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【9月 生物編】医学部合格に向けた学習アドバイス【浪人生向け】

【9月 生物編】医学部合格に向けた学習アドバイス【浪人生向け】

京都医塾生物科です。

 少しずつ日が落ちるのが早くなってきました。まだ日中は非常に暑い日もあるものの、少しずつ秋の気配も感じられるようになってきています。高校生物を学ぶという観点から考えると、花芽形成や紅葉といった植物の変化が見つけやすい時期になります。植物ホルモンのはたらきやバイオームの代表種などの教科書的な知識と現象を結びつけ、記憶に残しやすくなる材料が沢山得られる時期、ということです。身の回りのちょっとした現象を受験勉強にも活かすことができると、勉強も単調ではなくなって取り組みやすくなりますよ。

今月は、

  • 焦りを感じ始めた人へ
  • 9月の勉強のポイント

をお届けします!

夏休みが終わり、受験に焦りを感じ始めた人へ…

 夏休みが終わり、現役生の顔つきが変わってきたことで、追われる立場となる浪人生の立場からは、急激に焦る気持ちが生まれてきがちです。負けたくないという緊張感をもって学習に臨むことは大切なことですが、だからといってただ闇雲に焦っても学習にはよい影響はありません。焦っている内容を整理して、この後の学習に役立つように切り替えていきましょう。

模試が解けなかった!

 生物の入試問題では実験考察問題の出題も多いため、夏の模試や入試の過去問などの「難しい問題」が解けないと「このままでいいのか…」という焦りが生まれがちです。しかし、この時期には、初見の問題が解けるかどうか、という点よりも、実験などの根拠となる基本的な事実が理解できるかどうか、ということの方がずっと大切です。模試は受けることよりも解き直すことの方が大事。同じ問題を解き直したり、解説を確認したりして、改めてその内容が理解できるかどうか、という部分に着目してください。ここまでに身につけていた基本的な知識を基にして内容が理解できる、ということであれば、積み重ねてきた学習内容がきちんと身についている証拠です。身につけた知識を、問題を解くときにはこうやって活用するのか、ということをここから学んでいけばよいだけ、ということになります。
 一方で、解説を確認する過程で「分からないままになっていた」「一度やったけど忘れていた」という内容が出てくるのであれば、知識定着の段階で抜けている部分があった、ということですから、そこに戻って学習し直せばよい、ということになります。
 今の自分の出来る範囲を把握することができれば、その後の学習方針が定まり、効率よく成績上昇につながる学習ができるようになります。

苦手な分野が残っている!

 学習計画を立てる上では、夏休み中に苦手な分野を克服することをお勧めしていました。まとまった時間を基本的な内容に特化した学習に費やすことは、問題の演習などが始まってしまう秋以降になるとなかなか難しいからです。とはいえ、模試などを受験してみると、極端に得点が低い大問ができてしまっているかもしれません。これは、苦手としている分野を自分でも把握できるよい機会です。どこに重点を置いて学習することが得点上昇に結びつくのか、が分かっている、ということになりますから、学習の優先順位をつける指針として、学習計画に組み込んでいきましょう。

時間がない!

 これは常にどの受験生もが感じることではないでしょうか。とはいえ、誰にとっても与えられた時間は同じですから、「どうやってうまくやりくりするか」ということを考えて学習効率を上げていくよりほかありません。常に学習時間の割振りを工夫して、より「覚えやすい」「定着しやすい」学習方法を模索しましょう。他の科目とのバランスを考える必要はありますが、生物については「覚える」ことが必要な用語の復習は隙間時間を利用してこまめに何度もやる、「考える」必要がある問題演習については時間を決めてじっくり腰を据えてやる、と内容ごとに切り替えて時間を配分することで学習効率を上げていくことができますよ。

9月の勉強のポイント・学習アドバイス(9月にすること)

 先月は、夏休みまでの知識確認が順調に進んできていれば、基本レベルの問題に着手して知識定着の度合いを確認してみよう、という話をしていました。2学期に入ると、志望校の入試問題などに触れる機会も出てきますし、塾などでも授業で入試問題などを扱うようになるため、自習で着手する問題のレベルにも迷うことが増えてくるのではないでしょうか。

 これまでの繰り返しになりますが、焦って難しい問題に手を出しても、理解を伴わない丸暗記を招くだけで学習効果はあまりありません。基本レベルが完璧に解けるようになるまで、無理に応用問題には手出ししないようにしましょう。また、複数の問題集に手を出すよりは1つの問題集を何度も繰り返し解くことの方が、一度目では気付かなかった細かい内容まで理解できる機会を得られるためおすすめです。

 基本レベルでは躓かないようになったら、標準レベルの問題へと少しだけ難易度を上げます。生物ではこのレベルから実験考察問題や計算問題が加わってきます。問題の文章も基本問題と比べると長くなってくるため、必要な情報を読み取ること、に対する意識をこの難易度の問題の時点でしっかりと高めることが大切です。考察のために必要な知識が不足していることを感じたら、躊躇わず基礎知識の確認段階に戻りましょう。同じ内容でも、見る角度が変わることで理解が多角的になり深いものになっていきます。なぜその問題を解くためにこの知識が必要なのか、に注意して見直しを行いましょう。

■まとめ

 夏休みに頑張ったことで気が抜けてしまう人や、夏休みに思ったような学習ができなかったことで焦ってしまう人など、この時期は「いつも通り」の学習を続けることができない人が多い時期です。ペースを乱さずに学習が続けられればもちろんそれが一番良いのですが、多少習慣が乱れても取り戻せるように、こまめに学習計画を見直してその都度修正をしながら学習に取り組んでいくようにしましょう。

投稿者:廣瀬 希

  • 役職
    生物科統括/生物科講師
  • 講師歴・勤務歴
    11年
  • 出身大学
    京都大学大学院理学研究科
  • 特技・資格
    中高の理科教員免許所持
  • 趣味
    読書
  • 出身地
    岐阜県
  • お勧めの本
    ざんねんないきもの事典

受験生への一言
興味を持つこと、が理解に近づく第一歩です。いきものに興味を持って、生物の学習に取り組んでほしいです。