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【7月 生物編】医学部合格に向けた学習アドバイス【浪人生向け】

【7月 生物編】医学部合格に向けた学習アドバイス【浪人生向け】

京都医塾生物科です。

 梅雨に入ってからは蒸し暑い日が続いていますね。昼間は熱中症に注意が必要ですし、夜もなかなか気温が下がらず、睡眠時間が短くなったり、眠りが浅くなったりしがちです。しかし、睡眠が十分取れていないと昼間の学習になかなか集中できません。ここから学習効率を上げてしっかりと結果を出していくためにも、居室の温度や湿度を管理し、食事などにも注意して、体調の維持に努めましょう。

今月は、

・浪人生の夏休みの重要性
・7月の勉強のポイント・学習アドバイス
・受験前の夏休みにやることが見つからない場合は?

をお届けします!

①浪人生の夏休みの重要性

・夏は現役生も本腰を入れて勉強するので勝負の時期

 浪人生の場合は、現役生とは異なり「夏休み」だから学習環境に変化が起きる、ということはあまりありません。しかし、周囲にいる現役生にとっては学校の授業がある時とは異なり、じっくり自分のための学習に取り組む時間が出来る時期ですので、ここで「受験生」としての学習姿勢が明確にできてきます。理科は知識量が得点に如実に反映される科目なので、これまでは単純に学習量が多かった浪人生の方が有利になることが多かったのですが、夏に実施される模試では春と比べて現役生と浪人生との差が格段に埋まってきます。ここで一気に追いつかれ追い越されないようにするために、「いつも通り」ではなく「いつも以上」に学習に集中して取り組み、知識の正確性を向上させることで現役生との差を維持することを目指しましょう。

・焦らず着実に学習を続けることが一番大切

 とはいえ、急に生活リズムを変えたり、特定の科目だけに偏った学習をしたり、と急激な切り替えをする必要は全くありません。むしろバランスが崩れて害になることの方が多いのでお勧めはできません。年度の初めに立てた予定に基づいて、先を焦ることなく丁寧な学習を続けること、を意識しましょう。同じことの繰り返しで、普段の学習が漫然としたものになってしまっていないか、自分の学習姿勢を振り返り、改善すべき点は日々改善を重ねながら「昨日より少しでもよい勉強」ができるように取り組みを続けていきましょう。

・苦手な内容の克服に重点をおこう

 好きなことはやり続けても気にならないものですが、嫌いなことには最初に手をつけるというだけでもハードルが高いものです。受験期が近づいて心にも時間にも余裕が無くなってくると、この「ハードルが高い」内容に取り組むのは更に大変になってきます。そのため、腰を据えて苦手な内容と向き合うのには、この夏休みという時期を逃すわけにはいきません。もちろん、得意な内容と比べたら理解するのにも定着させるのにも時間は余計にかかりますが、時間をかけただけの甲斐はあった、と受験期に入った時に感じることができるはずです。

➁7月の勉強のポイント・学習アドバイス

 基礎知識の確認を春から順調に進められていると、ちょうど個体の体内環境に関わる分野の内容については一通り確認することができた頃ではないでしょうか。引き続いてマクロ分野と呼ばれる個体間の関係や系統分類などの領域まで手を広げて、高校で学習する全範囲について一通り基礎知識を確認すること、が夏休み前半の学習における優先課題になります。生態系や系統・進化といった分野は、入試では全く出題されない大学もある一方で、かなり詳しい内容まで踏み込んだ出題をされるところもあり、学習の比重をどれくらいかけるか迷う所かもしれません。国公立大学の受験を考えている場合は、出題頻度も高く時間に余裕がなく学習しきれていない現役生との差がつきやすい分野でもあるため、詳細な部分まで丁寧に学習しておく方がよいでしょう。私立大学でも、他の分野と関連させた形で生物の種名や分類名が問われたり、進化の過程を説明することが求められたりする出題が増えてきていますので、具体的な生物名を確認しつつ全体を確認しておくようにしましょう。

 高校で学ぶ全範囲を確認することで、分野間の繋がりも見えやすくなってきます。特に系統分類を学習すると、進化の過程で生物の構造の複雑性が増していくことがわかり、細胞構造や組織・器官の構造、細胞間の情報伝達のしくみなどを改めて確認する必要性が生じてきたり、動物分類の基準として発生の過程が重視されていることがわかり、発生から配偶子形成の過程、更には減数分裂の過程まで確認する必要性が生じてきたり、といった具合に様々な分野の知識が集約されていく分野であることが実感できると思います。ここまでに進めてきた学習内容が十分身についているかを確認する上でも、全体の内容をしっかり学習することが重要である、といえるわけですね。

③夏休みに何をしたら良いかわからない場合は?

 知識確認は十分にできていて次のステップに進むことができる、という場合もあるでしょうが(その場合はもちろん問題演習に着手すればいいのですが)、ほとんどの場合は具体的な課題が分かっていないため「何からやればいいのか分からない」という状態なのではないかと思います。特に「得意科目でも苦手科目でもないけど、受験には要るからやらないといけない」という場合は、他の科目とのバランスも含めて何をどれくらいやればいいのか、というのが分かり辛くなるのかもしれません。

 しかし、今の自分に不足していることが何なのか、がはっきり分かれば、やるべきことも見えてくるはずです。こういう場合は客観的な視点から課題を指摘してもらうとよいでしょう。例えば医学部合格診断を使って現在の状況を分析してもらいましょう。もちろん「不足していること」を指摘されるのは精神的には苦しいことですが、これを克服した先にしか合格は見えてきません。自分の感覚と実際の状況が一致していないと、学習も遠回りになってしまいます。出来るだけ早い段階で自分の状態を把握して、必要な学習に取り組むことができるようにしていきましょう。

夏休みを有効活用して成績アップを狙おう

 夏休みは、知識を身につけた分の成績が伸びる期間でもあり、更に実験考察問題などの取り組みに向けての準備期間でもあります。この期間中に自分に合った学習を進めれば、秋以降の成績も伸びやすくなります。

 一方で、夏休みの勉強を何をしたら良いか、よくわからない人は、夏休みを無駄にしないためにも、京都医塾にご相談ください。

投稿者:廣瀬 希

  • 役職
    生物科統括/生物科講師
  • 講師歴・勤務歴
    11年
  • 出身大学
    京都大学大学院理学研究科
  • 特技・資格
    中高の理科教員免許所持
  • 趣味
    読書
  • 出身地
    岐阜県
  • お勧めの本
    ざんねんないきもの事典

受験生への一言
興味を持つこと、が理解に近づく第一歩です。いきものに興味を持って、生物の学習に取り組んでほしいです。