感じました。消化器の難病を抱えている者が身近にいることもあり、今後はその疾患についての研究に触れてみたいと思っています。

医学部の試験・講義で苦労したこと

___医学部に入って苦労したことは?

「 一つ思い浮かんだのは英語です。京都大学の英語の試験は和文英訳と英文和訳、自由英作文さえできれば合格点をとれます。大学に入ってからも、これらの能力はもちろん必要です。例えば一般教養で英語2000語のレポートなんてざらにありましたし、読み書きができなければ単位はもらえません。

しかし入ってからもっと重要になるのはリスニングとスピーキングの能力でした。英語で討論するような講義が必修でありましたが、ほとんど話せず、さらに相手が何を言っているのか分かりませんでした。そのようなことが起こると、留学も難しいように思います。まして世界に向けて自分の研究結果を発表することは到底できません。受験を通過する能力は受験期まで一番重要ですが、入ってからも自分の英語力を落とさず、さらにコミュニケーションをとれるようにレベルアップしていくことが大切だと思います。  」           

 

___「医学部は暗記地獄だ」と伺うことがありますが、実際のところどうですか?

「嘘ではないでしす。暗記しないことには何も始まりません。ですが暗記の仕方に論理性を持たせることが重要だと思います。そこが医学を学ぶ楽しさではないでしょうか。

___高校までのテストと医学部のテスト、違いはありますか?高校までのテストと医学部のテスト、違いはありますか?___高校までのテストと医学部のテスト、違いはありますか?

範囲の広さが桁違いです。1つの科目の試験範囲は教科書1冊分です。要は世界史全範囲の試験、日本史全範囲の試験、物理全範囲の試験、というのが続くようなものです。もちろん大学入試の勉強のように全てをマスターする必要はありませんが、授業に出るなどして重要なところを自分で見定める能力も必要になります。

「治せる医者」になりたい

___どんな医師になりたい?

「この春から4回生で、実臨床の現場にもまだ出たことのない身ですので、偉そうなことは全く言えないのですが、消化器系の科ないし外科に興味があります。ここまでの過程で基礎研究に最初から進むという選択肢はなくなったので、病院実習や初期研修、後期研修で経験を積んでからどういった科に適性があるのかを幅広く考えていきたいと思っています。何事においても知識より実践が重要と考えます。例えばスポーツでも「こういう風に体を動かせばよい」と頭でわかっていてもいざやってみると出来ないという経験は私自身よくするところです。働き始めてから、「知識だけやたらあるけど現場では使えない医者」にならないように、経験と実践に重点を置き、「使える医者」ひいては「治せる医者」になりたいです。

縦の関係性は重要

___これから医学部に入学する人にメッセージをお願いします。

「まずは合格おめでとうございます。大学が始まる前に、ご両親や学校・予備校の先生などお世話になった方々に感謝を伝えるようにしましょう。

大学に入ったら、楽しいこともしんどいこともたくさんあると思います。残念ながら勉強はしないと留年しますし、他の学部よりも授業期間は長く、1年中試験勉強をしているような錯覚に陥ります。その分もちろん楽しいことも多く、高校生ではできなかったような経験がたくさんできます。運転免許を取って友達とドライブに行くことや、アルバイトをして稼いだお金で旅行に行くなど、色々なことが出来るようになります。

医学部に入ってまずやるべきこと、それはどの部活に所属するかを考えることです。私の意見ですが、医学部においては特に縦の関係が重要です。試験問題の過去問やその答えが部活内で共有されることは多いです。実際にまた働かれているOBの先生方の、生の声が聞きやすいです。医者になってからもこういった関係性は非常に重要になるのではないでしょうか。

※個人の感想・意見を記載しております。参考になれば幸いです。

終わりに

京都大学を目指す方には、吉田さんの思う魅力を知って志望動機を深めることができたのではないでしょうか。

今後も京都医塾で活躍する医学部の先輩方から、大学生活についてお伺いしていきます!次回もお楽しみに!

投稿者:矢野 佑佳

  • 役職
    サポートスタッフ
  • 講師歴・勤務歴
    10年
  • 特技・資格
    JADP認定メンタル心理カウンセラー®資格、上級心理カウンセラー資格
  • 趣味
    食べ歩き・映画鑑賞
  • 出身地
    愛媛県
  • お勧めの本
    ちはやふる

受験生への一言
「人生で一番がんばった!」と言えるような時間を京都医塾で過ごしてください。そのサポートをできることが本当にうれしいです。